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江戸小話, ますおとし

ます おとし

ます おとし

むかし は 、 よく 、 ます おとし と いう やり 方 で 、 ネズミ を 取った もの で ございます 。 これ は ます を ふせた 中 に え さ を 入れ 、 ふち に つっかい 棒 を して ネズミ が 入る ように して おき ます 。 ネズミ がえ さ を 食べ に 入る と 棒 が 倒れて 、 ネズミ の 上 に ます が かぶって 出 られ なく なる と いう 仕掛け です 。

ある 時 、 ます おとし に 、 ネズミ が 一 匹 かかり ました 。 尾 だけ が 、 ます の 外 に 見えて おり ます 。 「 それ っ 。 ネズミ が 取れた 」 と 、 言う ので 、 家 の 者 が みんな 寄って き ました 。 「 ほほ う 。 太い 尻尾 だ 。 この 太 さ なら 、 さぞ 大きな ネズミ だろう 」 と 、 主 が 言えば 、 そばから 女房 が 、 「 いいえ 。 いくら 尻尾 が 太い から と いって 、 ネズミ が 大きい と は かぎり ませ ん よ 。 この 中 の ネズミ は 、 小さい です よ 」 と 、 言えば 、 親父 も 負け じ と 、 「 いや 、 大きい 」 「 いや 、 小さい 」 「 い ー や 、 大きい 」 「 い ー や 、 小さい 」 と 、 大変な 言い争い に なり ました 。 それ を きいた ネズミ が 、 ます の 中 から 言い ました 。 「 チュウ ( 中 )、 チュウ ( 中 )」

おしまい


ます おとし

ます おとし

むかし は 、 よく 、 ます おとし と いう やり 方 で 、 ネズミ を 取った もの で ございます 。 ||||||||かた||ねずみ||とった||| これ は ます を ふせた 中 に え さ を 入れ 、 ふち に つっかい 棒 を して ネズミ が 入る ように して おき ます 。 |||||なか|||||いれ||||ぼう|||ねずみ||はいる|||| ネズミ がえ さ を 食べ に 入る と 棒 が 倒れて 、 ネズミ の 上 に ます が かぶって 出 られ なく なる と いう 仕掛け です 。 ねずみ||||たべ||はいる||ぼう||たおれて|ねずみ||うえ|||||だ||||||しかけ|

ある 時 、 ます おとし に 、 ネズミ が 一 匹 かかり ました 。 |じ||||ねずみ||ひと|ひき|| 尾 だけ が 、 ます の 外 に 見えて おり ます 。 お|||||がい||みえて|| 「 それ っ 。 ネズミ が 取れた 」 と 、 言う ので 、 家 の 者 が みんな 寄って き ました 。 ねずみ||とれた||いう||いえ||もの|||よって|| 「 ほほ う 。 太い 尻尾 だ 。 ふとい|しっぽ| この 太 さ なら 、 さぞ 大きな ネズミ だろう 」 と 、 主 が 言えば 、 そばから 女房 が 、 「 いいえ 。 |ふと||||おおきな|ねずみ|||おも||いえば||にょうぼう|| いくら 尻尾 が 太い から と いって 、 ネズミ が 大きい と は かぎり ませ ん よ 。 |しっぽ||ふとい||||ねずみ||おおきい|||||| この 中 の ネズミ は 、 小さい です よ 」 と 、 言えば 、 親父 も 負け じ と 、 「 いや 、 大きい 」 「 いや 、 小さい 」 「 い ー や 、 大きい 」 「 い ー や 、 小さい 」 と 、 大変な 言い争い に なり ました 。 |なか||ねずみ||ちいさい||||いえば|おやじ||まけ||||おおきい||ちいさい||-||おおきい||-||ちいさい||たいへんな|いいあらそい||| それ を きいた ネズミ が 、 ます の 中 から 言い ました 。 |||ねずみ||||なか||いい| 「 チュウ ( 中 )、 チュウ ( 中 )」 |なか||なか

おしまい