（ 犬 の ほえ 声 ）
（ アランドロン ） むかし むかし ある 所 に ―
それはそれは 凶悪 で 残忍 で 傍若無人 で ―
人 を 人 と も 思わ ぬ 悪魔 の よう な 男 が おり まし た
（ ベル 坊 ( ぼう ) ） ビエエエ ～ ン ！ （ 男 鹿 ( お が ) ） ぎ ゃ ああ あ ～ ！
（ 男 鹿 ） クッソ ～ ！ こんな 夜中 に ぐずり や が って ！
（ ベル 坊 ） ダウー ！
一体 何 だって ん だ よ ！
（ ベル 坊 ） ダ ～ イヤ ！ （ 男 鹿 ） う う っ
しかた ねえ これ か ？
（ ガラガラ の 音 ） （ 男 鹿 ） や っぱ うる せ え
そう か ！
で け え 音 で いい なら これ でも い ける ん じゃ ねえ か ？
（ ベル 坊 ） アイッ （ ヘッドホン の 音楽 ）
（ ベル 坊 ） ア ～ ！ （ 男 鹿 ） ヘビメタ … みたい な
じゃあ もう 少し 音量 を 上げ てっ と
（ 音楽 の 音量 が 上がる ） （ ベル 坊 ） アイー ！ アア …
お っ ！ しめ しめ ～ じゃあ 今 の うち に オレ も
（ 大 音量 の 音楽 ） （ 男 鹿 ） あっ
（ 大 音量 の 音楽 ） （ 犬 の 鳴き声 ）
（ 美咲 ( みさき ) ） ん っ （ 男 鹿 ） う う っ
（ 美咲 ） 今 何 時 だ と 思って ん の ! ?
い やっ べ ベル 坊 が …
近所 迷惑 でしょ う ！
（ ベル 坊 ） アッ （ 男 鹿 ） えっ ？
（ ベル 坊 ） ン ～ ブ
ビエエエエーッ ！ （ 男 鹿 ） ぎ ゃ あ ああ あ ～ ！
（ アランドロン ） これ は ひょんな こと から ―
赤ん坊 を 育てる こと に なった 不良 高校 生 の 物語
ただし その 赤ん坊 は 普通 の 赤ん坊 で は なく ―
魔 王 の 子 だった の です
♪ ～
～ ♪
（ ベル 坊 ） ダ ～ ブ ～ ！
（ 下川 ( しも かわ ) ） うん ？ （ 阿部 ( あ べ ) ） あ ？
お 男 鹿 何 お め え こっち 見 てん だ よ ！
いや 見 て ねえ の か ど どっち だ コラッ ！
て め え 神崎 ( かんざ き ) さん 倒し た から って ―
いい気 に なって ん じゃ ねえ ぞ ！
（ 男 鹿 ） す ぴ ～ す ぴ ～
（ 不良 ） ん ？ （ 不良 ） え ？
（ 男 鹿 ） す ぴ ～ （ 不良 ） あ ？
（ 男 鹿 ） す ぴ ～ （ 不良 たち ） あ ～
立った まま 寝 とる ！ （ 阿部 ･ 下川 ） えっ
下川 こいつ は チャンス だ ！
おう ！ ホント に グッナ ～ イ さ せ て やる ぜ ～ ！
う お おお ～ ！ （ 下川 ） ひ ゃっ は ～ ！
（ 男 鹿 ） 寝不足 パーンチ ！
（ 阿部 ） は あ ～ ！ （ 下川 ） え え ～ ! ?
（ 衝突 音 ） （ ベル 坊 ） ダー ブー ！
（ 男 鹿 ） った く 何 が “ ダー ブー ” だ よ
お め え の せい で 寝不足 だ ぜ
な なんて 地獄 絵 図
つう か やら れ ん の 早 っ ！
（ 古市 ( ふるい ち ) の 食べる 音 ）
（ 古市 ） あ ～ ん ぐ っ …
う あっ ぐ っ ああ … ん っ ？
あっ オレ の コロッケ パン ！ あ あっ ！
（ 男 鹿 ） くちゃ くちゃ くちゃ ご っ くん
はっ どこ だ ？ ここ は
いけ ねえ 寝ぼけ ち まった （ 古市 ） ウソ つけ ！
（ 男 鹿 ） あ ？ （ 古市 ） ん ？
（ 男 鹿 ） 何 だ こりゃ ？ （ 古市 ） ベル 坊 の 落書き か ？
（ ヒルダ ） ほう これ は あれ だ な
（ アランドロン ） ほほ ～ う これ は 見事 な まで に あれ です な
ヒルダ さん
て め えら ど っ から 湧 い て き や がった ？
騒ぐ な 坊 っちゃ ま に ミルク を 届け に 来 た だけ だ
つう か あれ って 何 だ ？ あれ って
この キモイ の は 何 だ ？
（ 男 鹿 ） う っ （ アランドロン ） ご 説明 し ま しょ う
これ は 蠅 王 紋 ( ゼブルスペル )
簡単 に 言え ば 坊 っちゃ ま と の 契約 の 印 です
契約 ？ （ ベル 坊 ） ダーブ
光栄 に 思え
過去 数 千 年 魔 王 に 認め られ た 人間 など ―
数える ほど しか い ない
全然 うれし か ねえ よ （ ベル 坊 ） ブーイ
（ 古市 ） あ あの ～
ちょっと いい です か ？ （ ヒルダ ） ん ？
今更 っす けど 何で 魔 王 に 親 が 必要 な ん です か ？
人間 を 滅ぼす だけ なら 親 なんて いら ない ん じゃ …
そう だ ぜ ！ （ アランドロン ） 親 と いう の は ―
いわば 魔 王 が 力 を 使う ため の 入れ物 な ん です よ
入れ物 ？
ダー ！ （ 男 鹿 ） 何 だ ？ 今度 は
腹 が 減った の か ？
（ アランドロン ） 魔 王 の 力 は 入れ物 の 大き さ に 左右 さ れ ます
つまり より 強い 力 を 出す に は 相応 の 入れ物 が 必要 に なる わけ です
その 強 さ を 示す の が ゼブルスペル って やつ な の か ？
イエス ！ さすが 知 将 古市 様
これ で どう だ ？ （ ベル 坊 ） ダーブ
どう よ オレ
では 正解 の ご 褒美 に 私 の 熱 ～ い 抱擁 を ！
いら ねえ よ ！ （ アランドロン ） あ そう です か …
（ 男 鹿 ） 何 だ よ ！ 何 が 気 に 食わ ない ん だ お前 ！
その 印 は ―
坊 っちゃ ま に 懐か れる ほど に 大きく 複雑 に 成長 し ます つまり …
貴 様 が ボロ クソ に 相手 を 殴れ ば 殴る ほど その 力 は 強まり …
真 の 魔 王 へ 近づく と いう わけ だ
（ ベル 坊 ） ギャーオ （ 男 鹿 ） ヘッヘッヘッ …
好き勝手 言って ん じゃ ねえ ！
つう か どう すりゃ 治る ん だ よ これ ！
いや だ から 殴ら なきゃ いい ん だ ろ
ん っ ？ おお ！
分かった オレ は もう ケンカ は し ない
は ？
いい か 古市 人 を 殴ら なけりゃ ―
この 印 は どんどん 小さく なって なく な っち まう
そう すりゃ ベル 坊 と の 契約 も ナシ って こと に なる ん だ よ
よし 決め た ！
人 は 殴ら ねえ ！ 土下座 も さ せ ねえ ！
オレ は スーパー いい 人 と 呼ば れる よう に なって やる ！
いや それ は 普通 の 人 だ
（ 男 鹿 ） う っせ え ！
（ 古市 ） ぐ え ～ っ ！
（ アランドロン ） おお ！ 宣言 し た 矢先 の 約束 破り
お 見事 ！
ぐ おお ～ っ しまった ～ ！
やはり こんな 男 に 坊 っちゃ ま を 委ね た の は 間違い だった か
（ 不良 ） 姫川 ( ひめ かわ ) さん 頼ま れ て た 男 鹿 の 嫁 の 写真 っす
（ 姫川 ） いい ねえ ご 苦労 こいつ は 報酬 だ 取 っと き な
（ 不良 ） へ え ～ こんなに ！ よっ しゃ あ
（ 女子 ） 新しい 子 ？ わ ～ ゴスロリ だ
（ 女子 ） って いう か おっぱい で か ～ ！
（ 女子 ） アハハ … 牛 かって の
（ 姫川 ） あの さ もう 少し 頭 の いい 会話 し て くん ない ？
品 の ない 女 って 嫌い な ん だ よ ね
や ～ ん 怖 ～ い （ 女子 ） で も そこ に しびれる
（ 鈴木 ） じゃあ よ 品 の ない 男 は 好き か ？
（ 鈴木 ） ヒッヒッヒッ …
まさか 自分 が 襲わ れる と は 思わ なかった か ？
（ 女子 たち の おびえる 声 ）
フン
あ ？
いくら だ ？ （ 鈴木 ） い ？
いくら 出しゃ あ オレ の 下 に つく か って 聞い てん だ よ ？
（ 鈴木 ） は ？ 何 だ そりゃ 命乞い の つもり か ？
ちゃんと 状況 見 て しゃべれ や ！
うん うん だ から ね …
状況 的 に は あと お前 だけ な ん だ わ
（ 鈴木 ） え ？
（ 不良 たち の 笑い声 ）
（ 鳥 の 鳴き声 ）
（ 鈴木 ） ひ っ ！
策 を 弄する なら 完璧 に … だ
１ 度 だけ チャンス を やる
明日 まで に この 女 を 連れ て こい
いい な ？ （ 鈴木 ） うん うん
（ 竜二 ( りゅう じ ) ） 兄 者 ( あ に じゃ ) 聞い た か ？
（ 竜二 ） 姫川 が 本格 的 に 動く らしい ぞ
（ 竜一 ( りゅう いち ) ） ヤツ は 狡猾 ( こう かつ ) な 男 だ から な
さすが の 男 鹿 も おしま い か
ヘッヘッヘッ … ぜ って え 死 ん だ な （ 竜一 ） クハハハ …
お … 男 鹿 ！ （ 竜一 ） や やろ う って え の か ？
（ 竜一 ･ 竜二 ） あ ああ …
オレ 暴力 と か 嫌い っす から
（ 竜一 ･ 竜二 ） え え ～ っ ! ?
（ ベル 坊 ） ブー ギー
（ 竜二 ） ふ ぁ ～ （ 倒れ た 音 ）
（ 竜一 ） お ほほ … （ 倒れ た 音 ）
（ 城山 ( しろ やま ) ） 神崎 さん の 見舞い ？
（ 夏目 ( なつ め ) ） そう そう
ヨーグルッチ 持って 押しかけ たら きっと 喜ぶ よ
フン そう か ？ オレ は 嫌がる と 思う が …
そんな こと ねえ って
ほら 神崎 君 って ああ 見え て ツンデレ …
（ 阿部 ） しかし あの 男 鹿 が 逃げる と は …
（ 阿部 ） しかし あの 男 鹿 が 逃げる と は …
（ 夏目 ） ん ？
（ 阿部 ） しかし あの 男 鹿 が 逃げる と は …
（ 下川 ） や っぱ 姫川 が 原因 だ ろ
（ 阿部 ） アバレオーガ も 人 の 子 か
じゃあ 神崎 倒し た の も 案外 マグレ かも な
やれやれ みんな 浮き足だって る ねえ
石 矢 魔 東 邦 神 姫 ( いし やま とうほう しんき )
その 一角 を なし て た 神崎 君 も やら れ ちゃ った から ―
それ も しかたない かも ね オレ たち も そろそろ …
夏目 … （ 夏目 ） ん ？
去り たけ れ ば 去れ オレ は 残る
（ 男 鹿 ） いい か ベル 坊
男 って の は 一 度 決め た こと は 貫き通さ なきゃ なら ねえ
分かる な ？ （ ベル 坊 ） ダ ！
オレ は もう ケンカ を し ねえ そう 自分 で 決め た
アイ ？
だから お前 も 約束 しろ
もしも オレ が それ を 守 れ たら ―
そん 時 は 絶対 に 泣か ねえ って な
男 と 男 の 約束 だ できる か ？
（ ベル 坊 ） ダ ！
（ アランドロン ） よろしかった の です か ？
（ ヒルダ ） ん ？
（ アランドロン ） ゼブルスペル の こと 教え て しまって
かまわ ん それ で ヤツ が 坊 っちゃ ま から 離れる なら 好都合 だ
また そんな 言い 方 を …
本当 は 期待 し て いる ん じゃ ない です か ？
（ ヒルダ ） フン どう かな
いずれ に せよ このまま 終われ ば ―
その 程度 の 男 だった と いう だけ だ
お ？ （ 不良 ） い た ぞ ～ 男 鹿 だ ！
（ 不良 ） お ～ 待て コラー ！
（ 男 鹿 ） オレ は 男 の 約束 を 守る ん だ ～ ！
（ 不良 ） おお 諦め た か
どう し た ？ 男 鹿 今日 は 逃げ の 一 手 か ？
もう 逃げ らん ねえ ぜ
フッ （ ベル 坊 ） アイ
（ 不良 たち ） あっ ！
（ 男 鹿 ） ハッハッハッ … アホ ども が ！
つい て こ れる もん なら つい て こい ！
（ 古市 ） いや ～ しかし 偶然 です ね
こんな 所 で 出会う なんて
それ は どう で も いい が なぜ ついてくる ？
や だ なあ ヒルダ さん 帰り道 が 一緒 な だけ です よ
あれ は ？ （ 古市 ） え ？
（ 鈴木 ） よう 男 鹿 の 嫁
ああ すげ え ぜ 姫川 さん の 読み どおり だ な
姫川 って 確か 東 邦 神 姫 の …
（ ヒルダ ） ほう …
つう わけ で 拉致 られ て もらう ぜ ！
（ 不良 たち ） う わ ～ ！ （ 古市 ） え ～ っ ! ?
ちょ … ！
いって え な
… って どこ だ ？ ここ
あっ ヒ … ヒルダ さん ! ?
どう し て ヒルダ さん が ？
ウソ だ ろ
（ 鈴木 ） 目 が 覚め た か ？ （ 古市 ） あっ
女 なら 当分 起き ねえ ぜ
（ 古市 ） 何 を し た ! ? （ 鈴木 ） “ 何 を し た ” ？
立場 が 分かって ねえ よう だ な
あ あっ
あまり ナメ た 口 利 い て っと その 口 溶け ち まう ぜ ！
う わ あ ！
余計 な こと してん じゃ ねえ よ
（ 鈴木 ） ひ 姫川 さん ！
（ 古市 ） 姫川 … こいつ が 主犯
なるほど こりゃ あ 上 玉 だ
で こいつ は ？
（ 鈴木 ） 男 鹿 の 連れ っす 女 と 一緒に いたん で ―
連れ て き まし た （ 姫川 ） うん ？
あっ … （ 鈴木 ） えっ ？
う わ あ ！
あ あ ～ …
（ 蹴る 音 ） （ 鈴木 の うめき声 ）
（ 蹴る 音 ） （ 鈴木 の うめき声 ）
（ 姫川 ） オレ の 完璧 な 計画 が 狂ったら ―
（ 蹴る 音 ） （ 鈴木 の うめき声 ）
（ 蹴る 音 ） （ 鈴木 の うめき声 ）
どう し て くれ ん だ コラ ！
（ 鈴木 ） す … すいません
（ 姫川 ） “ すみません ” じゃ ねえ ん だ よ ！
った く 使え ねえ な ！
（ ヒルダ ） ふむ なかなか 見どころ の ある ヤツ で は ない か
（ ヒルダ ） ふむ なかなか 見どころ の ある ヤツ で は ない か
はっ ！
（ ヒルダ ） ふむ なかなか 見どころ の ある ヤツ で は ない か
（ 古市 ） ヒルダ さん 気 が 付い た ん です か ？
ああ だ が 何 か 薬 を 嗅が さ れ た らしい
体 の 自由 が 利か ん （ 古市 ） え え ～ ！
（ 姫川 ） さて と
お 目覚め に なって ん なら 男 鹿 君 を 呼び出し て えん だ
携帯 貸し て もら お う か
（ ヒルダ ） 携帯 ？ 何 だ ？ それ は
そんな もの 持って おら ん ぞ
（ 姫川 ） そうかい
やめろ ！ （ 姫川 ） サービス サービス ！
あっ
おお っ 楽しい な これ
やめろ って 言って ん だ ろ ！
う っ くっ … は 放せ クソッ （ 不良 ） おっと おとなしく しろ ！
（ 姫川 ） ヒヒヒ … う ～ ん 困った
本当 に 携帯 持って な さ そう だ な
携帯 なら オレ の を 使え ば いい だ ろ ！
（ 姫川 ） だ よ ねえ
ゲス が …
ブ ～ イ （ 男 鹿 の 荒い 息 ）
（ 男 鹿 ） いい か ベル 坊 男 の 約束 って の はな … あ ？
下川 こいつ も チャンス だ
男 鹿 この 野郎 ！ て め え 勝ち 逃げ は 許さ ねえ ！
男 鹿 ～ 今度 こそ グレート グッナイ さ せ て やる ぜ ！
何で 次 から 次 へ と
（ 携帯 電話 の 着信 音 ） （ 男 鹿 ） お っ
もしも ～ し
き き 聞け ～ ！ （ 下川 ） お 男 鹿 ～ ！
うる せ え ！ 聞こえ ん だ ろ う が ！ （ 阿部 ･ 下川 ） う わ っ
あ ～ もしもし ？
（ 姫川 ） もしも し 男 鹿 君 ？
誰 だ ？ て め え
古市 じゃ ねえ な
（ 姫川 ） あ いい よ そう いう リアクション は
用件 だけ 言う から 聞い て ろ
君 の 嫁 と 友達 は 預かり まし た 返し て ほしけりゃ ―
今 から 言う とこ まで １ 人 で 来い
お 終わった ？
（ 不良 ） 男 鹿 の ヤツ 遅 ( おせ ) え な
（ 古市 ） フフッ … （ 姫川 ） ん ？
バーカ ！ あいつ が 来る わけ ねえ だ ろ
もう ケンカ し ね えっ つ っ て た よ そう い や
う っ ！ （ ヒルダ ） 古市
せいぜい 祈る ん だ な
ヤツ が 来 なきゃ て め えら ただ じゃ 帰 れ ねえ ん だ から な
（ 古市 ） う っ … 来 ます よ
あいつ は 絶対 来る そう いう ヤツ です
あ …
（ 不良 ） 姫川 さん ！ 人影 です ！ 誰 か 入って き まし た ！
（ 姫川 ） よ ～ し とりあえず 囲め
ほら ね
（ 暴行 音 ）
（ 古市 ） あ … ああ …
（ 姫川 ） ああ ？
（ アランドロン ） ヒ ～ ヒ ～ フ ～ （ 不良 ） 何 だ ？ この お っ さん
（ 不良 ） 異様 に 弱かった な （ アランドロン ） ヒ ～ ヒ ～ フ ～
フフッ 残念 だ が タイ ムリ ミット だ
う う … 男 鹿 の アホ ！ ボケ ！ カスー ！
（ 男 鹿 ） 誰 が アホ だ コラッ ！ （ 古市 ･ ヒルダ ） ん っ ？
（ 姫川 ） うん ？ （ アランドロン ） ヒ ～ ヒ ～ フ ～
ヒ ～ ヒ ～ フ ～ ヒ ～ ヒ ～ フ ～ ！
えっ ! ?
（ アランドロン ） アハ ～ （ 男 鹿 ） った く て め えら ！
世話 焼 か し てん じゃ ねえ ぞ ！
（ 不良 たち ） う お お っ ！
男 鹿 パンチ パンチ パンチ パンチ ！
（ 不良 たち ） ぐ は は は ～ ！
（ 不良 たち の 倒れ た 音 ）
ケンカ し ねえ ん じゃ なかった の か よ
（ 男 鹿 ） ケンカ じゃ ねえ よ 今 から す ん の は …
（ ベル 坊 ） ブゥ ～ （ 男 鹿 ） 王 の … ―
処刑 だ ！
いくら だ ？ （ 男 鹿 ） あ ？
お前 いくら で オレ の 下 に つく ？
（ 古市 ） あっ あ …
悪い 話 じゃ ねえ ぜ 望む 報酬 を 用意 しよ う
オレ と お前 が 組みゃ あ 石 矢 魔 統一 なんて ―
わけ ねえ ん だ から な （ 男 鹿 ） つう か …
誰 だ ？ て め え
（ 不良 たち ） ええ え ～ ! ?
（ 不良 ） オラァ ！ すら っと ぼけ てん じゃ ねえ ぞ ！ ダボ が ！
（ 不良 ） 石 矢 魔 住 ん で て 姫川 さん 知ら ねえ わけ ねえ だ ろ ！
（ 不良 ） 東 邦 神 姫 だ ！ と ～ ほ ～ しんき ！
（ 不良 ） と ～ ほ ～ しんき ！ （ 不良 たち ） ぐ わ っ ！
（ 不良 ） あー … （ 不良 ） ああ …
知ら ねえ よ
（ 姫川 ） フフフ … すげ え な
いい だ ろ う 相手 し て やる よ 小僧
オレ に 勝ったら 人質 は 放し て やる
いい の か よ ？ せっかく の 人質 を そんな 簡単 に 放し て
いい ん だ よ そい つ ら は ―
て め え を ここ に 呼び出す ため だけ の コマ だ
それ 以上 の 価値 なんて ね え ん だ よ
フフッ 頭 に き た か ？
そら 来い よ ここ だ よ ここ
（ 金属 音 ）
（ 姫川 ） ビンゴ ！
て め え が 殴った の は オレ の 腹 を 覆った ―
厚 さ ８ ミリ の セラミック 板 だ ！
これ で もう お前 の 拳 は 使いもの に …
（ 姫川 ） う っ … ぐ あっ ！
（ 不良 たち ） ああ …
ああ …
あ …
（ 姫川 ） が はっ … （ 男 鹿 ） 立てよ
腹 に 何 か 仕込 ん で ん だ ろ ？
（ ヒルダ ） ゼブルスペル が 鳴動 し て いる
（ 姫川 ） いい ねえ … フフフ …
最高 だ よ お前 ！
（ 姫川 ） ハッ バカ が ！ 受け止め や がった ！
特注 120 万 ボルト の スタン バトン だ ！
あ あっ
出 た ！ 姫川 さん の デビルズ ショック ！
半日 は 意識 が 吹っ飛ぶ ぜ ！
（ 姫川 ） フフフ …
（ 男 鹿 ） ベル 坊 の 夜泣き の ほう が 全然 いて え
何 っ ! ? ゲッ ！
ウソ だ ろ ! ? お前 ら 人質 を 使え ！
（ 不良 たち ） おお ～ っ ！
よ ～ し 動く な
それ 以上 動 い たら て め え の 嫁 が …
（ 暴行 音 ） （ 姫川 ） あ ？
（ 不良 ） あ ああ …
貴 様 の 器 は 知れ た 消えろ
（ 姫川 ） ほお お …
（ 男 鹿 ） ベル 坊 （ ベル 坊 ） ダァ ！
（ 男 鹿 ） 男 は 一 度 決め た こと は 貫き通さ なきゃ なら ねえ
そう 言った よ な ？ （ ベル 坊 ） ダァ ！
（ 男 鹿 ） でも な ダチ が やら れ て 黙って る の は …
男 で すら ねえ ！
分かる な ？
（ ベル 坊 ） ダ ！
（ 姫川 ） ひ っ ！ ま 待て ！
（ 男 鹿 ） う う う っ ！
う あ ああ …
う わ あ ！
ゼブルブラスト ！
（ 爆発 音 ）
（ 姫川 ） あ … あ … あ ああ … う っ ！
ああ ？
あっ …
（ ヒルダ ） 信じ られ ん 常 人 なら 死 ん で も おかしく ない ほど の ―
魔力 を 注ぎ込ま れ た はず … な の に …
（ ベル 坊 ） アイ ～ （ 男 鹿 ） 何 だ よ ？
（ ヒルダ ） フン ！ 行く ぞ （ アランドロン ） は ～ い
（ 古市 ） いっ … （ 男 鹿 ） 待て コラ ！
て め え 言う こと が あん だ ろ ！
オレ だけ じゃ ねえ ベル 坊 だって て め え を 心配 し て ！
（ ヒルダ ） フン
坊 っちゃ ま は 私 の 心配 など せ ん
貴 様 の 怒り に 当てられ た だけ だ
（ アランドロン ） あんな こと おっしゃって ―
本当 は うれしい ん でしょ う ？ （ ヒルダ ） ん ？
（ アランドロン ） 坊っちゃん と 男 鹿 殿 の 成長
素直 に 喜 ん だ ら どう です か ？ 大した もの じゃ ない です か
フン … 成長 か
確か に …
大した もの だ な
（ アランドロン ） ワオ
（ 男 鹿 ） また や っち まっ た な （ 古市 ） ああ すま ん
（ 男 鹿 ） 謝 ん な よ 先 に ボロカス 言 え なく なる じゃ ねえ か
（ 古市 ） すま ん … （ 男 鹿 ） だ から ―
謝 ん な っつ って ん だ ろ ！ ぶ っ 殺す ぞ コラ ！
えっ …
何 じゃ こりゃ ああ ！
（ 古市 ） 何 だ 今頃 気付 い た の か ？ （ ベル 坊 の 寝息 ）
（ 男 鹿 ） なな な “ 何 だ ” だ と ! ? て め え の せい だ ろ ！
て め え が 捕まったり する から オレ が こんな 目 に ！
（ 古市 ） い てっ ！ いって え な ！ この 野郎 ！
（ 男 鹿 ） おう や ん の か コラァ ！ （ 古市 ） 何 だ よ ！
（ ベル 坊 の 笑い声 ）
♪ ～
～ ♪
（ 古市 ） すげ え よ 男 鹿
石 矢 魔 東 邦 神 姫 の 姫川 を 倒し ち まった よ
（ 男 鹿 ） ん な こと より どう す ん だ ？
この セレブ ピストル ！
（ 古市 ） いや ゼブルスペル な
（ ヒルダ ） そんな こと より 坊 っちゃ ま が ―
退屈 し て おら れる 遊 ん で さしあげろ
（ ベル 坊 ） ダブ ～ ！
（ ヒルダ ） 次回 の 「 べ る ぜ バブ 」
（ ヒルダ ） … の ２ 本 立て だ
（ 男 鹿 ） 魔 界 の おもちゃ って 何 だ ？
（ 古市 ） 嫌 な 予感 が …
