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江戸小話, ちょっとおかりします

ちょっと おか りします

ちょっと おか りし ます

ある お 金持ち が 、 井戸 屋 に 井戸 ( いど ) を 掘ら せ ました が 、 なかなか 水 が 出て き ませ ん 。 「 まいった な 。 だが 、 ここ まで 掘って は 、 途中 で やめる わけに も いかん 」 そこ で あきらめ ず に 、 お 金 を かけて さらに どんどん 掘ら せて いる と 、 井戸 の 中 の 井戸 掘り が びっくり する ほど の 大きな 声 で 叫び ました 。 「 大変だ ! 早く 引き上げて くれ ! 」 「 何 だ ! 何 だ ! 引き上げて くれ だ と ? 」 「 おい 、 ひょっとしたら 、 金脈 ( きんみゃく → 金 を 含んだ 地層 ) でも 掘り当てた の かも 知れ ない ぞ ! 」 「 うん うん 、 あの あわて ぶり は 、 きっと そう に 違いない 」 仲間 の 井戸 掘り たち が 胸 を わくわく さ せ ながら 大急ぎで つな を 引き上げて み ます と 、 中 から 出て きた 井戸 掘り は 、 ホッと した 顔 で 家 の 主人 に 言い ました 。 「 旦那 さま 。 ちょっと 便所 を おか りし ます 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


ちょっと おか りします

ちょっと おか りし ます

ある お 金持ち が 、 井戸 屋 に 井戸 ( いど ) を 掘ら せ ました が 、 なかなか 水 が 出て き ませ ん 。 ||かねもち||いど|や||いど|||ほら|||||すい||でて||| 「 まいった な 。 だが 、 ここ まで 掘って は 、 途中 で やめる わけに も いかん 」   そこ で あきらめ ず に 、 お 金 を かけて さらに どんどん 掘ら せて いる と 、 井戸 の 中 の 井戸 掘り が びっくり する ほど の 大きな 声 で 叫び ました 。 |||ほって||とちゅう||||||||||||きむ|||||ほら||||いど||なか||いど|ほり||||||おおきな|こえ||さけび| 「 大変だ ! たいへんだ 早く 引き上げて くれ ! はやく|ひきあげて| 」 「 何 だ ! なん| 何 だ ! なん| 引き上げて くれ だ と ? ひきあげて||| 」 「 おい 、 ひょっとしたら 、 金脈 ( きんみゃく → 金 を 含んだ 地層 ) でも 掘り当てた の かも 知れ ない ぞ ! ||きんみゃく||きむ||ふくんだ|ちそう||ほりあてた|||しれ|| 」 「 うん うん 、 あの あわて ぶり は 、 きっと そう に 違いない 」   仲間 の 井戸 掘り たち が 胸 を わくわく さ せ ながら 大急ぎで つな を 引き上げて み ます と 、 中 から 出て きた 井戸 掘り は 、 ホッと した 顔 で 家 の 主人 に 言い ました 。 |||||||||ちがいない|なかま||いど|ほり|||むね||||||おおいそぎで|||ひきあげて||||なか||でて||いど|ほり||ほっと||かお||いえ||あるじ||いい| 「 旦那 さま 。 だんな| ちょっと 便所 を おか りし ます 」 |べんじょ||||

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )