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屍鬼, Shiki Episode 21

Shiki Episode 21

( 正 志郎 ) 屍 鬼 に なり たい ん です よ 。 ( 正雄 ) 冗談 じゃ ない よ !

( やす よ ) 律 ちゃん に 親切 に し て くれ て ありがとう ね 。

( 富雄 ) 協力 者 です よ 。

( トラック の バック する 音 )

( 智 寿 子 ) わたし が 。

( 女性 ) 智 寿子 ちゃん まだまだ 元気 ある わ ね 。 →

やっぱり 若い って いい わ 。 ( 智 寿 子 ) 若い なんて … 。 わたし →

家 で お 米 の 配達 手伝って た し 重い もの に 慣れ てる だけ です 。 →

もう オバサン です 。 ( 女性 ) あら や だ 。 →

智 寿子 ちゃん オバサン だったら わたし たち どう なっちゃ う の よ 。

( 女性 ) わたし は まだ オバサン かしら 。 ( 女性 ) あら や だ 。

ねえ ねえ 。 これ まだ 動 い てる わ よ 。

あっ 。 わたし が やり ます 。

お茶 に し ま しょ 。

( 智 寿 子 ) あー おいし そう 。 わたし もう おなか ぺこ ぺこ 。 →

あら ?

朝 の 光 を 手放し た 花

注が れ ない 雨 を 求め

覚め ない 眠り に つく

誰 か を そっと 呼ぶ 声

闇 の 楽園 は

嘘 か 夢 か

失う の は 身体 と

自分 と いう 心

その 対価 を 差し出し

何 を 得 られる の だ ろ う

この 涙 で 奪え る 程 に

命 は 脆く て 儚く て

全て に 訪れる

終わり を

「 恐怖 」 と 嘆く の か

終演 を 歌う 金 盞花

静か に 咲き誇る

憎しみ も

悲しみ も

その 根 で た くり 寄せ て

終焉 を 歌う 金 盞花

寂し さ を 潤す

注が れ ない 雨 を 求め て

覚め ない 眠り に つく

( 野犬 の 吠え 声 )

( やす よ ) あ あっ ! ! 嫌 ー っ !

( やす よ の 悲鳴 )

( 沙 子 ) う ぅ … 。 眠り たく ない 。

( 静 信 ) 大丈夫 だ よ 。 僕 も 辰巳 さん も いる から 。

( 沙 子 ) う ぅ … 。 きっと 朝 に なったら →

村 の 人 たち が ここ へ なだれ込 ん で くる わ 。 →

そして わたし たち おしまい な の 。

( 辰巳 ) 逃がし て あげる から 心配 し ない で お やすみ 。

嫌 ! ! これ が お 別れ かも しれ ない の ! →

辰巳 に も 室井 さん に も 会え ない かも しれ ない の !

これ っきり なんて 嫌 ! !

大丈夫 だ よ 。 ( 沙 子 ) 嘘 よ ! 信じ ない !

眠って お 別れ なんて 嫌 !

その 瞬間 まで 起き て い たい わ 。 どうして … !

沙 子 。 ( 沙 子 ) なあ に ?

僕 は 君 の おかげ で 少し だけ 自分 の こと が 分かった よう に 思う 。

自分 の こと ? ( 静 信 ) そう 。

じゃあ 教え て 。 なぜ 自分 を 殺 そ う と し た の ?

絶望 し て い た から だ よ 。

そんな こと … N 答え に なら ない わ 。 駄目 よ 。

でも … N 彼 は 絶望 に よって 弟 を 殺し た 。

彼 ?

弟 は 彼 と 世界 と の 接点 だった 。 →

そして それ と 同時に 彼 の 絶望 の 接点 だった 。 →

「 お前 が 憎かった わけ で は ない 」 と 彼 は 空洞 の 目 を し た 弟 に 言った 。

「 知って い ます 」 と 弟 は 答え た 。 その 屍 鬼 は 初めて 口 を 開 い た 。

( 弟 ) あなた は わたし を あの 丘 から 解放 し た の です 。 →

あの 丘 は 結局 の ところ 神 の 支配 下 に あり ます 。 →

だから わたし は →

神 に 気 に 入ら れる よう 善き 人間 を 演じ て き た 。

( 静 信 ) 「 自分 を 押し殺し 丘 を 嫌悪 し 侮 蔑 し ながら →

わたし に は そう 生きる しか でき なかった 」

( 弟 ) その 生き 方 を 心 の 底 から 憎 ん で い た くせ に 。 →

あなた は そんな わたし と は 正反対 で 自由 だった 。

それ が 理由 だ わ 弟 が 兄 に ついていった 。

( 静 信 ) そうだ ね 。 →

弟 は 兄 と 共に ある ため ただ それ だけ の ため に 。

( 沙 子 ) でも どうして 兄 は 絶望 し た の ?

ありがとう 。 わたし は あなた に 殺さ れ たかった の です 。

( 静 信 ) 彼 は 弟 を 見詰め そして 弟 は 消え た 。 →

まだ 屍 鬼 が 墓 に 戻る 刻限 で は ない 。 →

にもかかわらず 彼 の 弟 は 姿 を 消し て しまった 。 →

彼 は 弟 を 呼 ん だ 。 初めて 声 に し て 。 →

彼 は 思い出し た 。 この 名 は 自分 の 名 。 →

彼 に は 弟 が なかった 。 殺し た の は 彼 。 →

殺さ れ た の も また 彼 自身 だった 。 →

弟 は 絶望 の 中 から 生まれ そして 彼 は →

その 絶望 に よって 弟 と 自身 を 殺傷 し た の だ 。

父 も … 住職 を 演じる こと に 絶望 し て い た の か … 。

( 正雄 ) ここ も 駄目 か 。

ヤバ い よ このまま 眠 っち まっ たら 。

あぁ … 。 →

駄目 だ … 眠っちゃ … 。

駄目 な ん だ … 。 殺さ れ ちゃ う みんな み たい に … 。

冗談 じゃ ない よ … 。 →

清水 。 お前 も 殺さ れ ちゃ った ん だ ろ う なぁ 。

俺 と いりゃ 助け て やった のに 。

あ … 。 う ぐ ぐ ぐ ぐ !

何で だ よ ! 何で 俺 が こんな 目 に … 。 ぶ は っ ! !

俺 だけ が こんな 目 に … 。 あっ そう だ !

( 物音 ) ( 智 寿 子 ) ハッ 。 誰 ?

( 正雄 ) 姉さん 。 俺 だ よ 正雄 だ よ 。

助け て よ 。 俺 殺さ れ ちゃ う 。 中 へ 入れ て 。 →

姉さん しか 助け て くれる 人 い ない ん だ 。

お 願い だ よ 。 俺 おとなしく し てる から さ 。 →

俺 いつ だって そう し て た ろ ? もちろん 誰 も 襲ったり し ない よ 。 →

そう ! 智香 だって 襲わ ない 。

約束 する よ 絶対 。 俺 言った とおり に する だ ろ ? →

だから 姉さん お 願い … 。 ( 鍵 の 開く 音 )

( 智 寿 子 ) いい わ 。 ( 正雄 ) 姉さん !

正雄 君 。 入って らっしゃい 。

( 男性 ) そろそろ 夜明け だ な 。 ( 男性 ) ああ 。 →

もう ど っか に 隠れ ち まった の か な 。

こいつ ! ? あ … 。

( 佳枝 ) わたし たち を 狩 ろ う と し てる 連中 を 襲い なさい 。

( 老婆 ) ジジイ も ババア も や っち まう ん だ 。

( 少女 ) わたし たち の ため に やって ね 。

( 松村 ) あっ 。 ヒィ … !

あんた たち は もう 戻り なさい 。

村 の やつ ら が 山 入 に 気付く の は 時間 の 問題 だ から 。

厳重 に ふさい で 簡単 に 破ら れ ない よう に する の 。

佳枝 さん は ? ( 佳枝 ) わたし は 人 狼 だ から 大丈夫 。

1 人 でも 多く 片付ける わ 。 昼 の 方 が や つら 油断 する から →

逆 に やり やすい かも 。 さっ 早く ! 日 が 出 ちゃ う よ 。

あんた は 神社 へ 行って 若 先生 を やり なさい 。

いい ? 若 先生 に 向け て 撃て ば いい の 。

できる だけ 近づ い て 。

( 佳枝 ) ハッ 。 正 志郎 。 何 を し てる ?

待って い た 。

何 ?

人 狼 が 通る の を 。

フッ 。 ( 銃声 )

( やす よ ) 《 村 に 帰れ る 。 でも … 》

どう する ? もう 埋める 場所 が ない ぞ 。

( 男性 ) 若 先生 が 何 か 考え て くれる はず だ よ 。 →

村 の 外 に 出す わけ に いか ねえ し な 。

( 女性 ) 先生 は ?

( 女性 ) 地獄 穴 見 に 行って る って 。 ( 女性 ) 地獄 穴 ?

( 女性 ) 本殿 の 裏 の 方 に ある ん だ って 。

( 女性 ) へ ぇ ー 聞い た こ と ない 。 ( 女性 ) ある ん だって よ 。

( 宗 秀 ) ここ に 死体 を 落とし て 上 を 崩し て しまったら どう じゃ ろ ?

( 敏夫 ) ああ 。 死体 の 処理 が 格段 に 楽 に なる な 。 →

墓地 へ 行って る 連中 に 伝え て くれ 。

( 田代 ) 敏夫 ! →

やす よ さ ん が 会い に 来 た 。 ( 敏夫 ) やす よ さ ん が … ?

( 敏夫 ) やす よ さ ん ! その ケガ は … ! ?

野犬 です よ 。 あと は 転 ん だ り と か 。

わたし に も まだまだ 運 が 残って た みたい です ね 。

しかし 何 だって … 。 ( やす よ ) 山 入 から 逃げ て き まし た 。

山 入 ?

あそこ は … 起き上がり が … 。

起き上がり たち が 大勢 い ます 。 ( 敏夫 ) 何 だって ! ?

( やす よ ) すみか に し てる ん です ! それ で あの … 。

( 敏夫 ) 分かった や す よさ ん 。 ありがとう 。 →

みんな を 集め て ! ( やす よ ) あの … 先生 … 。

( 男性 ) ふさがって る ぞ !

なるほど 。 山 入 の 住人 を 全滅 さ せ →

最初 から 孤立 さ せる 計画 だった の か 。

( 富雄 ) 行く ぞ ! ( 村人 たち ) おう ! !

安 森 ん とこ に ユンボ が ある はず だ 。 誰 か 持って き て くれ !

( チェーンソー の 音 )

あぁ … あ う ぅ ぅ !

( 男性 ) こい つめ ! ! ( 屍 鬼 ) う あー ! !

あっ !

( 富雄 ) お っ ! ?

御 院 ! こんな 所 に … 。

( 信明 ) 大川 さん 。

( 信明 ) し … 死ね る … 。 これ で 死ね る … 。 ありがたい 。 →

おり が とう 大川 さん 。

ぐ ぅぅ … 。

( 宗 貴 ) 若 先生 。

( 笈 太郎 ) こりゃ あ 武藤 ん と この せがれ と →

先生 ん と この 律 ちゃん じゃ よ 。

( 武藤 ) 《 息子 に くい を 打って 殺す なんて こと でき ませ ん ! 》

( 律子 ) 《 もう 病院 も 辞め ます 。 ほっと い て ください 》

( 富雄 ) 《 て め え の 息子 が やら かし た こと … 》

( 田代 ) う う っ … 。 ( 嘔吐 する 音 )

( 田代 ) もう 駄目 だ 俺 は ! こんな こと もう やめよ う 。

( 敏夫 ) 正 さん 。 まだ 桐 敷 の 2 人 が 残って る 。 →

やつ ら を 片付け ない かぎり 終わる わけ に は いか ない ん だ 。

( 田代 ) もう 村 を 出 て しまった かも しれ ない だ ろ 。

( 笈 太郎 ) 村 から 出る 林道 に は 見張り が おる し →

国道 も 封鎖 し とる 。 逃げ出す の は 難しい ん じゃ ない だ ろ う か 。

( 宗 貴 ) だ けど もう 山 入 の 家 は 全部 開け て しまった 。 →

あと は もう … 。

( 田代 ) だ から もう どこ も ない ん だ ろ ! ?

( 広沢 ) もしかしたら … 。 ( 敏夫 ) 広沢 さん 。

( 広沢 ) 屋敷 です 桐 敷 の 。 ( 敏夫 ) えっ ? あそこ は もう … 。

思い出し まし た 。 あの 屋敷 が 基礎 工事 の とき →

何 台 も の トラック で 大量 の 土砂 が 運び出さ れ て た ん です 。

間違い ない 。 あそこ に は 地下 室 が あり ます よ 隠れる ため の 。

バレ たか 。 →

室井 さん 。 ここ は もう 駄目 です 。 脱出 し ま しょ う 。

脱出 … ? ( 辰巳 ) 村 の 連中 が 突入 し て き ます 。

でも 道路 は 封鎖 さ れ て いる ん だ ろ う ?

( 辰巳 ) 抜け道 が ある ん です 。 遮 光 が 完全 と は いえ ませ ん 。 →

なるべく 暗い 所 に 置 い て やって ください 。

えっ ?

室井 さん 。 この 期 に 及んで 頼み 事 ばかり で →

申し訳 あり ませ ん が 沙 子 を 頼み ます 。

君 は ?

おとり に なり ます 。

あ … 。 聞い て も いい だ ろ う か 。 ( 辰巳 ) 何 でしょう ?

なぜ そこ まで し て 沙 子 に 仕える ん だい ?

僕 に は 屍 鬼 より も 人 狼 の 方 が 優れて 見える 。

( 辰巳 ) 屍 鬼 は 不完全 な 人 狼 だ と ?

フフッ 。 千鶴 が 生き て い たら さぞかし 怒った だ ろ う な 。

沙 子 も 今 の を 聞い たら どう 思う でしょ う ね 。

( 辰巳 ) 生き物 と して の 優劣 は 関係ない です よ 。 →

むしろ 個人 的 な 感情 の 問題 です 。 →

僕 に とって 沙 子 は ね 滅び の 象徴 な ん です 。 →

いずれ 滅びる ん です 。 全て の もの は 消え て いく 。 →

だけど 沙 子 は それ に 抵抗 し て あがく 。 →

その 姿 が 引き付ける ん です 。 僕 は 奇麗 だ と 思う 。

( 静 信 ) それ だけ ? ( 辰巳 ) フフ … 。

それ だけ で 十 分 な ん だ ね 。

やっ !

( 車 の エンジン 音 ) ( 村人 たち ) 何 だ ? 何 だ ?

( 村人 たち ) うわ ー ! !

( 男性 ) 逃げ た ! 追う ぞ ー ! ! ( 男性 ) 国道 の 連中 に 伝えろ !

急げ ! 見失う な ! 追え 追え !

( エンジン の 始動 音 )

う っ 。

《 抜け道 は 駄目 か … 》

( 宗 貴 ) あ あー ! ! ( 富雄 ) おお ! !

あっ … !

( 村人 たち ) わ あー ! !

若 先生 見 まし た か ! ( 敏夫 ) ああ 。

( 富雄 ) わし ら が 後 を 追い ます 。 若 先生 は ケガ 人 を 。

ああ 。 ( 富雄 ) 動 ける やつ 行く ぞ ! !

( 富雄 ) 寺 か ! ( 武雄 ) 間違い ない !

( 富雄 ) 何 人 か 先 を 捜せ !

( 武雄 ) あった ぞ ! さっき の 車 だ !

( 武雄 ) 誰 も 乗って ない … 。 大川 さん !

寺 に やつ ら 入れ ねえ もん だ と 思って た から な 。

( 美和子 ) それ が 戻ら ない ん です 。 いったい どう し た の か 。

( 富雄 ) それ は おかしい な 。 たった 今 戻って き た はず です が ね 。

何 を おっしゃって … 。 ( 光男 ) ちょっと 待って くれ 。

( 武雄 ) と ぼける な ! ここ まで 追って き た ん だ よ ! !

奥さん 。 捜さ し て もらい ます よ 。 ( 美和子 ) 捜す って … 。

あいつ ら を かくまって る な ! ?

( 男性 ) 寺 の くせ に 俺 たち を 裏切り や がった ! !

いいかげん に しろ ! ( 男性 ) や っち まえ !

( 村人 たち の 怒号 ) ( 美和子 ) やめ て ください !

( 美和子 の 悲鳴 ) ( 光男 ) 美和子 さ ー ん ! !

( 破壊 音 )

( 静 信 ) あっ … !

母さん … 。

い た ぞ ー ! ( 静 信 ) ハッ 。

( 宗 貴 ) 若 御 院 は 山中 へ 逃げ込 ん だ らしい 。 →

大川 の 大将 たち が 後 を 追って る 。 ( 敏夫 ) 分かった 。

( 富雄 ) やつ は 手負い だ ! 血 の 跡 を 追え !

( 静 信 ) 沙 子 … 。

闇 に 紛れ て

息 を 殺す

闇 を まとって

ふっと 微笑む

気のせい さ

お前 など 誰 も 知る はず ない

月 だけ が

見つめ て いる

ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う

ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て

ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う

ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て


Shiki Episode 21

( 正 志郎 ) 屍 鬼 に なり たい ん です よ 。 ( 正雄 ) 冗談 じゃ ない よ ! せい|しろう|しかばね|おに|||||||まさお|じょうだん|||

( やす よ ) 律 ちゃん に 親切 に し て くれ て ありがとう ね 。 ||りつ|||しんせつ||||||| Thank you for being kind to Ritsuko.

( 富雄 ) 協力 者 です よ 。 とみお|きょうりょく|もの|| They're collaborators.

( トラック の バック する 音 ) とらっく||ばっく||おと

( 智 寿 子 ) わたし が 。 さとし|ひさ|こ||

( 女性 ) 智 寿子 ちゃん まだまだ 元気 ある わ ね 。 → じょせい|さとし|すみこ|||げんき||| You're still so energetic, Chizuko.

やっぱり 若い って いい わ 。 ( 智 寿 子 ) 若い なんて … 。 わたし → |わかい||||さとし|ひさ|こ|わかい|| It sure must be good to be young.

家 で お 米 の 配達 手伝って た し 重い もの に 慣れ てる だけ です 。 → いえ|||べい||はいたつ|てつだって|||おもい|||なれ||| I'm just used to handling heavy stuff since I help my family deliver rice.

もう オバサン です 。 ( 女性 ) あら や だ 。 → |||じょせい||| I'm already middle-aged.

智 寿子 ちゃん オバサン だったら わたし たち どう なっちゃ う の よ 。 さとし|すみこ|||||||||| Oh, no, Chizuko. If you're a middle-aged woman, then what about us?

( 女性 ) わたし は まだ オバサン かしら 。 ( 女性 ) あら や だ 。 じょせい||||||じょせい||| I wonder if I'm still a middle-aged woman.

ねえ ねえ 。 これ まだ 動 い てる わ よ 。 ||||どう|||| Hey, this one's still moving. Shrine Office

あっ 。 わたし が やり ます 。 I'll take care of it.

お茶 に し ま しょ 。 おちゃ|||| Let's have a tea break.

( 智 寿 子 ) あー おいし そう 。 わたし もう おなか ぺこ ぺこ 。 → さとし|ひさ|こ|||||||| Oh, that looks yummy!

あら ?

朝 の 光 を 手放し た 花 あさ||ひかり||てばなし||か O flower, parched in the light of dawn,

注が れ ない 雨 を 求め そそが|||あめ||もとめ reaching for the unfallen rain,

覚め ない 眠り に つく さめ||ねむり||

誰 か を そっと 呼ぶ 声 だれ||||よぶ|こえ Someone calls out softly for a paradise of darkness.

闇 の 楽園 は やみ||らくえん|

嘘 か 夢 か うそ||ゆめ| Is it a lie or a dream?

失う の は 身体 と うしなう|||からだ| Either way, it's already lost.

自分 と いう 心 じぶん|||こころ What do you gain by putting forth your heart?

その 対価 を 差し出し |たいか||さしだし

何 を 得 られる の だ ろ う なん||とく|||||

この 涙 で 奪え る 程 に |なみだ||うばえ||ほど| Looking through those eyes,

命 は 脆く て 儚く て いのち||もろく||はかなく| life is foolish and fleeting enough to snatch away.

全て に 訪れる すべて||おとずれる Will today be the day you grieve the end

終わり を おわり| which comes to us all?

「 恐怖 」 と 嘆く の か きょうふ||なげく||

終演 を 歌う 金 盞花 しゅうえん||うたう|きむ|さかずきはな The calendula which sings of the abyss

静か に 咲き誇る しずか||さきほこる silently blooms full.

憎しみ も にくしみ| Hatred and sadness

悲しみ も かなしみ|

その 根 で た くり 寄せ て |ね||||よせ|

終焉 を 歌う 金 盞花 しゅうえん||うたう|きむ|さかずきはな The calendula which sings of demise

寂し さ を 潤す さびし|||うるおす

注が れ ない 雨 を 求め て そそが|||あめ||もとめ| reaching for the unfallen rain,

覚め ない 眠り に つく さめ||ねむり|| fall into a wakeless sleep.

( 野犬 の 吠え 声 ) やけん||ほえ|こえ

( やす よ ) あ あっ ! ! 嫌 ー っ ! ||||いや|-|

( やす よ の 悲鳴 ) |||ひめい

( 沙 子 ) う ぅ … 。 眠り たく ない 。 いさご|こ|||ねむり||

( 静 信 ) 大丈夫 だ よ 。 僕 も 辰巳 さん も いる から 。 せい|しん|だいじょうぶ|||ぼく||たつみ||||

( 沙 子 ) う ぅ … 。 きっと 朝 に なったら → いさご|こ||||あさ||

村 の 人 たち が ここ へ なだれ込 ん で くる わ 。 → むら||じん|||||なだれこ||||

そして わたし たち おしまい な の 。

( 辰巳 ) 逃がし て あげる から 心配 し ない で お やすみ 。 たつみ|にがし||||しんぱい||||| I'll make sure you can escape, so don't worry and rest.

嫌 ! ! これ が お 別れ かも しれ ない の ! → いや||||わかれ|||| No!

辰巳 に も 室井 さん に も 会え ない かも しれ ない の ! たつみ|||むろい||||あえ|||||

これ っきり なんて 嫌 ! ! |||いや

大丈夫 だ よ 。 ( 沙 子 ) 嘘 よ ! 信じ ない ! だいじょうぶ|||いさご|こ|うそ||しんじ| We'll be fine.

眠って お 別れ なんて 嫌 ! ねむって||わかれ||いや

その 瞬間 まで 起き て い たい わ 。 どうして … ! |しゅんかん||おき|||||

沙 子 。 ( 沙 子 ) なあ に ? いさご|こ|いさご|こ|| Sunako.

僕 は 君 の おかげ で 少し だけ 自分 の こと が 分かった よう に 思う 。 ぼく||きみ||||すこし||じぶん||||わかった|||おもう I think I can understand myself better now, thanks to you.

自分 の こと ? ( 静 信 ) そう 。 じぶん|||せい|しん| Understand yourself?

じゃあ 教え て 。 なぜ 自分 を 殺 そ う と し た の ? |おしえ|||じぶん||ころ|||||| Then tell me.

絶望 し て い た から だ よ 。 ぜつぼう|||||||

そんな こと …\ N 答え に なら ない わ 。 駄目 よ 。 |||こたえ|||||だめ| That can't be the answer...

でも …\ N 彼 は 絶望 に よって 弟 を 殺し た 。 ||かれ||ぜつぼう|||おとうと||ころし| But he killed his younger brother due to despair.

彼 ? かれ

弟 は 彼 と 世界 と の 接点 だった 。 → おとうと||かれ||せかい|||せってん| His younger brother was a point of contact between him and the world,

そして それ と 同時に 彼 の 絶望 の 接点 だった 。 → |||どうじに|かれ||ぜつぼう||せってん|

「 お前 が 憎かった わけ で は ない 」 と 彼 は 空洞 の 目 を し た 弟 に 言った 。 おまえ||にくかった||||||かれ||くうどう||め||||おとうと||いった

「 知って い ます 」 と 弟 は 答え た 。 その 屍 鬼 は 初めて 口 を 開 い た 。 しって||||おとうと||こたえ|||しかばね|おに||はじめて|くち||ひらき|| His brother said, "I know."

( 弟 ) あなた は わたし を あの 丘 から 解放 し た の です 。 → おとうと||||||おか||かいほう||||

あの 丘 は 結局 の ところ 神 の 支配 下 に あり ます 。 → |おか||けっきょく|||かみ||しはい|した||| After all, that hill is under God's control.

だから わたし は →

神 に 気 に 入ら れる よう 善き 人間 を 演じ て き た 。 かみ||き||はいら|||よき|にんげん||えんじ|||

( 静 信 ) 「 自分 を 押し殺し 丘 を 嫌悪 し 侮 蔑 し ながら → せい|しん|じぶん||おしころし|おか||けんお||あなど|さげす||

わたし に は そう 生きる しか でき なかった 」 ||||いきる|||

( 弟 ) その 生き 方 を 心 の 底 から 憎 ん で い た くせ に 。 → おとうと||いき|かた||こころ||そこ||にく||||||

あなた は そんな わたし と は 正反対 で 自由 だった 。 ||||||せいはんたい||じゆう|

それ が 理由 だ わ 弟 が 兄 に ついていった 。 ||りゆう|||おとうと||あに||

( 静 信 ) そうだ ね 。 → せい|しん|そう だ|

弟 は 兄 と 共に ある ため ただ それ だけ の ため に 。 おとうと||あに||ともに|||||||| The younger brother wanted to be one with his brother for that very reason.

( 沙 子 ) でも どうして 兄 は 絶望 し た の ? いさご|こ|||あに||ぜつぼう||| But what left the older brother in despair?

ありがとう 。 わたし は あなた に 殺さ れ たかった の です 。 |||||ころさ||||

( 静 信 ) 彼 は 弟 を 見詰め そして 弟 は 消え た 。 → せい|しん|かれ||おとうと||みつめ||おとうと||きえ| He stared at his younger brother, and then the younger brother disappeared.

まだ 屍 鬼 が 墓 に 戻る 刻限 で は ない 。 → |しかばね|おに||はか||もどる|こくげん||| It was still not yet the time when the Shiki would return to their graves.

にもかかわらず 彼 の 弟 は 姿 を 消し て しまった 。 → |かれ||おとうと||すがた||けし||

彼 は 弟 を 呼 ん だ 。 初めて 声 に し て 。 → かれ||おとうと||よ|||はじめて|こえ|||

彼 は 思い出し た 。 この 名 は 自分 の 名 。 → かれ||おもいだし|||な||じぶん||な He then remembered that this name belonged to himself.

彼 に は 弟 が なかった 。 殺し た の は 彼 。 → かれ|||おとうと|||ころし||||かれ He did not have a younger brother!

殺さ れ た の も また 彼 自身 だった 。 → ころさ||||||かれ|じしん|

弟 は 絶望 の 中 から 生まれ そして 彼 は → おとうと||ぜつぼう||なか||うまれ||かれ|

その 絶望 に よって 弟 と 自身 を 殺傷 し た の だ 。 |ぜつぼう|||おとうと||じしん||さっしょう||||

父 も … 住職 を 演じる こと に 絶望 し て い た の か … 。 ちち||じゅうしょく||えんじる|||ぜつぼう|||||| Was my father also feeling despair, acting as the head monk?

( 正雄 ) ここ も 駄目 か 。 まさお|||だめ| This place isn't safe either.

ヤバ い よ このまま 眠 っち まっ たら 。 ||||ねむ||| I can't fall asleep here.

あぁ … 。 →

駄目 だ … 眠っちゃ … 。 だめ||ねむっちゃ

駄目 な ん だ … 。 殺さ れ ちゃ う みんな み たい に … 。 だめ||||ころさ|||||||

冗談 じゃ ない よ … 。 → じょうだん|||

清水 。 お前 も 殺さ れ ちゃ った ん だ ろ う なぁ 。 きよみず|おまえ||ころさ||||||||

俺 と いりゃ 助け て やった のに 。 おれ|||たすけ||| If you were with me, I would've saved you.

あ … 。 う ぐ ぐ ぐ ぐ !

何で だ よ ! 何で 俺 が こんな 目 に … 。 ぶ は っ ! ! なんで|||なんで|おれ|||め||||

俺 だけ が こんな 目 に … 。 あっ そう だ ! おれ||||め|||| What did I do?!

( 物音 ) ( 智 寿 子 ) ハッ 。 誰 ? ものおと|さとし|ひさ|こ||だれ

( 正雄 ) 姉さん 。 俺 だ よ 正雄 だ よ 。 まさお|ねえさん|おれ|||まさお|| Sis?

助け て よ 。 俺 殺さ れ ちゃ う 。 中 へ 入れ て 。 → たすけ|||おれ|ころさ||||なか||いれ|

姉さん しか 助け て くれる 人 い ない ん だ 。 ねえさん||たすけ|||じん|||| You're the only one who'd help me, Sis.

お 願い だ よ 。 俺 おとなしく し てる から さ 。 → |ねがい|||おれ||||| Please.

俺 いつ だって そう し て た ろ ? もちろん 誰 も 襲ったり し ない よ 。 → おれ|||||||||だれ||おそったり||| I was always like that, right?

そう ! 智香 だって 襲わ ない 。 |ちか||おそわ| Right, I won't attack Chika either!

約束 する よ 絶対 。 俺 言った とおり に する だ ろ ? → やくそく|||ぜったい|おれ|いった||||| I promise!

だから 姉さん お 願い … 。 ( 鍵 の 開く 音 ) |ねえさん||ねがい|かぎ||あく|おと So, Sis! Please!

( 智 寿 子 ) いい わ 。 ( 正雄 ) 姉さん ! さとし|ひさ|こ|||まさお|ねえさん

正雄 君 。 入って らっしゃい 。 まさお|きみ|はいって| Masao...

( 男性 ) そろそろ 夜明け だ な 。 ( 男性 ) ああ 。 → だんせい||よあけ|||だんせい| Day is about to break.

もう ど っか に 隠れ ち まった の か な 。 ||||かくれ||||| I wonder if they've already gone into hiding somewhere.

こいつ ! ? あ … 。 You bastards!

( 佳枝 ) わたし たち を 狩 ろ う と し てる 連中 を 襲い なさい 。 よしえ||||か||||||れんちゅう||おそい|

( 老婆 ) ジジイ も ババア も や っち まう ん だ 。 ろうば|||||||||

( 少女 ) わたし たち の ため に やって ね 。 しょうじょ|||||||

( 松村 ) あっ 。 ヒィ … ! まつむら||

あんた たち は もう 戻り なさい 。 ||||もどり| You two, go back now.

村 の やつ ら が 山 入 に 気付く の は 時間 の 問題 だ から 。 むら|||||やま|はい||きづく|||じかん||もんだい|| It's only a matter of time before the villagers come to suspect Yamairi.

厳重 に ふさい で 簡単 に 破ら れ ない よう に する の 。 げんじゅう||||かんたん||やぶら||||||

佳枝 さん は ? ( 佳枝 ) わたし は 人 狼 だ から 大丈夫 。 よしえ|||よしえ|||じん|おおかみ|||だいじょうぶ I'm a werewolf, so I'll be fine.

1 人 でも 多く 片付ける わ 。 昼 の 方 が や つら 油断 する から → じん||おおく|かたづける||ひる||かた||||ゆだん||

逆 に やり やすい かも 。 さっ 早く ! 日 が 出 ちゃ う よ 。 ぎゃく||||||はやく|ひ||だ|||

あんた は 神社 へ 行って 若 先生 を やり なさい 。 ||じんじゃ||おこなって|わか|せんせい|||

いい ? 若 先生 に 向け て 撃て ば いい の 。 |わか|せんせい||むけ||うて|||

できる だけ 近づ い て 。 ||ちかづ||

( 佳枝 ) ハッ 。 正 志郎 。 何 を し てる ? よしえ||せい|しろう|なん|||

待って い た 。 まって||

何 ? なん

人 狼 が 通る の を 。 じん|おおかみ||とおる|| For a werewolf to pass by.

フッ 。 ( 銃声 ) |じゅうせい

( やす よ ) 《 村 に 帰れ る 。 でも … 》 ||むら||かえれ||

どう する ? もう 埋める 場所 が ない ぞ 。 |||うずめる|ばしょ||| What're we gonna do?

( 男性 ) 若 先生 が 何 か 考え て くれる はず だ よ 。 → だんせい|わか|せんせい||なん||かんがえ|||||

村 の 外 に 出す わけ に いか ねえ し な 。 むら||がい||だす|||||| We can't take them out of the village.

( 女性 ) 先生 は ? じょせい|せんせい|

( 女性 ) 地獄 穴 見 に 行って る って 。 ( 女性 ) 地獄 穴 ? じょせい|じごく|あな|み||おこなって|||じょせい|じごく|あな

( 女性 ) 本殿 の 裏 の 方 に ある ん だ って 。 じょせい|ほんでん||うら||かた||||| Hell hole?

( 女性 ) へ ぇ ー 聞い た こ と ない 。 ( 女性 ) ある ん だって よ 。 じょせい|||-|ききい|||||じょせい|||| Yeah?

( 宗 秀 ) ここ に 死体 を 落とし て 上 を 崩し て しまったら どう じゃ ろ ? はじめ|しゅう|||したい||おとし||うえ||くずし||||| Wouldn't it work if we drop bodies in here and bore the upper ground?

( 敏夫 ) ああ 。 死体 の 処理 が 格段 に 楽 に なる な 。 → としお||したい||しょり||かくだん||がく|||

墓地 へ 行って る 連中 に 伝え て くれ 。 ぼち||おこなって||れんちゅう||つたえ|| Please let those at the cemetery know.

( 田代 ) 敏夫 ! → たしろ|としお

やす よ さ ん が 会い に 来 た 。 ( 敏夫 ) やす よ さ ん が … ? |||||あい||らい||としお|||||

( 敏夫 ) やす よ さ ん ! その ケガ は … ! ? としお||||||けが| Yasuyo! What happened to you?!

野犬 です よ 。 あと は 転 ん だ り と か 。 やけん|||||てん|||||

わたし に も まだまだ 運 が 残って た みたい です ね 。 ||||うん||のこって||||

しかし 何 だって … 。 ( やす よ ) 山 入 から 逃げ て き まし た 。 |なん||||やま|はい||にげ||||

山 入 ? やま|はい Yamairi?

あそこ は … 起き上がり が … 。 ||おきあがり|

起き上がり たち が 大勢 い ます 。 ( 敏夫 ) 何 だって ! ? おきあがり|||おおぜい|||としお|なん|

( やす よ ) すみか に し てる ん です ! それ で あの … 。 They made that place their home.

( 敏夫 ) 分かった や す よさ ん 。 ありがとう 。 → としお|わかった|||よ さ|| Thank you.

みんな を 集め て ! ( やす よ ) あの … 先生 … 。 ||あつめ|||||せんせい Um, Doctor...

( 男性 ) ふさがって る ぞ ! だんせい|||

なるほど 。 山 入 の 住人 を 全滅 さ せ → |やま|はい||じゅうにん||ぜんめつ|| I see.

最初 から 孤立 さ せる 計画 だった の か 。 さいしょ||こりつ|||けいかく|||

( 富雄 ) 行く ぞ ! ( 村人 たち ) おう ! ! とみお|いく||むらびと||

安 森 ん とこ に ユンボ が ある はず だ 。 誰 か 持って き て くれ ! やす|しげる|||||||||だれ||もって||| The Yasumoris should have an excavator.

( チェーンソー の 音 ) ||おと

あぁ … あ う ぅ ぅ !

( 男性 ) こい つめ ! ! ( 屍 鬼 ) う あー ! ! だんせい|||しかばね|おに||

あっ !

( 富雄 ) お っ ! ? とみお||

御 院 ! こんな 所 に … 。 ご|いん||しょ| Head Monk!

( 信明 ) 大川 さん 。 のぶあき|おおかわ| Mr. Ookawa...

( 信明 ) し … 死ね る … 。 これ で 死ね る … 。 ありがたい 。 → のぶあき||しね||||しね||

おり が とう 大川 さん 。 |||おおかわ|

ぐ ぅぅ … 。

( 宗 貴 ) 若 先生 。 はじめ|とうと|わか|せんせい

( 笈 太郎 ) こりゃ あ 武藤 ん と この せがれ と → きゅう|たろう|||むとう|||||

先生 ん と この 律 ちゃん じゃ よ 。 せんせい||||りつ|||

( 武藤 ) 《 息子 に くい を 打って 殺す なんて こと でき ませ ん ! 》 むとう|むすこ||||うって|ころす||||| I can't kill my son by hammering a stake into him.

( 律子 ) 《 もう 病院 も 辞め ます 。 ほっと い て ください 》 りつこ||びょういん||やめ|||||

( 富雄 ) 《 て め え の 息子 が やら かし た こと … 》 とみお|||||むすこ|||||

( 田代 ) う う っ … 。 ( 嘔吐 する 音 ) たしろ||||おうと||おと

( 田代 ) もう 駄目 だ 俺 は ! こんな こと もう やめよ う 。 たしろ||だめ||おれ|||||| I can't do this anymore.

( 敏夫 ) 正 さん 。 まだ 桐 敷 の 2 人 が 残って る 。 → としお|せい|||きり|し||じん||のこって|

やつ ら を 片付け ない かぎり 終わる わけ に は いか ない ん だ 。 |||かたづけ|||おわる||||||| Unless we take care of them, we can't stop.

( 田代 ) もう 村 を 出 て しまった かも しれ ない だ ろ 。 たしろ||むら||だ|||||||

( 笈 太郎 ) 村 から 出る 林道 に は 見張り が おる し → きゅう|たろう|むら||でる|りんどう|||みはり||| There are some watchmen on the road heading out of the village,

国道 も 封鎖 し とる 。 逃げ出す の は 難しい ん じゃ ない だ ろ う か 。 こくどう||ふうさ|||にげだす|||むずかしい||||||| and we closed the highway, too.

( 宗 貴 ) だ けど もう 山 入 の 家 は 全部 開け て しまった 。 → はじめ|とうと||||やま|はい||いえ||ぜんぶ|あけ|| But we've already checked all the houses in Yamairi.

あと は もう … 。

( 田代 ) だ から もう どこ も ない ん だ ろ ! ? たしろ||||||||| Like I said, there's nowhere else, right?

( 広沢 ) もしかしたら … 。 ( 敏夫 ) 広沢 さん 。 ひろさわ||としお|ひろさわ|

( 広沢 ) 屋敷 です 桐 敷 の 。 ( 敏夫 ) えっ ? あそこ は もう … 。 ひろさわ|やしき||きり|し||としお|||| The Kirishiki's house.

思い出し まし た 。 あの 屋敷 が 基礎 工事 の とき → おもいだし||||やしき||きそ|こうじ||

何 台 も の トラック で 大量 の 土砂 が 運び出さ れ て た ん です 。 なん|だい|||とらっく||たいりょう||どしゃ||はこびださ|||||

間違い ない 。 あそこ に は 地下 室 が あり ます よ 隠れる ため の 。 まちがい|||||ちか|しつ|||||かくれる|| They have a basement there... for hiding.

バレ たか 。 → So they figured it out.

室井 さん 。 ここ は もう 駄目 です 。 脱出 し ま しょ う 。 むろい|||||だめ||だっしゅつ|||| Mr. Muroi, this place is no longer safe.

脱出 … ? ( 辰巳 ) 村 の 連中 が 突入 し て き ます 。 だっしゅつ|たつみ|むら||れんちゅう||とつにゅう|||| Escape?

でも 道路 は 封鎖 さ れ て いる ん だ ろ う ? |どうろ||ふうさ|||||||| But the roads are closed, right?

( 辰巳 ) 抜け道 が ある ん です 。 遮 光 が 完全 と は いえ ませ ん 。 → たつみ|ぬけみち|||||さえぎ|ひかり||かんぜん||||| There's a secret path.

なるべく 暗い 所 に 置 い て やって ください 。 |くらい|しょ||お|||| Please put it in as dark a place as possible.

えっ ?

室井 さん 。 この 期 に 及んで 頼み 事 ばかり で → むろい|||き||およんで|たのみ|こと||

申し訳 あり ませ ん が 沙 子 を 頼み ます 。 もうし わけ|||||いさご|こ||たのみ|

君 は ? きみ| What about you?

おとり に なり ます 。 I'll act as a decoy.

あ … 。 聞い て も いい だ ろ う か 。 ( 辰巳 ) 何 でしょう ? |ききい||||||||たつみ|なん|

なぜ そこ まで し て 沙 子 に 仕える ん だい ? |||||いさご|こ||つかえる||

僕 に は 屍 鬼 より も 人 狼 の 方 が 優れて 見える 。 ぼく|||しかばね|おに|||じん|おおかみ||かた||すぐれて|みえる To me, werewolves appear superior to Shiki.

( 辰巳 ) 屍 鬼 は 不完全 な 人 狼 だ と ? たつみ|しかばね|おに||ふかんぜん||じん|おおかみ|| Are you saying that Shiki are imperfect werewolves?

フフッ 。 千鶴 が 生き て い たら さぞかし 怒った だ ろ う な 。 |ちず||いき|||||いかった||||

沙 子 も 今 の を 聞い たら どう 思う でしょ う ね 。 いさご|こ||いま|||ききい|||おもう|||

( 辰巳 ) 生き物 と して の 優劣 は 関係ない です よ 。 → たつみ|いきもの||||ゆうれつ||かんけいない|| It has nothing to do with our relative merits as living beings.

むしろ 個人 的 な 感情 の 問題 です 。 → |こじん|てき||かんじょう||もんだい| It's more a matter of personal feelings.

僕 に とって 沙 子 は ね 滅び の 象徴 な ん です 。 → ぼく|||いさご|こ|||ほろび||しょうちょう||| To me, Sunako is a symbol of collapse.

いずれ 滅びる ん です 。 全て の もの は 消え て いく 。 → |ほろびる|||すべて||||きえ|| Things eventually collapse.

だけど 沙 子 は それ に 抵抗 し て あがく 。 → |いさご|こ||||ていこう||| But she confronts it and struggles.

その 姿 が 引き付ける ん です 。 僕 は 奇麗 だ と 思う 。 |すがた||ひきつける|||ぼく||きれい|||おもう That part of Sunako fascinates me.

( 静 信 ) それ だけ ? ( 辰巳 ) フフ … 。 せい|しん|||たつみ|

それ だけ で 十 分 な ん だ ね 。 |||じゅう|ぶん|||| That's enough, I guess, huh?

やっ !

( 車 の エンジン 音 ) ( 村人 たち ) 何 だ ? 何 だ ? くるま||えんじん|おと|むらびと||なん||なん|

( 村人 たち ) うわ ー ! ! むらびと|||-

( 男性 ) 逃げ た ! 追う ぞ ー ! ! ( 男性 ) 国道 の 連中 に 伝えろ ! だんせい|にげ||おう||-|だんせい|こくどう||れんちゅう||つたえろ

急げ ! 見失う な ! 追え 追え ! いそげ|みうしなう||おえ|おえ Hurry!

( エンジン の 始動 音 ) えんじん||しどう|おと

う っ 。

《 抜け道 は 駄目 か … 》 ぬけみち||だめ|

( 宗 貴 ) あ あー ! ! ( 富雄 ) おお ! ! はじめ|とうと|||とみお|

あっ … !

( 村人 たち ) わ あー ! ! むらびと|||

若 先生 見 まし た か ! ( 敏夫 ) ああ 。 わか|せんせい|み||||としお| Doctor! Did you see?!

( 富雄 ) わし ら が 後 を 追い ます 。 若 先生 は ケガ 人 を 。 とみお||||あと||おい||わか|せんせい||けが|じん| We'll go after him.

ああ 。 ( 富雄 ) 動 ける やつ 行く ぞ ! ! |とみお|どう|||いく| Yeah.

( 富雄 ) 寺 か ! ( 武雄 ) 間違い ない ! とみお|てら||たけお|まちがい|

( 富雄 ) 何 人 か 先 を 捜せ ! とみお|なん|じん||さき||さがせ Some of you, go and search ahead of here!

( 武雄 ) あった ぞ ! さっき の 車 だ ! たけお|||||くるま|

( 武雄 ) 誰 も 乗って ない … 。 大川 さん ! たけお|だれ||のって||おおかわ|

寺 に やつ ら 入れ ねえ もん だ と 思って た から な 。 てら||||いれ|||||おもって||| We thought it wasn't possible for them to go inside the temple.

( 美和子 ) それ が 戻ら ない ん です 。 いったい どう し た の か 。 みわこ|||もどら||||||||| He hasn't been back.

( 富雄 ) それ は おかしい な 。 たった 今 戻って き た はず です が ね 。 とみお||||||いま|もどって|||||| That's strange.

何 を おっしゃって … 。 ( 光男 ) ちょっと 待って くれ 。 なん|||てるお||まって|

( 武雄 ) と ぼける な ! ここ まで 追って き た ん だ よ ! ! たけお||||||おって||||| Don't play dumb!

奥さん 。 捜さ し て もらい ます よ 。 ( 美和子 ) 捜す って … 。 おくさん|さがさ||||||みわこ|さがす| Mrs. Muroi, we're gonna search the house, okay? Are they holding him?!

あいつ ら を かくまって る な ! ?

( 男性 ) 寺 の くせ に 俺 たち を 裏切り や がった ! ! だんせい|てら||||おれ|||うらぎり|| They're the temple people, and yet they betrayed us!

いいかげん に しろ ! ( 男性 ) や っち まえ ! |||だんせい||| Enough already!

( 村人 たち の 怒号 ) ( 美和子 ) やめ て ください ! むらびと|||どごう|みわこ|||

( 美和子 の 悲鳴 ) ( 光男 ) 美和子 さ ー ん ! ! みわこ||ひめい|てるお|みわこ||-|

( 破壊 音 ) はかい|おと

( 静 信 ) あっ … ! せい|しん|

母さん … 。 かあさん Mom...

い た ぞ ー ! ( 静 信 ) ハッ 。 |||-|せい|しん|

( 宗 貴 ) 若 御 院 は 山中 へ 逃げ込 ん だ らしい 。 → はじめ|とうと|わか|ご|いん||さんちゅう||にげこ|||

大川 の 大将 たち が 後 を 追って る 。 ( 敏夫 ) 分かった 。 おおかわ||たいしょう|||あと||おって||としお|わかった

( 富雄 ) やつ は 手負い だ ! 血 の 跡 を 追え ! とみお|||ておい||ち||あと||おえ Follow the blood!

( 静 信 ) 沙 子 … 。 せい|しん|いさご|こ

闇 に 紛れ て やみ||まぎれ| Enveloped in darkness, I snuff my breath.

息 を 殺す いき||ころす

闇 を まとって やみ|| Clad in the darkness, I suddenly grin.

ふっと 微笑む |ほおえむ

気のせい さ きのせい| It's just my imagination; no one knows you.

お前 など 誰 も 知る はず ない おまえ||だれ||しる||

月 だけ が つき|| I'm just staring at the moon.

見つめ て いる みつめ||

ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う |おわり||ない|よ|さまよう Ah, I haunt the endless night.

ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て |||ゆめ||ゆめみ| Ah, I just dream a dream of you.

ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う |おわり||ない|よ|さまよう Ah, I haunt the endless night.

ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て |||ゆめ||ゆめみ| Ah, I just dream a dream of you.