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不思議な 火鉢
不思議な 火鉢
むかし むかし 、 沖縄 に 、 と か しき ぺー クー と いう 、 とんち の 名人 が い ました 。
沖縄 は 冬 でも 暖かです が 、 この 年 の 冬 だけ は 特別に 寒くて 、 誰 も が 寒 さ に 震えて い ました 。
しかし ぺー クー は 火ばち を 持って いる ので 、 この 寒 さ でも 平気です 。
ある 日 の 事 、 村 の お 金持ち の 旦那 が ペークー の 家 に やって 来て 、 火ばち を 見つけ ました 。
「 ほ ほう 。
火ばち と は 、 珍しい 物 を お 持ち です な 」 旦那 は しきりに 火ばち を ながめて 、 とても 欲し そうに して い ます 。
それ を 見て 、 ペークー は 考え ました 。
( こいつ は うまく する と 、 旦那 に たか れる ぞ ) ペークー は 、 旦那 に 言い ました 。
「 よければ 、 火ばち を 差し上げ ましょう か ?
」 「 本当です か ?
」 「 ええ 、 もちろん です 。
ただ 、 この 火ばち は 不思議な 火ばち で 、 誰 に あげて も じきに 戻って 来る のです が 」 ペークー は 意味 あり げに 言い ました が 、 旦那 は それ に 気づき ませ ん 。
「 いや ー 、 この 寒 さ に 困って いた んだ 。
それでは 、 ありがたく いただき ます よ 」 旦那 が 火ばち を 持って 帰ろう と する と 、 ぺー クー が 言い ました 。
「 旦那 。
大事な 火ばち を あげた のです から 、 わたし が 遊び に 行った 時 に は 、 ごちそう して ください よ 」 「 もちろん です よ 。
ごちそう し ます から 、 いつでも 遊び に 来て ください 」 旦那 は そう 答える と 、 喜んで 帰り ました 。
さて 、 ぺー クー は その 日 から さっそく 、 旦那 の お 屋敷 へ 出かけ ました 。
「 おおっ 、 良く 来て くれた ね 。
まあ 、 ゆっくり して くれ 」 旦那 は 約束 通り 、 ペークー を お 酒 や 料理 で もてなし ました 。
しかし それ から 一 日 に 三 回 、 ご飯 の 時間 に なる と ペークー は 旦那 の お 屋敷 へ 出かけて 行って 、 飲んだり 食べたり する のです 。
これ に は さすが の 旦那 も 、 困って しまい ました 。
「 ペークー の やつ 、 遠慮 も せ ず に 毎日 毎日 来 や が って 。
このまま で は 、 屋敷 が つぶさ れて しまう ぞ 。
・・・ もったいない が 、 火ばち は ぺー クー に 返そう 」 旦那 は ぺー クー の 家 に 、 火ばち を 返し に 行き ました 。
すると ペークー は 、 わざとらしく 言い ました 。
「 本当に 、 この 火 び ち は 、 誰 に あげて も すぐ に 返って くる な 」
おしまい
不思議な 火鉢
ふしぎな|ひばち
不思議な 火鉢
ふしぎな|ひばち
むかし むかし 、 沖縄 に 、 と か しき ぺー クー と いう 、 とんち の 名人 が い ました 。
||おきなわ|||||ぺ -||||||めいじん|||
沖縄 は 冬 でも 暖かです が 、 この 年 の 冬 だけ は 特別に 寒くて 、 誰 も が 寒 さ に 震えて い ました 。
おきなわ||ふゆ||あたたかです|||とし||ふゆ|||とくべつに|さむくて|だれ|||さむ|||ふるえて||
しかし ぺー クー は 火ばち を 持って いる ので 、 この 寒 さ でも 平気です 。
|ぺ -|||ひばち||もって||||さむ|||へいきです
ある 日 の 事 、 村 の お 金持ち の 旦那 が ペークー の 家 に やって 来て 、 火ばち を 見つけ ました 。
|ひ||こと|むら|||かねもち||だんな||||いえ|||きて|ひばち||みつけ|
「 ほ ほう 。
火ばち と は 、 珍しい 物 を お 持ち です な 」 旦那 は しきりに 火ばち を ながめて 、 とても 欲し そうに して い ます 。
ひばち|||めずらしい|ぶつ|||もち|||だんな|||ひばち||||ほし|そう に|||
それ を 見て 、 ペークー は 考え ました 。
||みて|||かんがえ|
( こいつ は うまく する と 、 旦那 に たか れる ぞ ) ペークー は 、 旦那 に 言い ました 。
|||||だんな|||||||だんな||いい|
「 よければ 、 火ばち を 差し上げ ましょう か ?
|ひばち||さしあげ||
」 「 本当です か ?
ほんとうです|
」 「 ええ 、 もちろん です 。
ただ 、 この 火ばち は 不思議な 火ばち で 、 誰 に あげて も じきに 戻って 来る のです が 」 ペークー は 意味 あり げに 言い ました が 、 旦那 は それ に 気づき ませ ん 。
||ひばち||ふしぎな|ひばち||だれ|||||もどって|くる|||||いみ||げ に|いい|||だんな||||きづき||
「 いや ー 、 この 寒 さ に 困って いた んだ 。
|-||さむ|||こまって||
それでは 、 ありがたく いただき ます よ 」 旦那 が 火ばち を 持って 帰ろう と する と 、 ぺー クー が 言い ました 。
|||||だんな||ひばち||もって|かえろう||||ぺ -|||いい|
「 旦那 。
だんな
大事な 火ばち を あげた のです から 、 わたし が 遊び に 行った 時 に は 、 ごちそう して ください よ 」 「 もちろん です よ 。
だいじな|ひばち|||||||あそび||おこなった|じ|||||||||
ごちそう し ます から 、 いつでも 遊び に 来て ください 」 旦那 は そう 答える と 、 喜んで 帰り ました 。
|||||あそび||きて||だんな|||こたえる||よろこんで|かえり|
さて 、 ぺー クー は その 日 から さっそく 、 旦那 の お 屋敷 へ 出かけ ました 。
|ぺ -||||ひ|||だんな|||やしき||でかけ|
「 おおっ 、 良く 来て くれた ね 。
おお っ|よく|きて||
まあ 、 ゆっくり して くれ 」 旦那 は 約束 通り 、 ペークー を お 酒 や 料理 で もてなし ました 。
||||だんな||やくそく|とおり||||さけ||りょうり|||
しかし それ から 一 日 に 三 回 、 ご飯 の 時間 に なる と ペークー は 旦那 の お 屋敷 へ 出かけて 行って 、 飲んだり 食べたり する のです 。
|||ひと|ひ||みっ|かい|ごはん||じかん||||||だんな|||やしき||でかけて|おこなって|のんだり|たべたり||
これ に は さすが の 旦那 も 、 困って しまい ました 。
|||||だんな||こまって||
「 ペークー の やつ 、 遠慮 も せ ず に 毎日 毎日 来 や が って 。
|||えんりょ|||||まいにち|まいにち|らい|||
このまま で は 、 屋敷 が つぶさ れて しまう ぞ 。
|||やしき|||||
・・・ もったいない が 、 火ばち は ぺー クー に 返そう 」 旦那 は ぺー クー の 家 に 、 火ばち を 返し に 行き ました 。
||ひばち||ぺ -|||かえそう|だんな||ぺ -|||いえ||ひばち||かえし||いき|
すると ペークー は 、 わざとらしく 言い ました 。
||||いい|
「 本当に 、 この 火 び ち は 、 誰 に あげて も すぐ に 返って くる な 」
ほんとうに||ひ||||だれ||||||かえって||
おしまい