Kobato . Episode 3
( 雨音 )
( こば と ) 雨 … です ね 。
( いおり ょぎ ) 雨 だ な 。
でも で も っ ! 雨 だって こば と 頑張り ます !
コンペイトウ を 増やす ん です ! ( 天井 に ぶつかる 音 )
き ゃ ~ ! お ~ !
( 泥 が かかる 音 )
は ~ 。 危なかった です 。
き ゃ あ !
ど ~ ば ~ と ~ 。
き ゃ ~ ! お め ぇ の せい で 泥まみれ だ よ !
・~ ( テーマ 音楽 )
・ 「 どう すれ ば いい ん だ っけ 」
・ 「 あたりまえ の こと って いつも 難しい な 」
・ 「 嬉しい とき 笑って 」
・ 「 好き な とき に 歌い たい だけ な のに 」
・ 「 いつか 願い は 叶う と 」
・ 「 でも いつ かって どれ くらい ? 」
・ 「 待ち きれ ない よ 」
・ 「 123 ! の 合図 で 両手 広げ て 」
・ 「 全身 に ひかり を 集め て 」
・ 「 どこ に ある の 教え て 私 に できる こと 」
・ 「 めいっぱい 傷 つい て せい いっぱい 走って 」
・ 「 何 十 回 転 ん で 泣 い て 」
・ 「 それ でも また あきれる くらい 」
・ 「 明日 を 信じ てる 」
・~
汚れ たって 大丈夫 です よ 。 いおり ょぎ さん 。
雨 が 洗い流し て くれ ます 。
大丈夫 じゃ ねえ ! そのかわり ズブ ぬれ じゃ ねぇ か 。
( 清 花 ) こば と ちゃん 。 あっ !
おはよう 。 清 花 先生 !
あの … 清 花 先生 ?
なあ に ? どこ に 行く ん です か ?
こば と ちゃん の お うち よ 。
え ?
ここ よ 。 わ ~ !
でも でも ここ に 住 ん で い い ん です か ?
ええ 。 こば と ちゃん さえ 気 に 入れ ば 。
さあ 中 へ 入り ま しょ う 。 はい !
紹介 する わ 。 千 歳 は 私 の 友達 で この アパート の 管理人 さん な の 。
はっ 初め まして 。 花 戸 小 鳩 です 。
( 千 歳 ) こば と さ ん ね 。 初め まして 三原 千 歳 です 。
分から ない 事 困った 事 が あったら 何でも 私 に 言って ね 。
はい ! 千 歳 。 後 は お 願い ね 。
じゃあ ね こば と ちゃん 。 私 は 保育 園 に 戻る から 。
は いっ ! ありがとう ござい まし た !
後 で お 手伝い に 伺い ます 。
相変わらず 人 の 心配 し て ばかり な の ね 清 花 は 。
こば と さ ん 。 は いっ !
よろしく ね 。
やさし そう な 人 です ~ !
「 今日 から お 世話 に なり ます 」 だ ろ 。
今日 から こちら で お 世話 し ます 花 戸 小 鳩 です !
心 の 声 おまえ が お 世話 する ん じゃ ねえ 。
( 千 歳 ) 荷物 は 何時ごろ に 届く の かしら ?
え ? え … えっ と … 。
これ だけ です ! お 布団 と か は ?
あり ませ ん 。 あら … 。
じゃあ 早速 中 を 案内 する わ ね 。
はい !
とっても ステキ な 建物 です ね 。 ( 千 歳 ) どうも ありがとう 。
わ ~ ! ステキ な お 部屋 です ね いおり ょぎ さん !
いおり ょぎ さん ?
あれ ? あれ れ ?
どこ 行っちゃ っ た ん でしょ う か ?
( 物音 ) あっ ?
き ゃ ~ !
ど ば と … 。 よくも 置 い て いき や がった な !
オレ は こっち じゃ ぬいぐるみ な ん だ よ !
すい ませ ~ ん !
まったく よ … !
う っ … う っ … 。 おい !
はい は いっ … 。 保育 園 始まる ぞ 。
え ? そう で し た !
ハア ハア ハア … 。
急が ない と 遅刻 です !
( 2 人 ) き ゃ ~ !
ごめんなさい ! 大丈夫 です か ?
( 田所 むつみ ) 私 は 平気 。 それ より この 子 が … 。
ごめん ね 。 泥まみれ に なっちゃ っ た 。
なんか かわいい 子 だ ね 。
よし 。 これ で きれい だ よ 。
はい 。 じゃあ ね !
あ … 。 ありがとう ござい まし た !
お め ぇ より よっぽど 気 が 利 い てる な 。
( 雨音 )
・ ( 清 花 ) こば と ちゃん 。
お 部屋 どう だった ?
はい ! 屋根 が あって ゴロゴロ 出来 て ステキ です !
そう 。 よかった わ 。 ウフフフ 。
( 俊彦 ) こば と ちゃん ! は ?
遊 ぼ ~ 。 今 お 掃除 し てる ん です 。
( 満里奈 ) お 手伝い する ! ( 俊彦 義男 ) 僕 も ~ !
・ ありがとう ござい ます !
・ ( 俊彦 ) 僕 何 やったら いい ? ・ ( 満里奈 ) ねえ ねえ 私 は ?
( 藤本 ) なにも アパート まで 世話 し なく て も … 。
だって あの 子 が 来 て くれ て みんな も うれし そう だ し 。
ダメ よ いじめ ちゃ 。 そう やって … 。
何 回 痛い 目 見 てる ん です か ?
あ … 。
そう ね 。
今 は 誰 に 対 し て も 警戒 し とい た ほう が いい です よ 。
雨 上がって よかった です ね 。
明日 は 保育 園 お 休 みだし 。 頑張って コンペイトウ 集め ます よ !
お ~ !
( 雨音 )
さっき まで 晴れ て た ん です けど 。
だから 傘 持っていけ って … 。 すみません 。
しばらく やみ そう に あり ませ ん ね 。
ぬれ て いく しか ねぇ な 。
ずるい です ! 自分 だけ ! ( 植田 ) 傘 ない ん です か ?
あ … はい … 。 では これ 。
は … ?
よかったら 使って 下さい 。
でも … 。 差し上げ ます よ 。 お 客 様 用 の 傘 な の で 。
あの … 雨 が や ん だ ら 返し に き ます !
はい 。 お 待ち し て い ます ね 。
はい ! ありがとう ござい ます !
( 鼻歌 )
こば と に し ちゃ まとも な 対応 だった な 。
うん じゃ ~ この 調子 で 。 は いっ !
ここ で 癒 や さ れ たい 人 の 情報 を 集め ます !
ある 意味 正しい か 。 人 が よく 出入り する 場所 だ から 。
こば と 頑張り ます ! ( コンビニ の チャイム )
( コンビニ の チャイム )
何にも 情報 あり ませ ん でし た 。
あっ どう し た ?
お 借り し た 傘 が ない です ! なに
どなた か 間違え た ん でしょ う か ?
勝手 に 持っていった ん だ ろ う 。
え 傘 って 勝手 に 持っていって も いい ん です か ?
そんな わけ ねぇ だ ろ う !
そんな … 。 ケーキ 屋 さん に 貸し て 頂 い た 傘 な のに … 。
( コンビニ の チャイム )
( むつみ ) あれ ?
また 会った ね 。 あ … 昨日 の … 。
どう し た の ? 傘 が なく て … 。
はい !
えっ ?
私 の 傘 貸し て あげる 。 でも … 。
いい って ! 私 の 家 すぐ そこ だ し 。
それ に 傘 が ない と その 子 も ぬれ ちゃ う でしょう 。
( 桂木 ) 田所 ! あ … 。
あんまり 買い食い ばかり し てる と また 太る ぞ ~ !
うるさい ! 桂木 の バカ ! あ ~ 。
待ち なさい ! あの … 。
ありがとう ござい ま ~ す !
待た ない と なぐる わ よ ! 待って も なぐる だ ろ う ?
自分 が ぬれ て しまう の に 傘 を 貸し て 下さる 方 も いる の です ね 。
・~
・~
おはよう ございます !
おはよう ございます こば と さ ん 。
あら ?
ほ っぺ に 畳 の 跡 が 。
はっ ? あ ~ 。
行って き ま ~ す !
恥ずかしい ! ほ っぺ に 畳 の 跡 なんて !
千歳 さん 変 な 子 って 思い まし た よ ね 。
おはよう ございます ! あれ ?
傘 ありがとう ござい まし た ! よく うち の 学校 が 分かった ね 。
傘 を 貸し て 下さった ケーキ 屋 さん に 謝り に 行った 時 →
緑 の セーラー カラー なら この 学校 だって 。
いおり ょぎ さん も 感謝 し て ます 。 いおり ょぎ さん ?
はい ! この ぬいぐるみ の 事 ?
へえ 変わった 名前 だ ね 。 ウフフフ 。 私 は 花 戸 小 鳩 と 言い ます 。
私 は 田所 むつみ 。
( 桂木 ) 田所 !
後ろ の 髪 は ね てん ぞ 。
うるさい ! 余計 な お 世話 !
え … どこ ? 大丈夫 です 。
私 なんて ほ っぺ に 畳 の 跡 が ついて る ん です から 。
それ フォロー に なって ない から 。
す … すみません 。
フフ フフ 。 気 に し ない で 。 じゃあ 私 朝 練 が ある から 。
それにしても さっき の 男の子 は ちょっと 意地悪 です ね 。
まるで 藤本 さん みたい です 。
わ っ ! 遅刻 し たら また 意地悪 さ れ ちゃ い ます !
ハア ハア ハア … 。
1 分 23 秒 遅刻 だ 。
1 分 … ? 1 分 でも 遅刻 は 遅刻 だ ろ う 。
すみません 。
いや ~ 。 ぎりぎり まで 寝 て た ん だ ろ う 。
畳 の 跡 は 消え て ます 。 布団 から はみ出し て た ん だ な 。
布団 は ない です 。 は あ ?
おはよう こば と ちゃん 。
お … おはよう ございます 。
藤本 君 に 何 か 言わ れ た ? えっ と … あの … 。
ぶっきらぼう だ けど 悪い 子 じゃ ない の よ 。
でも もし 意地悪 し たら 教え て 。
げんこつ の 刑 に し て あげる から ! げ … げんこつ です か ?
そう 。 昔 み たい に ね 。 昔 ?
おい ! せっかく 晴れ た ん だ 。 昼寝 用 の 布団 干す ぞ 。
あ … はい ! 今 行き ま ~ す 。
ウフフ 。
( 雷鳴 ) ( 園児 ) こば と ちゃん さようなら !
は ~ い ! さよなら です !
・ ( 雷鳴 ) また 雨 に なり そう ね 。
こば と ちゃん 傘 は ? 持って ない です 。
藤本 君 ある ん でしょ う ? 一緒 に 帰ったら ?
この 後 用事 が ある んで 。 オレ の 傘 持っていけ 。
おまえ と 相 合い 傘 なんて ごめん だ し な 。
アイアイ ガサ … ?
1 つ の 傘 に 2 人 で 入る 事 だ よ 。
( 雨音 )
清 花 先生 の 言った とおり です 。
ホント に 雨 が 降って き まし た ね 。 ( コンビニ の チャイム )
( コンビニ の チャイム )
あっ !
間違って 持って行か れ た 方 が 返し に 来 られ た ん です ね 。
( コンビニ の チャイム ) ( むつみ ) あれ ? こば と ちゃん ?
また 会った ね 。 田所 むつみ さん !
むつみ で いい よ 。 どう し た の ?
傘 が 戻って き た ん です !
あ … そう な ん だ 。 よかった ね 。
はい ! むつみ さん は また お 買い物 です か ?
うん 。 剣道 部 の 練習 きつい から すぐ おなか すい ちゃ って 。 エヘッ 。
頑張って らっしゃる ん です ね 。 あ … でも … 。
あんまり 食べる と 太る から 。 これ もらって よ 。
よろしい の です か ? いい から 。
はい ! じゃあ ね ~ 。
はっ !
( 雨音 )
あれ って アイアイ ガサ です よ ね 。
・~
あっ ! むつみ さん !
・~
むつみ さん 。 とっても 悲し そう で し た 。
どう し たら 元気 に なって くれる ん でしょ う か ?
さあ な 。 これ ばっかり は な 。
・ ( 千 帆 千 世 ) こんばんは 。 開け て 下さい !
ウグッ 。
はい ! あ … 。
ウグッ … 。
キャ ~ !
大丈夫 です か ? はい 。 お 騒がせ し て スミマセン 。
管理人 の 娘 の 千 帆 です 。 千 世 です 。
初め まして 。 花 戸 小 鳩 です 。 お 布団 ない ん でしょ う ?
は … はい 。 これ ママ が よかったら って … 。
いい ん です か ? 前 使って た の だ けど って 。
それ じゃあ また ね !
ありがとう ござい ま ~ す !
ふ ふ ふん 。 お 布団 頂 い ちゃ い まし た 。
お め ぇ が 癒 や さ れ て どう す ん だ よ !
あっ … そう で し た 。
むつみ さん の 元気 を 取り戻す ん です 。 どう やって ?
・ と … とにかく 頑張り ます !
おい ! 何 する つもり だ ?
今 は そっと し とい て やった ほう が 良い と 思う けど な 。
あっ !
( 笑い声 )
あの !
うん ?
お 話 が あり ます ! むつみ さん の 事 で !
お 願い し ます !
え … どういう 事 ? です から →
むつみ さん と も アイアイ ガサ し て 下さい !
あ … 。
お 願い し ます !
むつみ さん と もって 何 だ よ !
ダメ でしょう か ?
( 走り よる 音 ) あっ !
むつみ さん
どういう 事 ?
この 間 むつみ さん が とても 悲し そう な 顔 を し て い て … 。
えっ ?
ほか の 女の子 と アイアイ ガサ を し て い た 時 です 。
えっ 別に 私 は … 。
じゃあ どうして … ? それ は … 。
それ は … 。
( 雨音 )
余計 な お 世話 でし たら すみません 。
ただ 私 は むつみ さん に 元気 に なって ほしく て … 。
ですから … 。
はい ! むつみ さん と アイアイ ガサ し て 下さい !
え えっ
こば と ちゃん
お 願い し ます !
この 間 の 子 に 悪い でしょ う ?
あ … 。
入れよ 。
なに よ ! 別に いい って !
あの 子 は つきあって る と か そういう ん じゃ ない よ 。
え ?
傘 を 忘れ た って 言う から 一緒 に 帰った だ け だし … 。
あ … 。
むつみ さん 。 ほら … 。
さっさと しろ よ 。 行く ぞ ! あ … 。
ウフッ 。
桂木 !
待ち なさい よ ! 私 が ぬれ ちゃ う でしょう !
もっと 離れ て よ 。 文句 言う な 。
なんか 狭い !
おまえ な … 。 ( むつみ ) だって ホント な ん だ もん 。
むつみ さん うれし そう じゃ ない です ね 。
いい ん だ よ あれ で 。 そう なん です か ?
・~
変 です ね いおり ょぎ さん 。 何 が だ よ ?
コンペイトウ が 増え て ます 。
その ため に あの 子 を 癒 や し た ん だ ろ う ?
私 は むつみ さん に 元気 に なって ほしく て … 。
ハ ~ !
何 に し て も あれ で あの 子 の 傷 つい た 心 が 癒 や さ れ た わけ だ よ 。
そう なん です か ?
コンペイトウ が 増え てる の が なにより の 証し だ 。
なら 良かった です ! ルル ルンルン 。
先 が 思いやら れる な こりゃ 。
ルル ルンルン … 。
( 琥珀 ) 今 の 気配 は … ? ( 一郎 ) どう し た ? 琥珀 。
いえ 何でもない です 。 一郎 さん 。
行き ま しょ う 。
今回 は 何とか うまく 言った し いい 点 やって も いい か 。
ホント です か !
き ゃ ~ ! わ ~ !
大丈夫 です か ? いおり ょぎ さん !
ど ~ ば ~ と ~ 。
0 点 ! ひ ぇ ~ !
ひどい で す いおり ょぎ さん ! さっき いい 点 くれる って !
おまえ の せい で 泥 やら 墨 やら かぶり っぱなし だ よ !
大丈夫 です ! 雨 が 洗い流し て くれ ます !
オレ 様 の 怒り は 洗い流せ ねぇ ん だ よ !
そんな ~ !
・ 「 人 は みな 飛 ん で み たい の に 」
・ 「 重力 に 騙さ れ てる ん だ 」
・ 「 誰 も ほんとう は 飛べ る ん だ よ 」
・ 「 あの コ が あんなに 哀し そう な の は 」
・ 「 自分 の 影 を どこ か に 忘れ てき ちゃ った から かも 」
・ 「 それ なら 」
・ 「 アリガトウ 、 って 君 に 言え たら 」
・ 「 アリガトウ 、 って 君 が 笑え ば 」
・ 「 行ったり 来たり うれしく なる 」
・ 「 君 が 幸せ に なる 」
・ 「 心配 なんて いら ない よ 一緒 に いる から 」
・ 「 うれしく って も 涙 が 出る なんて 不思議 だ 」