金 の ナスビ
きむ||
Gold Nasubi
Nasbi de oro.
Nasbi d'or.
金 の ナスビ
きむ||
||eggplant
Gold Nasubi
むかし むかし 、 ある 国 の 殿さま の もと に 、 美しい お きさき が いました 。
|||くに||とのさま||||うつくしい||||
Once upon a time, there was a beautiful queen in the home of a lord of a certain country.
Érase una vez una hermosa princesa en casa de un señor de cierto país.
お きさき は みごもって いました が 、 殿さま は まだ 知りません 。
|||み ご もって|||とのさま|||しりません
|||pregnant||||||
The queen was pregnant, but the lord did not know it yet.
ある 日 の 事 、 お きさき は 殿さま の ごはん の おぜん を 運ぶ とちゅう 、「 プッ 」 と 、 小さな おなら を して しまい ました 。
|ひ||こと||||とのさま||||お ぜん||はこぶ||ぷっ||ちいさな|お なら||||
|||||||||||meal|||||||||||
One day, while the queen was carrying the food for the lord, she let out a small fart.
すると 殿さま は 、 「 無礼 者 !
|とのさま||ぶれい|もの
Then the lord said, "Rude man!
お前 の ような 者 は 、 島流 じゃ !」 と 、 言って 、 お きさき を 遠く の 島 へ 流して しまった のです 。
おまえ|||もの||しま りゅう|||いって||||とおく||しま||ながして||の です
|||||exile|||||||||||||
You are not welcome here! and he sent Oyasaki away to a faraway island.
島流し に された お きさき は 、 男の子 を うんで 育てて 、 いつしか 十年 あまり が たちました 。
しまながし||||||おとこのこ|||そだてて||じゅう ねん|||
After being exiled to the island, Ogasawara spent more than ten years raising a baby boy.
ある日 、 お きさき は 子ども から 、 「 なあ 、 うち に は どうして 、 おとう が おら ん の ?」 と 、 たずね られて 、 島流 に さ れた わけ を 、 ありのままに 話しました 。
ある ひ||||こども|||||||お とう||||||||しま りゅう|||||||はなしました
One day, a child asked him, "Hey, why don't we have a father? He told the story as it was.
「 そう か 。おとう が 殿さま だ なんて 知ら なかった 。
||お とう||とのさま|||しら|
I didn't know he was a lord. I didn't know he was a lord.
・・・ よし 、 おら 、 殿さま に あって くる 」
||とのさま|||
All right, I'm going to see my lord.
男の子 は 何 か 考え で も ある の か 、 一人 で 舟 を こいで 海 を わたる と 、 お城 の 近く へ いって 、 ナスビ の なえ を 売り 歩きました 。
おとこのこ||なん||かんがえ||||||ひとり||ふね|||うみ||||お しろ||ちかく|||||||うり|あるきました
||||||||||||||rowing|||||||||||||||
The boy, perhaps with an idea in his mind, rowed his boat across the sea alone and went to a place near the castle, where he sold the seedpods of the eggplant.
「 えー 、 金 の ナスビ のなる なえ は 、 いら ん か なあ 」
|きむ|||||||||
"Well, don't you want the golden nasubi no nae?"
その 声 を 聞いて 、 殿さま は さっそく 男の子 を お城 に よぶ よう 、 家来 に 言いつけ ました 。
|こえ||きいて|とのさま|||おとこのこ||お しろ||||けらい||いいつけ|
Hearing his voice, the lord immediately asked his men to bring the boy to the castle.
「 金 の ナスビ が なる と は 、 実に めずらしい 。
きむ|||||||じつに|
It is very rare for a golden eggplant to grow.
全部 買って も よい が 、 その なえ は 、 だれ に でも 育て られる の かな ?」
ぜんぶ|かって||||||||||そだて|||
You can buy all of them, but can anyone grow the seed?"
殿さま が 男の子 に たずねる と 、 「 だれ に でも 、 と いう わけで は ありません 。
とのさま||おとこのこ|||||||||||
When the Lord asked the boy, he replied, "Not for everyone.
生まれて 一 度 も 、 おなら を した こと の ない 人 が 育てれば 、 それ は 見事な 金 の ナスビ が 出来 ます 」
うまれて|ひと|たび||お なら||||||じん||そだてれば|||みごとな|きむ||||でき|
If a person who has never farted in his life grows a baby, it will be a golden nasvi.
男の子 の 返事 に 、 殿さま は 怒って 、 「 バカ を 言う もの で は ない !
おとこのこ||へんじ||とのさま||いかって|ばか||いう||||
The boy's reply angered the lord and he said, "Don't be a fool!
この世 の どこ に 、 一 度 も へ を し ない もの が おる 。
このよ||||ひと|たび||||||||
Everywhere in this world there are people who never give up.
いいかげんな 物 を 売り 歩く と 、 ただ で は おかん ぞ !」
|ぶつ||うり|あるく||||||
|||||||||mother|
You'll get away with it if you keep peddling your nonsense!"
「 おや ?殿さま に うかがいます が 、 この 国 で は おなら を して も 、 罪 に は なら ない のです か ?」男の子 が たずね ました 。
|とのさま|||||くに|||お なら||||ざい|||||の です||おとこのこ|||
|||I will ask||||||||||||||||||||
"Oh? May I ask Your Highness, is it a crime to fart in this country?" The boy asked.
「 あたりまえじゃ !
It's obvious!
そんな 事 を 、 いちいち 罪 に して いた ので は 、 国 が なりたって ゆか ん 」
|こと|||ざい||||||くに||||
||||||||||||would not exist|would not|
A nation cannot survive if it is guilty of every single thing.
「 そう です か 。
I see.
けれど 、 わたし の 母 は 、 むかし 、 小さな おなら を ひとつ した だけ で 、 島流 に されました 。
|||はは|||ちいさな|お なら||ひと つ||||しま りゅう||さ れました
However, my mother was sent to the island once upon a time for farting.
それ を もう 、 お 忘れ でしょう か ?」
||||わすれ||
Have you forgotten that by now?"
「 なっ 、 なん じゃ と ・・・」
What? What the...
殿さま は ハッと して 、 男の子 を 見つめ ました 。
とのさま||はっと||おとこのこ||みつめ|
The lord looked at the boy with a huff.
よく 見る と 、 目 も 口元 も 、 自分 に そっくりです 。
|みる||め||くちもと||じぶん||
If you look closely, the eyes and mouth look just like yours.
「 する と 、 お前 は 、 もしや ・・・」 くわしい わけ を 聞く と 、 殿さま は 男の子 が わが 子 だ と わかり ました 。
||おまえ||||||きく||とのさま||おとこのこ|||こ||||
|||||detailed|||||||||my|||||
"Then, you might be..." Upon hearing the details, the lord realized that the boy was his child.
「 わし が 悪かった 。
||わるかった
"It was my fault.
つらい 思い を さ せて 、 すま なかった 。
|おもい|||||
painful||||||
I am sorry for all the hardships I have caused you.
すぐ に 、 妻 を 島 へ むかえ に いこう 」 殿さま は そう 言う と 、 ギュッと 、 わが 子 を だきしめ ました 。
||つま||しま|||||とのさま|||いう||ぎゅっと||こ|||
||||island||||||||||||||hugged|
Let's get my wife to the island right away," said the lord, and squeezed my child tightly.
おしまい