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刀語, Katanagatari Episode 1 (4)

Katanagatari Episode 1 (4)

代々 剣 術 の 才能 が これ っぽ っち も ねえ んだ よ

刀 を 使わ ない 剣士 な んじゃ ない

刀 を 使え ない 剣士 な んだ

この 俺 が

ちなみに 最終 奥義 と か 言った けど さ それ は 何で かって え と

これ は 俺 が 昨日 考えた ばかりの 必殺 技 だ から だ

必殺 の 奥義 を 一気に 7 つ 食らわせ

一瞬 で 相手 を 八 つ 裂き に する ところ から

取りあえず こう 名付けて みた

虚 刀 流 七 花 八 裂 !

何という ありさま

それ でも 武 門 の 娘 か

これ 以上 恥 を さらす 前 に 自分 で

ほどけ ず 緩ま ない の は こんな 縄 じゃ ない

折れ ず 曲がら ず よく 切れる の は わたし の 奇 策 だ

これ しき の 逆境 など

ここ に いた か

あいつ が 言って た の は そういう 目 の こと か

俺 に は きらきら 光って ずいぶん と 奇麗に 見える けど な

取りあえず

まずは 1 本 だ

何 だ ろ ?

その これ から 先 が ある か の ような 物言い は

七 花 蝙蝠 は

カッコ良く やっつけて やった よ

見 損ねた な

ああ 残念だ

勘違い し ないで くれよ な

あんた の ため な んだ から な

別に 俺 は 金 に 目 が くらんだ わけで も ない し

四季 崎 の 刀 の 毒 が 回った わけで も ない し

まして や 幕府 の ため だ なんて これ っぽ っち も 思っちゃ い ねえ

ただ あんた の ため に し たく なった だけ な んだ から な

俺 は あんた に ほれる こと に した よ

とがめ さ ん

今回 の 話 です が わたし は 賛成 です

おお そう か

てっきり そ なた は 反対な のだ と

そう です ね

いえ 正直 あなた の 話 自体 は わたし に とって は どうでも よい のです

どんな 理由 であれ

あの 子 が 外 の 世界 に 出る こと に は わたし が 賛成 な のです

この 島 に 渡って から 20 年

あの 子 が 積んで きた 修行 が

研さん して きた 技術 が の 実り も 結ば ない なんて

そんな の 切な 過ぎ ます から

言って おく が 七 実

そんな 簡単な 道程 に は なら ぬ ぞ

真庭 忍 軍 や 錆 白 兵 は もちろん

まだ 所在 の 知れ ぬ 刀 を 所有 して いる の は

どんな 化け物 か 鬼 か 蛇 か

わたし は そういう 戦い へ 弟 君 を 連れ出そう と いう のだ

ずいぶん と お 優しい のです ね

七 花 の こと を 本当に 心配 して くれて いる

そんな あなた に なら 安心 して 弟 を 任せ られ ます

わたし は

わたし は そのように 優しい 女 で は ない

鑢 七 花 お前 に 指示 を 出して おく こと が 4 つ ある

4 つ か 聞こう

まず さっき 言った こと だ

刀 は 折る な

了解 俺 は 刀 を 守ろう

2 つ 目 は

わたし を 守れ

四季 崎 の 刀 集 め が 目的 と いって も

わたし が 死んで は 何にも なら ん

了解 俺 は あんた を 守ろう

3 つ 目 は

そ なた 自身 を 守れ

これ は そな た を おもん ばか って 言って いる わけで は ない ぞ

四季 崎 の 刀 を 12 本 集める まで

死ぬ こと を 許さ ぬ

了解 俺 は 俺 自身 を 守ろう

4 つ 目 は ?

そ なた 自身 を 守れ

これ は まあ そ なた を おもん ばか って 言って いる わけだ

死ぬ な

厳しい 旅程 に は なる が 決して 死ぬ な

できる な

でき ん と は 言わ さ ん ぞ 早く 了解 と 言え

極めて 了解

それ で どう する

まあ 焦る な 街 に 着いたら 服 を 買って やる

分かった

愛して る ぜ

うむ わたし の こと を 好きな だけ 愛せ

人 を 知ら ぬ 男 と 心 を なくした 女

こうして 2 人 は 旅 に 出た のです

行き先 も 行く末 も 知れ ぬ 刀 集 め の 旅 に

待ち受ける の は 鬼 か 蛇 か

『 刀 語 』 今月 こ よい の お楽しみ は ここ まで に ございます

だけど

あの 子 あんなに 弱い のに 大丈夫 かしら

尾張 幕府 家 鳴 将軍 直轄

預かり 奉 所 戦 所 総 監督 奇 策 士 と が めだ

何もかも 私 の 奇 策 通り

疑って いる な

そ なた が そう 思う こと も 想定 内

さて

いよいよ 私 の 痛快 無比 気分 爽快 方 正 謹 厳 な 物語 の 始まり の わけだ が

はて さて 虚 刀 流 の あの 男 鑢 七 花

どこ まで 私 の 刀 と なって くれる かな

次回 刀 語 斬 刀 鈍


Katanagatari Episode 1 (4) Katanagatari Episode 1 (4)

代々 剣 術 の 才能 が これ っぽ っち も ねえ んだ よ だいだい|けん|じゅつ||さいのう||||||||

刀 を 使わ ない 剣士 な んじゃ ない かたな||つかわ||けんし|||

刀 を 使え ない 剣士 な んだ かたな||つかえ||けんし||

この 俺 が |おれ|

ちなみに 最終 奥義 と か 言った けど さ それ は 何で かって え と |さいしゅう|おうぎ|||いった|||||なんで|||

これ は   俺 が 昨日 考えた ばかりの 必殺 技 だ から だ ||おれ||きのう|かんがえた||ひっさつ|わざ|||

必殺 の 奥義 を 一気に 7 つ 食らわせ ひっさつ||おうぎ||いっきに||くらわせ

一瞬 で 相手 を 八 つ 裂き に する ところ から いっしゅん||あいて||やっ||さき||||

取りあえず   こう 名付けて みた とりあえず||なづけて|

虚 刀 流   七 花 八 裂 ! きょ|かたな|りゅう|なな|か|やっ|さ

何という ありさま なんという|

それ でも 武 門 の 娘 か ||ぶ|もん||むすめ|

これ 以上 恥 を さらす 前 に 自分 で |いじょう|はじ|||ぜん||じぶん|

ほどけ ず 緩ま ない の は こんな 縄 じゃ ない ||ゆるま|||||なわ||

折れ ず 曲がら ず よく 切れる の は わたし の 奇 策 だ おれ||まがら|||きれる|||||き|さく|

これ しき の 逆境 など |||ぎゃっきょう|

ここ に いた か

あいつ が 言って た の は そういう 目 の こと か ||いって|||||め|||

俺 に は きらきら 光って ずいぶん と 奇麗に 見える けど な おれ||||ひかって|||きれいに|みえる||

取りあえず とりあえず

まずは 1 本 だ |ほん|

何 だ ろ ? なん||

その これ から 先 が ある か の ような 物言い は |||さき||||||ものいい|

七 花 蝙蝠 は なな|か|こうもり|

カッコ良く やっつけて やった よ かっこいく|||

見 損ねた な み|そこねた|

ああ 残念だ |ざんねんだ

勘違い し ないで くれよ な かんちがい||||

あんた の ため な んだ から な

別に 俺 は 金 に 目 が くらんだ わけで も ない し べつに|おれ||きむ||め||||||

四季 崎 の 刀 の 毒 が 回った わけで も ない し しき|さき||かたな||どく||まわった||||

まして や 幕府 の ため だ なんて これ っぽ っち も 思っちゃ い ねえ ||ばくふ|||||||||おもっちゃ||

ただ   あんた の ため に し たく なった だけ な んだ から な

俺 は あんた に ほれる こと に した よ おれ||||||||

とがめ さ ん

今回 の 話 です が わたし は 賛成 です こんかい||はなし|||||さんせい|

おお   そう か

てっきり そ なた は 反対な のだ と ||||はんたいな||

そう です ね

いえ 正直 あなた の 話 自体 は わたし に とって は どうでも よい のです |しょうじき|||はなし|じたい||||||||の です

どんな 理由 であれ |りゆう|

あの 子 が 外 の 世界 に 出る こと に は わたし が 賛成 な のです |こ||がい||せかい||でる||||||さんせい||の です

この 島 に 渡って から 20 年 |しま||わたって||とし

あの 子 が 積んで きた 修行 が |こ||つんで||しゅぎょう|

研さん して きた 技術 が の 実り も 結ば ない なんて けんさん|||ぎじゅつ|||みのり||むすば||

そんな の 切な 過ぎ ます から ||せつな|すぎ||

言って おく が   七 実 いって|||なな|み

そんな 簡単な 道程 に は なら ぬ ぞ |かんたんな|どうてい|||||

真庭 忍 軍 や 錆 白 兵 は もちろん まにわ|おし|ぐん||さび|しろ|つわもの||

まだ   所在 の 知れ ぬ 刀 を 所有 して いる の は |しょざい||しれ||かたな||しょゆう||||

どんな 化け物 か 鬼 か 蛇 か |ばけもの||おに||へび|

わたし は そういう 戦い へ 弟 君 を 連れ出そう と いう のだ |||たたかい||おとうと|きみ||つれだそう|||

ずいぶん と お 優しい のです ね |||やさしい|の です|

七 花 の こと を 本当に 心配 して くれて いる なな|か||||ほんとうに|しんぱい|||

そんな   あなた に なら 安心 して   弟 を 任せ られ ます ||||あんしん||おとうと||まかせ||

わたし は

わたし は そのように 優しい 女 で は ない ||そのよう に|やさしい|おんな|||

鑢 七 花 お前 に 指示 を 出して おく こと が 4 つ ある やすり|なな|か|おまえ||しじ||だして|||||

4 つ か 聞こう ||きこう

まず さっき 言った こと だ ||いった||

刀 は 折る な かたな||おる|

了解 俺 は 刀 を 守ろう りょうかい|おれ||かたな||まもろう

2 つ 目 は |め|

わたし を 守れ ||まもれ

四季 崎 の 刀 集 め が 目的 と いって も しき|さき||かたな|しゅう|||もくてき|||

わたし が 死んで は 何にも なら ん ||しんで||なんにも||

了解 俺 は あんた を 守ろう りょうかい|おれ||||まもろう

3 つ 目 は |め|

そ なた 自身 を 守れ ||じしん||まもれ

これ は そな た を おもん ばか って 言って いる わけで は ない ぞ ||||||||いって|||||

四季 崎 の 刀 を 12 本 集める まで しき|さき||かたな||ほん|あつめる|

死ぬ こと を 許さ ぬ しぬ|||ゆるさ|

了解 俺 は 俺 自身 を 守ろう りょうかい|おれ||おれ|じしん||まもろう

4 つ 目 は ? |め|

そ なた 自身 を 守れ ||じしん||まもれ

これ は まあ そ なた を おもん ばか って 言って いる わけだ |||||||||いって||

死ぬ な しぬ|

厳しい 旅程 に は なる が 決して 死ぬ な きびしい|りょてい|||||けっして|しぬ|

できる な

でき ん と は 言わ さ ん ぞ 早く 了解 と 言え ||||いわ||||はやく|りょうかい||いえ

極めて 了解 きわめて|りょうかい

それ で どう する

まあ   焦る な 街 に 着いたら 服 を 買って やる |あせる||がい||ついたら|ふく||かって|

分かった わかった

愛して る ぜ あいして||

うむ わたし の こと を 好きな だけ 愛せ |||||すきな||あいせ

人 を 知ら ぬ 男 と 心 を なくした 女 じん||しら||おとこ||こころ|||おんな

こうして  2 人 は 旅 に 出た のです |じん||たび||でた|の です

行き先 も   行く末 も 知れ ぬ 刀 集 め の 旅 に いきさき||ゆくすえ||しれ||かたな|しゅう|||たび|

待ち受ける の は 鬼 か 蛇 か まちうける|||おに||へび|

『 刀 語 』 今月 こ よい の お楽しみ は ここ まで に ございます かたな|ご|こんげつ||||おたのしみ|||||

だけど

あの 子 あんなに 弱い のに 大丈夫 かしら |こ||よわい||だいじょうぶ|

尾張 幕府 家 鳴 将軍 直轄 おわり|ばくふ|いえ|な|しょうぐん|ちょっかつ

預かり 奉 所 戦 所 総 監督 奇 策 士 と が めだ あずかり|たてまつ|しょ|いくさ|しょ|そう|かんとく|き|さく|し|||

何もかも   私 の 奇 策 通り なにもかも|わたくし||き|さく|とおり

疑って いる な うたがって||

そ なた が そう 思う こと も 想定 内 ||||おもう|||そうてい|うち

さて

いよいよ 私 の 痛快 無比 気分 爽快 方 正 謹 厳 な 物語 の 始まり の わけだ が |わたくし||つうかい|むひ|きぶん|そうかい|かた|せい|つつし|いわお||ものがたり||はじまり|||

はて さて 虚 刀 流 の あの 男   鑢 七 花 ||きょ|かたな|りゅう|||おとこ|やすり|なな|か

どこ まで 私 の 刀 と なって くれる かな ||わたくし||かたな||||

次回 刀 語   斬 刀   鈍 じかい|かたな|ご|き|かたな|どん