Re ：ゼロ から 始める 異 世界 生活 (19) re|||はじめる|い|せかい|せいかつ

（ クルシュ ･ カルステン ） 何 だ と ？ ||なん||

（ ナツキ ･ スバル ） じゃあ もう 一 度 言う ぜ |すばる|||ひと|たび|いう|

エミリア 陣営 と クルシュ 陣営 の 対等 な 条件 で の 同盟 |じんえい|||じんえい||たいとう||じょうけん|||どうめい

その ため に こちら が 差し出す 情報 は ― |||||さしだす|じょうほう|

白 鯨 の 出現 時間 と 場所 それ が 俺 の 切れる カード だ しろ|くじら||しゅつげん|じかん||ばしょ|||おれ||きれる|かーど|

♪ ～

～ ♪

（ レム ） 魔女 教 ？ |まじょ|きょう

（ スバル ） ああ すばる|

奴 ら が エミリア を 狙って 動き出し てる やつ|||||ねらって|うごきだし|

確か に その 可能 性 は ロズワール 様 も 危ぶま れ て い まし た たしか|||かのう|せい|||さま||あやぶま|||||

（ スバル ） 俺 は それ を 止め たい で も 戦 力 が 足りない ん だ すばる|おれ||||とどめ||||いくさ|ちから||たりない||

これ から なんとか 交渉 し て かき集め なきゃ なら ない |||こうしょう|||かきあつめ|||

力 を 貸し て くれる か ちから||かし|||

（ ヴィルヘルム ･ ヴァン ･ アスト レア ） 白 鯨 … ||||しろ|くじら

（ スバル ） あ … すばる|

（ ヴィルヘルム ） ハアー

大変 失礼 を いたし まし た 私 も まだまだ 未熟 です な たいへん|しつれい|||||わたくし|||みじゅく||

それ で ？ 白 鯨 と は ― ||しろ|くじら||

また いささか 唐突 な 単語 が 出 て き た な ||とうとつ||たんご||だ||||

そう で も ねえ さ

同盟 を 結ぶ に あたって ― どうめい||むすぶ||

こっち が 提示 し た ロズワール の 領地 に ある ― ||ていじ|||||りょうち||

エリ オール 大 森林 の 魔 鉱石 |おーる|だい|しんりん||ま|こうせき

その 採掘 権 の １ 部 じゃ 割に 合わ ない って ん なら ― |さいくつ|けん||ぶ||わりに|あわ||||

あと １ 歩 そっち の 背中 を 押さ なきゃ なら ない し ― |ふ|||せなか||おさ||||

クルシュ さん あんた が 計画 し て いる 白 鯨 の 討伐 に ― ||||けいかく||||しろ|くじら||とうばつ|

俺 の 情報 は 絶対 に 役立つ はず だ おれ||じょうほう||ぜったい||やくだつ||

（ クルシュ ） １ つ 考え を 聞こ う ナツキ ･ スバル ||かんがえ||ききこ|||すばる

その 発想 は どこ から 出 て き た |はっそう||||だ|||

言い掛かり で は 済ま さ れ ない たぐい の 発言 だ ぞ いいがかり|||すま||||||はつげん||

ここ 何 日 か で いく つ か 引っ掛かった ん だ よ |なん|ひ||||||ひっかかった|||

まず 屋敷 の 出入り の 多 さ だ |やしき||でいり||おお||

ちょっと ばか し 人 と 物 の 出入り が 過剰 だ |||じん||ぶつ||でいり||かじょう|

それ から 武器 と 防 具 を ― ||ぶき||ふせ|つぶさ|

クルシュ さん が 買い 集め てる って の も 王 都 で 聞い た |||かい|あつめ|||||おう|と||ききい|

おまけに ―

（ ラッセル ･ フェロー ） この たび の クルシュ 様 の 狙い が なる の で あれ ば ― ||||||さま||ねらい||||||

ヴィルヘルム 殿 に とって も 悲願 と なり ま しょ う |しんがり||||ひがん|||||

（ スバル ） クルシュ さん が 何 か で かい こと を 企 ( たくら ) ん でる って こと も すばる||||なん||||||たくら||||||

確証 が ある わけ じゃ ない ん だ かくしょう|||||||

近い うち に 白 鯨 が 現れる って 俺 が 知って る から ― ちかい|||しろ|くじら||あらわれる||おれ||しって||

関連付け ち まっ てる だけ かも しれ ねえ が かんれんづけ||||||||

（ クルシュ ） もう １ つ 問 お う ナツキ ･ スバル |||とい||||すばる

卿 ( けい ) が 白 鯨 が 現れる と 知って いる その 根拠 は きょう|||しろ|くじら||あらわれる||しって|||こんきょ|

（ スバル ） これ だ よ すばる|||

これ は 一体 何 だ ？ ||いったい|なん|

（ スバル ） あの 時 あの 直前 すばる||じ||ちょくぜん

（ スバル ） いわゆる ミー ティア って やつで な すばる||||||

そい つ が 白 鯨 が 現れる 時間 と 場所 を 教え て くれる |||しろ|くじら||あらわれる|じかん||ばしょ||おしえ||

にわか に は 信じ 難い が |||しんじ|かたい|

ウソ は 言って い ない な うそ||いって|||

その 判断 は ありがたい けど ― |はんだん|||

いい の か よ そんな あっさり

（ フェリックス ･ アーガイル ） クルシュ 様 に ウソ は 通用 し に ゃ い の |||さま||うそ||つうよう|||||

風見 の 加護 が つい てる から ね かざみ||かご|||||

（ スバル ） ん … 何て ？ すばる||なんて

ウソ 偽り を 口 に する 者 の もと に は そう いう 風 が 吹く もの だ うそ|いつわり||くち|||もの|||||||かぜ||ふく||

私 に は それ が 見える わたくし|||||みえる

卿 に は それ が 一切 なかった きょう|||||いっさい|

なら 白 鯨 の 情報 を もと に ― |しろ|くじら||じょうほう|||

同盟 を 認め て くれる って こと で いい の か どうめい||みとめ||||||||

それ は 早計 だ ナツキ ･ スバル ||そうけい|||すばる

同盟 を 結ぶ か どう か と ― どうめい||むすぶ||||

その 情報 を 信じる 信じ ない は 別個 の 問題 だ |じょうほう||しんじる|しんじ|||べっこ||もんだい|

事 は 王 選 の ― こと||おう|せん|

あるいは 王国 の 未来 を 左右 する 判断 だ |おうこく||みらい||さゆう||はんだん|

軽はずみ に は 行 え まい かるはずみ|||ぎょう||

（ アナスタシア ･ ホー シン ） その お 話 うち ら も 聞か せ て もらって ええ ？ |||||はなし||||きか||||

（ ラッセル ） 失礼 いたし ます |しつれい||

（ クルシュ ） アナスタシア ･ ホー シン ラッセル ･ フェロー

なん や 呼び出さ れ た から 来 た のに ― ||よびださ||||らい||

先 に お 話 進め てる なんて ズル いや ない の さき|||はなし|すすめ||||||

うち ら も 混ぜ た って |||まぜ||

呼び出さ れ た と いう こと は 卿 ら を 呼 ん だ の は ナツキ ･ スバル か よびださ|||||||きょう|||よ||||||すばる|

正確 に は ここ の お 付き の 女の子 に や ね せいかく||||||つき||おんなのこ|||

おおまか に しか 聞い て へん けど ― |||ききい|||

白 鯨 の 討伐 ホンマ やったら 大いに 期待 する わ しろ|くじら||とうばつ|||おおいに|きたい||

うち ら 商人 に とって ― ||しょうにん||

白 鯨 の おる おら ん は 死活 問題 や から しろ|くじら||||||しかつ|もんだい||

もちろん うち の 傭 ( よう ) 兵 団 も 手 貸す よ |||よう||つわもの|だん||て|かす|

私 は 白 鯨 の 件 も そう な の です が ― わたくし||しろ|くじら||けん||||||

ナツキ 殿 から 提案 さ れ た ― |しんがり||ていあん|||

魔 鉱石 の 採掘 権 の 割譲 に 興味 が あり まし て ま|こうせき||さいくつ|けん||かつじょう||きょうみ||||

もし 同盟 が 結ば れ れ ば クルシュ 様 を 通じ て ― |どうめい||むすば|||||さま||つうじ|

手つかず の 鉱脈 の 魔 石 が 王 都 に 流れる こと に なり ます てつかず||こうみゃく||ま|いし||おう|と||ながれる||||

王 都 の 商業 組合 の 代表 と し て は 聞き逃 せ ませ ん おう|と||しょうぎょう|くみあい||だいひょう|||||ききのが|||

卿 も ナツキ ･ スバル に ？ きょう|||すばる|

改めて 言う あらためて|いう

同盟 に 際し て こっち から 出 せる の は ― どうめい||さいし||||だ|||

魔 鉱石 の 採掘 権 の １ 部 と 白 鯨 出現 の 時間 と 場所 の 情報 ま|こうせき||さいくつ|けん||ぶ||しろ|くじら|しゅつげん||じかん||ばしょ||じょうほう

つまり 長い こと 世界 を 脅かし て き た 魔 獣 の 討伐 |ながい||せかい||おびやかし||||ま|けだもの||とうばつ

その 栄誉 だ |えいよ|

俺 の 言葉 が 的外れ で ― おれ||ことば||まとはずれ|

意味 が さっぱり って ん なら 切り捨て て くれ いみ||||||きりすて||

けど もし あんた の 狙い と 俺 の 望み が かち合う なら ― ||||ねらい||おれ||のぞみ||かちあう|

白 鯨 を 討伐 しよ う しろ|くじら||とうばつ||

一 狩り いこ う ぜ ひと|かり|||

ハア …

いくらか 疑問 の 余地 は ある が ― |ぎもん||よち|||

こちら の 思惑 を 見抜 い た の は 見事 だった ||おもわく||みぬ|||||みごと|

それ じゃあ

（ クルシュ ） 疑問 は ある 疑念 も ある |ぎもん|||ぎねん||

腑 ( ふ ) に 落ち ない 点 も 多く 即座 に うなずく の は 難しい ふ|||おち||てん||おおく|そくざ|||||むずかしい

だが ―

この 状況 を 作った 卿 の 意気 と この 目 を 信じる こと に しよ う |じょうきょう||つくった|きょう||いき|||め||しんじる||||

交渉 は 成立 です ね こうしょう||せいりつ||

（ スバル ） ダアー すばる|

（ ラッセル ） 何 度 か ひやひや さ せ られ まし た が 何より です ナツキ 殿 |なん|たび|||||||||なにより|||しんがり

交渉 の 前 の お 約束 は 確か に こうしょう||ぜん|||やくそく||たしか|

ああ 助かった よ ラッセル さん |たすかった|||

討伐 が 済 ん だ ら ミー ティア は あんた に 譲る さ とうばつ||す|||||||||ゆずる|

ハア … やはり 根回し し て い た か ||ねまわし|||||

扉 の 前 で 入る 機会 を うかがって い た な ？ とびら||ぜん||はいる|きかい|||||

いつ 割り込む か は うち ら 任せ やった けど ね |わりこむ|||||まかせ|||

まあ 交渉 と し て は ギリギリ 及第 点 と 違う ？ |こうしょう|||||ぎりぎり|きゅうだい|てん||ちがう

遅 ( おせ ) えん だ よ おそ||||

最後 まで 入って こね え ん じゃ ねえ か と 思った よ さいご||はいって||||||||おもった|

交渉 に は 押し 時 って の が ある ん よ こうしょう|||おし|じ||||||

じゃあ 討伐 の 準備 その ほか もろもろ ― |とうばつ||じゅんび|||

ホー シン 商会 を ひいき に し た って な ||しょうかい|||||||

交渉 以前 に 道 は 整え て い た … か こうしょう|いぜん||どう||ととのえ||||

存外 食え ない 男 だ な ナツキ ･ スバル ぞんがい|くえ||おとこ||||すばる

（ スバル ） 予習 復習 が うまく は まった って だけ だ よ すばる|よしゅう|ふくしゅう||||||||

ぶっちゃ け 心底 ほっと し てる ぜ 俺 ||しんそこ|||||おれ

まあ それ は 見 れ ば 分かる けど ね ー |||み|||わかる|||-

アッハハハ ハハハ …

何とか 王 都 に 残った 面目 は 保 て た だ ろ レム なんとか|おう|と||のこった|めんぼく||たもつ|||||

はい さすが スバル くん は ステキ です ||すばる|||すてき|

（ ヴィルヘルム ） スバル 殿 |すばる|しんがり

感謝 を かんしゃ|

え ？

我が 主君 ― わが|しゅくん

クルシュ ･ カルステン 公爵 へ 捧 ( さ さ ) げ る もの と ― ||こうしゃく||ささげ||||||

同等 の 感謝 を あなた に どうとう||かんしゃ|||

あ … えー と その …

（ ヴィルヘルム ） 賢明 な スバル 殿 は ― |けんめい||すばる|しんがり|

すでに 見抜 い て おいで でしょ う が 改めて |みぬ|||||||あらためて

私 の 家名 は アスト レア わたくし||かめい|||

先代 の 剣 聖 ― せんだい||けん|せい

テレ シア ･ ヴァン ･ アスト レア を 妻 に めとり ― ||||||つま||

剣 聖 の 家系 の 末席 を 汚し た 身 けん|せい||かけい||まっせき||きたなし||み

それ が 私 ― ||わたくし

ヴィルヘルム ･ ヴァン ･ アスト レア です

妻 を 奪った 憎き 魔 獣 を 討つ 機会 を ― つま||うばった|にくき|ま|けだもの||うつ|きかい|

この 老 体 に 与え て くださる 温情 に 感謝 を |ろう|からだ||あたえ|||おんじょう||かんしゃ|

あ … ああ もちろん 知って た けど |||しって||

当然 それ 込み で ― とうぜん||こみ|

クルシュ さん が 乗っかって くる って 思って た わけ で … |||のっかって|||おもって|||

ナツキ ･ スバル |すばる

ウソ の 風 が 吹 い て いる ぞ 卿 から うそ||かぜ||ふ|||||きょう|

（ スバル ） なる ほど な すばる|||

これ で 竜 車 が 買い占め られる から ― ||りゅう|くるま||かいしめ||

屋敷 に 戻る 足 の 確保 に 手 こ ず った わけ だ やしき||もどる|あし||かくほ||て|||||

（ フェリックス ） まだ 寝 て なかった の ？ ||ね|||

そんな わけ に いく か よ みんな 徹夜 で 準備 し て ん のに |||||||てつや||じゅんび||||

（ フェリックス ） しょうが に ゃ い の 時間 ない ん でしょ ？ ||||||じかん|||

ああ 白 鯨 が 現れ ん の は 明日 の 夜 |しろ|くじら||あらわれ||||あした||よ

フリューゲル の 大樹 の 周辺 だ ||たいじゅ||しゅうへん|

だったら 移動 の 時間 考え て も ギリギリ な の |いどう||じかん|かんがえ|||ぎりぎり||

それ に みんな の 顔 見 て 気づか に ゃ い ？ ||||かお|み||きづか|||

いやいや 準備 し てる 人 なんて １ 人 も い に ゃ い |じゅんび|||じん||じん|||||

白 鯨 討伐 は みんな の 悲願 だ から しろ|くじら|とうばつ||||ひがん||

特に ヴィル 爺 ( じい ) に とって は ね とくに||じい|||||

（ スバル ） 奥さん を … って 言って たよ な すばる|おくさん|||いって||

うん

ヴィル 爺 は ずっと 白 鯨 を 追いかけ て き た から |じい|||しろ|くじら||おいかけ||||

先代 の 剣 聖 ヴィル 爺 の 奥さん が 白 鯨 に やら れ て から ずっと ね せんだい||けん|せい||じい||おくさん||しろ|くじら|||||||

先代 の 剣 聖 せんだい||けん|せい

（ フェリックス ） まあ そう いう こと だ から ―

スバル き ゅん は 気 に せ ず とっとと 寝る こと すばる||||き|||||ねる|

どうせ 物資 の 手配 と か 編成 と か ― |ぶっし||てはい|||へんせい||

スバル き ゅん に できる こと は 何 も に ゃ い ん だ し すばる|||||||なん|||||||

確か に そう かも 知れ ねえ けど ストレート に 言う な たしか||||しれ|||すとれーと||いう|

（ フェリックス の 笑い声 ） ||わらいごえ

（ スバル ） 好き な 子 選べ って 言わ れ て も よ すばる|すき||こ|えらべ||いわ||||

に ゃ に さ 気 に 入ら ない って いう の ？ ||||き||はいら||||

（ スバル ） 違 く て 貸し て くれる の は うれしい ん だ けど ― すばる|ちが|||かし||||||||

よしあし なんて ぶっちゃ け 分か ん ね えよ ||||わか|||

俺 が 地 竜 一筋 十 数 年 の ベテラン に でも 見える か って … おれ||ち|りゅう|ひとすじ|じゅう|すう|とし||べてらん|||みえる||

お前 ひょっとして この 間 の … おまえ|||あいだ|

どう も こいつ が よ さ そう だ な

驚き まし た おどろき||

この 地 竜 気位 が 高い こと で 有名 な 種類 だ と 思った ん です けど |ち|りゅう|きぐらい||たかい|||ゆうめい||しゅるい|||おもった|||

フェリス こいつ に する 一目 ぼ れ だ ||||いちもく|||

はい は ー い ||-|

でも レム ちゃん が すね てる から 一目 ぼ れ と か 言わ ない |||||||いちもく|||||いわ|

別に すね て ませ ん よ ちゃん と 仲よく し ます べつに||||||||なかよく||

でき ます

（ 足音 ） あしおと

あっ

（ リカード ･ ウェルキン ） お 嬢 から 話 は 聞い とる わ |||じょう||はなし||ききい||

兄ちゃん が 今日 の 立て役者 な ん やろ ？ にいちゃん||きょう||たてやくしゃ|||

（ スバル ） その 屋号 に カラ ラギ 弁 の 獣 人 … すばる||やごう||から||べん||けだもの|じん

って こと は アナスタシア の

なん や 知 っと っ た ん か ？ ワイ は 団長 の リカード 言う ねん ||ち||||||わい||だんちょう|||いう|

そっち の 嬢 ちゃん も よろしゅう な ！ ||じょう||||

うる せ え し で け え よ 首 が もげる だ ろ ||||||||くび||||

おお お 嬢 ||じょう

（ スバル ） あ … イッテ … すばる||

クソー …

（ クルシュ ） あれ が アナスタシア ･ ホー シン が 誇る 鉄 の 牙 か |||||||ほこる|くろがね||きば|

なるほど つわもの ぞろい の よう だ

昨晩 は 休め た か ？ さくばん||やすめ||

今 危うく 死に かけ た よ いま|あやうく|しに|||

… て クルシュ さん も やっぱり 戦う ん だ な |||||たたかう|||

イス に 腰かけ て ― いす||こしかけ|

ただ 吉報 を 待つ こと が 私 に できる と 思う か ？ |きっぽう||まつ|||わたくし||||おもう|

むしろ 卿 の 参戦 の ほう が 意外 だ |きょう||さんせん||||いがい|

卿 は 戦 える の か ？ きょう||いくさ|||

戦え ねえ よ ただ 戦力 と し て は アレ だ が ― たたかえ||||せんりょく|||||||

白 鯨 相手 なら 俺 って 人間 が 割と 役 に 立つ と 思う しろ|くじら|あいて||おれ||にんげん||わりと|やく||たつ||おもう

聞こ う その 根拠 は ききこ|||こんきょ|

あん ま し 俺 自身 も うれしく ねえ ん だ が ― |||おれ|じしん||||||

どう も 俺 って 魔 獣 を 引き寄せる 体質 らしく て さ ||おれ||ま|けだもの||ひきよせる|たいしつ|||

何 だ と ？ なん||

本当 です ほんとう|

レム は 前 に その おかげ で スバル くん に 助け られ た ん です ||ぜん|||||すばる|||たすけ||||

（ スバル ） だ から 借り た 地 竜 で ― すばる|||かり||ち|りゅう|

俺 が 白 鯨 の 鼻先 を 駆け回って 注意 を 引きつけ て ― おれ||しろ|くじら||はなさき||かけまわって|ちゅうい||ひきつけ|

その 隙 に 総 攻撃 を 入れ て もらう |すき||そう|こうげき||いれ||

… って の が 俺 の オススメ 戦術 な ん だ けど |||おれ|||せんじゅつ||||

白 鯨 の … 鼻先 を ？ しろ|くじら||はなさき|

ああ …

驚く べき こと に ウソ の 気配 は ない の だ な おどろく||||うそ||けはい|||||

昨日 から の 半日 で ― きのう|||はんにち|

こう 何度 も 自分 の 加護 を 疑う 機会 が くる と は 思わ な ん だ |なんど||じぶん||かご||うたがう|きかい|||||おもわ|||

（ 扉 が 開く 音 ） とびら||あく|おと

来 た か らい||

（ コン ウッド ･ メラ ハウ ） クルシュ 様 参上 いたし て ございます |||||さま|さんじょう|||

そちら の 彼 が ？ ||かれ|

ああ そう だ

（ コン ウッド ） ありがとう 少年 |||しょうねん

（ スバル ） え ？ すばる|

君 の おかげ で 我々 の 悲 願 が かなう これほど うれしい こと は ない きみ||||われわれ||ひ|ねがい|||||||

ありがとう

（ レム ） 全員 白 鯨 に 縁 の ある 方 な の でしょ う ね |ぜんいん|しろ|くじら||えん|||かた|||||

って こと は ヴィルヘルム さん と 似 た よう な ？ ||||||に|||

ああ 一線 を 退 い て い た 者 たち も 多かった が な |いっせん||しりぞ|||||もの|||おおかった||

ヴィルヘルム の 呼びかけ で こ たび の 討伐 隊 に 加わった 者 たち だ ||よびかけ|||||とうばつ|たい||くわわった|もの||

士気 と 練 度 は ― しき||ね|たび|

現役 の 王国 騎士 団 に も 見劣り し まい げんえき||おうこく|きし|だん|||みおとり||

クルシュ 様 そろそろ |さま|

（ クルシュ ） ああ

400 年 だ とし|

嫉妬 の 魔女 が 生み出し た 白 鯨 が ― しっと||まじょ||うみだし||しろ|くじら|

世界 を 狩り 場 と し わが もの 顔 で 弱者 を 蹂躙 ( じゅうりん ) し ながら ― せかい||かり|じょう|||||かお||じゃくしゃ||じゅうりん|||

跋扈 ( ばっこ ) する よう に なって 400 年 が 過ぎ た ばっこ||||||とし||すぎ|

その 月日 で 奪わ れ た 命 は 数え き れ ない |つきひ||うばわ|||いのち||かぞえ|||

その 霧 の 性質 の 悪辣 ( あく ら つ ) さ も 相まって ― |きり||せいしつ||あくらつ||||||あいまって

銘 すら 残す こと の でき ない 墓碑 の 数 は 増える ばかり だ めい||のこす|||||ぼひ||すう||ふえる||

だが その 無為 の 日々 は 今日 を もって 終わる ||ぶい||ひび||きょう|||おわる

ここ に いる 我ら が 終わら せる |||われら||おわら|

白 鯨 を 討ち あまた の 悲し み を 終わら せよ う しろ|くじら||うち|||かなし|||おわら||

悲しみ に すら たどり着 け なかった 悲しみ に ― かなしみ|||たどりつ|||かなしみ|

正しく 涙 の 機会 を 与えよ う まさしく|なみだ||きかい||あたえよ|

出陣 する ！ しゅつじん|

場所 は リー ファウス 街道 フリューゲル の 大樹 ばしょ||||かいどう|||たいじゅ

こ よい 我ら の 手 で ― ||われら||て|

白 鯨 を 討つ ！ しろ|くじら||うつ

（ 一同 ） オー ！ いちどう|おー

（ ミミ ･ パール バトン ） ミミ な の だ よろしく ！ ||ばとん|||||

（ ヘー タロー ･ パール バトン ） ヘー タロー です よろしく お 願い し ます |||ばとん||||||ねがい||

おお よろしく

しかし 疑って た わけ じゃ ない ん だ けど ― |うたがって|||||||

お前 本当 に 副 団長 だった ん だ な おまえ|ほんとう||ふく|だんちょう||||

ん ー ？ お 兄さん ミミ と ど っか で 会った ？ |-||にいさん||||||あった

ん ん … 思い出 せ ない 感じ が 尋常 じゃ ない ||おもいで|||かんじ||じんじょう||

ちょ ちょっと お 姉ちゃん ちゃん と 乗って |||ねえちゃん|||のって

（ ミミ ） 尋常 じゃ ない |じんじょう||

気 に す ん な こっち の 話 だ き|||||||はなし|

ナツキ ･ スバル だ |すばる|

お 姉ちゃん って こと は お前 ら 姉弟 ( きょうだい ) か ？ |ねえちゃん||||おまえ||してい||

はい お 姉ちゃん と ２ 人 頑張り … ||ねえちゃん||じん|がんばり

ミミ と ヘー タロー が そろえ ば 最強 ！ |||||||さいきょう

団長 も いる し 超 最強 ！ ヘヘヘ だんちょう||||ちょう|さいきょう|

えー っと お 姉ちゃん と 団長 は よく 先走っちゃ う んで ― |||ねえちゃん||だんちょう|||さきばしっちゃ||

僕 が 指示 を 出し た り ぼく||しじ||だし||

そう か 苦労 が しのば れる な ||くろう||||

（ リカード ） なん や 兄ちゃん シケ た ツラ し とる の |||にいちゃん|しけ|||||

（ スバル ） 誰 の せい だ すばる|だれ|||

団長 が 部下 に 迷惑 かけ てん じゃ ねえ よ だんちょう||ぶか||めいわく|||||

お っ いい 地 竜 乗っとる や ない か |||ち|りゅう|のっとる|||

おい ！

そう な の か ？

なんか 懐 い て くれ た から こいつ を 借り た ん だ が … |ふところ||||||||かり||||

そう いや あんた ら は また 変わった の に 乗って る な ||||||かわった|||のって||

ライガー 言う ねん |いう|

こっち じゃ あんまり 見かけ ん かも なあ |||みかけ|||

力 じゃ 地 竜 に 負け や けど 身軽 さ は 段違い や ちから||ち|りゅう||まけ|||みがる|||だんちがい|

鯨 退治 で 乱戦 に なったら 独壇場 や から よ ー 見 とき くじら|たいじ||らんせん|||どくだんじょう||||-|み|

（ スバル ） だったら 荷物 の 運搬 は ― すばる||にもつ||うんぱん|

地 竜 に 任せ た ほう が よかった ん じゃ ねえ の ？ ち|りゅう||まかせ||||||||

自分 ら の 荷物 ぐらい 自分 ら で 管理 せんと なあ じぶん|||にもつ||じぶん|||かんり||

白 鯨 ばっ か が 敵 や と 思う とる と 足元 すくわ れ かね ん から な しろ|くじら||||てき|||おもう|||あしもと||||||

道中 盗賊 やら に 絡ま れ ん と も 限ら ん し なあ どうちゅう|とうぞく|||からま|||||かぎら|||

（ スバル ） こんな 完全 武装 の 一団 を 襲う 勇気 が ある ん なら ― すばる||かんぜん|ぶそう||いちだん||おそう|ゆうき||||

盗賊 なんて やって ねえ だ ろ とうぞく|||||

そら そう や な アッハハハハハハ …

（ レム ） リカード 様 ― ||さま

ああ し て 皆さん の 緊張 を ほぐし て 回って る みたい です ね |||みなさん||きんちょう||||まわって||||

スバル くん ？ すばる|

（ スバル ） ハハ … すばる|

覚悟 決まった はず な ん だ が な かくご|きまった||||||

目指せ 英雄 って 言って も ― めざせ|えいゆう||いって|

なかなか きつい もん だ ぜ まったく

で っけ ー なあ ||-|

うれし そう です ね スバル くん ||||すばる|

（ スバル ） イッヒヒ すばる|

あっ でも 幹 に 誰 か の 名前 が 彫って あん な ー ||みき||だれ|||なまえ||ほって|||-

修学 旅行 じゃ ある まい し マナー が なって ねえ よ マナー が しゅうがく|りょこう|||||まなー|||||まなー|

レム 彫刻 刀 を 貸し て くれ |ちょうこく|かたな||かし||

いくら スバル くん でも ― |すばる||

そんな こと し たら 怒り ます し 怒ら れ ます よ ||||いかり|||いから|||

ここ に 白 鯨 が 来る ん です ね ||しろ|くじら||くる|||

本当 は レム は 反対 な ん です ほんとう||||はんたい|||

魔女 の 残り香 で 白 鯨 を 引き寄せる なんて ― まじょ||のこりか||しろ|くじら||ひきよせる|

危険 すぎ ます きけん||

使える もん は 何でも 使う つかえる|||なんでも|つかう

よっ と

それ で 勝率 が コンマ で も 上がる って ん なら もうけ もん だ ||しょうりつ|||||あがる||||||

足り ない とこ だらけ の 俺 は ― たり|||||おれ|

そう で も し なきゃ 遅れ が 取り戻 せ ねえ |||||おくれ||とりもど||

スバル くん は ステキ です すばる|||すてき|

（ レム ） その ミー ティア が 白 鯨 の 存在 を 知らせ て くれる |||||しろ|くじら||そんざい||しらせ||

（ スバル ） ああ 時間 に なったら 鳴る よう に なって る すばる||じかん|||なる||||

ぶっちゃ け これ なし だ と …

（ レム ） ウソ です よ ね |うそ|||

（ スバル ） えっ すばる|

な … 何 を 言い出し ます の ん ？ |なん||いいだし|||

これ が ウソ なら ワイ は ど ぎ ゃん し て … ||うそ||わい||||||

（ レム ） カラ ラギ 弁 の よう な 何 か に なって ます し ― |から||べん||||なん|||||

スバル くん に は 似合い ませ ん よ すばる||||にあい|||

（ スバル ） いやいや いやいや 実際 これ が ウソ と か あり え ねえ だ ろ すばる|||じっさい|||うそ|||||||

クルシュ さん たち だって さ …

（ レム ） いい ん です よ スバル くん |||||すばる|

スバル くん が ウソ を つい て いる こと ぐらい ― すばる|||うそ||||||

レム に は 分かり ます |||わかり|

その ウソ の 理由 が 話せ ない で いる こと も 分かり ます |うそ||りゆう||はなせ||||||わかり|

だから 信じ させよ う だ と か ウソ で 丸め込 も う だ と か ― |しんじ|さ せよ|||||うそ||まるめこ|||||

そんな 風 に 自分 を 追い詰め た り する 必要 ― |かぜ||じぶん||おいつめ||||ひつよう

どこ に も ない ん です よ

だって レム は スバル くん を 丸ごと 信じ て い ます から |||すばる|||まるごと|しんじ||||

（ スバル ） あ あー っ ！ すばる|||

やっぱり で っ かい 木 を 見上げる と テンション 上がる な ー ！ ||||き||みあげる||てんしょん|あがる||-

はい そう です ね

（ スバル ） これ は しばらく 見上げ て ない と 気分 落ち着か ない わ ー すばる||||みあげ||||きぶん|おちつか|||-

しばらく 下 と か 見 れ ない わ ー |した|||み||||-

はい そう です ね

ごめん より ありがとう だ よ な

こう いう 時 は ||じ|

（ レム ） どう いたし まして です よ

それ に レム の ほう が ずっと ずっと ―

スバル くん に 感謝 し て いる ん です から すばる|||かんしゃ||||||

お あいこ です

（ スバル ） あの ヴィルヘルム さん すばる|||

フェリス から ちょこっと 聞き まし た |||きき||

奥さん の 敵 で ある 白 鯨 を ずっと 追いかけ て き た って おくさん||てき|||しろ|くじら|||おいかけ||||

（ ヴィルヘルム ） お 忘れ ください ||わすれ|

老木 の つまら ぬ 妄執 ( もう しゅう ) と 無為 に 過ごし た 時間 です ろうぼく||||もうしゅう||||ぶい||すごし||じかん|

奥様 を 愛し て いらっしゃる ん です ね おくさま||あいし|||||

ええ 妻 を 愛し て おり ます |つま||あいし|||

誰 より も だれ||

どれほど 時間 が 過ぎよ う と も |じかん||すぎよ|||

妻 は 花 を めでる の が 好き な 女性 で し た つま||か|||||すき||じょせい|||

剣 を 振る こと を 好ま ず しかし 誰 より も 剣 に 愛さ れ た けん||ふる|||このま|||だれ|||けん||あいさ||

剣 に 生きる こと しか 許さ れ ず ― けん||いきる|||ゆるさ||

妻 も また その 運命 を 受け入れ て おり まし た つま||||うんめい||うけいれ||||

私 は 彼女 から 剣 を 奪い 剣 聖 の 名 を 捨て させ 妻 と し た わたくし||かのじょ||けん||うばい|けん|せい||な||すて|さ せ|つま|||

ですが 剣 は 彼女 を 許し て など い なかった |けん||かのじょ||ゆるし||||

スバル 殿 改めて 感謝 を すばる|しんがり|あらためて|かんしゃ|

この 戦い で 私 は 私 の 剣 に 答え を 見つけ られる |たたかい||わたくし||わたくし||けん||こたえ||みつけ|

妻 の 墓前 に も やっと 足 を 向ける こと が でき ま しょ う つま||ぼぜん||||あし||むける||||||

やっと 妻 に 会い に 行く こと が できる |つま||あい||いく|||

力 を 合わせ て あの 鯨 野郎 を ぶち の めし て やり ま しょ う ちから||あわせ|||くじら|やろう|||||||||

俺 も 全力 で 手伝い ます から おれ||ぜんりょく||てつだい||

定刻 まで あと わずか だ な ていこく|||||

うん

（ 携帯 の アラーム 音 ） けいたい|||おと

あ …

総員 警戒 ！ そういん|けいかい

（ 携帯 の アラーム 音 ） けいたい|||おと

（ 隊員 Ａ ） 見当たら ない ぞ たいいん|ａ|みあたら||

（ クルシュ ） こ ない か

（ 隊員 Ｂ ） あれ は ！ たいいん|ｂ||

あっ

総員 ！ そういん

ぶち かま せ ー ！ |||-

アル ヒューマ ！

（ クルシュ ） あ …

総員 あの バカ ども に 続け ー ！ そういん||ばか|||つづけ|-

（ 一同 ） オー ！ いちどう|おー