Katanagatari Episode 2 (3) Katanagatari Episode 2 (3)

私 は 尾張 幕府 家 鳴 将軍家 直轄 　 預奉 所 軍 所 総 監督 わたくし||おわり|ばくふ|いえ|な|しょうぐんけ|ちょっかつ|よほう|しょ|ぐん|しょ|そう|かんとく

奇 策 士 と が めだ き|さく|し|||

その 刀 |かたな

斬 刀 鈍 と 見受ける が 如何 かな き|かたな|どん||みうける||いかが|

うる せ え な

確かに 俺 は 宇練 銀閣 だ が たしかに|おれ||うれん|ぎんかく||

そう 大きな 声 で 怒鳴る な よ |おおきな|こえ||どなる||

それ は 失礼 した ||しつれい|

で 幕府 の お 偉い さん が こんな 砂漠 に 何の 用 だ よ |ばくふ|||えらい||||さばく||なんの|よう|| その 斬 刀 |き|かたな

譲って もらえ ん かな ゆずって|||

もちろん ただ と は 言わ ん ||||いわ|

幕府 と して できる 限り の こと は さ せて もらおう ばくふ||||かぎり||||||

この 前 よ |ぜん|

忍者 の 偽者 みたいな 奴 が 来て にんじゃ||にせもの||やつ||きて

あんた と 似た ような こと を 言って た けど ||にた||||いって||

何 あれ 　 あんた ら の 友達 なん|||||ともだち

友達 で は ない ともだち|||

私 たち は あんな 下 種 な 忍者 と は 違う わたくし||||した|しゅ||にんじゃ|||ちがう

正当な 取引 を 望む 者 だ せいとうな|とりひき||のぞむ|もの|

無論 　 刀 一 本 と は 言え むろん|かたな|ひと|ほん|||いえ

そ なた の 差す その 刀 の 価値 は 　 よく 認識 して おる つもりだ |||さす||かたな||かち|||にんしき|||

間違っても 他の 何 か に 換え られる もの で は ある まい まちがっても|たの|なん|||かえ||||||

しかし 宇練 よ そこ を 曲げて 　 幕府 の ため に |うれん||||まげて|ばくふ|||

ひいては 天下 国家 の ため に 貢献 して は くれ ぬ か |てんか|こっか||||こうけん|||||

天下 国家 の ため に なんて 奴 に 　 碌 な 奴 は いね ー よ てんか|こっか|||||やつ||ろく||やつ|||-|

ああ 　 お 主 だって ||おも|

いつまでも この 城 の 中 で のうのうと 暮らして おる つもり は ない であろう ||しろ||なか|||くらして|||||

野心 が ある のならば やしん|||

私 は 協力 できる と 思う ぞ 　 表 に も 　 裏 に も だ わたくし||きょうりょく|||おもう||ひょう|||うら|||

浪人 の 俺 を 取り立てて くれる って の かい ろうにん||おれ||とりたてて||||

ありがたい 話 だ が ね |はなし|||

しかし 俺 の 首 に は 賞金 が かかって る と も 聞く ぜ |おれ||くび|||しょうきん||||||きく|

無論 　 その 枷 も 外して やれる むろん||かせ||はずして|

どんな 望み も 思う がま まだ |のぞみ||おもう||

おい 　 宇練 |うれん

今度 は 声 が 小さ すぎて よく 聞こえ ねえ な こんど||こえ||ちいさ|||きこえ||

もう ちょっと 近付いて きて くれ ねえ か ||ちかづいて||||

お っ

大体 　 敷居 越し に 話 を する なんて だいたい|しきい|こし||はなし|||

剣士 に 対して 失礼だろう が よ けんし||たいして|しつれいだろう||

あんた が どれ だけ 偉い か 知ら ねえ けど ||||えらい||しら||

少なくとも それ は 頼み 事 を しよう って 態度 じゃ ねえ よ な すくなくとも|||たのみ|こと||||たいど||||

確かに その とおり だ たしかに|||

失礼 した しつれい|

虚 刀 流 「 百合 」 きょ|かたな|りゅう|ゆり

何 すんじゃ ー なん||-

落ち着けよ おちつけよ

いきなり 蹴ら れて 落ち着ける か 　 この 馬鹿 者 |けら||おちつける|||ばか|もの

後 から 見え ない 力 に 吸い寄せ られる から あと||みえ||ちから||すいよせ||

宇宙 人 に 誘拐 さ れた か と 思った わ うちゅう|じん||ゆうかい|||||おもった|

その 発想 は 物 凄い が |はっそう||ぶつ|すごい|

な 　 な

居 合い 抜き か い|あい|ぬき|

も 　 もしも 厚着 を して い なければ ||あつぎ||||

今頃 私 の 体 は いまごろ|わたくし||からだ|

いや 　 その分 だけ の 着物 が 無事で 済んだ だけ だ と 思う けど |そのぶん|||きもの||ぶじで|すんだ||||おもう|

びっくり した

この 斬 刀 を 手 に して 以来 |き|かたな||て|||いらい

俺 の 零 閃 が 躱 さ れた の は 初めて だ ぜ おれ||ぜろ|せん||た|||||はじめて||

びっくり した の は こっち の ほう だ

居 合い 抜き が 剣 術 の 究極 形 と いう の は 聞いて いた が い|あい|ぬき||けん|じゅつ||きゅうきょく|かた|||||きいて||

そこ まで 速い もの だ と は ||はやい||||

ん じゃま ぁ お前 の びっくり と 俺 の びっくり で お あいこ って こと で |||おまえ||||おれ||||||||

宇練 貴 様 今 自分 が 何 を した の か 分かって おる の か うれん|とうと|さま|いま|じぶん||なん|||||わかって|||

あんた も さ そんな 腕 の 立つ お 兄ちゃん 連れて きて いる くらい な んだ ||||うで||たつ||にいちゃん|つれて|||||

最終 的に は 腕っ節 に 訴えて くる つもり が あった んだろう さいしゅう|てきに||うでっぷし||うったえて|||||

お 兄ちゃん だ と |にいちゃん||

貴 様 　 私 が こいつ の 妹 に 見える の か とうと|さま|わたくし||||いもうと||みえる||

私 の どこ が 妹 だ わたくし||||いもうと|

俺 の ご 先祖 様 は よ おれ|||せんぞ|さま||

主君 も どころ か 当時 の 将軍 すら 敵 に 回して も しゅくん||||とうじ||しょうぐん||てき||まわして|

この 刀 を 譲ら なかった んだ って よ |かたな||ゆずら||||

なのに 俺 が 「 はい そうです か 」 と あんた に これ を 渡した んじゃ |おれ|||そう です|||||||わたした|

草 葉 の 陰 で 笑い 物 だ ぜ くさ|は||かげ||わらい|ぶつ||

その 刀 を 無くす の が 怖い の か |かたな||なくす|||こわい||

その 零 閃 って 技 |ぜろ|せん||わざ

そい つ じゃ なけりゃ そこ まで の 速度 は 出 ない んだ ろ |||||||そくど||だ|||

だから それ を 失う の が 怖い の か |||うしなう|||こわい||

怖かったら 何 だ こわかったら|なん|

別に べつに

それ が 刀 を 使う 剣士 の 限界 な んだろう な と 思って さ ||かたな||つかう|けんし||げんかい|||||おもって|

そういう お前 は 剣士 じゃ ねえ の か |おまえ||けんし||||

剣士 だ よ 　 紛 う こと なく な けんし|||まがい||||

ええ 　 だったら 　 剣士 に 言葉 は 不要な んだ よ ||けんし||ことば||ふような||

この 刀 が 欲し いって ん なら 黙って 奪い取れば いい |かたな||ほし||||だまって|うばいとれば|

俺 は それ に 　 黙って 抵抗 する だけ だ おれ||||だまって|ていこう|||

ああ 　 意地 か |いじ|

気位 だ よ きぐらい||

お前 は その 女 を 庇 えて いい気に なって ん の かも しれ ねえ が おまえ|||おんな||ひさし||いいきに|||||||

今 の が 全力 だ と 思う な よ いま|||ぜんりょく|||おもう||

零 閃 の 最高 速度 が ぜろ|せん||さいこう|そくど|

光 を 超える ひかり||こえる

やる か

とがめ

確認 し たい こと が できた んだ けど かくにん|||||||

いい か

おい

ちょっと 作戦 会議 だ |さくせん|かいぎ|

すぐに 戻って くる から |もどって||

転寝 でも して 待って ろ うたたね|||まって|

その 時 は 披露 して もらう ぜ |じ||ひろう|||

最高 速度 の 零 閃 と やら を よ さいこう|そくど||ぜろ|せん||||

襖 　 閉めて 行けよ ふすま|しめて|いけよ

ああ 　 そうだ |そう だ

まだ お 兄ちゃん の 名前 は 聞いて なかった な 　 教え とけよ ||にいちゃん||なまえ||きいて|||おしえ|

虚 刀 流 七 代 目 当主 　 ヤシュリ 七 花 だ きょ|かたな|りゅう|なな|だい|め|とうしゅ||なな|か|

噛んじゃ った かんじゃ|

そう 不機嫌 そうな 顔 す んな よ |ふきげん|そう な|かお|||

ああ し なちゃ 　 あん ら 真っ二つ だった んだ ぜ |||||まっぷたつ|||

不機嫌 そうな 顔 など して おら ん もん ふきげん|そう な|かお|||||

もん

あい や 　 不機嫌 そうな 顔 など して おら ん わ ||ふきげん|そう な|かお|||||

偶に あんた すげ え 子供 っぱ いこ と 言う けど さ たまに||||こども||||いう||

正確に は あんた 何 歳 なんだ 　 俺 より 年上 な んだ よ な せいかくに|||なん|さい||おれ||としうえ||||

そんな こと は どうでも 良かろう ||||よかろう

それ より 七 花 ||なな|か

確認 し たい こと は 何 だ かくにん|||||なん|

あそこ で 戦闘 を 中断 する 理由 が あった と は 　 私 に は 思え ない のだ が ||せんとう||ちゅうだん||りゆう|||||わたくし|||おもえ|||

あいつ が それ に 応じる か どう か を 確認 し たかった んだ ||||おうじる|||||かくにん|||

応じる か どう か おうじる|||

つまり あの 場 から 立ち去る 俺 と とがめ を あいつ が 追って 来る か どう か ||じょう||たちさる|おれ||||||おって|くる|||

けれど あいつ は そう し なかった

まあ 　 そう だ が

とがめ が 敷居 を 跨いで あの 部屋 に 入った 瞬間 に ||しきい||またいで||へや||はいった|しゅんかん|

あいつ は 斬り 付けて きた ||きり|つけて|

逆に 言えば あの 部屋 に 入ら ない 限り ぎゃくに|いえば||へや||はいら||かぎり

あいつ は 俺 たち を 攻撃 して こ ない と いう こと だ ||おれ|||こうげき|||||||

あの 奥まった 部屋 こそ が |おくまった|へや||

敵 を 迎撃 する 上 で 都合 が いい んだ てき||げいげき||うえ||つごう|||

なるほど

真庭 白鷺 も 正面 から 勝負 せ ざる を 得 なかった わけ か まにわ|しらさぎ||しょうめん||しょうぶ||||とく|||

あの 部屋 は 完全に 宇練 銀閣 の 領域 だ |へや||かんぜんに|うれん|ぎんかく||りょういき|

では 　 あいつ を 部屋 から 引きずり出せば 良い のだろう が |||へや||ひきずりだせば|よい||

そ なた 考え が ある の か ||かんがえ||||

まず 　 とがめ が あの 部屋 に 入る ||||へや||はいる

ふむ ふむ 　 私 が 入る と ||わたくし||はいる|

そして 　 零 閃 の 餌食 と なって 真っ二つ に なる |ぜろ|せん||えじき|||まっぷたつ||

ほうほう

死体 を 傍 に 放置 して おく わけに も いく まい したい||そば||ほうち||||||

真庭 白鷺 の 例 と 同じく まにわ|しらさぎ||れい||おなじく

城 外 へ と 捨てる はずな んだ しろ|がい|||すてる||

そして そして

そこ を 俺 が 討つ んだ よ ||おれ||うつ||

ち ぇり お

私 が 真っ二つ に なって しまって おる だろう が わたくし||まっぷたつ||||||

うん 　 だ から この 案 は 使え ない か なぁ と 思って いる ||||あん||つかえ|||||おもって|

当然だ とうぜんだ

だから 　 誘き出す の は 諦める と して |おびきだす|||あきらめる||

それ でも なお 　 対策 は ある んだ よ とがめ |||たいさく|||||

その 対策 と やら で は 私 は 真っ二つ に は なら ん のだろう な |たいさく|||||わたくし||まっぷたつ||||||

まともに 勝負 せ ざる を 得 ない 相手 なら |しょうぶ||||とく||あいて|

まともに 勝負 を すれば いい |しょうぶ|||

七 花 それ が 結論 だったら 私 は 怒る ぞ なな|か|||けつろん||わたくし||いかる|

いや 　 あんた 最初 から ずっと 怒って る よ ||さいしょ|||いかって||

茶かす な ちゃかす|

なぁ 　 今日 だけ じゃ なく |きょう|||

あした も 勝つ ため に は 　 ただ 勝つ んじゃ 駄目だ と 思う ||かつ|||||かつ||だめだ||おもう

蝙蝠 の 時 みたいに 　 好運に 恵まれて 勝つ んじゃ 駄目な んだ こうもり||じ||こううんに|めぐまれて|かつ||だめな|

思いの外 真面目な こと を 言う おもいのほか|まじめな|||いう

「 刀 を 守れ 」 そして 「 あんた を 守れ 」 だろう かたな||まもれ||||まもれ|

そ 　 それ が 分かって いる の なら |||わかって|||

私 が 真っ二つ に なる ような 案 を そもそも 思いつき すら する で ない わたくし||まっぷたつ||||あん|||おもいつき||||

そこ で だ 　 あんた は 俺 の 後ろ に いて くれ |||||おれ||うしろ|||

はっ

いざ って 時 の 保険 だ よ ||じ||ほけん||

分かって いる と は 思う けれど わかって||||おもう|

私 に そな たの 背中 を 守れる ような 才覚 は ない ぞ わたくし||||せなか||まもれる||さいかく|||

そんな ん じゃ ねえ よ

七 花 なな|か

なんて 言う か |いう|

この 場 で 上手く 言う こと は でき ない んだ けど な |じょう||うまく|いう|||||||

あんた に は 　 そうして 欲しい んだ よ ||||ほしい||

要するに ようするに

守る もの が ある 奴 は 強い って こと だ まもる||||やつ||つよい|||

虚 刀 流 と 言った か きょ|かたな|りゅう||いった|

剣 術 を 雛形 に した 拳法 けん|じゅつ||ひながた|||けんぽう

剣士 が 剣 を 捨てる こと に 利点 は ない けんし||けん||すてる|||りてん||

何とも 不気味な 流派 じゃ ねえ か なんとも|ぶきみな|りゅうは|||

まあ いい

考えて も 詮 無き こと だ かんがえて||せん|なき||

俺 は この 城 と 刀 を 守る だけ おれ|||しろ||かたな||まもる|

それ だけ だ

誰 も が 挙って この 砂漠 から 逃げ出した だれ|||こぞって||さばく||にげだした

みんな 故郷 を 捨てた |こきょう||すてた

或いは 　 最後 の 一 人 で なければ あるいは|さいご||ひと|じん||

俺 も 因幡 を 去 れた かも しれ ない おれ||いなば||さ||||

いや 俺 に は 端 から その 選択 は なかった |おれ|||はし|||せんたく||

迷う こと は 許さ れ ない まよう|||ゆるさ||

この 地 へ の この 刀 へ の 偏 執 か |ち||||かたな|||へん|と|

そして それ は 　 妄執 だ |||もうしゅう|

剣士 に は 守る もの が 必要だ けんし|||まもる|||ひつようだ

そう で なければ 　 戦え なく なる |||たたかえ||

よう

待た せた な また||

それ で お 兄ちゃん 　 俺 の 零 閃 対策 でも 考えて きた の か |||にいちゃん|おれ||ぜろ|せん|たいさく||かんがえて|||

うーん 　 微妙な ところ だ な |びみょうな|||

何 だ なん|

虚 刀 流 に は 居 合い 抜き 対策 で も ある って の かい きょ|かたな|りゅう|||い|あい|ぬき|たいさく||||||

うん まあ 　 相手 が あんた ほど の 手 合い なら ||あいて|||||て|あい|

たぶん 成功 する と 思う |せいこう|||おもう

この 技 は 相手 の 剣 が 速ければ 速い ほど 成功 率 が 跳ね上がる から よ |わざ||あいて||けん||はやければ|はやい||せいこう|りつ||はねあがる||

虚 刀 流 七 の 構え 「 杜若 」 きょ|かたな|りゅう|なな||かまえ|もりじゃく

何 だ その 明 かな 突撃 の 構え は なん|||あき||とつげき||かまえ|

対策 が ある みたいな 口振り で それ か たいさく||||くちぶり|||

甘く 見 られた もん だ 　 虚 刀 流 あまく|み||||きょ|かたな|りゅう

相手 に とって 満足 無し か あいて|||まんぞく|なし|

ふ っ

アホ 　 馬鹿に さ れて いる んだ |ばかに||||

えっ

まあ 　 いい や

それ じゃ まあ 　 位置 に ついて 用意 |||いち|||ようい

どん

前 は 三 歩 ぜん||みっ|ふ

一 二 三 零 閃 ひと|ふた|みっ|ぜろ|せん 虚 刀 流 「 薔薇 」 きょ|かたな|りゅう|ばら

おう 　 やった か

駄目だ 　 浅い だめだ|あさい

っく 　 足 さばき の 陽動 は 認めて やる |あし|||ようどう||みとめて|

在り もし ねえ 幻覚 を 斬 っち まった あり|||げんかく||き||

だが な

何 だ その 爪 の 甘 さ は よ なん|||つめ||あま|||

どういう こと だ

「 薔薇 」 は 決まって いた んだ よ 俺 が 加減 し なければ な ばら||きまって||||おれ||かげん|||

あー

奴 の 剣 圧 に びび っちゃ った やつ||けん|あっ||||

しくじった 　 こんな 所 で 実戦 経験 の 少な さ が 出た か ||しょ||じっせん|けいけん||すくな|||でた|

七 花 なな|か

動く な うごく|

俺 の 背中 から 出る んじゃ ない おれ||せなか||でる||

馬鹿 者 　 策 の 通じ なかった 今 そんな 言葉 が 聞ける か ばか|もの|さく||つうじ||いま||ことば||きける|

びっくり した

二 回 続けば もう 紛れ じゃ ねえ や な ふた|かい|つづけば||まぎれ||||

すっかり 目 が 覚め ち まった よ 　 虚 刀 流 |め||さめ||||きょ|かたな|りゅう

こんなに 気分 が いい の は 　 お ぎ ゃあ と 生まれた 時 以来 だ |きぶん|||||||||うまれた|じ|いらい|

そい つ は どうも 　 おはよう ございます

は ぁ

そして お 休み なさい ||やすみ|

… かな

さっき の が とんで も ねえ 境地 だって こと ぐらい は 分かる ぜ ||||||きょうち|||||わかる|

しかし 　 同じ 手 が 通じる と 思う な よ |おなじ|て||つうじる||おもう||

敵 を 手負い に さ せた の は まずかった ぞ てき||ておい|||||||

零 閃編 隊 ―― 五 機 ぜろ|せんへん|たい|いつ|き

五 連 撃 いつ|れん|う

これ なら

お前 が 多少 加速 しょう が 減速 しょう が 関係 ある まい おまえ||たしょう|かそく|||げんそく|||かんけい||

その 程度 の 誤差 など 　 軽く 呑み込んで しまう |ていど||ごさ||かるく|のみこんで|

それ が あんた の 隠し だまって わけ か ||||かくし|||

これ が

いやいや 違う ね |ちがう|

な 　 何 が 起きた |なん||おきた

自分 で 自分 を 斬り や がった じぶん||じぶん||きり||

何の ため に なんの||

これ こそ 宇練 金閣 の 一万 人斬り の 秘密だ よ 　 虚 刀 流 ||うれん|きんかく||いちまん|ひときり||ひみつだ||きょ|かたな|りゅう

見な みな

鞘内 を 血 で 濡らし さやない||ち||ぬらし

血 を 溜 め じっとり と 湿ら せる こと に よって ち||たま||||しめら||||

鞘走 り の 速度 を 上げる と さやそう|||そくど||あげる|

刀 と 鞘 の 摩擦 係数 を 格段に 落として かたな||さや||まさつ|けいすう||かくだんに|おとして

零 閃 は 光速 へ と 達する ぜろ|せん||こうそく|||たっする

それ が 斬 刀 鈍 限定 奥義 　 斬 刀狩り ||き|かたな|どん|げんてい|おうぎ|き|かたながり

斬れば 斬る ほど 速く なる って わけだ きれば|きる||はやく|||

あっ 　 閃 いた |せん|

七 花 　 今 こそ 戦術 的 撤退 だ なな|か|いま||せんじゅつ|てき|てったい|

あや つ を ほうっておく と 　 出血 多量 で 死ぬ ぞ |||||しゅっけつ|たりょう||しぬ|

却下 だ きゃっか|

正気で は ない か しょうきで|||

そんな の 勝利 と は 言わ ん ||しょうり|||いわ|

言った だろう 　 偶然じゃ 駄目だ いった||ぐうぜんじゃ|だめだ

かっこいい な 　 あんた

あっ

あんた を 見て いる と 　 奥の手 を 隠して いた 自分 が 恥ずかしい ぜ ||みて|||おくのて||かくして||じぶん||はずかしい|

出し 惜しみ は 止めた だし|おしみ||とどめた

虚 刀 流 の 全て を 見せて きょ|かたな|りゅう||すべて||みせて

やろう

ああ 　 そうだ |そう だ

ちょっと 気 に なった んで 訊 いと きて ー んだ けど よ 　 お 姉ちゃん |き||||じん|||-|||||ねえちゃん

あんた 　 もしも この 斬 刀 を あんた に 引き渡したら |||き|かたな||||ひきわたしたら

俺 の 望み を 叶えて くれる って 言った よ な おれ||のぞみ||かなえて|||いった||

ああ

だったら 　 斬 刀 を 引き渡す 代わり に |き|かたな||ひきわたす|かわり|

この 因幡 を 元通りに して もらう って の は 有り かい |いなば||もとどおりに||||||あり|

それ は 無理だ ||むりだ