Suisei no Gargantia - 10
( 仲間 A ) 逆 進 停止
( ピニオン ) どう だ ?
( 仲間 B ) 今 ん とこ ヤバ そうな 気配 は ねえ
けど … 本当に 大丈夫な んだろう な
ああ ブリキ 野郎 が クジラ イカ を 全滅 さ せ たって よ
( 一同 ) おお ぉ …
( 仲間 B ) まっ まさか …
ブリキ 野郎 ! レド !
守備 は どう だ ?
( チェインバー ) この 海域 に 生息 する ヒディアーズ の 殲滅 を 確認 した
よ 〜 し よく やった !
おい ユンボロ 全部 出せ !
伝説 の お 宝 は 俺 達 の もん だ !
( 一同 ) オ 〜!
へ へ へ ッ
( レド ) ハァッ
ハァッ …
♪〜
〜♪
( マイタ ) オーライ ストップ
シャフト は 向こう だ
いい よ ゆっくり 〜
オーライ オーライ
よ 〜 し ! そっち は オッケー
( マイタ ) ピニオン 来て みな !
おう
期待 でき そうだ ね
ああ
( レド ) は ぁっ う っ …
う っ ふ …
う う っ
は あ
はっ !
は ぁっ は ぁっ
( 幼 体 たち の 鳴き声 )
( レド ) は ぁっ は ぁっ
はっ
( 幼 体 たち の 鳴き声 )
は ああ …
う ぅっ
兄貴 …
一緒に 飲み たかった ぜ
( フランジ ) ピニオン ( ピニオン ) ん っ
( ピニオン ) どう だ ?
こんな の は まだ 序の口 だ ぜ
( フランジ ) これ が 偉大なる 先人 の 遺産 か
( ピニオン ) ああ クジラ イカ の 巣 の 奥 に は もっと すげ え お 宝 が 眠って る
兄貴 が 言って た 通り さ
まるで 腐って ねえ
こんな の が 無尽蔵に 沈んで んだ
これ こそ 世界 に かつて の 文明 を 復興 さ せる 宝
世界 の 復興 だ あ ?
見つけた の は 俺 達 だ
俺 達 の お 宝 だろう が !
あっ 何 を 言い出す
遺産 に よって より 多く の 人々 を 豊かに 出来る と 思えば こそ 私 は …
俺 達 が 真っ先 に 豊かに なら ねえ で どう する よ !
( ヘリック ) 独占 すれば 奪おう と する もの が 現れる ぞ
武器 も 弾 も 山ほど 揃 ( そろ ) って る
怖がる こと は ねえ
( フランジ ) そういう 問題 で は …
近づく ヤツ はぶ っ 潰す !
おい 無電 を 打つ !
クジラ イカ を 全滅 さ せて お 宝 を 手 に した と 知らせる んだ !
( フランジ ) いかん 周囲 の 船 を 刺激 する だけ だ
近づく なって 警告 だ よ
最大 出力 で 打つ ! 準備 して くれ !
あっ …
( 無線 : ピニオン ) この 通信 の 届く 全て の 船 に 告 ぐ !
俺 達 は 霧 の 海 に 巣くって いた クジラ イカ を 全滅 さ せた !
群れ も 巣 も 全部 だ !
こちら は ピニオン
“ 霧 の 海 の ピニオン ” と 覚えて おけ !
クジラ イカ の 巣 の お 宝 を 狙って いた 連中 よ
もう 手遅れだ !
いまさら 妙な 気 を 起こす んじゃ ねえ ぞ !
お 宝 は 全部 俺 達 の もん だ !
全て の 船 に 警告 する !
近づいた 船 は 容赦 なく 沈める !
( ヘリック ) ピニオン の 言う こと も 一理 あり ます
( フランジ ) 君 まで なんだ
( フランジ ) 海賊 ども は 必ず 現れ ます
力 を 蓄える こと も 必要です
なぜ 争う こと を 前提 に せ ねば なら ん
( メルティ ) フランジ さん
お 届け 物 です
来 なさい
ありがとう ございます
あっ う っ …
他 に 何 か ?
レド が クジラ イカ を 全部 殺した って 聞いて …
ああ 本当だ
( メルティ ) その …
大丈夫な んです か ?
分から ん よ 私 に も
フランジ さん は これ で い いって 思って る んです か ?
( ヘリック ) 君 ! ( フランジ ) 思う わけ は ある まい !
( フランジ ) レド と チェインバー が いれば クジラ イカ の 巣 の 奥 を 探 れる
そこ まで は いい
だが 引き上げた もの を 他の 船 と 取引 する でも なく
近づけば 攻撃 する など と わけ も 分から ぬ こと を
やめ させ られ ない んです か ?
このまま じゃ のけ者 に さ れちゃ う !
( フランジ ) 私 の 率いて きた 船 主 たち も ピ 二 オン に 付き 始めて いる
あっ
サルベージ 品 を 活用 する に は
ヤツ の 修理 屋 と して の 技術 が いる の は 確かだ
止め よう に も 止まら ん
そんな …
( チェインバー ) 少尉
( ピニオン ) なんで 手 貸して くん ねえ んだ よ !
( レド ) サルベージ は もう そちら で 出来る はずだ
( ピニオン ) シャフト の 途中 が 埋まって んだ
ブリキ 野郎 で ど かして 欲しい んだ よ !
( レド ) 嫌だ !
どう しち まったん だ よ レド
な に 怖気づいて んだ
怖気づく … 俺 が ?
( レド ) ふざける な ! ( ピニオン ) あっ …
ヒディアーズ は 殲滅 した 恐れる こと など 無い !
恐れ など …
う っ あっ …
( 船員 ) ジョー そろそろ あがり に しよう ぜ 〜
( ジョー ) おう
( ウォーム ) 船団 長 再 編成 の 配置 は まとまり ました か ?
( リジット ) ええ 船 主 たち 協力 的だった わ
( クラウン ) 後 は 連結 し 直す だけ です な
大 仕事 です が …
( ウォーム ) 船団 長
ピニオン の 無電 は お 聞き に なり ました か ?
ええ もちろん
( ウォーム ) 率直に どう 思わ れ ます か ?
( リジット ) 事実 だ と いう 根拠 が 無い 以上 対応 す べき こと は あり ませ ん
ただ …
船団 に は もう 広まって る ?
( ウォーム ) 知ら ない 者 は い ない でしょう
( リジット ) そう …
信じた 船 主 の 中 に は
羨んで 離脱 しよう と する 者 も 出る かも しれ ない
そう なったら ?
彼ら の 意思 を 尊重 し ます
( ベベル ) オルダム 先生 本当な の ?
クジラ イカ の 巣 を レド が … って
( オルダム ) ああ ピニオン から の 無電 を 直接 聞いた
そんな …
バカな こと だ …
バカな こと だ よ
ん っ …
( ピニオン ) 兄貴 の … 仇 とる んだ っつ って も か ?
( ベローズ ) ただ の 夢 だって 言った じゃ ない か
( グレイス ) キッキキ キーキ キイーイ
( サーヤ ) エイミー ( エイミー ) あっ
( サーヤ ) メルティ 大丈夫 かな ?
大丈夫だ よね ピニオン の 言う こと だ し …
ねぇ エイミー
分か ん ない よ ! そんな の …
分か ん ない よ
レド …
どうして …
( ピニオン ) 降伏 して くる 様子 は ?
( 船員 ) ねえ けど …
弾 切れ な んじゃ ねえ の か ?
( ピニオン ) 攻撃 は やめ ん な
マジ かよ !
( ピニオン ) こっち に は まだ いくら でも 弾 は あんだ い
仕掛けて きや がった の は 向こう の 方 だ
( 船員 ) 沈める って の か ?
( ピニオン ) 両手 を 挙げ ねえ 限りな
そう だ
お 宝 の 修理 が 終わって る はずだ
一 発 お 見舞い して やら ぁ !
( マイタ ) オーライ オーライ オーライ オーライ
よ 〜 し こんな もん だ
えい お っ お っ はっ
( 船員 ) 準備 完了 ! ( ピニオン ) よし !
撃て 〜!
( マイタ )… って 言わ れて も なあ
これ か ? あっ こいつ か ?
あっ あっ あっ あっ う っ …
( 船員 ) うわ っ ああ ぁ …
( ピニオン ) 何 やって んだ へたくそ 〜!
( 船員 ) 降伏 の 無電 来た !
お っせ 〜 よ バカヤロー !
( ピニオン ) った く …
無駄な あがき を
( 海賊 たち ) う ぅ …
喧嘩 売って くる と は 上等だった な
( 海賊 ) う ぅ …
へ っ
( 子分 A ) 俺 ら は 助けて くれよ ( ピニオン ) は あ ?
( 子分 B ) 積荷 は 全部 差し出す から そっち に 置いて くれよ
は あ ?
んな もん いちいち 受け入れて たら なあ
所帯 が どんどん 大きく … お っ !
そう か
こう やって 船団 を デカ くし ていき ゃあ
敵 なし じゃ ねえ か
引き上げる ブツ は いくら で も ある んだ し ふ っ
よし ! その 気 の ある ヤツ まとめて つれて 来い !
( 子分 B ) わ っ 分かった
オッサン 話 つ いち まった よ
う う …
おい こいつ を ど っか に ぶち こ ん どけ !
( ピニオン ) レド …
引き上げた ブツ を よ 〜 その …
ブリキ 野郎 で 調べて え んだ
ん … どう だ ?
( チェインバー ) 装備 を 軍務 外 で 使用 する に 当たって は
少尉 の 許可 を 必要 と する
だって よ いい よ な ?
( レド ) 勝手に しろ
話 は 決まり だ
さっ 来て くれよ
オメー がい ねえ と 始ま ん ねえ んだ
ブリキ の 大将 も ほら な っ
( 船員 たち の 笑い声 )
( レド ) は っ …
( 船員 ) ほら 飲め 飲め !
( 大きな 足音 )
( 歓声 )
みんな よく やって くれた !
俺 達 に 喧嘩 売って きた 船 は 片っ端から 白旗 だ
( 船員 たち ) オ 〜!
ここ を 根城 に 決めて から 俺 達 に は いい 風 が 吹き っぱなし だ
それ も これ も レド と チェインバー の おかげ だ
みんな この ブリキ の ケツ に 感謝 の キス を して や んな !
ン 〜 アッ !
アッハハハ …
( 船員 ) う ぇ 〜 い !
カンパ 〜 イ !
アハハハ …
( 船員 たち の 笑い声 )
( レド ) 俺 は … 何 を やって る んだ
何の ため に ?
誰 の ため に ?
いつ から だ ?
この 異郷 の 地 で 目覚めた 時 から か
チェインバー マシンキャリバー に 初めて 乗った 時 から か
生まれた 時 から か
どう だ ?
( チェインバー ) 初歩 的な 電磁 兵器 である
電磁 ? なんだ そりゃ ?
( チェインバー ) 当 機 に 装備 さ れた ビーム 兵 装 と 基本 構造 に おいて 違い は 無い
( ピニオン ) マジ かよ !
( チェインバー ) ただし 総出 力 は 当 機 の 50 分 の 1 程度 と 推測 さ れる
( ピニオン ) お前 の 50 分 の 1 だって たいした もん だ
( チェインバー ) 本 船団 に おける 総 火力 と の 比較 で は 約 76 倍 に 相当 する
よ 〜 し よし よし こいつ 使える ように 出来る か ?
( チェインバー ) 修理 に よって 機能 の 回復 は 可能
ただし 使用 に は 膨大な 電力 を 必要 と する
電気 か …
それ ヒカリムシ で 何とか できる レベル か ?
( チェインバー ) 調査 を 必要 と する
じゃあ 頼む
レド に は 俺 から 言 っと く から よ !
いっ …
はっ は ぁ …
( チェインバー ) ヒディアーズ の 記録 映像 の 裏づけ と なる 事実 を 発見 した
ヒカリムシ である
ヒカリムシ は ナノマシン であり
ヒディアーズ の 外 殻 と 事実 上 同じ もの である
電磁 波 を 吸収 し 高 効率 で エネルギー に 変換 する
同時に 自己 を 複製 し 擬 似 炭素 結合 する こと で
堅 牢 な 外 骨格 と して も 機能 する
これ は ヒディアーズ が 人類 の 恣意 的 進化 の 帰結 である 証明 であり
( レド ) お前 は …
いっ … なぜ そう な んだ !
銀河 同盟 の …
俺 の 戦い の 意味 が 根こそぎ 否定 さ れ たって のに !
( チェインバー ) 貴 官 の 認識 に 誤り が 認め られる
( レド の 荒い 息遣い )
ヒディアーズ が 進化 した 人類 なら 俺 は 戦える の か ?
戦って そこ に 意味 は ある の か ?
無い なら 俺 は 戦え ない
あの 生き物 を …
俺 は … 殺せ ない
( チェインバー ) 容認 でき ない
貴 官 の 認識 は
貴 官 と 当 機 の 存在 意義 を 否定 する もの である
お前 も 見た だろう !
生まれた ばかりの … クジラ イカ の 姿
同じ 人類 が 殺し 合って いる んだ !
それ が 俺 達 の 戦争 の 正体 な んだ !
( チェインバー ) 当該 情報 を 得て も なお
ヒディアーズ 殲滅 を 放棄 する 理由 は 存在 し ない
( レド ) お前 に 無い だけ だ !
俺 に は …
( チェインバー ) 否定 する
ヒディアーズ が 人類 に もたらす 根源 的 破滅
それ を 回避 する こと が 貴 官 の 唯一 の 任務 である
どちら も 人間 じゃ ない か !
同盟 の お 題目 は もう たくさんだ !
( チェインバー ) 否定 する
当 機 と 同盟 と の 並列 リンク は 喪失 して いる
これ は 当 機 が 独自に 行った 情報 解析 に よる 結論 である
なに ?
( チェインバー ) 人類 と ヒディアーズ は 決して 相 容 れる こと は 無い
なぜなら
彼ら は 文明 そのもの を 否定 した 存在 だ から である
どういう … こと だ ?
( チェインバー ) もし 人類 が ヒディアーズ の ように
強靭で 万能 な 肉体 を 備えて いた ならば
そもそも
マシンキャリバー を 開発 する 必要 性 など 無かった
当 機 の システム は 人類 の 英知 の 結晶 である
だが それ は
人間 が その 脆弱な 肉体 を 補う べく 必要 と さ れた もの
人間 は 自ら の 限界 を 超える べく 知能 を 発展 さ せ
文明 を 築いた もの だ と 推察 する
文明 の 存在 こそ 人類 が 万物 の 霊 長 たる ゆえん である
だが 人 の 形 を 捨てた ヒディアーズ に
肉体 的 限界 は 存在 し ない
生物 と して の 幸福 と 満足 を 追求 する だけ ならば
必ずしも その 知性 が 高等である 必要 は 無い
マシンキャリバー は
人類 が 人類 たり うる 唯一 の よりどころ
すなわち
文明 に よって 生み出さ れた 純粋 知性 の 結晶
そして ヒディアーズ は その 知性 すら 克服 する こと で
生命 体 と して の 一 つ の 極 北 に 到達 した
究極 の 生物 だ と いう の か ? ヒディアーズ が …
( チェインバー ) ゆえ に 貴 官 は 当 機 と ともに
人類 の 尊厳 を かけて 戦わ ねば なら ない
根幹 を 同じく する もの と の 争い に おいて
敗北 は 即 滅亡 を 意味 する
文明 を 追求 する こと と それ を 放棄 する こと
人類 銀河 同盟 と ヒディアーズ の 戦争 は
2 つ の 異なる 生存 戦略 の 相 克 であり
敗者 は 淘汰 を 待つ のみ である
淘汰 …
( チェインバー ) 貴 官 が 生存 を 欲する 限り 選択 の 余地 は 無い
( レド ) 戦え と … 強いる の か
機械 の お前 が … 人間 の 俺 に
( チェインバー ) 私 は パイロット 支援 啓発 インターフェースシステム
貴 官 が より 多く の 成果 を 獲得 する こと で
存在 意義 を 達成 する
あぁ …
( 警告 音 )
( チェインバー ) 偏 極光 子 シークエンス を 受信
銀河 同盟 標準 の 暗号 通信 波 である
なんだ と !
( チェインバー ) 友軍 機 と 識別 する
( レド ) 友軍 機 ?
クーゲル … 中佐
♪〜
〜♪