episode 09「 恋する 気持ちって 変わる もの ?」
( 菜緒 ( なお )) 太田 ( おお た ) ちゃん
この 間 原宿 ( はら じゅく ) の パンケーキ 屋 さん 行き たい って 言って た よ ね
( 太田 ) 言って ない 言って ない よ ( 菜緒 ) 私さ パンケーキ に は ―
ラテ より 紅茶 の ほう が 合う と 思う んだ けど
私 い っつ も うっかり しちゃ って さ
紅茶 じゃ なくて ラテ 頼んじゃ う の
だから さ ラテ の ほう が …
( まり な ) ストップ ストップ ストップ
( 菜緒 ) え ?
( まり な ) 菜緒 ( 菜緒 ) ん ?
上原 ( うえ はら ) 君 と 何 が あった の ?
( 阿部 ( あ べ )) 俺 見ちゃ った んだ よ ね
( 菜緒 ) あ べ っち
あの 夜 吉川 ( よし かわ ) と 上原 が …
( 上原 ) 俺 …
吉川 と 距離 置き たい んだ
( 菜緒 ) 距離 置く って どういう こと ?
お互い の 部屋 行き来 したり
一緒に 飯 食ったり する の は やめよう
上原 君 …
やっぱり 信じて ない んだ 私 の こと
信じ たい から だ よ
え ?
とにかく 今 は お互い
自分 を 見つめ 直す 時間 が 必要だ と 思う
( 太田 ) えっ 菜緒 ちゃん それ 大丈夫な の ?
違う よ
ほら 感情 の 行き違い って やつ ?
ちょっと 冷静に なろう って 話
でも それ って 別れる 前 段階 って こと じゃ ねえ の ?
( スプーン が 落ちる 音 )
ち … 違う … 違う よ
ほら 距離 を 置く った って ほら そもそも お 隣 同士 だ し
じゃあ 太田 ちゃん 先 行って る から 席 取 っと くね
( 太田 ) え ? あっ …
( 菜緒 ) あっ
( 男子 学生 ) すいません
大丈夫です か ? すいません
( 菜緒 ) いえ
( 夏目 ( なつ め )) 何で 菜緒 ちゃん の こと 信じて やれ ねえ んだ よ
好きな んだ ろ
あいつ の こと
ああ
好きだ
で どう する ?
もらっちゃ って いい の ?
何とか 言えよ !
もう お前 に 遠慮 なんて し ない
黙って 見て る の は やめた
( 紗栄 子 ( さえ こ )) 大丈夫 ?
何で 何も 言い返さ ない の ?
紗栄 子 さん
前 に 言い ました よ ね
( 紗栄 子 ) え ?
俺 と 吉川 は
たまたま 同居 して た から 付き合った んじゃ ない か って
それ は 酔っ払って つい
あいつ の 中 に は 確かに そういう 思い が ずっと あった んです
俺 が いくら 違う って 言って も
でも …
最近 思う んです
実は 俺 の ほう が
運 に 助け られて た んじゃ ない か って
あいつ に とって
たまたま そば に いた の が 俺 だった から で
それ が もし …
夏目 君 だった と したら ?
夏目 君 と 上原 君 の 出会い が 逆だったら
どう なって た か 分か ん ない ?
今 の 俺 は
夏目 に 勝てる もん 何も ない んです よ
随分 自信 が ない んだ ね
俺 …
夏目 に 初めて 会った 時
何 か 妙に なれなれしくて
( 上原 ) 変な ヤツ だ なって 思った んです けど
でも 不思議 と 腹 は 立た なかった んです よ
周り の 空気 と か 自分 の こと より も 優先 する し
そういう の
普通に すげ え なって 思って る 自分 が いて
なんで …
吉川 に とって
本当に 俺 で いい の か
距離 を 置いて 見極め たい んです
夏目 と 一緒に いた ほう が
あいつ に とって は 幸せ かも しれ ない じゃ ないで す か
吉川 自身
俺 が そば に いたら 自分 の 気持ち に 気づけ ない だろう し
でも それ で 夏目 君 に 取ら れちゃ って も いい の ?
( 上原 ) だ と したら ―
それ まで の こと なんで
( 紗栄 子 ) 諦めちゃ うんだ
私 だったら 欲しい もの あったら 絶対 諦め ない けど ね
ここ に いたんだ
夏目 君
結局 上原 と こじれちゃ った みたいだ ね
言 っと く けど キス の こと 俺 は もう 謝ら ない よ
こん ぐらい で 揺らぐ あいつ が 悪い し
上原 君 は 悪く ない から
私 が …
それ に
私 上原 君 の こと 信じて る から
菜緒 ちゃん
もう 俺 に しな よ
また そんな こと 言って
俺 は 菜緒 ちゃん が 好きだ よ
いいかげん 気づいて よ マジ で
でも …
分かって る
今 は 可能 性 ゼロ って こと は
けど 人 の 気持ち って 変わる でしょ
それ を 俺 が 証明 する よ
俺 が 菜緒 ちゃん の 気持ち 変えて み せる から
♪~
~♪
通った ?
審査 に 通った ?
( 教授 ) さっき 連絡 が あった よ
君 が 書いた “ IPS 細胞 から の ―”
“ ステロイドホルモン 合成 細胞 の 分化 の 成功 ” に ついて の 論文 が
確かに 受理 さ れた そうだ
ウソ でしょ …
( 上原 ) それ って この 間 雑誌 に 投稿 した 論文 の こと です よ ね
掲載 が 決まった んです か ?
掲載 に は 改定 論文 の 提出 が 条件 だ
改定 論文 ?
論文 に さらに 説得 力 を 持た せて 再 提出 しろ って こと
先方 の オーダー は
ステロイドホルモン 合成 経路 を 証明 する こと
それ さえ 証明 できれば
論文 が 雑誌 に 掲載 さ れる って こと です か ?
ずっと 夢 だった んだ ろ
福島 ( ふく しま ) 教授 と 同じ 雑誌 に 自分 の 書いた 論文 が 載る の
( 紗栄 子 ) え ?
来月 号 メイン は 福島 教授 の 論文 だ
やっと 紗栄 子 君 の 夢 が かなう ね
期限 は 1 週間 絶対 に 実験 を 成功 さ せ ない と
上原 君
私 しばらく 実験 室 に 籠もる から よろしく !
その 実験 手伝わ せて もらえ ませ ん か ?
( 紗栄 子 ) え ?
俺 に 協力 さ せて ください
夏目 君 に 勝てる こと 見つける ため ?
まあ 理由 は 何でも いい や 猫 の 手 でも 借り たい ぐらい だ から
フフフッ
( ドア が 開く 音 )
( 菜緒 ) 夏目 君 あり が と ね
相手 好きな 人 いる から
俺 が 勝ったら …
俺 と 付き合って
( 夏目 ) いいかげん 気づいて よ マジ で
バカだ 私
( 大地 ( だいち )) 待て って 七瀬 ( なな せ )
待て って
( 七 瀬 ) 言った よ ね
私 は もう 友達 と して いる なんて 無理だ から
マネージャー 辞め ない よ な
大 ちゃん
へえ
ハンド 部 辞めちゃ うんだ
何 か あった ?
( 菜緒 ) 大 ちゃん は どう し たい の ?
( 大地 ) 分か ん ない
友達 で いら れ そう も ない や
けど …
あいつ が そば に い ない の は
何 か イヤな んだ
試合 に 勝った 瞬間
一 番 に そう 思った
大 ちゃん
それ って もし かして …
でも
自分 でも どういう 感情 か 全然 分か ん ない んだ
大 ちゃん
七瀬 さん と ちゃんと 話した ほう が いい と 思う
今 離れたら 絶対 ダメだ よ
でも あいつ もう 俺 に 会って くれ ない し さ
大丈夫
私 に 任せて
( 七 瀬 ) もう 大地 と は 会わ ない
そう し なきゃ いけない の
片思い を 終わら せる に は そう する しか ない から
でも それ が チャンス だ と したら ?
チャンス ?
だって 告白 したら 追いかけて きた んでしょ
失い かけて 初めて 大切 さ に 気づいた パターン じゃ ない か な
( 七 瀬 ) 大地 が 私 の こと 好きに なる わけな いよ
だって 子供 の ころ から ずっと 吉川 さん の こと が 好きな んだ よ
人 の 気持ち は 変わる よ
絶対 に
( 携帯 電話 の バイブ 音 )
吉川 さん だ
え ?
( 七 瀬 ) 週 末 大地 の 全国 大会 出場 の お 祝い 会 を 開く から
参加 して ほし いって
何 す ん の ?
( 教授 ) どの ステロイドホルモン 合成 酵素 が 働いた か を 調べる に は ―
抗体 を 使う の が 一 番 なんだ
ただ なあ …
どの 抗体 が 今回 の 実験 に 適して いる か を 調べ ない と
そう
( 教授 ) 抗体 の 数 は むちゃくちゃ 多い から ねえ
( 紗栄 子 ) 何 ?
( 上原 ) えっ
( 紗栄 子 ) 視線 感じる んだ けど
( 上原 ) すいません
( 紗栄 子 ) いや 謝って ほしい わけじゃ なくて 何 ? 帰り たい ?
違い ます ただ …
ただ ?
一生懸命だ なって
は あ ? バカに して ん の ?
いや そういう わけ じゃ なくて
俺 何の 役 に も 立って ない なって
すいません
何 か 謝って ばっ か
自信 つけ たい んでしょ
正直 上原 君 の 自信 回復 なんて どう で も いい んだ けど
一 度 手伝う って 言った からに は 最後 まで 突き通して
( 上原 ) ど っか 行く の か ?
うん
上原 君 は ?
ああ
さっき まで 紗栄 子 さん と いて
着替え だけ し に 帰って きて
ち … 違う ぞ
あっ 今 大事な 実験 手伝って て
それ で 徹夜 で さ
って 何 言い訳 して んだ 俺
じゃあ 私 急いで る から
( 上原 ) おう
あっ
よし
七瀬 さん
何で 夏目 君 が ?
うん まあ … いい じゃ ん いい じゃ ん
この 人 が ついてきた いって 言う から
そんな 気まず そうな 顔 し ない
今日 は 2 人 の ため でしょ
俺 も 凛 ( りん ) ちゃん の 恋 応援 し たい し
菜緒 ちゃん は いったん 俺 の 告白 の こと は 忘れて
( 七 瀬 ) 告白 ?
あっ あっ …
俺 も 菜緒 ちゃん に 告白 した の
凛 ちゃん 見て て ね
俺 絶対 菜緒 ちゃん の 気持ち 変えて み せる から
( 七 瀬 ) ハァ … あきれた
人 の こと 利用 して
( 夏目 ) もちろん 今日 の メイン は 凛 ちゃん の 恋 だ よ
( 七 瀬 ) 言 っと く けど 私 は お 祝い の 準備 を 手伝う だけ
さっさと 買い物 して 吉川 さんち 行き ま しょ
私 は 大地 が 来る 前 に 帰る から
あっ … もう 無理 か と
無理 って 何 が …
ほら 天気 も いい しさ 出かける の も いい か な あって
だました んだ
よう
( 紗栄 子 の 寝息 )
( 紗栄 子 ) 自信 つけ たい んでしょ
( 菜緒 ) フフフフ …
いい ? 夏目 君 2 人 が いい 感じ に なったら
私 たち は フェードアウト する んだ から ね
分かって る って
本当に 分かって ん の ?
( 夏目 ) 分かって る よ ( 店員 ) お 待た せ し ました
( 菜緒 ) あっ …
ああ パンケーキ だ !
おいし そう
菜緒 いちご アイス 食う か ?
好きだ ろ
え ?
えっ いい の ?
フフフッ ありがとう あっ …
凛 ちゃん もらえば ?
( 菜緒 ) あっ うん
食う ?
いら ない
私 甘い も の 苦手だ から
( 大地 ) そ っか
あっ ああ !
あっ あの ね
あの ね 私 見 たい 映画 が あって
ジャーン !
( 上原 ) あっ おはよう ございます
( 紗栄 子 ) おはよう って 今 何 時 ?
えっ 何で 起こして くん ない の ?
( 上原 ) これ 全部 準備 できたら 起こそう と 思って
これ …
購入 でき ない もの は 持って そうな 教授 の とこ 回って
全部 そろえ ました
あと は 実際 やって みる だけ です
紗栄 子 さん ?
これ もらう の 大変だった でしょ
あの 教授 私 の こと 目 の 敵 に して る から
今度 合 コン セッティング する こと に なり ました
ハハハッ 本当 ?
よし やる か !
はい
上原 君 あり が と
( 菜緒 ) いや あ 面白かった なあ
( 大地 ) 菜緒 昔 から そういう ラブ ストーリー 好きだ よ な
( 菜緒 ) もう さ 最後 の シーン なんか キュンキュン だった よ
( 大地 ) あっ あれ 覚えて る ?
あの 小 っちゃ い 時 一緒に 見た クリスマス の ラブ ストーリー
( 菜緒 ) 覚えて る あれ 私 の 中 で ベスト 3 な の
( 大地 ) へえ
( 菜緒 ) ちなみに ベスト 2 は ねえ …
( 夏目 ) 凛 ちゃん は いつも どんな 映画 を 見る の ?
( 菜緒 ) あっ うん
胸 キュンシーン ベスト 1 は ?
ない
私 基本 ミステリー しか 見 ない から
そ っか …
( 紗栄 子 ) 何で よ !
発色 する はずな のに
( 上原 ) 紗栄 子 さん 他 に 候補
間違って た の か な 私 の 論文
( 上原 ) え ? ( 紗栄 子 ) だ と したら
ラッキーだった よ ね
福島 先生 と 同じ 雑誌 に 載る 前 で
紗栄 子 さん
あー よかった 恥 かく 前 で
( 上原 ) 紗栄 子 さん ( 紗栄 子 ) 何 よ !
諦める んです か
言い ました よ ね
“ 私 なら 絶対 諦め ない ” って
( 紗栄 子 ) それ と これ と は …
( 上原 ) 同じです
やっと 認め られ そうな のに
紗栄 子 さん が 積み上げて きた もの が やっと
積み上げて きた と か 関係ない の
いくら 苦労 して も 何 か が ずれた 以上
どうにも な ん ない こと って ある んだ よ
その 時 は
あっという間 に 消えて なく なる の
消えて なく なる なんて 許し ませ ん
積み上げて きた もの
捨てる なんて 許し ませ ん !
上原 君
あっ … すいません
でも 紗栄 子 さん
分かった よ
諦め なきゃ いい んでしょ
そんな 必死な 顔 して 言わ なくて も 分かって る よ
合成 経路 見直す よ
( 上原 ) 紗栄 子 さん ( 紗栄 子 ) ん ?
( 上原 ) これ って 確認 し ました ?
これ なら 反応 する かも
早速 試して み ましょう
( 紗栄 子 ) うん
どうかし ました ?
ダメだ
この 抗体 うち の 研究 室 に ない
他の 研究 室 は ?
同じ 分野 を 研究 して て …
福島 教授 は どう です か ?
( 上原 ) すいません
( 携帯 電話 の 着信 音 )
はい
福島 教授 や っぱ 連絡 取れ ない
とりあえず 教授 の いる 大学 に 向かい ます
連絡 取れたら 電話 ください
上原 君
大丈夫です から
あっ 上原 君
( 大地 ) おお 何 だ よ 上原
何 やって んだ よ こんな とこ で
別に
よかったら 一緒に どう だ ? なあ 菜緒
( 菜緒 ) あっ …
あっ あの ね 私 たち これ から …
悪い 俺 今 話 聞いて る 暇 ない から
何 だ よ それ
( 携帯 電話 の 着信 音 )
はい 紗栄 子 さん
分かり ました すぐ 向かい ます
はい
悪い 俺 今 急いで んだ
何 だ よ それ
( ドア が 開く 音 )
あっ
( 七 瀬 ) うわ あ …
( 大地 ) すげ え な
( 七 瀬 ) うわ ー すごい !
( 大地 ) なあ
大 パノラマ だ ね
キレイ
( 菜緒 ) 七瀬 さん 笑って る
スカイツリー から の 景色 は テッパン
どんな 女子 も 好きだ よ
( 菜緒 ) フフフッ
うわ あ
それにしても 本当 キレイ だ ね
( 夏目 ) 少し は 好きに なった ?
( 菜緒 ) ん ?
( 夏目 ) 何なら ここ で 改めて やり ましょう か
愛 の 告白
( 菜緒 ) いや 何 言って ん の
( 夏目 ) だって こんな 夜景 が キレイ な んだ し
( 上原 ) チーズ
( シャッター 音 )
( 菜緒 ) フフッ ( 上原 ) おい
冗談 だ よ
( 紗栄 子 ) さっき の うれしかった
( 上原 ) え ?
( 紗栄 子 )“ 積み上げて きた もの 捨てる なんて 許さ ない ” って やつ
( 上原 ) ああ …
( 紗栄 子 ) 私 に 向けた 言葉 じゃ なかった と して も
必死に なっちゃ って フフフッ
( 電子 音 )
さあ 今度 こそ 正真正銘 の ラスト チャンス よ
上原 君
ありがとう
上原 君 が いて くれて よかった
( 上原 ) いえ
好きだ よ
私 ね
上原 君 が 好きです
( 男性 ) お 待た せ
これ 欲し そうに して た やつ
( 女性 ) うわ ー ウソ ! ありがとう
( 男性 ) 行 こ ( 女性 ) うん
七瀬
悪い 捜して た ?
( 七 瀬 ) う うん
( 大地 ) 今日 は 七瀬 と 来 れて よかった
最近 七瀬 の 笑って る 顔 ずっと 見 れて なかった から さ
あっ そう いえば 菜緒 たち は ?
どうして そういう こと 言う の ?
え ?
思わせぶりな こと 言わ ないで よ
私 の 気持ち なんて 全然 分かって ない くせ に
七瀬 ?
( 菜緒 ) え ? ( 大地 ) 七瀬 !
( 菜緒 ) ちょ っ ちょ っ …
( 大地 ) え ? ( 菜緒 ) あっ …
( 菜緒 ) あっ あっ あっ ( 大地 ) え ?
あっ ! ああ …
イタタタタ …
イタタタタ …
菜緒 ?
どうした の 菜緒 ちゃん
( 菜緒 ) 痛い 痛い … お腹 が お腹 が 痛い かも
( 夏目 ) あー あ さっき 無理に アイスクリーム 食べる から
菜緒 ちゃん 連れて 帰る から
ほら 早く タクシー 呼んで
( 夏目 ) 早く ( 七 瀬 ) え ?
上原 君
全然 気づいて なかった でしょ 私 の 気持ち
すいません
謝る の は なし
って いう か 返事 も なし
とりあえず 今 は 断ら れる の 目 に 見えて る から
ただ 言い たかった だけ
ハハハ … スッキリ した
本音 吐く の って こんなに スッキリ する もん な んだ ね
ある 意味 デトックス ?
紗栄 子 さん
あっ !
成功 … これ って 成功 だ よ ね ?
です ね
よっ しゃ ー !
やった ー ! うれしい
みんな ありがとう ありがとう ありがとう …
うれしい
夢 じゃ ない
( 夏目 ) 菜緒 ちゃん 2 人 の こと が 心配で 帰る に 帰れ なかった んだ よ
( 大地 ) 菜緒 …
( 夏目 ) 俺 買い物 行って くる から
先輩 たち は 責任 持って 見て て ください ね
( ドア の 開閉 音 )
こいつ 昔 から 心配事 ある と 腹 壊す 癖 が あって さ
そう いや 運動 会 や 水泳 大会 の 前日 も
絶対 腹 壊して た な
とにかく 運動 音痴 で さ
大地 は ずっと 見て きた んだ ね
吉川 さん の こと
( 大地 ) え ?
どんな ささいな こと でも
吉川 さん の 好み とか ちゃん と 覚えて る し
小さい 時 は さ
菜緒 は 大事な 妹 で
こいつ が 求める もの は
何でも して あげ たい って 思って た んだ
それ が いつの間にか 恋愛 感情 に なって
8 年間
ずっと 好きで 好きで
うん
でも いつの間にか
また 大事な 妹 に 戻って た
え ?
気づいた んだ
七瀬 が そば に いて くれて る から
俺 菜緒 の こと 考え なく なって た
俺 …
それ は 恋愛 感情 と は 違う と 思う
大地 は 好き だって 言わ れた から 私 の こと 気 に なって る だけ
それ を 恋 だ と 錯覚 して る んだ よ
私 は 吉川 さん みたいに は なれ ない
あんなふうに
人 の ため に 一生懸命な タイプ じゃ ないし
私 なんて 大地 が 好きに なる わけな いよ
そんな こと ない
( 大地 ) え ?
だって 私 こんな 大 ちゃん 見た こと ない もん
今日 だって 大 ちゃん 七瀬 さん の こと ずっと 見て た んだ よ
七瀬 さん と 一緒に いる 時 の 大 ちゃん 私 の 知ら ない 大 ちゃん だった もん
吉川 さん 体調 は ?
小さい ころ から 知って る から こそ 私 分かる の
大 ちゃん は 七瀬 さん の こと が 好きな の
( 夏目 ) 菜緒 ちゃん
さあ お邪魔 だ から 外 行 こ 外 ねっ
( 菜緒 ) え ? ( 夏目 ) 行 こ
( 菜緒 ) えっ ちょっと …
七瀬 さん あの お 願い 大 ちゃん の こと 信じて あげて
ちょ … ちょっと 離して よ
( 夏目 ) 離さ ない 行く よ ( 菜緒 ) 待って 夏目 君 …
( ドア が 開く 音 )
( 菜緒 ) ちょっと 待って …
( ドア が 閉まる 音 )
必死 すぎ
そのまま で いい よ
七瀬 は そのまま で いい
ブラック コーヒー と ミステリー が 好きで
いつも テンション が 低い 七瀬 の まま で いい
悪かった わ ね テンション 低くて
( 大地 ) ハハハッ だ から それ で いいん だって
ハハッ
これ
( 七 瀬 ) え ?
やる よ
( 大地 ) 七瀬 夜景 見て る 時 は すごい うれし そうだった から
また そういう 顔 見 たい なって 思って
あ …
や っぱ ちょっと 違った ?
ありがとう
うれしい
大地
いい の ? 本当に
教えて よ
これ から
七瀬 の 好きな もの
ゆっくり 覚えて いく から
( 菜緒 ) フフフフ …
うまく いった みたいだ ね
ああ すげ え ホッと した
何 か 夏目 君 変わった よ ね
( 夏目 ) え ?
雑貨 屋 の バイト で サプライズプロポーズ の 時
人 の 幸せ なんて どう で も いい みたいな 顔 して たから さ
菜緒 ちゃん に 会った から だ よ
( 夏目 ) 大地 さん が 凛 ちゃん に 会って 変わった ように
みんな 誰 か と 会って 変わって くんだ よ
菜緒 ちゃん と 上原 も それ に 気づき 始めて る んじゃ ない ?
ずっと 2 人 っきり の 狭い 世界 に いた から こそ
( 夏目 ) 本当 は 2 人 と も 分かって る んだ よ
もっと お互い 外 に 目 を 向ける べきだ って
お互い 他 に ふさわしい 場所 が ある かも しれ ない って
菜緒 ちゃん 俺 待って る から
( 菜緒 ) あの ね
あの ね あの あと ね みんな で スカイツリー 行った の
で 今日 は ね
七瀬 さん と 大 ちゃん の 恋 応援 しよう って 話 に なって
で 夏目 君 も 協力 して もらって
で 今 ね 私 の 部屋 に 七瀬 さん と 大 ちゃん が いる んだ けど
すごく いい 感じ に なっちゃ って て
ごめん
私 距離 近かった よ ね
今 入ったら 邪魔に なんだ ろ
あっ …
そ っか
( 菜緒 ) 小さい ころ から 一緒に いる けど
大 ちゃん の 力 に なった の なんか 初めて で
感動 しちゃ って さ
( 上原 ) 悪かった な
え ?
( 上原 ) 俺 あの 時
話 聞いて る 暇 ねえ みたいな こ と 言って
う うん
でも
吉川 に は 大事な 時間 だった んだ ろ
( 菜緒 ) うん
上原 君 は ? 何で 急いで た の ?
( 上原 ) ああ
えっ と …
実は 紗栄 子 さん の 書いた 論文 が 雑誌 に 掲載 さ れる チャンス で ―
ずっと 実験 に かかりっきり だった んだ
それ で ?
え ?
もっと 聞き たい その 話
別に そんな 面白い 話 じゃ ない けど
う うん
いい の
それ で 実験 は 成功 した の ?
最終 的に は
うまく いく まで が 大変だった けど
紗栄 子 さん も めちゃめちゃ 喜んで て
尊敬 する 教授 と 同じ 雑誌 に 論文 載る の が
ずっと 夢 だった らしくて
その ため に 必死で 頑張って て
それ が やっと かない そうで さ
何 か すげ え なって
その 場 に 立ち 会えた だけ でも 感動 も のって いう か
俺 なんか が 手伝って も
戦力 に も 何にも なら なかった んだ けど
でも …
何 か ちょっと 感動 した
ああ 吉川 は ?
私 ?
いや …
飯 食って ん の か ?
何 それ
私 に は ご飯 しか ない みたいじゃ ん
ごめん そういう わけ じゃ なくて
冗談 って 分かって る
( 上原 ) 吉川 ( 菜緒 ) 上原 君
( 上原 ) 何 ?
( 菜緒 ) あ …
よかった ね 実験 うまく いって
( 上原 ) うん
そっち も よかった な
( 菜緒 ) うん
何 ?
何でもない
( 上原 ) はい
あり が と
久々の 牛乳 プリン だ な
おいしい
( 上原 ) うん
上原 君
( 上原 ) ん ?
別れよ っか
え ?
別れよう 上原 君
♪~
~♪