episode 09「 もう すぐ バレンタイン 」
( 百合 ) 好きな の ? 菜緒 ( なお ) ちゃん の こと
( 上原 ( うえ はら )) そうだ よ そういう こと だ から
遅刻 す ん ぞ
( 菜緒 ) あっ はっ …
ごめん 先行 って て まだ 準備 できて なくて
じゃあ な
ハァ …
( 百合 ) 好きな の ? 菜緒 ちゃん の こと
そう だ よ
好き って … こと ?
そういう こと だ から
( まり な ) マジ で !?
ウソ ~ 何 か 信じ らん ない
えっ そう ?
( まり な ) え ? 違う 違う
上原 君 が そんなふうに 言う の が 意外 って こと
ああ … うん
そっち の ほう は 何となく 気づいて たから さ
( 菜緒 ) ん ?
上原 君 って 菜緒 の こと 好きな の か な ー って
えっ ウソ ! 何で ?
よかった ねえ
これ で 本物 の 彼 氏 と 彼女 って わけだ
あっ え … 実は
( まり な ) ん ?
まだ 好き って 言って ない
“ まだ 好き って 言って ない ”!?
ちょっと 声 が 大きい よ !
何で ? え ?
だって 舞い上がっちゃ って 言いそびれちゃ った
じゃあ 上原 君 サイド から 見れば 片思い って こと ?
うわ ~ 菜緒 なんて 贅沢な 身分
でも 私 の 気持ち は バレバレ だ と 思う し
いや バレ て ない でしょ ( 菜緒 ) え ?
だって 上原 君 超 鈍い じゃ ん
まっ 菜緒 も だ けど
まあ いい や もう すぐ バレンタイン だし ね
ちゃんと 好き って 言う チャンス だ よ
バレンタイン …
うん
ちょっと 頑張って みよう かな
菜緒 ~! よかった ね
( 菜緒 ) おはよう
( 大地 ) ストップ
( 菜緒 ) ごめん ね ( 大地 ) だ から 謝 ん なって
菜緒 ?
どうした ? ( 光 石 ) ボーッ と して
何でもない
テスト … 勉強 し なきゃ
頑張 ろ
( チャイム )
( 教師 ) はい じゃあ 速やかに 後ろ から 回収 する ように
ここ で つまずいた ところ は
3 年 に なって から も 引きずる から な
来年 は 受験 も 控えて る んだ から
でき なかった ところ は そのまま に して おく んじゃ ない ぞ
は ー い 回収 した の は ここ に 置いて
何 だ よ
ごめん 今日 1 人 で 食べて
は ? ( 菜緒 ) まり な と 話 ある から
じゃ 失礼 しま ~ す ( 上原 ) おい
はい
まあ 別に いい けど
どうせ 帰ったら 毎日 顔 合わせる んだ から
避けて も 無駄だ ぞ
べ … 別に 避けて なんか ない もん
あっ そ
( まり な ) バカだ ねえ 何で 避け ん の ?
だって … ( まり な ) だって 何 ?
ちょっと 照れる なあ って 思い まして
ブッ
えっ ちょっと 何で 笑う の ?
まり な だって みっ ちゃん に 告白 さ れた 時
みっ ちゃん の こと 避けて た くせ に
あれ は … ( 菜緒 ) あれ は ?
あっ いや …
照れくさい ね やっぱり ( 菜緒 ) ほら !
( まり な ) あー もう 私 の 話 は いい の !
それ より バレンタイン の 約束 は ちゃんと する んだ よ
うん
たまに は さ 気分 を 変えて
外 で デート する の も いい んじゃ ない ?
ど っか で 待ち合わせ とかして さ
デート … ( まり な ) うん
よし フフッ
あー
上原 君 !
ごめん 待った ?
う うん 今 来た とこ
行こう か
うん
上原 君 好きです
俺 も だ よ
( 光 石 ) 腹 減った ー ( 菜緒 )“ 俺 の こと 好き か ?”
( 光 石 ) 菜緒 どうした の ? ( 菜緒 )“ 大好き チュッ ” あー !
( まり な ) 菜緒 菜緒 菜緒 ?
あっ みっ ちゃん あっ ! 13 日 の 夜
まり なん ち 泊まり 行って も いい ?
いい よ 家 で 作ったら ネタバレ に なっちゃ う もん ね
一緒に 作 ろ っか チョコ ( 菜緒 ) うん !
で 14 日 は 外 で 待ち合わせ する !
( まり な ) よし ! ( 光 石 ) 何 何 何の 相談 ?
( まり な ) 内緒 ( 菜緒 ) 何の チョコ が いい かな
でも 上原 君 は や っぱ 質 より 量って 感じ だ よ ねえ
ケーキ と か の ほう が いい んじゃ ない ?
上原 君 ケーキ 大好き ! ( まり な ) じゃあ ケーキ に しよう
俺 の も ある よね ? ( まり な ) 何 に し よっ かな
( ゲーム の 音声 )
あの …
上原 君
あの さ 上原 君
ちょっと 上原 君 !
何 だ よ 聞こえ てるよ
聞こえて んだったら 返事 ぐらい して よ ね
避け られて る から
俺 呼んで る んじゃ ない か と 思って
意地悪だ な
何 ?
あっ
テスト 勉強 して ん の ?
いや 特に
勉強 して なくて 何で あんなに 成績 いい の ?
何 ? 用 それ だけ ?
あっ いや …
あの さ 上原 君 ( 上原 ) ん ?
あの …
14 日 の 日曜 って さ …
バイト
だ よ ねえ
夕方 から だ けど
じゃあ お 昼 は ?
別に
じゃあ さ デート …
で で … 出かけ ない ? 出かけ ない ?
どこ に ?
それ は これ から 決めて から
何で ?
何で って …
14 日 だ し
( 上原 )14?
うん 14 日
あ … バレンタイン な んだ けど
ああ ~ お前 知って る か ?
バレンタイン に 踊らさ れて る の なんて
日本 人 だけ らしい ぞ
毎年 あんな バカ みたいに 盛り上がって
そう な の ?
くだら ねえ よ な
くだらない と か 言っちゃ って
毎年 学校 で いっぱい チョコ もらって んでしょ ?
あっ
何 個 もらって ん の ? 10 個 と か ? 50 個 と か ?
まさか 100 個 と か ?
ゼロ だ よ
下手に 受け取って
お返し と か 期待 さ れ ん の 面倒だ から 受け取ら ない
あっ 私 は 全然 全然 大丈夫だ よ !
牛乳 プリン だけ あれば
期待 して んじゃ ねえ かよ
いや … そりゃ ちょっと ね
で 何 だ っけ ? ( 菜緒 ) え ?
いや ど っか 行く んだ ろ ?
えっ いい の ?
いい よ
じゃあ 約 束ね ! ( 上原 ) おう
そ っか 0 個 か
御 三 家 も 案外 寂しい バレンタイン 過ごして んだ ね
あっ そう いえば 1 個 だけ もらった わ
え ? ( 上原 ) 百合 から
や っぱ ゆり りん から は もらう んだ
集中 集中
あっ 大 ちゃん ( 大地 ) ん ?
あっ おはよう
おはよう
今日 も 朝 練 です か ?
いや ー まあ 自主 練 だ から 卒業 まで はやる かな
大変 ねえ 菜緒
うん
でも 3 年 は 日曜 で いよいよ 引退
そう な んだ
3 年 全員 進路 が 決まって 日曜 に 追い出し 試合 やる んだ
何 それ 楽し そう !
ここ で 試合 す ん の も 最後 だ から みんな 友達 と か 誘って
祭り みたいに やろう って 言って んだ けど
お前 ら も 暇だったら 見 に 来 いよ
日曜 …
あっ
日曜日 は ちょっと … ( 大地 ) ん ?
あっ ほら バレンタイン です しね
ああ そ っか …
男 だけ で 盛り上がって 決めた けど バレンタイン か
ごめんなさい
( 大地 ) いい よ 全然 気 に し ないで
( まり な ) あー でも
大 ちゃん の 卒業 祝い は 盛大に やろう ね 菜緒
うん ( 大地 ) 楽しみに し とく
じゃあ な
ハァ …
ちょっと なん つ ー 顔 してん の
だって … ( まり な ) だって じゃ ない よ
菜緒 が 普通に し なくて どう す ん の
分かって る けど
菜緒 が 心配 し なくて も
大 ちゃん の こと は 周り が ほっとか ない から !
あ ~ あ 大学 入ったら モテ る んだろう なあ
ちょっと 悔しい
ハァ …
( 大地 ) あの さ
や っぱ やめた
俺 も 言い ました よ
吉川 ( よし かわ ) に ちゃん と 言い ました から
( チャイム )
( 教師 ) はい 後ろ から 集めて
終わった
やった 終わった ー !
菜緒 チョコ 作る よ !
( 菜緒 ) チョコ ! ( まり な ) チョコ !
( 菜緒 ) チョコ !
( 菜緒 ・ まり な ) おお ~!
お ~
( オーブン の 終了 音 ) ( まり な ) はい
( 菜緒 ・ まり な ) お ~!
( まり な ) は い 取って 取って ( 菜緒 ) おいし そう
( まり な ) 気 を つけて よ ( 菜緒 ) うん
よい しょ
( まり な ) お ~ ( 菜緒 ) かわいい
ジャーン !
うーん 次
( まり な ) ん っ
ジャーン !
次 ああ … 次 次 次
う うん
( 菜緒 ) もう !
ジャーン !
( まり な ) 菜緒 さ ( 菜緒 ) ん ?
何 か 趣味 変わった ? ( 菜緒 ) え ?
大人っぽく なった って いう か 何という か
それ は …
まさか と は 思う けど ゆり りん 意識 して る ?
う ~ わ あきれた
あの 上原 君 に 告白 まで さ れて る くせ に
分かって る よ
でも … ( まり な ) でも ?
気 に なる ?
去年 は 学校 で チョコ 1 つ も もらわ なかった のに
ゆり りん から は もらった って
( まり な ) そりゃ もらう でしょう よ 好きな 人 から の チョコ だ よ
あっ いや あの …
“ 好きだった ” ね ? 過去 形
うん
そんな 無理 して 大人っぽい 格好 して
背伸び し なく たって いい と 思う よ
上原 君 は 今 の 菜緒 を 好きに なった
でしょ ?
うん
背伸び した って ゆり りん に は なれ ない んだ から
あ … いや あの 悪い 意味 じゃ なくて
あー あっ ち ょっ …
これ と かも 着て みたら いい んじゃ ない ?
( 菜緒 ) え ? ( まり な ) うん
いい かも
菜緒 さ … ( 菜緒 ) ん ?
ちょっと 太った ?
あっ ち ょっ … 菜緒 … ごめん ごめん
食わ ない の ?
うん 食べて 食べて
変な 奴
あっ 上原 君 日曜 な んだ けど さ
9 時 に 赤 レンガ 倉庫 前 待ち合わせ で
10 時 に コスモワールド で 観覧 車 乗って
ちょ ちょ ちょ … ( 菜緒 ) ん ?
何 それ
日曜 の デート プラン
( 上原 ) え ? ( 菜緒 ) え ?
あ …
観覧 車 イヤ ?
いや その 前 が 変だ ろ ( 菜緒 ) え ?
いやいや 何で 一緒に 住んで ん のに
待ち合わせ すんだ よ ?
デート と 言ったら 待ち合わせ でしょ ?
あっ 大丈夫 私 明日 はまり な ん ち 泊まる から
待ち合わせ の ため に ?
うん まあ いろいろ 準備 は ある けど ね
( 上原 ) ふ ー ん
あっ ねえ
チョコ と チョコレートケーキ どっち が 好き ?
露骨な 質問 ( 菜緒 ) いい から どっち ?
腹 の 足し に なる ほう
は いはい ケーキ ね
ちなみに …
去年 は ゆり りん から 何 もらった の ?
あー ど っか の 何とか って ケーキ
何 それ
あいつ も 質 より 量って 感じ だ から さ
だ よ ね
よっ ( 光 石 ) お ー 大地 先輩
テスト 終わった んだ ろ ? ( 光 石 ) やっと です よ
お 疲れ
あいつ 大丈夫だった の か な
菜緒 です か ? ( 大地 ) うん
話して ない んです か ?
まあ いろいろ あって
いろいろ って いう か …
フラ れた
( 光 石 ) え …
最近 菜緒 俺 の 前 で 笑わ なく なっちゃ って さ
そりゃ まあ … です よ ね
ごめん ね ( 大地 ) だ から 謝 ん なって
あんな 顔 さ せ たかった わけじゃ ない んだ けど な
( 光 石 ) はい ?
いや 何でもない
諦める って こと です か ?
( 徹 平 ) 賄い できた よ
( 一星 ( いっせい )) 吉川 食って いい ぞ
( 菜緒 ) あっ ごめん いっちゃ ん
今日 は 賄い いら ない
( 一星 ) 何 だ 腹 の 調子 でも 悪い の か ?
う うん そういう ん じゃ なくて
お腹 すいて ない だけ
( お腹 が 鳴る 音 )
アハハハ …
( 一星 ) は は ー ん …
もし かして ダイエット と か ?
( 阿部 ) 吉川 何で また ?
最近 太り 気味で
( 一星 ) あの 彼 氏 に 言わ れた と か ?
彼 氏 じゃ ない し !
最近 チョコレート ケーキ の 試作 品 と か いっぱい 作って
食べ すぎちゃ って
もし かして バレンタイン の ? ( 菜緒 ) うん
やった ! 吉川 俺 に も くれる よ ね ?
義理 で 全然 いい から さ ( 菜緒 ) ごめん あ べ っち
今年 は 本命 1 本 って 決めて る んだ
今年 こそ は ゼロ じゃ ない って 思った のに
お前 今 間接 的に 俺 に も くれない って 言った な
ごめんなさい ( 一星 ) うわ っ ストレートだ な
まあ とにかく
うち は バレンタイン だろう が 水着 の 季節 だろう が
賄い 抜く の 禁止 だ から 店 の 方針
ちょっと ぐらい 丸く たって
おいし そうに 飯 食う 女子 の ほう が 俺 が 好きだ から
大体 な 腹 減って いい 仕事 できる か っつ ー の
また 丼 割ったら どうして くれ ん だ よ
丼 の 心配 ね
( 一星 ) いい から 食えよ
は ー い
( 一星 ) お 疲れ さ ん
お 先 に いっちゃ ん
お前 着替え 忘れて る ぞ ?
違う よ
賄い が おいし すぎて 食べ すぎちゃ った から
うち まで ジョギング して 帰ろう か な ー と 思って
本当に 上原 君 に 言わ れた わけじゃ ない から ね
ただ 自分 で 勝手に 痩せ たい なあ って 思った だけ
ああ ちょっと 待って て
( 菜緒 ) ん ? ( 一星 ) いい から 待って ろ
よし 走る ぞ ( 菜緒 ) え ?
コンビニ まで 行く から 途中 まで 付き合う よ
ジョギング よし よ ー い どん !
( 菜緒 ) え ? ( 一星 ) 早く しろ
( 菜緒 ) ちょ っ … ちょっと 待って よ
( チャイム )
( 菜緒 ) は ー い
( 百合 ) こんばんは ( 菜緒 ) あー ゆり りん !
どうした の ? ( 百合 ) うん ちょっと ね
あっ おいしい ケーキ 買って きた んだ
上がって いい ? ( 菜緒 ) うん もちろん
( 百合 ) お邪魔 しま ー す ( 菜緒 ) は ー い
( ドア が 開く 音 ) お っす !
どう した んだ よ
そんな 怖い 顔 し ないで よ 何も ない わ よ
今日 は これ を 菜緒 ちゃん に 届け に 来た だけ
( 菜緒 ) えっ 何 ? ( 百合 ) 開けて みて
えっ
あっ
うわ っ かわいい
菜緒 ちゃん に プレゼント
えっ いい の ?
うん お 礼 し たかった んだ
菜緒 ちゃん に は すっかり 迷惑 かけちゃ った から さ
ごめん ね
ゆり りん … ありがとう
( 百合 ) 何 ?
俺 も 相当 迷惑 して る んだ けど ( 百合 ) あっ これ
もう 1 色 青 が あった んだ けど ( 菜緒 ) この 色 好き
だ よね 菜緒 ちゃん は 絶対 こっち だ と 思った
( 菜緒 ) うれしい
あっ ごめん 何 だ っけ ?
( 上原 ) 兄貴 は ? 相変わらず 忙しい の か ?
( 百合 ) みたい ね
お前 顔色 最悪だ な
( 菜緒 ) 大丈夫 ? ゆり りん
昨日 会社 の 飲み 会 で 飲み すぎちゃ って
ああ 大丈夫だ よ ( 上原 ) 知って る か ?
酒 の 席 で の 暴言 も 勤務 査定 に 響く らしい ぞ
ウソ
ずっと 言おう と 思って た んだ けど さ
( 百合 ) 何 よ
百合 って 酒 で 身 を 滅ぼす タイプ だ よ な
大丈夫だ よ ゆり りん 全然 大丈夫
( 百合 ) 菜緒 ちゃ ー ん
( 菜緒 ) あっ 私 これ 着て こ よっ かな
( 百合 ) うん 見 たい ! ( 菜緒 ) うん
( 上原 ) 何 か あった んだ ろ ?
( 百合 ) 何も ない って 言って る でしょ
だったら 突然 来 んな よ
あっ 心配 しちゃ った ?
心配 ぐらい する だ ろ
( 上原 ) 曲がりなりにも 義理 の 姉 な んだ から
( 百合 ) 曲がり って …
った く いつまでも フラフラ しや が って
うるさい わ ね !
( 上原 )“ うるさい わ ね ” じゃ ね ー よ じゃ 来 んな よ
( 百合 ) 何で 別に いい じゃ ん
ほら ケーキ ( 上原 ) いら ね ー よ んな もん
( 百合 ) あっ そ
お ー これ これ ど っか の 何とか って ケーキ
ゆり りん 少し 痩せて たね
( 上原 ) そう か ?
気づいて る くせ に
ん ? 何 か 言った ?
う うん 何でもない
あっ
った く
ちょっと 行って くる
( ドア の 開閉 音 )
百合 !
忘れ もん
ごめん
菜緒
( 菜緒 ) ん ?
( まり な ) あ ~ あ
大丈夫 大丈夫 ( 菜緒 ) ごめん
あー ねえ それ より さ
これ 味見 して ( 菜緒 ) え ?
( 菜緒 ) うん おいしい ( まり な ) 本当 ?
よい しょ
うん 本当だ
ちょっと … え ?
つい てるよ
( まり な ) どこ どこ ? 取って ( 菜緒 ) アゴ アゴ アゴ
かわいい
( 菜緒 ) ゆり りん から もらった の
( まり な ) ふ ー ん ゆり りん って いい 人 !
菜緒 ?
本当
完璧 すぎて
ハァ …
何 か 私 だんだん 欲張って る 気 が する
ん ?
前 はね ゆり りん の こと
好きで も いい や って 思って た んだ けど
上原 君 に 好き って 言わ れて から さ
今 まで しょうがない って 思って た こと が …
許せ なく なって きた ?
いや 許せ ない と か じゃ ない けど
うーん
何て 言ったら いい か 分か ん ない な
“ 私 以外 に 優しく し ないで !” って
いや そこ まで 言える ほど で も ない し
いや むしろ 言って こう よ ! 誰 だって イヤでしょ
好きな 人 が 自分 以外 に 優しく す ん の なんて
そういう もん ?
そういう もん です !
でも 上原 君 は 菜緒 が 好き って 言った んでしょ ?
うん
ゆり りん に 言った んでしょ ?
だったら さ
分かって る けど
でも ずっと 見て きた から
上原 君 が ゆり りん の こと 大事に 想って る の
( まり な ) はい この 話 は ここ で 終わり
そう だ ね
明日 は 上原 君 と 1 日 ずっと 一緒に い られる し
そう だ よ
明日 は ちゃんと 気持ち を 伝え ない と ね
あ ~ あ
何 か 緊張 して きた
った く 菜緒 しっかり して よ !
どう しよう ( まり な ) 大丈夫
ケーキ は バッチリ で きたし
あと は ちゃんと 好き って 言って 渡す だけ
上原 君 も きっと 喜んで くれる と 思う よ
うん
頑張れ 菜緒
うん
( 上原 ) ありがとう ございました ( 明 ) ありがとう ございました
( 明 ) 上原 君 そろそろ いい よ
はい ( 明 ) うん
( なな こ ) 久志 ( ひさし ) 君 ! ( 上原 ) おう
はい これ
( 上原 ) あっ 俺 チョコ は いい
それ は 分かって る
じゃあ 何で 何で 作った んだ よ
俺 に 試作 品 何 個 も 食わさ せて … ( なな こ ) 決めた の
これ 渡したら きっぱり 久志 君 の こと 忘れて
受験 に 専念 する
それ で 久志 君 と 同じ 高校 に 受かって み せる
それ じゃ 忘れ たって こと に は なら ない よ ね
それ ずっと 覚えて る って こと だ もん ね
ありがとう
受験 頑張れよ
( 明 ) う あ ~ ん !
( なな こ ) 意味 分か ん ない 何で お 父さん が 泣いて る の ?
( 明 ) だって 娘 の 失恋 は お 父さん 悲し いよ
失恋 じゃ ないし 一 時 休戦 で …
ちょっと お 父さん
フラ れちゃ った な ( なな こ ) フラ れて ない って ば
( 明 ) 初めて か 初 失恋 か ( なな こ ) フラ れて ない って ば
( 男 1) 飲み 行こう よ いい じゃ ん ( 男 2) そうだ よ もう 一 軒 !
( 百合 ) どうし よっ か なあ 私 酔っ払う と 大変だ よ ?
手 に 負えない かも ( 男 1) どう 大変な の ?
百合 ?
超 キス 魔 だ から さ
( 男 2) いい じゃ ん それ 最高 ! 行こう 行こう …
何 か 運命 感じちゃ うよ ね ( 男 1) あっ ち あっ ち …
ご 迷惑 を お かけ し ました
久志 ? ( 上原 ) 行く ぞ
おい ちょっと 待てよ お前 誰 だ よ
あー ごめん ごめん これ 弟
( 男 2) 弟 ? ( 百合 ) そう おせっかいな 奴 で さ
じゃあ ね 久志 私 は もう 一 軒 行く から
あんた は 帰って … ( 上原 ) いい加減に しろ よ !
偉 そうに し ないで よ
おお っ
行こう ぜ もう ( 男 2) ああ
送る
いや うち に は 帰 ん ない
今度 は 何 が あった んだ よ
卓也 出張 で い ない んだ
今日 泊めて よ
うわ っ 何 その イヤ そうな 顔
あっ そ じゃあ やっぱり 飲み 行く
お 兄 さ ー ん ちょっと 待って
( 上原 ) 行く ぞ
( 上原 ) ほら ( 百合 ) ただいま 菜緒 ちゃん
( 上原 ) い ない よ ( 百合 ) え ?
( 上原 ) 友達 ん とこ 泊まり に 行って る
( 百合 ) 私 や っぱ 帰る ( 上原 ) おい
こんな 時間 に どこ 行く んだ よ ( 百合 ) 離して
大丈夫 か ?
( 百合 ) バカ 野郎
何 だ よ 突然 ( 百合 ) ウソつき
バーカ
寝て ん の か な
( 呼び出し 音 )
( スマホ の バイブ 音 )
ヤッベ
( 菜緒 ) もしもし ( 上原 ) 悪い 吉川
待って て すぐ 行く から
寝坊 した ?
ごめん
うん じゃあ 待って る ね
百合 ?
卓也 海外 転勤 みたい
え ?
車 に 隠して あった 資料 見ちゃ った んだ よ ね
ん ?
え ?
オーストラリア だって
卓也 1 人 で 行く つもり みたい
何で だ よ ?
あんた たち 兄弟 似て る じゃ ん
1 人 で 何でも できて
私 なんか い なくて も 大丈夫だ から でしょ ?
元 カノ に は ずっと 相談 して た みたいだ し
もし かして 一緒に 行く の かも
何 だ よ それ
私 に は 言え ない こと も
元 カノ に は 話せる んだ よ
私 だけ 何も 知ら なくて
バカ みたい
だったら 何で 私 と 結婚 した の よ
結婚 なんか し なきゃ よかった じゃ ん
熱 ?
ほっといて よ
( スマホ の 着信 音 )
もしもし 今 どこ ?
( 上原 ) 吉川 ごめん ( 菜緒 ) え ?
( 上原 ) 行け なく なった
え … ( 上原 ) 先 帰って て
何 か あった の ?
もし かして ゆり りん ?
( 上原 ) ごめん 吉川
すぐ 帰る から 少し 待 っ …
( 菜緒 ) イヤ
え ?
( 菜緒 ) 結局 上原 君 は ゆり りん な んだ ね
吉川 ?
( 通話 が 切れる 音 )
おい 行く ぞ
言った じゃ ん 吹っ切れた って
言った じゃ ん
私 の こと 好き って
( 駿 介 ) 来週 仕切り 直し ましょう ね 先輩 !
( 大地 ) うん 晴れたら な
( 部員 たち ) お 疲れ さ まで す ( 大地 ) お 疲れ
気 を つけろ よ
( 大地 ) 菜緒
お前 どう した んだ よ ずぶ濡れ じゃ ん
大 ちゃん こそ 試合 は ?
いや 雨 だ から
そ っか だ よ ね
菜緒 ?
大 ちゃん 雨 男 だ っけ ?
いや 菜緒 だ ろ 雨 女 は
そう だった
お前 あいつ と 会う 約束 して た んじゃ ない の か ?
うん して た
ああ だ から か
だから 雨 降っちゃ った んだ ね
ごめん ね 大 ちゃん
ごめん
ごめん 私 …
ごめん
♪~