Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 19
( テレビ : アナウンサー ) ここ を 抑えれば まだ 熊本 実業 に も チャンス は 残り ます
三 塁 側 の 応援 の 声 も まだ 熱気 を 失って い ませ ん
さあ ピッチャー 鈴木 ( すずき )…
( キョン ) 何 か おかしい
なんとなく そんな 気 が した
テレビ に 映る 試合 は
俺 と は まったく 縁 の ない 県 同士 の 戦い だ が
負けて いる ほう を なんと な ~ く 応援 して いる と
これ また なんとなく ハルヒ が 騒ぎ だす ような …
( 携帯 電話 の 着信 音 )
( キョン ) なん だって んだ ?
( キョン の 妹 ) キョン 君 電話
言わ れ なく たって …
( ハルヒ ) 今日 あんた 暇でしょ ? 2 時 ジャスト に 駅前 集合 だ から
ちゃんと 来 なさい よ ( 通話 が 切れた 音 )
( キョン ) 俺 は ひと言 も しゃ べっと ら ん のだ が …
( 携帯 電話 の 着信 音 )
( キョン ) なんだ ? ( ハルヒ ) 持参 物 を 言い 忘れて たわ
水着 一式 それ と 十分な お 金 ね
あと 必ず 自転車 に 乗って くる こと オーバー
( 通話 が 切れた 音 )
( キョン ) ハルヒ が 何 を 言いだす の か
またまた なんとなく 分かって いる 気 が した
またまた なんとなく 分かって いる 気 が した
( 打 球音 ) ( アナウンサー ) 打った
( 打 球音 ) ( アナウンサー ) 打った
大きい ! 大きい !
大きい ! 大きい !
( キョン ) いや 違う な
( キョン ) いや 違う な
正確に は “ 前 に まったく 同じ こと が あった 気 が した ” だ
いわゆる デジャヴ って やつ か
そろそろ 夏 も 終わり か
♪~
~♪
( ハルヒ ) 遅い わ よ キョン ! もっと やる 気 を 見せ なさい !
へい へい
あなた の ため に 来 ました
( み くる ) ハハッ ありがとう ございます
それ じゃあ 全員 そろった こと だ し 出発 し ま しょ
( キョン ) どこ に ?
( ハルヒ ) 市民 プール に 決まって る じゃ ない の
( キョン ) まあ この 用意 なら そう だろう よ
夏 は 夏 らしく 夏 じみ た こと を し ない と いけない の
失った 時間 は 決して 取り戻す こと が でき ない の よ
だから 今 やる の
この たった 一 度 きり の 高 1 の 夏 休み に !
じゃあ キョン と 古泉 ( こい ずみ ) 君 プール まで お 願い ね
できる こと なら 聞き たく は ない が なん の お 願い だ ?
あんた たち の 自転車 で 行く の
は あ ~
うん この 消毒 液 の におい いかにも って 気 が する わ ね
( ハルヒ ) それ ! ( 飛び込む 音 )
( キョン ) 控え おろう !
この “ 飛び込み 禁止 ” の 文字 が 目 に 入ら ぬ か !
早く 来 なさ ~ い ! 水 が ぬるくて 気持ち いい わ よ !
えっ えっ ? あっ …
そ ~ れ !
( 古泉 ) 楽し そうです ね
涼 宮 ( すずみ や ) さん も 結構 ―
常識 的な 楽しみ 方 を 身 に つけて きた と 思い ませ ん か ?
いきなり 電話 かけて きて
一方的に 用件 だけ 言って 切 っち まう ような 誘い 方 は
あまり 常識 的 と は 言え ないだ ろ
( 古泉 ) “ 思い立った が 吉日 ” と いう 言葉 も ある こと です し
( キョン ) あいつ が 何 か 思い立って
それ で 俺 たち が 凶 以外 の くじ を 引いた こと なんて あった か ?
それ でも こんな の は 十分 平和です よ
ああ やって 楽しげに 笑って いる 涼 宮 さん は
この世 を 揺るがす こと は し ない でしょう から ね
あっ …
( キョン ) どうした ? ( 古泉 ) いや
多分 僕 の 気のせい です 春先 から いろいろ あった せい で
ちょっと 神経質に なって いる だけ でしょう
惜しい ! もう 一 回 よ !
( み くる ) あっ … ( ハルヒ ) ん ?
ぐ お っ !
アハハ
( キョン ) おいしい 一 語 に おいしい !
ウフッ
ほら !
( キョン ) まったく 市民 プール と いう より
庶民 プール と 名乗った ほう が 似つかわしい 場所 だ な
なん だって ハルヒ は こんな ところ を 選んだ んだ ?
うん ?
また あの 妙な 感じ だ こんな 光景 を 前 に も 見た 気 が する
なんとなく 長門 ( な が と ) が 退屈 そうに して いる ような
( ハルヒ ) キョン ! ( キョン ) あっ …
( キョン ) そう それ で ハルヒ は こんな こと を 言いだす んだ
( キョン ) この 2 人 が あたし の 団員 よ
なんでも 言う こと 聞く から なんでも 言っちゃ い なさい
( 小学生 たち ) は ~ い
( ハルヒ ) さあ 遊ぶ わ よ ! 水中 サッカー を する の !
へい へい
( キョン ) まあ よく ある こと さ デジャヴ なんて
( ハルヒ ) これ から の 活動 計画 を 考えて みた んだ けど
どう かしら ?
なんの マネ だ ?
( ハルヒ ) 残り 少ない 夏 休み を どう やって 過ごす か の 予定 表 よ
( キョン ) 誰 の 予定 表 だ ? ( ハルヒ ) あたし たち の
気付いたら あと 2 週間 しか ない の よ ね
がく然たる 気持ち に なった わ
やり 残した こと が たくさん ある ような 気 が する のに
それ だけ しか 時間 は 残って ない わけ
ここ から は 巻き で いく わ よ !
( キョン ) これ を 2 週間 足らず で ?
( ハルヒ ) み くる ちゃん は 何 か し たい こと ある ?
( み くる ) ああ え ~ っと あたし は 金魚すくい が いい です
( ハルヒ ) オーケー ! 金魚すくい っと
( 古泉 ) ちょっと 失礼
どうも
あした から 決行 よ !
この 近く で 盆踊り やって る とこ ある ?
花火 大会 で も いい けど
( キョン ) せめて 調べて から 決行 して くれ
僕 が 調べて おき ましょう 追って 涼 宮 さん に 連絡 し ます
( ハルヒ ) そう 任せた わ よ 古泉 君
( ハルヒ ) じゃあ 今日 は これ で 解散 !
長門
いや なんでもない んだ けど な
最近 どう だ ? 元気で やって る か ?
( 長門 ) 元気
そりゃ よかった
( 長門 ) そう
あっ ええ っと … ああ …
悪かった な 引き止めて もう いい ぞ
( キョン ) なんだ ? なんで 俺 は 声 なんて かけた んだ ?
( 和 太鼓 の 音 )
( キョン ) 古泉 が 調べた ところ
いきなり 翌日 盆踊り 会場 が 見つかった
うわ ~ これ が この 時代 の 夏季 風物詩 です か
( キョン ) よくも まあ これ だけ 人 が 集まる もん だ … と …
( ハルヒ ) み くるちゃ ん !
あなた が やり た がって た 金魚すくい も ある わ よ !
すくい 放題 破り 放題 よ !
( キョン ) 破っちゃ いかんだ ろ
そんな もん に 興味 が ある の か ?
( キョン ) どれ ? ( 長門 ) いい
これ
( おじさん ) あり が と 800 円 ね
( キョン ) なんとなく 世話に なって る ような 気 が する から
それ くらい 買って やって も よかった んだ が …
( ハルヒ ) いや ~ 大漁 大漁 !
でも そんなに いら ない から 1 匹 ずつ もらって きた わ
さて 次 は 花火 よ 花火 !
まとめて 今日 やっちゃ い ましょう !
( キョン ) お前 は 疲れ と いう もの を 知ら ん の か
( キョン ) まっ 丈夫で 長持ち な の が
ハルヒ の 取り柄 と いっちゃ 取り柄 だ が な
( ハルヒ ) わ あ ~!
おわ っ ! あっ だっ ど お ~!
( キョン ) あいつ ムチャ しや が って
( キョン ) 夏 で 夏 休み だった
だから できれば 忘れ たい のだ が
引っかかって いる こと が 1 つ あった
あした は 昆虫 採集 ね
( キョン ) ハルヒ よ 遊ぶ の は いい が 宿題 は 終わって る の か ?
何 よ あんた あれ ぐらい の 宿題 なんて
3 日 も あれば 全部 できる じゃ ない
3 日 !
( ハルヒ ) あんな 面倒な もの は 先 にちゃ っちゃ と 終わら せて
後 顧 の 憂い なく 遊び 倒す の が 夏 休み の 正しい 楽しみ 方 よ !
( キョン ) なんで こんな ヤツ の 頭 が いい んだ ?
人 に 対する 天 の パラメーター 配分 は 随分 と 不公平だ な
みんな あした は 昆虫 採集 よ !
一 番 多く 虫 を 捕まえた 人 に は
そう ね …
1 日 だけ 団長 の 権利 を 譲って あげる !
( キョン ) まったく 欲しく ない 称号 だ !
( 古泉 ) 面白 そうです ね 虫 なら なんでも いい んです か ?
う ~ ん と … セミ 限定 !
そう これ は SOS 団 内 セミ 捕り 合戦 な の よ !
う う …
( キョン ) 翌日 は これ でも か と いう くらい の 日本 晴れ
でも って
やはり と いう か なんという か 優勝 した の は ハルヒ だった
やっぱり キャッチ & リリース の 精神 が 必要 よ ね
逃がして あげたら 将来 恩返し に 来て くれる かも しれ ない し
( キョン ) 一方的に 捕まえた の を 逃がして それ で 恩返し に 来る ヤツ が いたら
そい つ は まさに 虫 並み の 知能 だ
ほら 山 へ 帰り なさい
( セミ の 鳴き声 ) ( キョン ) お っ !
( み くる ) いっ … いらっしゃい ませ ~
( キョン ) その 翌日 は 我が 団長 あっせん の バイト が 待ち受けて いた
( 古泉 ) はい どうぞ
( 長門 ) はい
( 子供 ) ちょうだい ! ( キョン ) ほら よ
ありがとう !
( キョン ) この クソ 暑い 中 着 ぐるみ の 仕事 だ なんて
まるで バイト と いう 名 の 我慢 大会 で あり ます
( キョン ) は あ ? ( み くる ) えっ ?
だから バイト 代 は み くる ちゃん の 着 ぐるみ な の !
あたし 前 から これ が 欲しかった の よ ね
おっちゃん も み くる ちゃん に 免じて くれる って !
( キョン ) 俺 たち は そんな こと の ため に 額 に 汗して 働いて いた の か ?
この カエル 記念 に 部室 に 飾 っと くわ
み くる ちゃん いつでも 好きな 時 に これ 着て いい わ よ
あたし が 許す わ !
あっ ! ああ …
は あ ~
( 携帯 電話 の 着信 音 )
( キョン ) う う … クソッ
( キョン ) は ~ い ( み くる の 泣き声 )
( キョン ) うわ っ ちょ っ お っ !
( み くる の 泣き声 ) ( キョン ) もしもし 朝比奈 ( あさひ な ) さん ?
( み くる ) う っ … あたし です …
( み くる の 泣き声 )
( キョン ) ホ … ( み くる ) このまま じゃ …
ホ … ホントに 朝比奈 さん ?
( 古泉 ) ああ どうも 古泉 です
な … なんで お前 が 朝比奈 さん と 一緒な んだ ?
( 古泉 ) ちょっとした 事情 が あり まして ね それ も やっかいな
一 つ の 緊急 事態 と いう やつ です
夜分 に 申し訳 あり ませ ん
( キョン ) どうした ん です ? 朝比奈 さん
古泉 お前 は 殺す !
うえ … キョン 君 …
未来 に 帰れ なく なり ました ~!
( み くる の 泣き声 )
( み くる ) う う … 禁 則 事項 で いつも 未来 と 連絡 したり
禁 則 事項 したり して る んです けど
1 週間 ぐらい 禁 則 事項 が ない な おかしい なって 思って いたら
そし たら 禁 則 事項 …
あたし すごく ビックリ して 慌てて 禁 則 事項 して みた んだ けど
全然 禁 則 事項 …
あたし … ど … どう したら いい か …
( キョン ) ひょっとして その “ 禁 則 事項 ” と やら は
放送 禁止 用語 か 何 か な の か な ?
( 古泉 ) つまり こういう こと です
我々 は 同じ 時間 を 延々と ループ して いる のです よ
( キョン ) は あ ?
( 古泉 ) 正確に は 8 月 17 日 から 31 日 の 間 を です
9 月 以降 の 時間 が まったく なくなって しまって る んです よ
朝比奈 さん が 未来 に 帰れ なく なった の も 当然です
未来 そのもの が ない のです から
物理 的 ノーフューチャー の どこ が 当然だ ?
それ を 誰 が 信じる んだ ?
せめて あなた に は 信じて もらい たい ところ です
( キョン ) “ 信じる 者 は 救わ れる ” って いう のに
救わ れた 試し は 一 度 も ない んだ が …
で … これ は 一体 何 が 原因 な んだ ?
本当に お 分かり で ない んです か ?
分かり たく も ない ね
( 古泉 ) 涼 宮 さん でしょう ( キョン ) う っ …
は あ ~
涼 宮 さん 本人 は 無自覚でしょう が
夏 休み を 終わら せ たく ない と いう 思い が
どこ か に ある のでしょう ね 恐らく
( キョン ) なんだ そりゃ ? 何 か 悔い で も 残って る の か ?
( 古泉 ) そうだ と 思い ます
恐らく 夏 休み に やり 残した こと が ある と
感じて いる ので は ない でしょう か
( キョン ) つくづく しょう も ない こと を 大 宇宙 の スケール で 展開 する ヤツ だ
( 古泉 ) まあ とにかく これ で
ここ 最近 頻繁に あった 既視 感 の 謎 は 解け ました
( キョン ) お前 も か
じゃあ ひょっとしたら 世界中 の 人間 が …
いいえ それ は ない ようです
涼 宮 さん に 近しい 人間 だけ が
この 異常 を 感じ取れる ように なって いる ようです
ただ 既視 感 どころ か
繰り返して きた 時間 全て の 記憶 を 持った 者 が
確実に 1 人 いる ので は ない か と 僕 は 考えて い ます
誰 だ ? その 1 人 って の は
すでに お 分かり でしょ ?
そう な の か ?
そう
( キョン ) 全部 覚えて いる の か ? ( 長門 ) そう
( キョン ) ちなみに その 繰り返し と やら は 今 何 回 目 だ ?
( 長門 ) 今回 が 1万5,532 回 目 に 該当 する
( キョン ) な っ !
あっ ああ …
( キョン ) 1万5,532 回 ?
長門 お前 は 何 を 言って る んだ ?
( キョン ) それ は マジ な の か ? ( 長門 ) そう
( キョン ) それ だけ の 回数
俺 たち は まったく 同じ こと を 繰り返して きた って の か ?
( 長門 ) 必ずしも そう で は ない
1万5,532 回 中 盆踊り に 行か なかった パターン が
2,391 回 目 と 1万1,054 回 目 の 2 回 ある
また 盆踊り に 行った が 金魚すくい を し なかった パターン が
437 回 ある
アルバイト を 行った の は 9,056 回 である が
その 内容 は 6 つ に 分岐 する
風船 配り 以外 で は 荷物 運び レジ 打ち
( 長門 ) ビラ 配り 電話 番 … ( キョン ) いや !
もう いい
( キョン ) 1万5,532 回 目
長門 は そう 言った
かける 2 週間 で えっ と … 約 595 年 分 だ
それ だけ の 時間 を ただ 一 人 しっかり 記憶 を 持った まま
何度 も 何度 も やり 直して きた って の か ?
長門 お前 は 一体 今 まで どんな 気持ち で 過ごして きた んだ ?
は あ …
( キョン ) また アホ な 話 を 聞 いち まった ぜ
( キョン ) その 翌日 は 天体 観測 だった
場所 は 長門 の マンション
ハルヒ は 最初 こそ 望遠 鏡 を のぞいて いた んだ が
( 寝息 )
何 が し たい んだろう な ? こいつ は
さて な んでしょう ね
それ が 分かれば 解決 した も 同然です が
試しに こういう の は どう です ?
涼 宮 さん を 背後 から 突然 抱きしめて
耳元 で “ アイ ラブ ユー ” を ささやく んです
( キョン ) それ を 誰 が する んだ ?
( 古泉 ) あなた 以外 に 適役 が いま す かね
( キョン ) 俺 の ターン ! 拒否 権 を 発動
( 古泉 ) で は 僕 が やって み ましょう か
フフッ 冗談 です よ 僕 で は 役者 が 不足 して い ます
涼 宮 さん を 余計に 混乱 さ せる だけ でしょう ね
フフフッ ハハハハ …
( キョン ) フンッ
( ハルヒ ) えい っ !
( キョン ) 怒 濤 ( どとう ) の 夏 休み イベント 消化 態勢 は
まだ 続く
本物 の 花火 大会 に も 行った ハゼ 釣り 大会 に も 参加 した
他 に も 肝 試し 映画 の ハシゴ 海水 浴 に ボウリング やら カラオケ
俺 たち は ず ~ っと 動き ずくめ だった
もちろん それ で ハルヒ が
満足 して る はず が ない と 思って は いた が
だからといって 何 か 手 を 打つ わけで も なく
それ でも 夏 休み の 日 にち だけ は 確実に 減って いった
そう こうして る うち に やって 来た 8 月 30 日
( ハルヒ ) うん これ で 課題 は ひととおり 終わった わ ね
う ~ ん
こんなんで よかった の かしら
でも … うん こんな もん よ ね
ねえ 他 に 何 か し たい こと ある ?
あっ …
まあ いい わ この 夏 は いっぱい いろんな こと が できた から
もう 十 分 よ ね
( キョン ) いい や よく ない お前 は まだ 満足 して い ない はずだ
( キョン ) あっ ああ …
今日 は これ で 終了
あした は 予備 日 に 空けて おいた けど そのまま 休み に しちゃ って いい わ
また あさって 部室 で 会い ましょう
ま … 待て ハルヒ !
( キョン ) くっ う う …
ま … また 来た ! それ も 今 まで に ない 強烈な やつ だ
1万 何 千 回 と 繰り返して きた 証拠 だ
このまま ハルヒ を 帰しちゃ ダメだ !
でないと また あの 2 週間 を 繰り返す は めに な っち まう !
だが 何 を す べきな んだ ?
ハルヒ の 言葉 の どこ か に 手がかり が あった はずだ
なんだ なんだ なんだ ?
思い出せ 思い出す んだ !
俺 に とって 気がかりであり
先 延ばし に しよう と も して いる こと だ
何も し なけりゃ ハルヒ は 帰 っち まう
それ じゃ ダメだ !
それ じゃ 変化 し ない んだ !
これ まで の 俺 たち は この 瞬間 何 を して きた んだ ?
何 を して こ なかった んだ ?
考えて る 暇 は ねえ ! ダメ もと で いい !
何 か 言え ! 言 っち まえ !
あっ …
あっ …
う う っ !
( 花火 が 燃える 音 )
( キョン ) 俺 の 課題 は まだ 終わって ねえ !
は あ ?
そう だ ! 宿題 だ !
何 言って ん の ?
俺 は 夏 休み の 宿題 を 何一つ やって ない !
それ を し ない と 俺 の 夏 は 終わら ない んだ !
バカ ?
古泉 お前 は 終わって る の か ?
いえ バタバタ して い ました から まだ 半ば です
じゃあ 一緒に やろう !
長門 も 来い ! お前 も まだ だ よ な ?
ついでに 朝比奈 さん も 来て ください !
えっ ? でも どこ で ?
俺 ん ち で やり ましょう
ノート も 問題 集 も 全部 持ってきて まとめて やっちゃ い ましょう !
この 夏 の 課題 を 全部 終わら せる んです !
長門 と 古泉 できて る とこ まで 写さ せろ !
ええ !
よし ! じゃあ あした の 朝 から だ !
1 日 で どうにか して やる ぜ !
( ハルヒ ) 待ち なさい よ ( キョン ) ん …
( ハルヒ ) 勝手に 決める んじゃ ない わ よ ! 団長 は あたし な の !
そういう 時 は まず あたし の 意見 を 伺い なさい !
キョン ! 団員 の 独断 専行 は 重大な 規律 違反 な の !
う っ あ 痛 ( いて ) っ ! う お っ !
あたし も 行く から ね !
( 鳥 の さえずり )
( 目覚まし時計 の 音 )
ああ …
( キョン ) どうやら 当たり を 引いた らしい
( 古泉 ) 涼 宮 さん は 文武 と も 優秀な 方 です
それ は 幼い 頃 から そう だった のでしょう
ですから 彼女 は 夏 休み の 宿題 が 負担 だ と は
まったく 思わ なかった のです よ
まして や 友人 と ともに 分担 作業 を する こと など
恐らく なかった こと でしょう
( キョン ) 始業 式 の 日 くらい 帰って も よかった んだろう が
なんとなく 俺 は ここ に 来て
同じく 登場 した 古泉 と ここ で こうして いる
恐ろしく 貴重な こと に 長門 も い なかった
顔 に は 表さ なかった が あいつ も やっぱり
疲れて いた の かも しれ ない
( キョン ) ウソ だった みたいな 気 が する
1万 何 千 回 も 8 月 後半 を やって いた なんて の はな
そう 感じる の も 無理 は あり ませ ん
過去 1万5,531 回 の
シークエンス に いた 僕たち と 今 の 僕たち は
記憶 を 共有 して い ませ ん
1万5,532 回 目 の 僕たち だけ が
正しい 時間 流 に 再び 戻る こと が できた わけです から
ポーカー でも し ます か ?
うん ?
ああ いい と も
ちなみに カネ なら ない ぞ
( 古泉 ) で は ノーレート で
( キョン ) だ が ヒント は もらった
あの 何度 も の 既視 感
特に 最後に 感じた あれ は
以前 に 同じ 立場 に いた 俺 たち から の
贈り物 だった の かも しれ ない
今 の 俺 が ある の は
先 に 2 週間 を 過ごして いた ―
その 俺 たち の おかげ だろう
そう でも 思って やら なければ
ハルヒ に なかった こと に さ れて る 彼ら の 夏 が
まるで ムダ だった と 言わんばかり じゃ ない か
うん ?
チェンジ は ?
( キョン ) なし だ
僕 も です
( キョン ) もう 一 度 今日 を やり 直す 機会 が あった なら
おお !
( キョン ) 賭け金 の 設定 を ぜひとも 覚えて おこう