盾 の 勇者 の 成り 上がり 02 Chapter 03
三 話 フィーロ
翌日 の 昼 前 、 ラフタリア が 昨日 の 夜更かし の 所為 で 寝坊 し 、 やっと 起きた 。 魔法 書 片手 に うん うん 唸って いた から な 。 俺 ? 薬草 を 煎じて 薬 に して いた 。
寝坊 の 分 も 取り戻す ため に 出かける 準備 を して いる と 。
「 あ 、 孵 る みたいです よ 」
宿 の 部屋 の 窓際 に 置いて おいた 、 昨日 買った 卵 に 亀裂 が 入って いる の を ラフタリア が 気付いた 。
何 か 生物 の 毛 の ような 、 羽 の ような 柔らかい 物体 が 隙間 から 覗いて いる 。
「 そう か 」
何 が 生まれる の か 興味 が ある 。 ヒビ が 入った 卵 を 見 に 行く 。
ピキピキ と 卵 の 亀裂 は 広がり 、 パリン と 音 を 立てて 、 中 から 魔物 の 赤ん坊 が 顔 を 出した 。
「 ピイ ! ふわふわ の 羽毛 、 頭 に 卵 の 欠 片 を 乗っけた ピンク 色 の ヒヨコ みたいな 魔物 と 俺 の 視線 が 合う 。
「 ピイ ! 元気 良く 跳躍 し 、 俺 の 顔 に ぶつかった 。 全然 痛く なかった けど 、 生まれた ばかりだ と いう のに 元気 そうな 魔物 だ 。 「 これ は 何の 魔物 だ ? 鳥 系 と いう こと は ピキュピキュ か ? ピキュピキュ は あまり 高く 飛べ ない デフォルメ さ れた コンドル の ような 魔物 だ 。 それ の 幼 生体 と か なら 納得 が いく 姿 を して いる 。 バルーン など と 比べる と 体 は 俊 敏 で 攻撃 も クチバシ が ある ので 成長 すれば 期待 は できる 。
「 うーん …… 私 も 魔物 に 詳しい わけじゃ ない です から 」
ラフタリア も 困り 顔 で 答えた 。
「 しょうがない 。 村 の 連中 に 聞いて みる か 」
魔物 商 の 扱って いる 魔物 な のだ から 、 そこ まで 危険な 魔物 で は ない だろう 。 聞けば 答えて くれる かも しれ ない 。 俺 が 魔物 の 雛 に 手 を 伸ばす と 、 雛 は 俺 の 手 に 乗っかり 肩 まで 駆け上って 跳躍 し 、 頭 に 到達 する 。
「 ピイイイ 」
スリスリ と 頬擦り を して いる 。 なんか …… 可愛らしい 態度 だ な 。
「 ふ ふ 、 ナオフミ 様 を 親 だ と 思って いる のです よ 」
「 まあ 刷り込み だろう な 」
事前 に 登録 を して ある し 、 初めて 見る 動く 相手 が 俺 だった から 、 親 と 思って いる のだろう 。
卵 の 欠 片 を 片付けよう と する と 盾 が 反応 した 。 よくよく 考えて みれば 、 盾 に 卵 の 欠 片 を 吸わ せれば 何の 魔物 か わかる かも しれ ない 。 と いう こと で 、 卵 の 欠 片 を 盾 に 吸わ せて みた 。
魔物 使い の 盾 の 条件 が 解放 さ れました 。 魔物 の 卵 の 盾 の 条件 が 解放 さ れました 。 魔物 使い の 盾
能力 未 解放 …… 装備 ボーナス 、 魔物 成長 補正 ( 小 )
魔物 の 卵 の 盾
能力 未 解放 …… 装備 ボーナス 、 料理 技能 2
…… なんか 予想 と は 違う 盾 が 出た 。 でも 便利 そう だ から 解放 中 だった 奴隷 使い の 盾 Ⅱ から 魔物 使い の 盾 に 変化 さ せる 。
「 何 か わかりました ? 「 いや 、 別の 盾 が 出て わから なかった 」
結局 、 この 雛 は 何の 魔物 な のだろう か 。 村 の 奴 等 が 知っている と ありがたい のだ が 。
復興 中 の 村 の 中 を 歩き ながら 、 今日 は どこ で Lv を 上げる か 考える 。
やはり 妥当な ライン は 村 の 西部 に ある 沼地 辺り だろう か ? 前回 は 北西 部 の 山 を 探索 した ので 、 それ 以外 の 手頃な 魔物 が 居る 場所 を 探したい 。 と いう ところ で 村人 と 顔 を 合わせる 。
「 あ 、 盾 の 勇者 様 」
「 おはよう 」
「 おはよう ございます 」
ここ に は 一 週間 くらい 居た から な 。 波 で 守った こと も あって 、 顔馴染み は 結構 多い 。
深々と 頭 を 下げられて しまった 。 なんか 恥ずかしい 気持ち に なって くる 。
「 ピイ ! 頭 の 雛 が 元気 良く 鳴く 。
「 おや ? 村人 が 俺 の 頭 に 乗っかって いる 雛 に 目 を 向ける 。
「 どうした ん です か ? 雛 を 指差して 訪ねる 。
「 魔物 商 から 卵 を 買って ね 」
「 ああ 、 なるほど 」
「 この 魔物 が 何か知ら ない か ? 村人 は 雛 を マジマジ と 見つめる 。
「 そう です ねぇ …… たぶん 、 フィロリアル の 雛 だ と 思います よ ? 「 あの 馬車 を 引く 鳥 か ? それ なら 元 の 金額 より 高い から 若干 お 得だった こと に なる のだ が …… まあ 、 村人 の 話 が 本当 なら の 話 だ けど 。
「 ええ 、 なんなら 村 の 外れ に 牧場 が あります から 見て もらう と 良い です よ 」 「 じゃあ 行って みる よ 」 俺 は ラフタリア と 一緒に その 牧場 を 経営 して いる 奴 の 家 に 顔 を 出す 。 牧場 は 波 の 被害 を 結構 受けて いて 、 飼育 して いた 魔物 が 半分 くらい 死んで しまって いた らしい 。
「 と 言う わけで 、 この 魔物 は フィロリアル で あって いる の か ? 牧場 主 に 聞く と 、 頷か れる 。
「 そう です ね 。 見た 感じ 、 フィロリアル の 雌 です ねぇ 」
雛 を 持ち 、 マジマジ と 鑑定 し ながら 牧場 主 は 言った 。
「 品種 は よく ある 種類 フィロアリア 種 で 、 荷車 を 引か ない と 落ち着か ない 生態 を 持って います 」 「…… それ は 生き物 と して どう な んだ ? 「 何 か おかしい ところ でも ? ああ 、 この 世界 で 生まれた 時 から 当たり前の ように 生活 して いたら 不思議 と か 思わ ない か 。
う ー む …… 大方 、 卵 と か 巣 など 守ら ない と いけない 対象 物 を 便利に 運べる 荷車 の ような 何 か を 使って 守る 生態 と か が ある のだろう 。
「 ま 、 外れ で は なく 割 と 当たりって ところ か 」 成体 が 銀貨 二〇〇 枚 の 魔物 を 一〇〇 枚 で 買えた と 考えれば 悪く は ない 。 「 ピイ ! フィロリアル の 雛 は 俺 の 頭 の 上 で 鳴いた 。
「 コイツ は 何 を 食う んだ ? 「 最初 は 豆 を 煮 溶かした 柔らかい 物 です ね 。 大きく なる と 雑 食 です から 何でも 食べます よ 」 「 なるほど 、 ありがとう 」 自分 でも 驚く ほど すんなり 礼 が 言えた 。 正直 、 今 まで は この 世界 の 連中 は 全て 敵 だ と 考えて いた から だ 。 もしかしたら 、 城 で の 一 件 …… ラフタリア に 救わ れた おかげ で 心 に 余裕 が 出て きた の かも しれ ない 。
とりあえず 、 村 で 売って いる 煮豆 辺り で 良い らしい 。
「 名前 は どう します か ? ラフタリア が 雛 を 撫で ながら 聞いて くる 。
「 売る かも しれ ない ペット に 名前 を 付ける の か ? こういう のって 、 名前 を 付ける と 愛着 が 湧いて 売れ なく なる と 聞く 。 「 ずっと 雛 ちゃん と か フィロリアルって 呼ぶ んです か ? 「 む ……」
それ は 確かに 面倒くさい 。
「 じゃあ …… そう だ な 、 フィーロ と でも 呼ぶ か 」
「…… 安直です ね 」
「 ほっとけ 」
「 ピイ ! 名前 を つけられた の を 理解 した の か 、 雛 は 機嫌 よく 鳴いた 。 礼 を 言った 後 、 俺 達 は フィーロ 用 の エサ を 買い 、 ついでに 朝 昼 兼用 の 食事 を 取って から 出かけた 。
「 今日 は どこ へ いきます か ? 「 ピイ ? 「 そう だ なぁ …… どこ が 良い 狩場 な の か まだ 知ら ない から 自分 の 足 で 探す しか ないだ ろ 。 いつも 通り に 行く ぞ 」
「 はい 」
ラフタリア が 頼り に なって いる から 、 前 より は 戦い やすく なって いる はずだ 。
フィーロ は 俺 の 頭 の 上 で ピイピイ 鳴いて いた 。 騒がしい が 、 ちょっと 心地よい 。
「 デカ ! カエル でっか ! リユート 村 の 西 に ある 小さな 湿地 帯 で 今日 は 魔物 を 倒す こと に した のだ が 、 初めて 会う 魔物 に 俺 は 驚き を 隠せ なかった 。
いや 、 ゲーム と か だ と 大きな カエル と か そういった 化け物 と 遭遇 する けど 現実 で 見る と 驚く だ ろ 。
俺 の 腰 くらい まで ある 大き さ の カエル 、 ビッグフロッグ と 遭遇 して 、 思わず 叫んで しまった 。
「 では 行きます ね ! 「 あ ! まて ラフタリア ! 俺 が ビッグフロッグ の 足 を 止める 前 に ラフタリア が 前 に 出る 。
打ち合わせ で は 基本 的に 俺 が 先行 する と 決めて いた 。 ネット ゲーム と か だ と 知ら ない 魔物 と の 不用意な 接近 は 危険 を 招く 。 俺 達 より も 格 上 の 強力な 魔物 である かも しれ ない から だ 。
そう なったら 怪我 で は 済まない 。 最悪 、 命 を もって ツケ を 支払う こと に なって しまう 。
「 てい ! ラフタリア は 俺 の 制止 を 振り切って 先 に ビッグフロッグ に 剣 で 切り 掛かった 。
ビッグフロッグ は ラフタリア の 攻撃 に 興奮 した ように 叫び声 を 上げる 。
チッ ! 一体 どうした と 言う んだろう か ? 俺 が 先行 して 動き を 止めて から 攻撃 する と いう 作戦 を 忘れて しまった の か ?
ビッグフロッグ が 頬 を 大きく 膨らまし 、 ラフタリア に 向けて 尖った 舌 を 射 出 する 。
「 危ない ! 俺 は 咄嗟に 前 に 出て ビッグフロッグ の 攻撃 を 受け止める 。
ラフタリア に 怪我 を さ せる わけに は いか ない 。
「 ピイ ! フィーロ が 俺 の 頭 の 上 で 興奮 して いる の か 、 シャドー ボクシング よろしく 暴れ まわる 。
「 とにかく 動き を 止める から 落ち着け ! 「 ですが ──」
「 いい から ! 何 だろう か 、 ラフタリア と の 呼吸 が 合わ ない 。 波 以前 は そんな ズレ を 感じた こと は 一 度 も なかった のに 、 これ は どういう 事 だろう か 。
ラフタリア に 怪我 なんて さ せたら 、 死んで しまった ラフタリア の 両親 に 申し訳 が 立た ない と いう のに 。 俺 は ラフタリア の 親 代わり に なる と 決めた んだ 。
ビッグフロッグ が 俺 に ターゲット を 移して 舌 を 再 発射 した 。
よし ! 俺 は その 舌 を 無理やり 掴む 。 ガキン と 掴んだ 手 から 音 が した 。
「 今 だ ! 「…… わかりました ! 待ってました と 言わんばかり に ラフタリア は 目 を 白黒 さ せる ビッグフロッグ に 剣 で 切り 掛かる 。 アッサリ と ビッグフロッグ は 絶命 し 、 俺 達 に 経験 値 が 入った 。
ふむ …… ヤマアラ より は 高い ようだ 。
「 ふう ……」
ラフタリア は なんとなく 不満 そうに 俺 の 顔 を 見て いる 。 これ は やる 気 が 先行 して いる んだ な 。 注意 し ない と な 。 こういう 時 こそ 慢心 が 生まれて 大怪我 を して しまう んだ 。
「 ラフタリア 、 できる 限り 注意 して 行こう 」
「 ですが 次の 波 まで 時間 が ない で すよ ? 一 匹 でも 多く 魔物 を 倒し 、 強く なりたい です ! 「 一 ヶ月 半 も ある んだ 。 無理 を して 戦え なく なる より は 良い だ ろ 」
「…… そうです ね 。 ですが 私 は もっと 、 強く なりたい のです ! 一応 納得 は して くれた 、 か ?
俺 は 他の 勇者 共 みたいに 、 弱い 魔物 が 生息 して いる 場所 を 知ら ない 。 だから 地道に 魔物 を 倒して いく しか ない のだ 。
「 グゲエエエエ ! な !? おかしな 鳴き声 に 振り返る と 、 ビッグフロッグ を 二 倍 に した ような 、 紫色 の ビッグフロッグ と 灰色 の サンショウウオ みたいな 魔物 が こっち に 向かって 来て いる の が 見えて くる 。
「 ピイ ! フィーロ が また も 俺 の 頭 の 上 で 戦闘 態勢 を 取って いる 。
お前 は 戦力 外 だ 。 そんな 所 に いられる と 迷惑だ から と 、 鎧 の 内側 に 押し込む 。 「 ピ ──」
「 行きます ! 「 ダメだ ! 俺 が 前 に 出て 行く ! 「 ナオフミ 様 が 怪我 を したら どう する のです か !? 私 を 戦わ せる ため に 買った ので は ない のです か ? 「 俺 が 怪我 を する ほど の 相手 なら ラフタリア は もっと 酷 い 怪我 を する 。 そんな 真似 させる ため に 買った わけじゃ ない んだ ! 最初 は そう だった けど 今 は 違う …… もっと 自分 を 大事に して くれ 」
「 ナオフミ 様 ……」
と 、 俺 は 目の前 の 敵 、 アメジストビッグフロッグ と グレーウーパル を 相手 に 盾 を 構えて 走り出した 。 幸いに して 俺 の 防御 力 を 突破 する こと の できる 攻撃 で は ない 。 ただ 、 見た 感じ 毒っぽい 粘液 を ぶつけて きた ので 盾 を 使い 、 弾いて 受け流した 。 「 よし ! 「 はい ! ラフタリア の 剣 が 二 匹 の 魔物 を 突き刺したり 、 斬り 付けたり する と アッサリ と 魔物 を 倒す こと が できた 。 おそらく 新調 した 武器 の お陰 だろう 。 鎧 も 期待 より も 優秀だ し 、 親父 に 感謝 だ 。
一応 魔物 を 解体 して 盾 に 吸わ せる 。
カエル の 肉 は …… なんか 不 味 そうだ し 、 毒 も あり そうだ から 売れ ない な
「 ピイ ! 鎧 の 隙間 から フィーロ が 這い 出て 来て 、 魔物 の 死骸 の 上 で 勝利 の ポーズ を 取る 。
お前 は 何も して ないだ ろ と 言い たく なった が 、 かわいい 盛り だ から 許す と しよう 。
今日 は 思いのほか 魔物 と の 遭遇 が 多く 、 しかも 効率 的に 倒して 回れた 。
やがて 夕方 に 差し掛かった 頃 、 さすが の 俺 も フィーロ の 異変 に 気 が 付いた 。
その 日 の 結果 は こう だ 。
俺 Lv 23
ラフタリア Lv 27
フィーロ Lv 12
フィーロ は 碌 に 戦って い なかった の に 経験 値 が 入って Lv が 急 上昇 して おり 、 外見 が 目に見えて 変化 して いた 。
それ は 良い 。 幼い 亜人 は Lv が 上がる と 肉体 が 急 成長 する と 聞いて いた し 、 魔物 も 同じ 理屈 で 育ち が 早く なる のだろう 。
ただ …… なぁ ……。
小さな ヒヨコ みたいだった フィーロ が 今では 両手 で 抱えて 持って も 重い ほど に 大きく 成長 し 、 なんて いう か 、 丸くて 、 饅頭 みたいな 体形 に なって いる 。 そして パラパラ と 羽根 が 生え 変わり 、 色 も 淡い ピンク から 桃色 に 変化 して いた 。
徐 おもむろに 羽根 を 吸って みる 。
魔物 使い の 盾 Ⅱ の 条件 が 解放 さ れました 。 魔物 使い の 盾 Ⅱ
能力 未 解放 …… 装備 ボーナス 、 魔物 ステータス 補正 ( 小 )
さすが に ラフタリア の 成長 に 気付か ない 俺 だって わかる ほど の 変化 だ 。
「 ピヨ 」
鳴き 方 まで 変わって いる 。 重い から と 降ろしたら 自分 で トコトコ と 歩き 出した 。
ぐう う う ……。
先ほど から ずっと フィーロ より 聞こえて くる 音 に 嫌な 予感 が ヒシヒシ と する 。 一応 多 めに エサ を 買って おいた んだ けど 、 とっくに 底 を 尽き 、 雑 食 らしい ので 道端 の 野草 と か 牧草っぽい もの を 与えて いる 。 食わせて も 食わせて も 尽き ぬ 食欲 …… これ は 急 成長 の 証 な んだろう な 。
「 あの …… ナオフミ 様 ……」
「 わかって る 。 魔物って 凄い な 」 一 日 で こんなに 成長 する と は …… これ なら 足代 わりに なる の も 時間 の 問題 だ 。 期待 を する の は 良い が 、 体 だけ デカ く て 精神 が 未熟な 魔物 に なり そうで 怖い 。 だから かなり 厳しい 制限 を 施して おいた 。
宿 に 戻った 俺 は 店主 に フィーロ を 見せ 、 どこ で 寝か せれば 良い か と 尋ねる 。 すると 宿 の 馬 小屋 に 案内 さ れ 、 藁 を 巣 の 代わり に さ せて 寝か せる こと に なった 。
「 ん ? ここ に は キメラ の 肉 と 骨 が 置いて ある んだ な 」
まだ 腐敗 して いない ところ を 見る に 、 持ち は 良い の か 。 それとも 異 界 の 化け物 だ から 腐ら ない と か ?
「 とりあえず 、 加工 し やすい ように 吊るして 柔らかく なる の を 待って いる のです よ 」
「 へ ー ……」
食用 じゃ ない だろう に 、 一応 扱い やすい ように 加工 する の か 。
「 それ から 燻製 や 干し 肉 に し まして 、 購入 者 を 募ろう と 思って おります 。 今 でも 欲しい 方 に は 売って います 」 「 良い んじゃ ない か ? 結構 大きな キメラ だった ので まだ 在庫 は 結構 ある ようだ 。 牛 二 頭 分 くらい は ある だろう か 。 食用 に する に は 厳しい し 、 かといって 研究 資料 に 持っていく に は 多い 。
「 ピヨ 」
ぐう う ……。
まだ 腹 が 減って いる の か 。 村 で 追加 の エサ を 貰って 与えて いた んだ が 、 あっという間 に 平らげて しまった 。 あの 体 の どこ に 入って いる んだろう か ……。
ビキ …… ビキビキ ……
骨 と 肉 が 軋む 音 ? まだ 成長 して いる の か ?
「 一 日 で ここ まで 育てる なんて …… かなり の ご 無理 を なさった ので は ? 店主 が 心配 そうに 俺 の 顔 を 見る 。
「 まだ 、 Lv 12 な んだ が な 」
「 へ ? Lv 12? 俺 の 答え に 、 店主 は フィーロ を 見て 驚く 。
「 生後 数 日 で ここ まで 育つ に は Lv 20 以上 必要だった と 思う のです が 、 さすが は 勇者 様 の 力 です ね 」
ん ー …… まあ 成長 補正 ( 小 ) が ある し 、 影響 を 及ぼして いる 可能 性 は 否定 でき ない な 。 ステータス を 確認 する と 、 見る 度 に 変動 する 。 成長 中 なんだろう 。
「 ピヨ ! 元気に 鳴いて いる フィーロ に 、 スクスク と 育て と 思う 。
フィーロ の 頭 を 撫で 、 寝息 を 立てる の を 確認 する と 俺 は ラフタリア と 部屋 に 戻った 。 その後 は この 世界 の 文字 を 覚える ため に 勉強 を する 。 やる こと が 多くて 困る 。