×
Wir verwenden Cookies, um LingQ zu verbessern. Mit dem Besuch der Seite erklärst du dich einverstanden mit unseren
Cookie-Richtlinien.
良寛
良 寛
ある 日 の 事 、 村 から 帰って きた 良 寛 は 、 お 寺 の 縁側 の 床 が ふくらんで いる 事 に 気づき ました 。
「 おや ?
どうした 事 だ ?
」 不思議に 思った 良 寬 が 床下 を のぞいて みる と 、 なんと 床下 から 一 本 の 竹の子 が 生えて いて 、 床 を 下 から 押して いる のでした 。
「 ああ 、 これ は 大変だ !
」 良 寬 は 急いで 物置 へ 行く と 、 のこぎり を 持って き ました 。
そして 、 その のこぎり で 竹の子 を 切る の か と 思えば 、 なんと 良 寬 は 竹の子 の 真 上 の 床 を 四角く 切り 抜いた のです 。
「 これ で よし 。
きゅうくつな 思い を さ せて すま なかった ね 。
さあ 、 竹の子 さん 。
遠慮 はいらん から 、 ず ん ず ん と 伸び なされよ 」 良 寬 と は 、 こんな 人物 だった のです 。
さて この 竹の子 は 、 それ から も 毎日 すくすく と 大きく なり ました 。
「 がんばれ 、 竹の子 さん 」 良 寛 は 、 毎日 大きく なる 竹の子 を 見て 大喜びです 。
でも その うち に 、 「 いや 、 これ は どうした もの かのう ?
」 何と 竹の子 は 、 天井 に 届く まで 大きく なって しまった のです 。
「 天井 を 切れば 雨 が もる し 、 かといって 、 竹の子 を 切る の も 可哀想だ 。
天井 と 竹の子 、 どっち が 大切 か と 言う と 」 ちょっと 考えた 良 寛 は 、 物置 から のこぎり と はしご を 持って くる と 、 竹の子 の 周り の 天井 を 四角く 切り 抜いて やった のです 。
「 さあ 、 もう 安心じゃ よ 。
竹の子 さん 、 がんばれよ 」 おかげ で 小さかった 竹の子 は 、 立派な 竹 に なり ました 。
でも 雨 が 降る と 天井 の 穴 から 水 が 入って きて 、 お 寺 の 床 は 水びたし に なって しまい ます 。
それ でも 良 寛 は 満足げに 、 「 なあ に 、 雨 で ぬれた 床 は 拭けば いい 。
それ より 竹 さん が 、 雨 を あびて 喜んで おる わ 」 と 、 言った そうです 。
おしまい
良寛
りょう ひろし
Ryoukan era (1238.11.23-1239.2.7)
良 寛
よ|ひろし
ある 日 の 事 、 村 から 帰って きた 良 寛 は 、 お 寺 の 縁側 の 床 が ふくらんで いる 事 に 気づき ました 。
|ひ||こと|むら||かえって||よ|ひろし|||てら||えんがわ||とこ||||こと||きづき|
「 おや ?
どうした 事 だ ?
|こと|
」 不思議に 思った 良 寬 が 床下 を のぞいて みる と 、 なんと 床下 から 一 本 の 竹の子 が 生えて いて 、 床 を 下 から 押して いる のでした 。
ふしぎに|おもった|よ|||ゆかした||||||ゆかした||ひと|ほん||たけ の こ||はえて||とこ||した||おして||
「 ああ 、 これ は 大変だ !
|||たいへんだ
」 良 寬 は 急いで 物置 へ 行く と 、 のこぎり を 持って き ました 。
よ|||いそいで|ものおき||いく||||もって||
そして 、 その のこぎり で 竹の子 を 切る の か と 思えば 、 なんと 良 寬 は 竹の子 の 真 上 の 床 を 四角く 切り 抜いた のです 。
||||たけ の こ||きる||||おもえば||よ|||たけ の こ||まこと|うえ||とこ||しかくく|きり|ぬいた|
「 これ で よし 。
きゅうくつな 思い を さ せて すま なかった ね 。
|おもい||||||
さあ 、 竹の子 さん 。
|たけ の こ|
遠慮 はいらん から 、 ず ん ず ん と 伸び なされよ 」 良 寬 と は 、 こんな 人物 だった のです 。
えんりょ||||||||のび||よ|||||じんぶつ||
さて この 竹の子 は 、 それ から も 毎日 すくすく と 大きく なり ました 。
||たけ の こ|||||まいにち|||おおきく||
「 がんばれ 、 竹の子 さん 」 良 寛 は 、 毎日 大きく なる 竹の子 を 見て 大喜びです 。
|たけ の こ||よ|ひろし||まいにち|おおきく||たけ の こ||みて|おおよろこびです
でも その うち に 、 「 いや 、 これ は どうした もの かのう ?
」 何と 竹の子 は 、 天井 に 届く まで 大きく なって しまった のです 。
なんと|たけ の こ||てんじょう||とどく||おおきく|||
「 天井 を 切れば 雨 が もる し 、 かといって 、 竹の子 を 切る の も 可哀想だ 。
てんじょう||きれば|あめ|||||たけ の こ||きる|||かわいそうだ
天井 と 竹の子 、 どっち が 大切 か と 言う と 」 ちょっと 考えた 良 寛 は 、 物置 から のこぎり と はしご を 持って くる と 、 竹の子 の 周り の 天井 を 四角く 切り 抜いて やった のです 。
てんじょう||たけ の こ|||たいせつ|||いう|||かんがえた|よ|ひろし||ものおき||||||もって|||たけ の こ||まわり||てんじょう||しかくく|きり|ぬいて||
「 さあ 、 もう 安心じゃ よ 。
||あんしんじゃ|
竹の子 さん 、 がんばれよ 」 おかげ で 小さかった 竹の子 は 、 立派な 竹 に なり ました 。
たけ の こ|||||ちいさかった|たけ の こ||りっぱな|たけ|||
でも 雨 が 降る と 天井 の 穴 から 水 が 入って きて 、 お 寺 の 床 は 水びたし に なって しまい ます 。
|あめ||ふる||てんじょう||あな||すい||はいって|||てら||とこ||みずびたし||||
それ でも 良 寛 は 満足げに 、 「 なあ に 、 雨 で ぬれた 床 は 拭けば いい 。
||よ|ひろし||まんぞくげに|||あめ|||とこ||ふけば|
それ より 竹 さん が 、 雨 を あびて 喜んで おる わ 」 と 、 言った そうです 。
||たけ|||あめ|||よろこんで||||いった|そう です
おしまい