盾 の 勇者 の 成り 上がり 02 Chapter 03 たて||ゆうしゃ||なり|あがり|chapter Der heldenhafte Aufstieg des Schildes 02 Kapitel 03 The Shield's Becoming of a Brave Man 02 Chapter 03

三 話 フィーロ みっ|はなし|

翌日 の 昼 前 、 ラフタリア が 昨日 の 夜更かし の 所為 で 寝坊 し 、 やっと 起きた 。 よくじつ||ひる|ぜん|||きのう||よふかし||しょ ため||ねぼう|||おきた 魔法 書 片手 に うん うん 唸って いた から な 。 まほう|しょ|かたて||||うなって||| 俺 ？ おれ 薬草 を 煎じて 薬 に して いた 。 やくそう||せんじて|くすり|||

寝坊 の 分 も 取り戻す ため に 出かける 準備 を して いる と 。 ねぼう||ぶん||とりもどす|||でかける|じゅんび||||

「 あ 、 孵 る みたいです よ 」 |ふ|||

宿 の 部屋 の 窓際 に 置いて おいた 、 昨日 買った 卵 に 亀裂 が 入って いる の を ラフタリア が 気付いた 。 やど||へや||まどぎわ||おいて||きのう|かった|たまご||きれつ||はいって||||||きづいた

何 か 生物 の 毛 の ような 、 羽 の ような 柔らかい 物体 が 隙間 から 覗いて いる 。 なん||せいぶつ||け|||はね|||やわらかい|ぶったい||すきま||のぞいて|

「 そう か 」

何 が 生まれる の か 興味 が ある 。 なん||うまれる|||きょうみ|| ヒビ が 入った 卵 を 見 に 行く 。 ひび||はいった|たまご||み||いく

ピキピキ と 卵 の 亀裂 は 広がり 、 パリン と 音 を 立てて 、 中 から 魔物 の 赤ん坊 が 顔 を 出した 。 ||たまご||きれつ||ひろがり|||おと||たてて|なか||まもの||あかんぼう||かお||だした

「 ピイ ！ ふわふわ の 羽毛 、 頭 に 卵 の 欠 片 を 乗っけた ピンク 色 の ヒヨコ みたいな 魔物 と 俺 の 視線 が 合う 。 ||うもう|あたま||たまご||けつ|かた||のっけた|ぴんく|いろ||||まもの||おれ||しせん||あう

「 ピイ ！ 元気 良く 跳躍 し 、 俺 の 顔 に ぶつかった 。 げんき|よく|ちょうやく||おれ||かお|| 全然 痛く なかった けど 、 生まれた ばかりだ と いう のに 元気 そうな 魔物 だ 。 ぜんぜん|いたく|||うまれた|||||げんき|そう な|まもの| 「 これ は 何の 魔物 だ ？ ||なんの|まもの| 鳥 系 と いう こと は ピキュピキュ か ？ ちょう|けい|||||| ピキュピキュ は あまり 高く 飛べ ない デフォルメ さ れた コンドル の ような 魔物 だ 。 |||たかく|とべ|||||こんどる|||まもの| それ の 幼 生体 と か なら 納得 が いく 姿 を して いる 。 ||おさな|せいたい||||なっとく|||すがた||| バルーン など と 比べる と 体 は 俊 敏 で 攻撃 も クチバシ が ある ので 成長 すれば 期待 は できる 。 |||くらべる||からだ||しゆん|さとし||こうげき||||||せいちょう||きたい||

「 うーん …… 私 も 魔物 に 詳しい わけじゃ ない です から 」 |わたくし||まもの||くわしい||||

ラフタリア も 困り 顔 で 答えた 。 ||こまり|かお||こたえた

「 しょうがない 。 " It can not be helped . 村 の 連中 に 聞いて みる か 」 むら||れんちゅう||きいて||

魔物 商 の 扱って いる 魔物 な のだ から 、 そこ まで 危険な 魔物 で は ない だろう 。 まもの|しょう||あつかって||まもの||||||きけんな|まもの|||| 聞けば 答えて くれる かも しれ ない 。 きけば|こたえて|||| 俺 が 魔物 の 雛 に 手 を 伸ばす と 、 雛 は 俺 の 手 に 乗っかり 肩 まで 駆け上って 跳躍 し 、 頭 に 到達 する 。 おれ||まもの||ひな||て||のばす||ひな||おれ||て||のっかり|かた||かけあがって|ちょうやく||あたま||とうたつ|

「 ピイイイ 」

スリスリ と 頬擦り を して いる 。 ||ほおずり||| なんか …… 可愛らしい 態度 だ な 。 |かわいらしい|たいど||

「 ふ ふ 、 ナオフミ 様 を 親 だ と 思って いる のです よ 」 |||さま||おや|||おもって|||

「 まあ 刷り込み だろう な 」 |すりこみ||

事前 に 登録 を して ある し 、 初めて 見る 動く 相手 が 俺 だった から 、 親 と 思って いる のだろう 。 じぜん||とうろく|||||はじめて|みる|うごく|あいて||おれ|||おや||おもって||

卵 の 欠 片 を 片付けよう と する と 盾 が 反応 した 。 たまご||けつ|かた||かたづけよう||||たて||はんのう| よくよく 考えて みれば 、 盾 に 卵 の 欠 片 を 吸わ せれば 何の 魔物 か わかる かも しれ ない 。 |かんがえて||たて||たまご||けつ|かた||すわ||なんの|まもの||||| と いう こと で 、 卵 の 欠 片 を 盾 に 吸わ せて みた 。 ||||たまご||けつ|かた||たて||すわ||

魔物 使い の 盾 の 条件 が 解放 さ れました 。 まもの|つかい||たて||じょうけん||かいほう||れ ました 魔物 の 卵 の 盾 の 条件 が 解放 さ れました 。 まもの||たまご||たて||じょうけん||かいほう||れ ました 魔物 使い の 盾 まもの|つかい||たて

能力 未 解放 …… 装備 ボーナス 、 魔物 成長 補正 （ 小 ） のうりょく|み|かいほう|そうび|ぼーなす|まもの|せいちょう|ほせい|しょう

魔物 の 卵 の 盾 まもの||たまご||たて

能力 未 解放 …… 装備 ボーナス 、 料理 技能 ２ のうりょく|み|かいほう|そうび|ぼーなす|りょうり|ぎのう

…… なんか 予想 と は 違う 盾 が 出た 。 |よそう|||ちがう|たて||でた でも 便利 そう だ から 解放 中 だった 奴隷 使い の 盾 Ⅱ から 魔物 使い の 盾 に 変化 さ せる 。 |べんり||||かいほう|なか||どれい|つかい||たて||まもの|つかい||たて||へんか||

「 何 か わかりました ？ なん||わかり ました 「 いや 、 別の 盾 が 出て わから なかった 」 |べつの|たて||でて||

結局 、 この 雛 は 何の 魔物 な のだろう か 。 けっきょく||ひな||なんの|まもの||| 村 の 奴 等 が 知っている と ありがたい のだ が 。 むら||やつ|とう||しっている||||

復興 中 の 村 の 中 を 歩き ながら 、 今日 は どこ で Ｌｖ を 上げる か 考える 。 ふっこう|なか||むら||なか||あるき||きょう||||ｌｖ||あげる||かんがえる

やはり 妥当な ライン は 村 の 西部 に ある 沼地 辺り だろう か ？ |だとうな|らいん||むら||せいぶ|||ぬまち|あたり|| 前回 は 北西 部 の 山 を 探索 した ので 、 それ 以外 の 手頃な 魔物 が 居る 場所 を 探したい 。 ぜんかい||ほくせい|ぶ||やま||たんさく||||いがい||てごろな|まもの||いる|ばしょ||さがし たい と いう ところ で 村人 と 顔 を 合わせる 。 ||||むらびと||かお||あわせる

「 あ 、 盾 の 勇者 様 」 |たて||ゆうしゃ|さま

「 おはよう 」

「 おはよう ございます 」

ここ に は 一 週間 くらい 居た から な 。 |||ひと|しゅうかん||いた|| 波 で 守った こと も あって 、 顔馴染み は 結構 多い 。 なみ||まもった||||かおなじみ||けっこう|おおい

深々と 頭 を 下げられて しまった 。 しんしんと|あたま||さげ られて| なんか 恥ずかしい 気持ち に なって くる 。 |はずかしい|きもち|||

「 ピイ ！ 頭 の 雛 が 元気 良く 鳴く 。 あたま||ひな||げんき|よく|なく

「 おや ？ 村人 が 俺 の 頭 に 乗っかって いる 雛 に 目 を 向ける 。 むらびと||おれ||あたま||のっかって||ひな||め||むける

「 どうした ん です か ？ 雛 を 指差して 訪ねる 。 ひな||ゆびさして|たずねる Point and visit the chicks.

「 魔物 商 から 卵 を 買って ね 」 まもの|しょう||たまご||かって|

「 ああ 、 なるほど 」

「 この 魔物 が 何か知ら ない か ？ |まもの||なにかしら|| 村人 は 雛 を マジマジ と 見つめる 。 むらびと||ひな||||みつめる

「 そう です ねぇ …… たぶん 、 フィロリアル の 雛 だ と 思います よ ？ ||||||ひな|||おもい ます| 「 あの 馬車 を 引く 鳥 か ？ |ばしゃ||ひく|ちょう| それ なら 元 の 金額 より 高い から 若干 お 得だった こと に なる のだ が …… まあ 、 村人 の 話 が 本当 なら の 話 だ けど 。 ||もと||きんがく||たかい||じゃっかん||とくだった|||||||むらびと||はなし||ほんとう|||はなし||

「 ええ 、 なんなら 村 の 外れ に 牧場 が あります から 見て もらう と 良い です よ 」 「 じゃあ 行って みる よ 」 俺 は ラフタリア と 一緒に その 牧場 を 経営 して いる 奴 の 家 に 顔 を 出す 。 ||むら||はずれ||ぼくじょう||あり ます||みて|||よい||||おこなって|||おれ||||いっしょに||ぼくじょう||けいえい|||やつ||いえ||かお||だす 牧場 は 波 の 被害 を 結構 受けて いて 、 飼育 して いた 魔物 が 半分 くらい 死んで しまって いた らしい 。 ぼくじょう||なみ||ひがい||けっこう|うけて||しいく|||まもの||はんぶん||しんで|||

「 と 言う わけで 、 この 魔物 は フィロリアル で あって いる の か ？ |いう|||まもの||||||| 牧場 主 に 聞く と 、 頷か れる 。 ぼくじょう|おも||きく||うなずか|

「 そう です ね 。 見た 感じ 、 フィロリアル の 雌 です ねぇ 」 みた|かんじ|||めす||

雛 を 持ち 、 マジマジ と 鑑定 し ながら 牧場 主 は 言った 。 ひな||もち|||かんてい|||ぼくじょう|おも||いった

「 品種 は よく ある 種類 フィロアリア 種 で 、 荷車 を 引か ない と 落ち着か ない 生態 を 持って います 」 「…… それ は 生き物 と して どう な んだ ？ ひんしゅ||||しゅるい||しゅ||にぐるま||ひか|||おちつか||せいたい||もって|い ます|||いきもの||||| 「 何 か おかしい ところ でも ？ なん|||| ああ 、 この 世界 で 生まれた 時 から 当たり前の ように 生活 して いたら 不思議 と か 思わ ない か 。 ||せかい||うまれた|じ||あたりまえの||せいかつ|||ふしぎ|||おもわ||

う ー む …… 大方 、 卵 と か 巣 など 守ら ない と いけない 対象 物 を 便利に 運べる 荷車 の ような 何 か を 使って 守る 生態 と か が ある のだろう 。 |-||おおかた|たまご|||す||まもら||||たいしょう|ぶつ||べんりに|はこべる|にぐるま|||なん|||つかって|まもる|せいたい|||||

「 ま 、 外れ で は なく 割 と 当たりって ところ か 」 成体 が 銀貨 二〇〇 枚 の 魔物 を 一〇〇 枚 で 買えた と 考えれば 悪く は ない 。 |はずれ||||わり||あたり って|||せいたい||ぎんか|ふた|まい||まもの||ひと|まい||かえた||かんがえれば|わるく|| 「 ピイ ！ フィロリアル の 雛 は 俺 の 頭 の 上 で 鳴いた 。 ||ひな||おれ||あたま||うえ||ないた

「 コイツ は 何 を 食う んだ ？ ||なん||くう| 「 最初 は 豆 を 煮 溶かした 柔らかい 物 です ね 。 さいしょ||まめ||に|とかした|やわらかい|ぶつ|| 大きく なる と 雑 食 です から 何でも 食べます よ 」 「 なるほど 、 ありがとう 」 自分 でも 驚く ほど すんなり 礼 が 言えた 。 おおきく|||ざつ|しょく|||なんでも|たべ ます||||じぶん||おどろく|||れい||いえた 正直 、 今 まで は この 世界 の 連中 は 全て 敵 だ と 考えて いた から だ 。 しょうじき|いま||||せかい||れんちゅう||すべて|てき|||かんがえて||| もしかしたら 、 城 で の 一 件 …… ラフタリア に 救わ れた おかげ で 心 に 余裕 が 出て きた の かも しれ ない 。 |しろ|||ひと|けん|||すくわ||||こころ||よゆう||でて|||||

とりあえず 、 村 で 売って いる 煮豆 辺り で 良い らしい 。 |むら||うって||にまめ|あたり||よい|

「 名前 は どう します か ？ なまえ|||し ます| ラフタリア が 雛 を 撫で ながら 聞いて くる 。 ||ひな||なで||きいて|

「 売る かも しれ ない ペット に 名前 を 付ける の か ？ うる||||ぺっと||なまえ||つける|| こういう のって 、 名前 を 付ける と 愛着 が 湧いて 売れ なく なる と 聞く 。 ||なまえ||つける||あいちゃく||わいて|うれ||||きく 「 ずっと 雛 ちゃん と か フィロリアルって 呼ぶ んです か ？ |ひな||||フィロリアル って|よぶ|| 「 む ……」

それ は 確かに 面倒くさい 。 ||たしかに|めんどうくさい

「 じゃあ …… そう だ な 、 フィーロ と でも 呼ぶ か 」 |||||||よぶ|

「…… 安直です ね 」 あんちょくです|

「 ほっとけ 」

「 ピイ ！ 名前 を つけられた の を 理解 した の か 、 雛 は 機嫌 よく 鳴いた 。 なまえ||つけ られた|||りかい||||ひな||きげん||ないた 礼 を 言った 後 、 俺 達 は フィーロ 用 の エサ を 買い 、 ついでに 朝 昼 兼用 の 食事 を 取って から 出かけた 。 れい||いった|あと|おれ|さとる|||よう||えさ||かい||あさ|ひる|けんよう||しょくじ||とって||でかけた

「 今日 は どこ へ いきます か ？ きょう||||いき ます| 「 ピイ ？ 「 そう だ なぁ …… どこ が 良い 狩場 な の か まだ 知ら ない から 自分 の 足 で 探す しか ないだ ろ 。 |||||よい|かりば|||||しら|||じぶん||あし||さがす||| いつも 通り に 行く ぞ 」 |とおり||いく|

「 はい 」

ラフタリア が 頼り に なって いる から 、 前 より は 戦い やすく なって いる はずだ 。 ||たより|||||ぜん|||たたかい||||

フィーロ は 俺 の 頭 の 上 で ピイピイ 鳴いて いた 。 ||おれ||あたま||うえ|||ないて| 騒がしい が 、 ちょっと 心地よい 。 さわがしい|||ここちよい

「 デカ ！ カエル でっか ！ かえる|で っか Frog big! リユート 村 の 西 に ある 小さな 湿地 帯 で 今日 は 魔物 を 倒す こと に した のだ が 、 初めて 会う 魔物 に 俺 は 驚き を 隠せ なかった 。 |むら||にし|||ちいさな|しっち|おび||きょう||まもの||たおす||||||はじめて|あう|まもの||おれ||おどろき||かくせ|

いや 、 ゲーム と か だ と 大きな カエル と か そういった 化け物 と 遭遇 する けど 現実 で 見る と 驚く だ ろ 。 |げーむ|||||おおきな|かえる||||ばけもの||そうぐう|||げんじつ||みる||おどろく||

俺 の 腰 くらい まで ある 大き さ の カエル 、 ビッグフロッグ と 遭遇 して 、 思わず 叫んで しまった 。 おれ||こし||||おおき|||かえる|||そうぐう||おもわず|さけんで|

「 では 行きます ね ！ |いき ます| 「 あ ！ まて ラフタリア ！ 俺 が ビッグフロッグ の 足 を 止める 前 に ラフタリア が 前 に 出る 。 おれ||||あし||とどめる|ぜん||||ぜん||でる

打ち合わせ で は 基本 的に 俺 が 先行 する と 決めて いた 。 うちあわせ|||きほん|てきに|おれ||せんこう|||きめて| ネット ゲーム と か だ と 知ら ない 魔物 と の 不用意な 接近 は 危険 を 招く 。 ねっと|げーむ|||||しら||まもの|||ふよういな|せっきん||きけん||まねく 俺 達 より も 格 上 の 強力な 魔物 である かも しれ ない から だ 。 おれ|さとる|||かく|うえ||きょうりょくな|まもの||||||

そう なったら 怪我 で は 済まない 。 ||けが|||すまない 最悪 、 命 を もって ツケ を 支払う こと に なって しまう 。 さいあく|いのち|||つけ||しはらう||||

「 てい ！ ラフタリア は 俺 の 制止 を 振り切って 先 に ビッグフロッグ に 剣 で 切り 掛かった 。 ||おれ||せいし||ふりきって|さき||||けん||きり|かかった

ビッグフロッグ は ラフタリア の 攻撃 に 興奮 した ように 叫び声 を 上げる 。 ||||こうげき||こうふん|||さけびごえ||あげる

チッ ！ 一体 どうした と 言う んだろう か ？ いったい|||いう|| 俺 が 先行 して 動き を 止めて から 攻撃 する と いう 作戦 を 忘れて しまった の か ？ おれ||せんこう||うごき||とどめて||こうげき||||さくせん||わすれて|||

ビッグフロッグ が 頬 を 大きく 膨らまし 、 ラフタリア に 向けて 尖った 舌 を 射 出 する 。 ||ほお||おおきく|ふくらまし|||むけて|とがった|した||い|だ|

「 危ない ！ あぶない 俺 は 咄嗟に 前 に 出て ビッグフロッグ の 攻撃 を 受け止める 。 おれ||とっさに|ぜん||でて|||こうげき||うけとめる

ラフタリア に 怪我 を さ せる わけに は いか ない 。 ||けが|||||||

「 ピイ ！ フィーロ が 俺 の 頭 の 上 で 興奮 して いる の か 、 シャドー ボクシング よろしく 暴れ まわる 。 ||おれ||あたま||うえ||こうふん|||||しゃどー|ぼくしんぐ||あばれ|

「 とにかく 動き を 止める から 落ち着け ！ |うごき||とどめる||おちつけ 「 ですが ──」

「 いい から ！ 何 だろう か 、 ラフタリア と の 呼吸 が 合わ ない 。 なん||||||こきゅう||あわ| 波 以前 は そんな ズレ を 感じた こと は 一 度 も なかった のに 、 これ は どういう 事 だろう か 。 なみ|いぜん|||ずれ||かんじた|||ひと|たび|||||||こと||

ラフタリア に 怪我 なんて さ せたら 、 死んで しまった ラフタリア の 両親 に 申し訳 が 立た ない と いう のに 。 ||けが||||しんで||||りょうしん||もうしわけ||たた|||| 俺 は ラフタリア の 親 代わり に なる と 決めた んだ 。 おれ||||おや|かわり||||きめた|

ビッグフロッグ が 俺 に ターゲット を 移して 舌 を 再 発射 した 。 ||おれ||たーげっと||うつして|した||さい|はっしゃ|

よし ！ 俺 は その 舌 を 無理やり 掴む 。 おれ|||した||むりやり|つかむ ガキン と 掴んだ 手 から 音 が した 。 ||つかんだ|て||おと||

「 今 だ ！ いま| 「…… わかりました ！ わかり ました 待ってました と 言わんばかり に ラフタリア は 目 を 白黒 さ せる ビッグフロッグ に 剣 で 切り 掛かる 。 まって ました||いわんばかり||||め||しろくろ|||||けん||きり|かかる アッサリ と ビッグフロッグ は 絶命 し 、 俺 達 に 経験 値 が 入った 。 ||||ぜつめい||おれ|さとる||けいけん|あたい||はいった

ふむ …… ヤマアラ より は 高い ようだ 。 ||||たかい|

「 ふう ……」

ラフタリア は なんとなく 不満 そうに 俺 の 顔 を 見て いる 。 |||ふまん|そう に|おれ||かお||みて| これ は やる 気 が 先行 して いる んだ な 。 |||き||せんこう|||| 注意 し ない と な 。 ちゅうい|||| こういう 時 こそ 慢心 が 生まれて 大怪我 を して しまう んだ 。 |じ||まんしん||うまれて|おおけが||||

「 ラフタリア 、 できる 限り 注意 して 行こう 」 ||かぎり|ちゅうい||いこう

「 ですが 次の 波 まで 時間 が ない で すよ ？ |つぎの|なみ||じかん|||| 一 匹 でも 多く 魔物 を 倒し 、 強く なりたい です ！ ひと|ひき||おおく|まもの||たおし|つよく|なり たい| 「 一 ヶ月 半 も ある んだ 。 ひと|かげつ|はん||| 無理 を して 戦え なく なる より は 良い だ ろ 」 むり|||たたかえ|||||よい||

「…… そうです ね 。 そう です| ですが 私 は もっと 、 強く なりたい のです ！ |わたくし|||つよく|なり たい| 一応 納得 は して くれた 、 か ？ いちおう|なっとく||||

俺 は 他の 勇者 共 みたいに 、 弱い 魔物 が 生息 して いる 場所 を 知ら ない 。 おれ||たの|ゆうしゃ|とも||よわい|まもの||せいそく|||ばしょ||しら| だから 地道に 魔物 を 倒して いく しか ない のだ 。 |じみちに|まもの||たおして||||

「 グゲエエエエ ！ な !? おかしな 鳴き声 に 振り返る と 、 ビッグフロッグ を 二 倍 に した ような 、 紫色 の ビッグフロッグ と 灰色 の サンショウウオ みたいな 魔物 が こっち に 向かって 来て いる の が 見えて くる 。 ||なきごえ||ふりかえる||||ふた|ばい||||むらさきいろ||||はいいろ||||まもの||||むかって|きて||||みえて|

「 ピイ ！ フィーロ が また も 俺 の 頭 の 上 で 戦闘 態勢 を 取って いる 。 ||||おれ||あたま||うえ||せんとう|たいせい||とって|

お前 は 戦力 外 だ 。 おまえ||せんりょく|がい| そんな 所 に いられる と 迷惑だ から と 、 鎧 の 内側 に 押し込む 。 |しょ||いら れる||めいわくだ|||よろい||うちがわ||おしこむ 「 ピ ──」

「 行きます ！ いき ます 「 ダメだ ！ だめだ 俺 が 前 に 出て 行く ！ おれ||ぜん||でて|いく 「 ナオフミ 様 が 怪我 を したら どう する のです か !? 私 を 戦わ せる ため に 買った ので は ない のです か ？ |さま||けが|||||||わたくし||たたかわ||||かった||||| 「 俺 が 怪我 を する ほど の 相手 なら ラフタリア は もっと 酷 い 怪我 を する 。 おれ||けが|||||あいて|||||こく||けが|| そんな 真似 させる ため に 買った わけじゃ ない んだ ！ |まね|さ せる|||かった||| 最初 は そう だった けど 今 は 違う …… もっと 自分 を 大事に して くれ 」 さいしょ|||||いま||ちがう||じぶん||だいじに||

「 ナオフミ 様 ……」 |さま

と 、 俺 は 目の前 の 敵 、 アメジストビッグフロッグ と グレーウーパル を 相手 に 盾 を 構えて 走り出した 。 |おれ||めのまえ||てき|||||あいて||たて||かまえて|はしりだした 幸いに して 俺 の 防御 力 を 突破 する こと の できる 攻撃 で は ない 。 さいわいに||おれ||ぼうぎょ|ちから||とっぱ|||||こうげき||| ただ 、 見た 感じ 毒っぽい 粘液 を ぶつけて きた ので 盾 を 使い 、 弾いて 受け流した 。 |みた|かんじ|どく っぽい|ねんえき|||||たて||つかい|はじいて|うけながした 「 よし ！ 「 はい ！ ラフタリア の 剣 が 二 匹 の 魔物 を 突き刺したり 、 斬り 付けたり する と アッサリ と 魔物 を 倒す こと が できた 。 ||けん||ふた|ひき||まもの||つきさしたり|きり|つけたり|||||まもの||たおす||| おそらく 新調 した 武器 の お陰 だろう 。 |しんちょう||ぶき||おかげ| 鎧 も 期待 より も 優秀だ し 、 親父 に 感謝 だ 。 よろい||きたい|||ゆうしゅうだ||おやじ||かんしゃ|

一応 魔物 を 解体 して 盾 に 吸わ せる 。 いちおう|まもの||かいたい||たて||すわ|

カエル の 肉 は …… なんか 不 味 そうだ し 、 毒 も あり そうだ から 売れ ない な かえる||にく|||ふ|あじ|そう だ||どく|||そう だ||うれ||

「 ピイ ！ 鎧 の 隙間 から フィーロ が 這い 出て 来て 、 魔物 の 死骸 の 上 で 勝利 の ポーズ を 取る 。 よろい||すきま||||はい|でて|きて|まもの||しがい||うえ||しょうり||ぽーず||とる

お前 は 何も して ないだ ろ と 言い たく なった が 、 かわいい 盛り だ から 許す と しよう 。 おまえ||なにも|||||いい|||||さかり|||ゆるす||

今日 は 思いのほか 魔物 と の 遭遇 が 多く 、 しかも 効率 的に 倒して 回れた 。 きょう||おもいのほか|まもの|||そうぐう||おおく||こうりつ|てきに|たおして|まわれた

やがて 夕方 に 差し掛かった 頃 、 さすが の 俺 も フィーロ の 異変 に 気 が 付いた 。 |ゆうがた||さしかかった|ころ|||おれ||||いへん||き||ついた

その 日 の 結果 は こう だ 。 |ひ||けっか|||

俺 Ｌｖ 23 おれ|ｌｖ

ラフタリア Ｌｖ 27 |ｌｖ

フィーロ Ｌｖ 12 |ｌｖ

フィーロ は 碌 に 戦って い なかった の に 経験 値 が 入って Ｌｖ が 急 上昇 して おり 、 外見 が 目に見えて 変化 して いた 。 ||ろく||たたかって|||||けいけん|あたい||はいって|ｌｖ||きゅう|じょうしょう|||がいけん||めにみえて|へんか||

それ は 良い 。 ||よい 幼い 亜人 は Ｌｖ が 上がる と 肉体 が 急 成長 する と 聞いて いた し 、 魔物 も 同じ 理屈 で 育ち が 早く なる のだろう 。 おさない|あにん||ｌｖ||あがる||にくたい||きゅう|せいちょう|||きいて|||まもの||おなじ|りくつ||そだち||はやく||

ただ …… なぁ ……。

小さな ヒヨコ みたいだった フィーロ が 今では 両手 で 抱えて 持って も 重い ほど に 大きく 成長 し 、 なんて いう か 、 丸くて 、 饅頭 みたいな 体形 に なって いる 。 ちいさな|||||いまでは|りょうて||かかえて|もって||おもい|||おおきく|せいちょう|||||まるくて|まんじゅう||たいけい||| そして パラパラ と 羽根 が 生え 変わり 、 色 も 淡い ピンク から 桃色 に 変化 して いた 。 |ぱらぱら||はね||はえ|かわり|いろ||あわい|ぴんく||ももいろ||へんか||

徐 おもむろに 羽根 を 吸って みる 。 じょ||はね||すって|

魔物 使い の 盾 Ⅱ の 条件 が 解放 さ れました 。 まもの|つかい||たて||じょうけん||かいほう||れ ました 魔物 使い の 盾 Ⅱ まもの|つかい||たて

能力 未 解放 …… 装備 ボーナス 、 魔物 ステータス 補正 （ 小 ） のうりょく|み|かいほう|そうび|ぼーなす|まもの||ほせい|しょう

さすが に ラフタリア の 成長 に 気付か ない 俺 だって わかる ほど の 変化 だ 。 ||||せいちょう||きづか||おれ|||||へんか|

「 ピヨ 」

鳴き 方 まで 変わって いる 。 なき|かた||かわって| 重い から と 降ろしたら 自分 で トコトコ と 歩き 出した 。 おもい|||おろしたら|じぶん||||あるき|だした

ぐう う う ……。

先ほど から ずっと フィーロ より 聞こえて くる 音 に 嫌な 予感 が ヒシヒシ と する 。 さきほど|||||きこえて||おと||いやな|よかん||ひしひし|| 一応 多 めに エサ を 買って おいた んだ けど 、 とっくに 底 を 尽き 、 雑 食 らしい ので 道端 の 野草 と か 牧草っぽい もの を 与えて いる 。 いちおう|おお||えさ||かって|||||そこ||つき|ざつ|しょく|||みちばた||やそう|||ぼくそう っぽい|||あたえて| 食わせて も 食わせて も 尽き ぬ 食欲 …… これ は 急 成長 の 証 な んだろう な 。 くわせて||くわせて||つき||しょくよく|||きゅう|せいちょう||あかし|||

「 あの …… ナオフミ 様 ……」 ||さま

「 わかって る 。 魔物って 凄い な 」 一 日 で こんなに 成長 する と は …… これ なら 足代 わりに なる の も 時間 の 問題 だ 。 まもの って|すごい||ひと|ひ|||せいちょう||||||あしだい|||||じかん||もんだい| 期待 を する の は 良い が 、 体 だけ デカ く て 精神 が 未熟な 魔物 に なり そうで 怖い 。 きたい|||||よい||からだ|||||せいしん||みじゅくな|まもの|||そう で|こわい だから かなり 厳しい 制限 を 施して おいた 。 ||きびしい|せいげん||ほどこして|

宿 に 戻った 俺 は 店主 に フィーロ を 見せ 、 どこ で 寝か せれば 良い か と 尋ねる 。 やど||もどった|おれ||てんしゅ||||みせ|||ねか||よい|||たずねる すると 宿 の 馬 小屋 に 案内 さ れ 、 藁 を 巣 の 代わり に さ せて 寝か せる こと に なった 。 |やど||うま|こや||あんない|||わら||す||かわり||||ねか||||

「 ん ？ ここ に は キメラ の 肉 と 骨 が 置いて ある んだ な 」 |||||にく||こつ||おいて|||

まだ 腐敗 して いない ところ を 見る に 、 持ち は 良い の か 。 |ふはい|||||みる||もち||よい|| それとも 異 界 の 化け物 だ から 腐ら ない と か ？ |い|かい||ばけもの|||くさら|||

「 とりあえず 、 加工 し やすい ように 吊るして 柔らかく なる の を 待って いる のです よ 」 |かこう||||つるして|やわらかく||||まって|||

「 へ ー ……」 |-

食用 じゃ ない だろう に 、 一応 扱い やすい ように 加工 する の か 。 しょくよう|||||いちおう|あつかい|||かこう|||

「 それ から 燻製 や 干し 肉 に し まして 、 購入 者 を 募ろう と 思って おります 。 ||くんせい||ほし|にく||||こうにゅう|もの||つのろう||おもって|おり ます 今 でも 欲しい 方 に は 売って います 」 「 良い んじゃ ない か ？ いま||ほしい|かた|||うって|い ます|よい||| 結構 大きな キメラ だった ので まだ 在庫 は 結構 ある ようだ 。 けっこう|おおきな|||||ざいこ||けっこう|| 牛 二 頭 分 くらい は ある だろう か 。 うし|ふた|あたま|ぶん||||| 食用 に する に は 厳しい し 、 かといって 研究 資料 に 持っていく に は 多い 。 しょくよう|||||きびしい|||けんきゅう|しりょう||もっていく|||おおい

「 ピヨ 」

ぐう う ……。

まだ 腹 が 減って いる の か 。 |はら||へって||| 村 で 追加 の エサ を 貰って 与えて いた んだ が 、 あっという間 に 平らげて しまった 。 むら||ついか||えさ||もらって|あたえて||||あっというま||たいらげて| あの 体 の どこ に 入って いる んだろう か ……。 |からだ||||はいって|||

ビキ …… ビキビキ ……

骨 と 肉 が 軋む 音 ？ こつ||にく||きしむ|おと まだ 成長 して いる の か ？ |せいちょう||||

「 一 日 で ここ まで 育てる なんて …… かなり の ご 無理 を なさった ので は ？ ひと|ひ||||そだてる|||||むり|||| 店主 が 心配 そうに 俺 の 顔 を 見る 。 てんしゅ||しんぱい|そう に|おれ||かお||みる

「 まだ 、 Ｌｖ 12 な んだ が な 」 |ｌｖ||||

「 へ ？ Ｌｖ 12？ ｌｖ 俺 の 答え に 、 店主 は フィーロ を 見て 驚く 。 おれ||こたえ||てんしゅ||||みて|おどろく

「 生後 数 日 で ここ まで 育つ に は Ｌｖ 20 以上 必要だった と 思う のです が 、 さすが は 勇者 様 の 力 です ね 」 せいご|すう|ひ||||そだつ|||ｌｖ|いじょう|ひつようだった||おもう|||||ゆうしゃ|さま||ちから||

ん ー …… まあ 成長 補正 （ 小 ） が ある し 、 影響 を 及ぼして いる 可能 性 は 否定 でき ない な 。 |-||せいちょう|ほせい|しょう||||えいきょう||およぼして||かのう|せい||ひてい||| ステータス を 確認 する と 、 見る 度 に 変動 する 。 ||かくにん|||みる|たび||へんどう| 成長 中 なんだろう 。 せいちょう|なか|

「 ピヨ ！ 元気に 鳴いて いる フィーロ に 、 スクスク と 育て と 思う 。 げんきに|ないて||||すくすく||そだて||おもう

フィーロ の 頭 を 撫で 、 寝息 を 立てる の を 確認 する と 俺 は ラフタリア と 部屋 に 戻った 。 ||あたま||なで|ねいき||たてる|||かくにん|||おれ||||へや||もどった その後 は この 世界 の 文字 を 覚える ため に 勉強 を する 。 そのご|||せかい||もじ||おぼえる|||べんきょう|| やる こと が 多くて 困る 。 |||おおくて|こまる