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Fairy Tales, 縛ら れ 地蔵

縛ら れ 地蔵

縛ら れ 地蔵

むかし むかし 、 室町 の 越後屋 八郎 右 衛 門 の 店 に 出入り して いる 人間 に 、 弥 五郎 と いう 荷 担ぎ が いました 。 ある 暑い 日 の 事 、 弥 五郎 は 松戸 郷 から 室 町 の 越後 屋 まで 、 白 木綿 を 運んで い ました 。 その 途中 、 本所 中 の 郷 (→ 今 の 浅草 ) と いう ところ に さしかかる と 、 ある お 寺 の 大きな 木 の 下 に 石 の お 地蔵 さん あった ので 、 弥 五郎 は 、 「 ああ 、 ちょうど いい 木陰 が ある ぞ 。 お 地蔵 さま 、 ちょいと 休ま せて もらい ます よ 」 と 、 一休み した のです が 、 あまりに も 疲れて いた ので 、 そのまま すっかり 眠り 込んで しまった のです 。 さて 、 弥 五郎 が ふと 目 を 覚ます と 、 もう すっかり 日 が 傾いて いて 、 通り に は 人気 が あり ませ ん でした 。 「 いけ ねえ ! 寝 過ごした ! 」 弥五郎 は すぐ に 出発 しよう と 、 そば に 置いた はずの 荷物 を 探した のです が 、 どうした 事か 荷物 が ない のです 。 「 しまった ! 荷物 を 盗ま れた ! 」 あわてた 弥 五郎 は 、 近く の お 寺 に 飛び 込んで 、 「 すみません ! おれ の 荷物 、 白木 綿 の 反物 を 持ち去った 者 を 見 ませ ん でした か ! 」 と 、 たずね ました が 、 お 坊さん は 気の毒 そうな 顔 を し ながら 、 「 さあ 、 そういう 者 は 見 なかった ねえ 」 と 、 言う のです 弥 五郎 は 仕方なく 、 手ぶら の まま 室 町 の 越後 屋 へ 帰る と 、 今 まで の 訳 を 話し ました が 、 「 何 だって ? 昼寝 を して いて 荷物 を 持って いかれた だって ! はん 。 そんな マヌケ な 話 を 誰 が 信じる もん か 。 おおかた 、 勝手に 売り払って 博打 に でも 使った んだろう 。 まあ 、 どっち に しろ 、 無くなった 荷物 の 代金 は 弁償 して もらう よ 」 と 、 言わ れて 、 弥 五郎 は すっかり 困って しまい ました 。 弁償 しよう に も 、 反物 は 五百 万 も あった ので 、 そんなに たくさんの 白木 綿 を 弥 五郎 一 人 で 弁償 出来る はず が あり ませ ん 。 荷 担ぎ の 元締め に も 相談 して み ました が 、 元締め の 生活 も 楽で は ない ので 、 代わり に 弁償 する 事 は 出来 ませ ん でした 。 「 思えば 、 自分 が 油断 して 寝 込んで しまった の が いけなかった な 。 この上 は 、 死んで おわび を する しか ない か 」 そこ で 弥 五郎 は 、 親しい 友人 に 最後の 別れ を 言い に 行った のです 。 する と その 友人 は 、 弥 五郎 に こう 言い ました 。 「 この マヌケ ! お前 が 死んで も 、 残さ れた 元締め や 家族 や 親類 に 迷惑 が かかる だけ だろう 。 それ より も 、 死ぬ 覚悟 が ある の なら 、 南 町 奉行 所 の 大岡 さま に 訴えて みろ 。 忙しい お方 だ から 、 ただ の 町人 が 行って も 簡単に は 会って くれ ない だろう が 、 一 歩 も 動か ず 何 日 も 死ぬ気で 訴えりゃ 、 その内 に 大岡 さま が 直々 に お 取り調べ と なって 、 万事 うまく 治めて くださる さ 」 弥 五郎 は それ を 聞く と 、 大喜びで 奉行 所 へ 行き 、 大きな 門 の 前 で 声 を 張り上げて 言い ました 。 「 私 は 室 町 の 越後 屋 さん に 出入り して いる 、 荷 担ぎ の 弥 五郎 と 申す 者 で ございます ! 本 所 中 の 郷 の 石 地蔵 の 前 で 居眠り を して いた ところ 、 大事な 荷物 を 何者 か に 持ち去ら れて しまい ました ! 越後 屋 さん は 反物 を 弁償 しろ と おっしゃい ました が 、 五百 反もの 白木 綿 を 弁償 出来る あて も あり ませ ん ! この上 は 入水 して おわび を と 決心 し ました が 、 私 が 死ねば 責任 は 荷 担ぎ の 元締め に ふりかかって しまい ます ! お 忙しい と は 思い ます が 、 どう か 大岡 さま じきじき の お 取り調べ を お 願い 申しあげ ます ! お 聞き届け いただけ ない 時 は 、 身 を 投げて 死ぬ 覚悟 で ございます ! 」 友だち の 言った 通り 、 ただ の 町人 の 弥 五郎 が 行って も 、 なかなか 越前 に は 取り次いで もらえ ませ ん でした 。 しかし 、 弥 五郎 は 三 日 の 間 、 物 も 食べ ず に 座り込んで 頑張って いる と 、 役人 が やっと 、 弥 五郎 の 事 を 越前 の 耳 に 入れた のです 。 する と 越前 は 、 やって いた 仕事 を 中断 して 、 「 人 の 命 を 救う 事 より 、 重い 仕事 は ある まい 」 と 、 さっそく 弥 五郎 を 呼んで 、 事 の 次第 を 詳しく 聞いて くれた のです 。 越前 は 弥 五郎 の 話 を 聞き 終わる と 、 少し 考えて こう 言い ました 。 「 ふむ 、 なるほど 、 あい わかった 。 地蔵 菩薩 と いえば 国土 を 守る 仏 である 。 その方 は 地蔵 に 預ければ 安心 と 思い 、 荷 を 下ろして 休んだ のであろう 。 その方 の 油断 に も 責任 が ある が 、 地蔵 と も あろう 者 が 目の前 で 盗み を 働く 者 を 見て見ぬふり を する とは けしからん 。 さっそく 縄 を うち 、 引 っ 捕らえて 取り調べ を せ ねば なら ん 。 あるいは この 地蔵 こそ 、 盗人 と つるんで 悪事 を 働いて いる の かも しれ ぬ ぞ 」 それ を 聞いた 弥 五郎 は 、 ( 地蔵 さま が 悪い と は 。 ・・・ こ の お 奉行 さま 、 大丈夫 かな ? ) と 、 思い ました が 、 ここ まで くれば 、 全て を 越前 に 任せる しか あり ませ ん 。 やがて 越前 の 命令 に より 、 お 地蔵 さん は 縄 で ぐるぐる巻き に さ れ 、 大八車 に 乗せ られて 両 国 の 方 へ と ガラガラ と 引か れて いき ました 。 この 、 越前 が お 地蔵 さん を お 取り調べ に なる と いう 話 は たちまち 評判 に なり 、 江戸 中 から 町民 たち が ぞろぞろ と 集まって き ました 。 やがて お 地蔵 さん は 奉行 所 に 到着 し 、 ついて きた 野次馬 たち も 大八車 の あと に ついて 奉行 所 に 入って いき ました 。 さて 、 お 白 州 に 引き出さ れた お 地蔵 さん に 、 越前 は 恐い 顔 を して 言い ました 。 「 その方 、 人々 から 南無 地蔵 大 菩薩 と 尊敬 を うけ 、 人々 を 慈悲 にて 救わ ねば なら ぬ 身 で あり ながら 、 目の前 で 盗み を 働く 者 を 見過ごす と は 不 埒 千万 である 。 盗み を 知って いて 止め ぬ は 、 盗人 と 同じである ぞ 。 さあ 、 今 すぐ 盗賊 の 事 を 白状 いたせ 。 さもなくば 、 入牢 申しつける ぞ ! 」 「・・・・・・」 越前 は お 地蔵 さん の 返事 を 待ち ました が 、 むろん 、 石 の お 地蔵 さん は 返事 を し ませ ん 。 さて 、 事 の 次第 を 見物 して いた 野次馬 たち は 、 この おかしな やり取り に あきれて 、 ひそひそ と 話し はじめ ました 。 「 大岡 さま は 、 いったい 何の つもりだ ? 」 「 まさか 本当に 、 お 地蔵 さま を 罰する つもりだ ろうか ? 」 する と 、 その ひそひそ 話 を 聞いて 、 越前 が 言い ました 。 「 この 者 たち は 何 じゃ ! お 白 州 に 勝手気ままに 入り 込み 、 吟味 を 見物 する と は 不届き 千万 。 前後 の 門 を 閉じよ ! 一 人 も 逃す な ! 」 さあ 、 野次馬 たち は びっくり です 。 みんな は 名前 や 住所 を 調べ られる と 、 いったん は 家 に 帰して くれ ました が 、 あと で きつい お 仕置き が ある ぞ と 、 全員 が きびしく 言い 渡さ れた のです 。 それ から 半月 ほど たって 、 奉行 所 から お 達し が あり ました 。 《 奉行 所 に 勝手に 入り 込む こと は 不届きである 。 重罪 を 申し付けて も よい が 、 もと は 白木 綿 の 吟味 から 始まった 事 ゆえ 、 白木 綿 一 反 の 罰金 で 許す 事 に する 。 三 日 の うち に 持参 いたせ 》 野次馬 たち は 、 牢屋 に 入れ られる ので は ない か と 思って いた ので 、 そんな 事 で 済む のならば と 、 みんな ほっと 胸 を なでおろし ながら 、 奉行 所 へ 白木 綿 を 持って 行き ました 。 こうして 三 日 の うち に 、 白木 綿 の 反物 が 山 と 積み あげ られた のです 。 そこ で 越前 は 、 弥 五郎 を 呼んで きて 尋ね ました 。 「 弥 五郎 よ 。 この 中 から 、 盗ま れた 反物 を 見分ける 事 が 出来る か ? 」 「 はい 。 盗ま れた 反物 は 、 しかと 覚えて い ます 」 そこ で 弥 五郎 が 反物 を 調べて いく と 、 中 に 二 反 だけ 、 盗ま れた 反物 が 混じって いた のです 。 する と 越前 は 、 その 反物 を 持って きた 町人 に 、 「 これ を 、 どこ で 買い求めた のだ ? 」 と 、 尋ねて 、 さらに 売り 主 を 問い 正した ところ 、 本 所 表 町 に 住む 者 が 盗賊 と 判明 した のです 。 こうして 盗ま れた 反物 は 、 そっくりそのまま 戻って き ました 。 越前 は 弥 五郎 に 反物 を 渡して 、 こう 言い ました 。 「 これ は その方 に 返す ゆえ 、 今後 は 油断 して 、 地蔵 に 苦労 を かけて は なら ん ぞ 」 また 、 野次馬 たち から 集めた 反物 も 、 持って きた 者 たち に 返し ました 。 「 その方 ら の 協力 に より 、 無事に 盗賊 を 見つける 事 が 出来た 。 これ ら の 反物 は その方 ら に 返そう 。 また 、 地蔵 も 赦免 申しつける ゆえ 、 中 の 郷 に 持ち帰り 安置 する ように 。 ・・・ うむ 。 これ にて 、 一 件 落着 ! さて 、 この 話 は たちまち 知れ 渡り 、 この お 地蔵 さん に 頼めば どんな 事 でも 願い が 叶う と 評判 に なり ました 。 そして 越前 の お 裁き に ちなんで 荒 縄 で 地蔵 を しばり 、 『 願い が 叶ったら 、 縄 を 解き ます 』 と 、 願 を 掛ける ように なった と いう こと です 。

→ 物語 の 舞台 の 「 天台宗 南 蔵 院 」

おしまい

縛ら れ 地蔵 しばら||じぞう tied||Jizo Ksitigarbha (jizo) who is tied up in a bundle

縛ら れ 地蔵 しばら||じぞう tied||Jizo The Bound Jizo

むかし むかし 、 室町 の 越後屋 八郎 右 衛 門 の 店 に 出入り して いる 人間 に 、 弥 五郎 と いう 荷 担ぎ が いました 。 ||むろまち||えちごや|はちろう|みぎ|まもる|もん||てん||でいり|||にんげん||わたる|ごろう|||に|かつぎ|| ||Muromachi||||Uemon|||||||||||||||cargo|porter|| Once upon a time, there was a porter named Yagoro Uemon who frequented the store of the Echigo-ya in the Muromachi era. ある 暑い 日 の 事 、 弥 五郎 は 松戸 郷 から 室 町 の 越後 屋 まで 、 白 木綿 を 運んで い ました 。 |あつい|ひ||こと|わたる|ごろう||まつど|ごう||しつ|まち||えちご|や||しろ|もめん||はこんで|| ||||||||Matsudo|village|||||||||cotton||carrying|| One hot day, Yagoro was carrying white cotton from Matsudo village to Echigo-ya in Muromachi. その 途中 、 本所 中 の 郷 (→ 今 の 浅草 ) と いう ところ に さしかかる と 、 ある お 寺 の 大きな 木 の 下 に 石 の お 地蔵 さん あった ので 、 弥 五郎 は 、 「 ああ 、 ちょうど いい 木陰 が ある ぞ 。 |とちゅう|ほんじょ|なか||ごう|いま||あさくさ|||||||||てら||おおきな|き||した||いし|||じぞう||||わたる|ごろう|||||こかげ||| ||Honjo|||||||||||approach||||||||||||||||||||||||shade||| On the way, when he approached the area of Honjo (now Asakusa), he saw a stone Jizo under a big tree at a certain temple and said, 'Ah, there's a good shade here.' お 地蔵 さま 、 ちょいと 休ま せて もらい ます よ 」 と 、 一休み した のです が 、 あまりに も 疲れて いた ので 、 そのまま すっかり 眠り 込んで しまった のです 。 |じぞう|||やすま||||||ひとやすみ||||||つかれて|||||ねむり|こんで|| |Jizo||a little|rest||||||short break||||||||||completely|||| He decided to take a break and said, 'Jizo-sama, I'll take a short rest.' However, he was so tired that he ended up falling sound asleep. さて 、 弥 五郎 が ふと 目 を 覚ます と 、 もう すっかり 日 が 傾いて いて 、 通り に は 人気 が あり ませ ん でした 。 |わたる|ごろう|||め||さます||||ひ||かたむいて||とおり|||にんき||||| |more|||||||||completely|sun||beginning to tilt|||||crowd||||| 「 いけ ねえ ! 寝 過ごした ! ね|すごした 」   弥五郎 は すぐ に 出発 しよう と 、 そば に 置いた はずの 荷物 を 探した のです が 、 どうした 事か 荷物 が ない のです 。 わたる ごろう||||しゅっぱつ|||||おいた||にもつ||さがした||||ことか|にもつ||| 「 しまった ! 荷物 を 盗ま れた ! にもつ||ぬすま| luggage||| 」   あわてた 弥 五郎 は 、 近く の お 寺 に 飛び 込んで 、 「 すみません ! |わたる|ごろう||ちかく|||てら||とび|こんで| flustered||||||||||| おれ の 荷物 、 白木 綿 の 反物 を 持ち去った 者 を 見 ませ ん でした か ! ||にもつ|しらき|めん||たんもの||もちさった|もの||み|||| Did you see the person who took my bag, which contained a bolt of white cotton cloth? 」 と 、 たずね ました が 、 お 坊さん は 気の毒 そうな 顔 を し ながら 、 「 さあ 、 そういう 者 は 見 なかった ねえ 」 と 、 言う のです   弥 五郎 は 仕方なく 、 手ぶら の まま 室 町 の 越後 屋 へ 帰る と 、 今 まで の 訳 を 話し ました が 、 「 何 だって ? |||||ぼうさん||きのどく|そう な|かお||||||もの||み||||いう||わたる|ごろう||しかたなく|てぶら|||しつ|まち||えちご|や||かえる||いま|||やく||はなし|||なん| |||||||||||||||||||||||||||empty-handed|||||||||||now||||||||| When asked, the monk, looking pitiful, said, "Well, I didn't see anyone like that." Yahachiro reluctantly returned to Echigo-ya in Muromachi empty-handed and explained what had happened until now, "What do you mean? 昼寝 を して いて 荷物 を 持って いかれた だって ! ひるね||||にもつ||もって|いか れた| nap|||||||taken|because "They took your luggage while you were taking a nap! はん 。 そんな マヌケ な 話 を 誰 が 信じる もん か 。 |||はなし||だれ||しんじる|| |foolish|||||||| Who would believe such a stupid story. おおかた 、 勝手に 売り払って 博打 に でも 使った んだろう 。 |かってに|うりはらって|ばくち|||つかった| probably|without permission|sold|gambling|||| Most likely, he sold it off on his own and gambled with the money. まあ 、 どっち に しろ 、 無くなった 荷物 の 代金 は 弁償 して もらう よ 」 と 、 言わ れて 、 弥 五郎 は すっかり 困って しまい ました 。 ||||なくなった|にもつ||だいきん||べんしょう|||||いわ||わたる|ごろう|||こまって|| ||||disappeared|||payment||compensation||||||||||||| Anyways, either way, I have to reimburse for the lost goods," said the man, causing Yagoro to be completely confused. 弁償 しよう に も 、 反物 は 五百 万 も あった ので 、 そんなに たくさんの 白木 綿 を 弥 五郎 一 人 で 弁償 出来る はず が あり ませ ん 。 べんしょう||||たんもの||ごひゃく|よろず||||||しらき|めん||わたる|ごろう|ひと|じん||べんしょう|できる||||| reimbursement||||bolt of cloth|||million||||||white wood|cotton|||||||reimbursement|||||| With so much white cotton fabric on hand, there is no way Yaigorou could have compensated all by himself even though there were 5 million in cash. 荷 担ぎ の 元締め に も 相談 して み ました が 、 元締め の 生活 も 楽で は ない ので 、 代わり に 弁償 する 事 は 出来 ませ ん でした 。 に|かつぎ||もとじめ|||そうだん|||||もとじめ||せいかつ||らくで||||かわり||べんしょう||こと||でき||| |||person in charge||||||||||||easy||||||||||||| I also consulted the head of the carriers, but their life is not easy either, so they were unable to compensate in my place. 「 思えば 、 自分 が 油断 して 寝 込んで しまった の が いけなかった な 。 おもえば|じぶん||ゆだん||ね|こんで||||| come to think|||carelessness|||||||| "Come to think of it, it was my carelessness that led to me falling ill. この上 は 、 死んで おわび を する しか ない か 」   そこ で 弥 五郎 は 、 親しい 友人 に 最後の 別れ を 言い に 行った のです 。 このうえ||しんで|||||||||わたる|ごろう||したしい|ゆうじん||さいご の|わかれ||いい||おこなった| above|||apology|||||||||||close|friend|||parting||||| する と その 友人 は 、 弥 五郎 に こう 言い ました 。 |||ゆうじん||わたる|ごろう|||いい| 「 この マヌケ ! |idiot お前 が 死んで も 、 残さ れた 元締め や 家族 や 親類 に 迷惑 が かかる だけ だろう 。 おまえ||しんで||のこさ||もとじめ||かぞく||しんるい||めいわく|||| ||||||leader||||relatives||trouble|||| それ より も 、 死ぬ 覚悟 が ある の なら 、 南 町 奉行 所 の 大岡 さま に 訴えて みろ 。 |||しぬ|かくご|||||みなみ|まち|ぶぎょう|しょ||おおおか|||うったえて| ||||readiness|||||||magistrate|||Ooka|||appeal| If you are prepared to die, plead your case to Lord Ooka of the Minami Magistrate's Office rather than me. 忙しい お方 だ から 、 ただ の 町人 が 行って も 簡単に は 会って くれ ない だろう が 、 一 歩 も 動か ず 何 日 も 死ぬ気で 訴えりゃ 、 その内 に 大岡 さま が 直々 に お 取り調べ と なって 、 万事 うまく 治めて くださる さ 」   弥 五郎 は それ を 聞く と 、 大喜びで 奉行 所 へ 行き 、 大きな 門 の 前 で 声 を 張り上げて 言い ました 。 いそがしい|おかた|||||ちょうにん||おこなって||かんたんに||あって|||||ひと|ふ||うごか||なん|ひ||しぬ き で|うったえりゃ|その うち||おおおか|||じきじき|||とりしらべ|||ばんじ||おさめて|||わたる|ごろう||||きく||おおよろこびで|ぶぎょう|しょ||いき|おおきな|もん||ぜん||こえ||はりあげて|いい| ||||||townsperson||||easily|||||||||||||||determined to die|pleading||||||||||||things||manage|will do|particle indicating emphasis||||it||hear||||||||||||||raising|| He is a busy man, so it won't be easy for a commoner to meet him just by going there. However, if you go with the determination to die and don't budge for days, eventually Lord Ooka will personally interrogate you and settle everything smoothly. 「 私 は 室 町 の 越後 屋 さん に 出入り して いる 、 荷 担ぎ の 弥 五郎 と 申す 者 で ございます ! わたくし||しつ|まち||えちご|や|||でいり|||に|かつぎ||わたる|ごろう||もうす|もの|| ||||||||||||||||||called||| "I am Yahachiro, a porter who frequents the Echigo-ya in the Muromachi district!" 本 所 中 の 郷 の 石 地蔵 の 前 で 居眠り を して いた ところ 、 大事な 荷物 を 何者 か に 持ち去ら れて しまい ました ! ほん|しょ|なか||ごう||いし|じぞう||ぜん||いねむり|||||だいじな|にもつ||なにもの|||もちさら||| |||||||||||dozing|||||||||||carried away||| I fell asleep in front of the stone Jizo in the village in the middle of the book, and someone took away my important belongings! 越後 屋 さん は 反物 を 弁償 しろ と おっしゃい ました が 、 五百 反もの 白木 綿 を 弁償 出来る あて も あり ませ ん ! えちご|や|||たんもの||べんしょう||||||ごひゃく|たんもの|しらき|めん||べんしょう|できる||||| |||||||||||||rolls|||||||||| Echigoya said to compensate with bolts of cloth, but I don't have a way to compensate with 500 bolts of white cotton! この上 は 入水 して おわび を と 決心 し ました が 、 私 が 死ねば 責任 は 荷 担ぎ の 元締め に ふりかかって しまい ます ! このうえ||はい すい|||||けっしん||||わたくし||しねば|せきにん||に|かつぎ||もとじめ|||| on||drowning||apology|||||||||die|responsibility||||of|||fall on|| I decided to apologize by drowning, but if I die, the responsibility will fall on the head of the pack bearers! お 忙しい と は 思い ます が 、 どう か 大岡 さま じきじき の お 取り調べ を お 願い 申しあげ ます ! |いそがしい|||おもい|||||おおおか|||||とりしらべ|||ねがい|もうしあげ| |||||||||||directly|||||||to humbly say| お 聞き届け いただけ ない 時 は 、 身 を 投げて 死ぬ 覚悟 で ございます ! |ききとどけ|||じ||み||なげて|しぬ|かくご|| honorable|listen to|||||||throw|||| 」   友だち の 言った 通り 、 ただ の 町人 の 弥 五郎 が 行って も 、 なかなか 越前 に は 取り次いで もらえ ませ ん でした 。 ともだち||いった|とおり|||ちょうにん||わたる|ごろう||おこなって|||えちぜん|||とりついで|||| |||||||||||||easily|Echizen|||received|||| As my friend said, even if the ordinary townspeople Yagoro went, he couldn't get anyone in Echizen to help him. しかし 、 弥 五郎 は 三 日 の 間 、 物 も 食べ ず に 座り込んで 頑張って いる と 、 役人 が やっと 、 弥 五郎 の 事 を 越前 の 耳 に 入れた のです 。 |わたる|ごろう||みっ|ひ||あいだ|ぶつ||たべ|||すわりこんで|がんばって|||やくにん|||わたる|ごろう||こと||えちぜん||みみ||いれた| |||||||||||||sitting|doing their best|||||||||||||||| However, after persistently sitting there without eating for three days, a government official finally informed Echizen about Yagoro. する と 越前 は 、 やって いた 仕事 を 中断 して 、 「 人 の 命 を 救う 事 より 、 重い 仕事 は ある まい 」 と 、 さっそく 弥 五郎 を 呼んで 、 事 の 次第 を 詳しく 聞いて くれた のです 。 ||えちぜん||||しごと||ちゅうだん||じん||いのち||すくう|こと||おもい|しごと||||||わたる|ごろう||よんで|こと||しだい||くわしく|きいて|| ||Echizen|||doing|work||interrupt||||life||to save||||||||||||||thing||situation||in detail||| Then Echizen interrupted his work and immediately called for Yagoro, saying, "There is no more important task than saving a person's life," and listened carefully to the details of the situation. 越前 は 弥 五郎 の 話 を 聞き 終わる と 、 少し 考えて こう 言い ました 。 えちぜん||わたる|ごろう||はなし||きき|おわる||すこし|かんがえて||いい| 「 ふむ 、 なるほど 、 あい わかった 。 hmm||I| Hmm, I see, I understand. 地蔵 菩薩 と いえば 国土 を 守る 仏 である 。 じぞう|ぼさつ|||こくど||まもる|ふつ| |bodhisattva|||country||protect|Buddha| When we talk about the Bodhisattva Jizo, it is a buddha who protects the country. その方 は 地蔵 に 預ければ 安心 と 思い 、 荷 を 下ろして 休んだ のであろう 。 そのほう||じぞう||あずければ|あんしん||おもい|に||おろして|やすんだ| person||||left||||luggage||down||probably Perhaps that person trusted Jizo and thought it was safe to rest by putting down their load. その方 の 油断 に も 責任 が ある が 、 地蔵 と も あろう 者 が 目の前 で 盗み を 働く 者 を 見て見ぬふり を する とは けしからん 。 そのほう||ゆだん|||せきにん||||じぞう||||もの||めのまえ||ぬすみ||はたらく|もの||みて み ぬ ふり|||と は| |||||||||bystander|||probably|||||||work|||turning a blind eye|||is|unforgivable While that person is also responsible for their carelessness, it is unacceptable for both Jizo and the person to ignore a thief in front of their eyes. さっそく 縄 を うち 、 引 っ 捕らえて 取り調べ を せ ねば なら ん 。 |なわ|||ひ||とらえて|とりしらべ||||| |rope||home|||capturing|interrogation||||| うち (uchi): This is the stem form of the verb うつ (utsu) While うつ usually means "to hit" or "to strike," in the context of 縄をうつ (nawa wo utsu), it means "to apply rope" or "to tie up" あるいは この 地蔵 こそ 、 盗人 と つるんで 悪事 を 働いて いる の かも しれ ぬ ぞ 」   それ を 聞いた 弥 五郎 は 、 ( 地蔵 さま が 悪い と は 。 ||じぞう||ぬすびと|||あくじ||はたらいて|||||||||きいた|わたる|ごろう||じぞう|||わるい|| or|this|Jizo|emphasis|thief||in cahoots|evil deed|||||||||||||||||||| Perhaps this Jizo is the one working with thieves and committing crimes. ・・・ こ の お 奉行 さま 、 大丈夫 かな ? |||ぶぎょう||だいじょうぶ| I wonder if this magistrate is okay? ) と 、 思い ました が 、 ここ まで くれば 、 全て を 越前 に 任せる しか あり ませ ん 。 |おもい||||||すべて||えちぜん||まかせる|||| ||||here||if|||||to leave to|||| But as I thought, I have no choice but to leave everything to Echizen from here. やがて 越前 の 命令 に より 、 お 地蔵 さん は 縄 で ぐるぐる巻き に さ れ 、 大八車 に 乗せ られて 両 国 の 方 へ と ガラガラ と 引か れて いき ました 。 |えちぜん||めいれい||||じぞう|||なわ||ぐるぐるまき||||だいはちぐるま||のせ||りょう|くに||かた|||||ひか||| |||order|||||||rope||wrapped around||||large palanquin||||||||||rattling||||| Eventually, based on Echizen's orders, the Jizo statue was wrapped in rope and pulled on a large wagon to both countries with a rattling sound. この 、 越前 が お 地蔵 さん を お 取り調べ に なる と いう 話 は たちまち 評判 に なり 、 江戸 中 から 町民 たち が ぞろぞろ と 集まって き ました 。 |えちぜん|||じぞう||||とりしらべ|||||はなし|||ひょうばん|||えど|なか||ちょうみん|||||あつまって|| |||||||||||||||immediately|reputation||||||townspeople|||in a line|||| The rumor of Echizen interrogating the Jizo statue quickly spread, and town's people from all over Edo gathered one after another. やがて お 地蔵 さん は 奉行 所 に 到着 し 、 ついて きた 野次馬 たち も 大八車 の あと に ついて 奉行 所 に 入って いき ました 。 ||じぞう|||ぶぎょう|しょ||とうちゃく||||やじうま|||だいはちぐるま|||||ぶぎょう|しょ||はいって|| |||||magistrate|||arrival||||curious onlookers|||large palanquin|||||magistrate||||| Eventually, the Jizo statue arrived at the magistrate's office, and the curious onlookers followed behind the large wagon into the magistrate's office. さて 、 お 白 州 に 引き出さ れた お 地蔵 さん に 、 越前 は 恐い 顔 を して 言い ました 。 ||しろ|しゅう||ひきださ|||じぞう|||えちぜん||こわい|かお|||いい| |||||brought||||||||scary||||| Now, with a stern expression, Echizen said to the Jizo statue brought out in Oshiro. 「 その方 、 人々 から 南無 地蔵 大 菩薩 と 尊敬 を うけ 、 人々 を 慈悲 にて 救わ ねば なら ぬ 身 で あり ながら 、 目の前 で 盗み を 働く 者 を 見過ごす と は 不 埒 千万 である 。 そのほう|ひとびと||みなみ む|じぞう|だい|ぼさつ||そんけい|||ひとびと||じひ||すくわ||||み||||めのまえ||ぬすみ||はたらく|もの||みすごす|||ふ|らち|せんまん| |||namu||great|bodhisattva||respect|||||compassion||to save||||||||||||working|||overlook|||not||countless| "That person, who is respected as the Great Bodhisattva Jizo by the people and should save them with compassion, cannot overlook someone stealing right in front of them. It is absolutely unacceptable. 盗み を 知って いて 止め ぬ は 、 盗人 と 同じである ぞ 。 ぬすみ||しって||とどめ|||ぬすびと||おなじである| |||||||thief||the same| To know of theft and not stop it is the same as being a thief." さあ 、 今 すぐ 盗賊 の 事 を 白状 いたせ 。 |いま||とうぞく||こと||はくじょう| |||thief||||confess|confess さもなくば 、 入牢 申しつける ぞ ! |はい ろう|もうしつける| |to be imprisoned|| 」 「・・・・・・」   越前 は お 地蔵 さん の 返事 を 待ち ました が 、 むろん 、 石 の お 地蔵 さん は 返事 を し ませ ん 。 えちぜん|||じぞう|||へんじ||まち||||いし|||じぞう|||へんじ|||| |||||||||||of course||||||||||| さて 、 事 の 次第 を 見物 して いた 野次馬 たち は 、 この おかしな やり取り に あきれて 、 ひそひそ と 話し はじめ ました 。 |こと||しだい||けんぶつ|||やじうま|||||やりとり|||||はなし|| |||situation||sightseeing|||bystanders|||||interaction||amazed|whisper|||| 「 大岡 さま は 、 いったい 何の つもりだ ? おおおか||||なんの| 」 「 まさか 本当に 、 お 地蔵 さま を 罰する つもりだ ろうか ? |ほんとうに||じぞう|||ばっする|| ||||||punish|| 」   する と 、 その ひそひそ 話 を 聞いて 、 越前 が 言い ました 。 ||||はなし||きいて|えちぜん||いい| |||in a whisper||||||| 「 この 者 たち は 何 じゃ ! |もの|||なん| What are these people! お 白 州 に 勝手気ままに 入り 込み 、 吟味 を 見物 する と は 不届き 千万 。 |しろ|しゅう||かってきままに|はいり|こみ|ぎんみ||けんぶつ||||ふとどき|せんまん |white|city||carefree|||examine||sightseeing||||rude|a million To brazenly enter Oshiro and watch the procession without permission is extremely disrespectful. 前後 の 門 を 閉じよ ! ぜんご||もん||とじよ front and back|||| Close the front and back gates! 一 人 も 逃す な ! ひと|じん||のがす| Do not let anyone escape! 」   さあ 、 野次馬 たち は びっくり です 。 |やじうま|||| |bystanders|||| みんな は 名前 や 住所 を 調べ られる と 、 いったん は 家 に 帰して くれ ました が 、 あと で きつい お 仕置き が ある ぞ と 、 全員 が きびしく 言い 渡さ れた のです 。 ||なまえ||じゅうしょ||しらべ|||||いえ||かえして||||||||し おき|||||ぜんいん|||いい|わたさ|| ||||address|||||once||||||||||strict||punishment||||||||||| それ から 半月 ほど たって 、 奉行 所 から お 達し が あり ました 。 ||はんつき|||ぶぎょう|しょ|||たっし||| ||half a month|||||||notification||| 《 奉行 所 に 勝手に 入り 込む こと は 不届きである 。 ぶぎょう|しょ||かってに|はいり|こむ|||ふとどきである magistrate|||||||| 重罪 を 申し付けて も よい が 、 もと は 白木 綿 の 吟味 から 始まった 事 ゆえ 、 白木 綿 一 反 の 罰金 で 許す 事 に する 。 じゅうざい||もうしつけて||||||しらき|めん||ぎんみ||はじまった|こと||しらき|めん|ひと|はん||ばっきん||ゆるす|こと|| serious crime||ordered|||||||||scrutiny||started||reason||||||fine||||| I could charge you with a serious crime, but since it all started from the inspection of the white cotton, I will forgive you with a fine of white cotton in return. 三 日 の うち に 持参 いたせ 》   野次馬 たち は 、 牢屋 に 入れ られる ので は ない か と 思って いた ので 、 そんな 事 で 済む のならば と 、 みんな ほっと 胸 を なでおろし ながら 、 奉行 所 へ 白木 綿 を 持って 行き ました 。 みっ|ひ||||じさん||やじうま|||ろうや||いれ|||||||おもって||||こと||すむ|||||むね||||ぶぎょう|しょ||しらき|めん||もって|いき| |||||bringing||curious onlookers|||prison|||||||||||||||be settled|if|||relieved|||breathed a sigh of relief|||||||||| Within three days, the busybodies thought they would be thrown into jail, so they all breathed a sigh of relief and took the white cotton to the magistrate's office. こうして 三 日 の うち に 、 白木 綿 の 反物 が 山 と 積み あげ られた のです 。 |みっ|ひ||||しらき|めん||たんもの||やま||つみ||| As a result, within three days, a mountain of white cotton fabrics was piled up. そこ で 越前 は 、 弥 五郎 を 呼んで きて 尋ね ました 。 ||えちぜん||わたる|ごろう||よんで||たずね| 「 弥 五郎 よ 。 わたる|ごろう| この 中 から 、 盗ま れた 反物 を 見分ける 事 が 出来る か ? |なか||ぬすま||たんもの||みわける|こと||できる| |||||||to distinguish|||| 」 「 はい 。 盗ま れた 反物 は 、 しかと 覚えて い ます 」   そこ で 弥 五郎 が 反物 を 調べて いく と 、 中 に 二 反 だけ 、 盗ま れた 反物 が 混じって いた のです 。 ぬすま||たんもの|||おぼえて|||||わたる|ごろう||たんもの||しらべて|||なか||ふた|はん||ぬすま||たんもの||まじって|| ||||firmly|||||||||||||||||||||||mixed|| する と 越前 は 、 その 反物 を 持って きた 町人 に 、 「 これ を 、 どこ で 買い求めた のだ ? ||えちぜん|||たんもの||もって||ちょうにん||||||かいもとめた| |||||||||||||||bought| 」 と 、 尋ねて 、 さらに 売り 主 を 問い 正した ところ 、 本 所 表 町 に 住む 者 が 盗賊 と 判明 した のです 。 |たずねて||うり|おも||とい|ただした||ほん|しょ|ひょう|まち||すむ|もの||とうぞく||はんめい|| |asking|||||question|||||||||||||became clear|| When questioned, the seller further inquired and confirmed that the resident living in Honjo Omotecho was indeed the thief. こうして 盗ま れた 反物 は 、 そっくりそのまま 戻って き ました 。 |ぬすま||たんもの|||もどって|| |||||just as it was||| Thus, the stolen fabric returned completely intact. 越前 は 弥 五郎 に 反物 を 渡して 、 こう 言い ました 。 えちぜん||わたる|ごろう||たんもの||わたして||いい| Echizen handed the fabric to Yagoro and said like this. 「 これ は その方 に 返す ゆえ 、 今後 は 油断 して 、 地蔵 に 苦労 を かけて は なら ん ぞ 」   また 、 野次馬 たち から 集めた 反物 も 、 持って きた 者 たち に 返し ました 。 ||そのほう||かえす||こんご||ゆだん||じぞう||くろう||||||||やじうま|||あつめた|たんもの||もって||もの|||かえし| |||||reason|||||||||||||||bystanders|||||||||||| 「 その方 ら の 協力 に より 、 無事に 盗賊 を 見つける 事 が 出来た 。 そのほう|||きょうりょく|||ぶじに|とうぞく||みつける|こと||できた |||cooperation||||||||| これ ら の 反物 は その方 ら に 返そう 。 |||たんもの||そのほう|||かえそう また 、 地蔵 も 赦免 申しつける ゆえ 、 中 の 郷 に 持ち帰り 安置 する ように 。 |じぞう||しゃめん|もうしつける||なか||ごう||もちかえり|あんち|| |||forgiveness||reason||||||placed|| Also, because Jizo also offers forgiveness, please take it back to the village and enshrine it. ・・・ うむ 。 ... Yes. これ にて 、 一 件 落着 ! ||ひと|けん|らくちゃく ||||resolved And with this, the matter is settled! さて 、 この 話 は たちまち 知れ 渡り 、 この お 地蔵 さん に 頼めば どんな 事 でも 願い が 叶う と 評判 に なり ました 。 ||はなし|||しれ|わたり|||じぞう|||たのめば||こと||ねがい||かなう||ひょうばん||| ||||||||||||ask||||||come true||reputation||| This story soon became known far and wide, and it became rumored that any wish would come true if you asked this Jizo-san. そして 越前 の お 裁き に ちなんで 荒 縄 で 地蔵 を しばり 、 『 願い が 叶ったら 、 縄 を 解き ます 』 と 、 願 を 掛ける ように なった と いう こと です 。 |えちぜん|||さばき|||あら|なわ||じぞう|||ねがい||かなったら|なわ||とき|||ねがい||かける|||||| ||||judgment||in connection with|||||||||comes true|rope||untie|||wish||to hang|||||| Then, following the custom of Echizen's judicial decisions, they would tie up the Jizo with rough rope and say, 'When the wish comes true, we will untie the rope.'

→  物語 の 舞台 の 「 天台宗   南 蔵 院 」 ものがたり||ぶたい||てんだいしゅう|みなみ|くら|いん ||||Tendai sect||repository|institution -> The stage of the story is 'Tendai Sect Nanzo-in Temple'

おしまい