イタズラなKiss2〜Love in TOKYO#1
♪~
( 客室 乗務 員 ) お 客 様
お 客 様
( 入江 琴子 ( いりえ こと こ )) あっ
お 飲み物 は いかがです か ?
( 琴子 ) あ はい
大丈夫です か ?
( 琴子 ) ええ すいません
コーヒー 紅茶 日本 茶 オレンジジュース と ございます が …
あっ じゃあ コーヒー …
コーヒー プリーズ !
かしこまり ました
( 機内 アナウンス ) ただいま シートベルト 着用 の サイン が 消え ました が ―
突然 揺れる こと も ございます ―
座席 で は 常に シートベルト を お 締め ください
どうぞ
( 琴子 ) サンキュー
( 堀内 麻里 ( ほりうち まり )) フッ …
( 入江 直樹 ( なおき )) 何 話せ も し ない 英語 しゃべって んだ よ
あら やだ 起きて た の ~?
俺達 が 行く の は 沖縄 だ ぞ 英語 話す 必要 ない だろう
だって 飛行機 乗る の 初めて なんだ もん
飛行機 って 言ったら ―
アテンション プリーズ ! コーヒー オア ティー ? でしょ
ったく 浮かれ すぎ だろ ?
そりゃ 浮かれ ます よ ~!―
だって ハネムーン なんだ も~ん !
( シャッター 音 )
( 琴子 ) そう 私達 …―
ハネムーン な んです もの ! 沖縄 に !―
しかも 私 の 横 に は …―
ずっと ずっと 大好き だった 入江 君 !
( シャッター 音 )
( 琴子 ) フフッ
なんだ よ
ん ?―
私達 ホントに 結婚 した んだ ね ~!
今頃 実感 が して きた よ
昨日 から 何回 見 りゃ 気 が 済む んだ よ 俺 は 寝る ぞ
入江 君 寝 ちゃう の ? せっかく の ハネムーン な んだ よ ?
お袋 の 趣味 に 付き 合わさ れて ―
いきなり 式 やら ハネムーン やら 勝手に 決め られて 疲れた んだ よ
( 麻里 ) ハネムーン です か ?
( 琴子 ) さっき 笑った 人 …
あ はい …
あたし 達 も な んです !―
ね ~!
( 堀内 巧 ( たくみ )) どうも
( 麻里 ) あら 旦那 さん 寝 ちゃった の ?
あ はい
( 麻里 ) え ~ かわいそう せっかく の ハネムーン な のに …
ねえ ~?
いやあ 僕 なら 麻里 ちゃん を 一人 に して
眠ったり なんて でき ない な
旦那 さん お 優しい んです ね
え ~ だって 巧 君 は あたし に メロメロ だ から ~
メロメロ …
はい もう 入社 して 来た 麻里 ちゃん を 見て
ああ この 子 だ ~! って
つまんない 社内恋愛 よ
おいおい つまんない って
えっと … あなた は ?
琴子 です 入 …
入江 琴子 です
やっぱり 旦那 さん から ?
やや やや … まさか ! 滅相 も ない !
え ?
私 達 は どちら か と いう と ―
私 の 方 が 一方的 に 押して 押して …
押して … って
( 琴子 ) 思えば 高校 の 入学式 の 時 ―
入江 君 に 一目ぼれ した の が 始まり だった
好き です
いら ない
( 入江 紀子 ( のりこ )) 今回 は 災難 でした ね
うわあ !
ご挨拶 が 遅く なり ました 長男 の 直樹 です
どうぞ よろしく お 願い いたし ます
俺 から 離れて 歩いて くれる ?
頭 の 悪い 女 は 嫌い な んだ よ
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) 琴子
ん ?
お~っ ―
何 ?
“ あなた は 私 の こと を 知ら ない でしょう けど ”―
“ 私 は 知って い ます ”―
“ 入学式 で 挨拶 した 入江 君 の 知性 と かっこよさ に 憧れて ”…
私 …
入江 君 好き な の もう やめる
じゃあ 忘れて みろ よ
ざまあみろ
しっかり 裕樹 ( ゆうき ) 君 ! 裕樹 君 ! しっかり !
( 入江 重樹 ( しげき )) うっ
う うっ
ああっ
パパ ! パパ ! 大丈夫 ?
親父 の 会社 は 俺 が 守る よ
( 金森 ( かなもり )) 直樹 さん こちら 北英 社 の 大泉 ( おおいずみ ) 会長 と …
( 大泉 ) 直樹 君 見合い を して みる 気 は ない か
( 金之助 ) お前 から 琴子 を 奪う ―
あんな 奴 の こと 俺 が 忘れ さしたる
あっ やめて ! 入江 君 !!
お前 は 俺 が 好き な んだ よ !
俺 以外 好き に なれ ない んだ よ
何 よ 自信 たっぷり に そう よ …
そう よ そう よ ! だって 仕方ない じゃない !
入江 君 は 私 の こと なんか 好き じゃない んだ もん !
私 の こと なんか …
( 直樹 ) 大好き だ よ
♪~
ざまあみろ
て いう わけ で ―
6 年間 の 片思い に 終止符 を 打ち ―
晴れて 結婚 ! … に 至った って いう か
頑張った の ねえ ~ 琴子 さん
あ … やだ 私 ったら
奇跡 の 大 逆転 だった んです ね
大 逆転 って …
じゃあ 押せ 押せ で 押し倒した って わけ ね ? やる ~!
まさか ! 私 達 は まだ …
健全 な … あ 健全 な …
( 琴子 ) 昨日 入江 君 疲れた って 先 に 寝 ちゃった し …
( 麻里 ) え ? まさか それ って …
うっそ ~! まだ エッチ して ない の ~?
シーッ ! シーッ !
え ~ ちょっと 今時 珍しい って いう か
でも … 心配 じゃない ?
え ?
女 と して 求め られ ない なんて ―
あたし だったら ショック だ なあ ―
魅力 ない の かな あって 悩ん じゃう
いや あの お …
大丈夫 ? 成田 離婚 … なんて ことに なら ないで ね ~
あ 成田 じゃなかった わ ね 羽田 羽田 アハハ ―
間違え ちゃったあ
な … な …
成田 … 離婚 !?
( 麻里 ) あ ~ なんか ちょっと 疲れ ちゃった
巧 君 肩 マッサージ して !
はい よろこんで !
( 琴子 ) な … 成田 離婚 !?―
新婚 早々 なんで そんな こと 言われ なきゃ いけない の !
♪~
( 直樹 ) どうした ?
私 の サングラス
サングラス ?
お前 鳥目 だ から 必要 ない だろ ?
鳥目 でも まぶしい 時 は まぶしい んです ~
うん よいしょ よいしょ …
( 直樹 ) ホテル に 着いて から で いい だろう
( 琴子 ) ううん 今 かけ たい の …
あれ ? 開か ない
( 直樹 ) え ?―
そんな わけない だろ
( 琴子 ) えっ 鍵 壊れた の かなあ ~?
( 直樹 ) え ?
おい 無理 す んな
開いた !―
開いた 開いた よ ! 入江 君 !
お ?
お前 そんな の 着る の か ?
やあだ 私 こんな の 着 ない
こんな 派手 な 水着 着る 人 見て みたいな ~
( 麻里 ) あ ! それ あたし の !
それ … 私 の ?
(3 人 ) あー !
ホテル まで 一緒 だ なんて 嬉しい わ ~
( 琴子 ) どうして より に よって この 人達 って いう か ―
この 女 と 一緒 な の ?
( 麻里 ) あ そうだ !―
この後 一緒に お 食事 と か どう です かあ ~?
はい 入江 君 ! 早く お 部屋 に 行こ ! ほら !―
じゃ 失礼 しま~す
やっと 二人きり に なれた ね
琴子 ! 前 !
( 琴子 ) ごめんなさい ! 大丈夫 でした か ?
ケガ は ?
( コ ・ ミナム ) ダイジョウブ デス ヨ
コ … ミナム ?
( 外国語 )
( 外国語 )
A . N . JELL の コ ・ ミナム ?―
カン ・ シヌ ? ジェルミ ?
そう だ よ
〈 僕 は コ ・ ミナム 〉
( カン ・ シヌ )〈 カン ・ シヌ 〉
( ジェルミ )〈 ジェルミ だ 〉
わ ~! すご~い !―
入江 君 ! すごい ! A . N . JELL だ よ
台湾 の 人気 バンド の A . N . JELL だ よ !
台湾 の ?
私 すっごい 大好き な の ~!
ねえ ねえ 入江 君
なんで A . N . JELL が 沖縄 に 来て る か 聞いて
自分 で 聞け よ
だって 言葉 わかんない んだ もーん ほら ほら !
〈 PV の 撮影 な んだ 〉
〈 うん 沖縄 は 最高 だ ね 〉
え 何 何 ? なんて 言った の ?
PV の 撮影 で 来て る ん だって
( 琴子 ) そう な んだ ね ~!―
あ ~ もう 素敵 ~!
( ミナム ) じゃあ いい 旅 を
バイバイ
お 幸せに ~!
ありがとう ~!―
バイバイ !
行く ぞ
はあい
うわ ~! 素敵 ~! 素敵 !
わ ~!―
海 だ ~!―
砂浜 ~! 青い 空 ~!―
沖縄 だ よ ! 沖縄 だ よ 入江 君 !
少し 落ち着け よ
( 琴子 ) ああ ~! お ~!
お姫様 みたいな ベッド ~!―
広い から 転がれ ちゃう よ ~―
ねえ ねえ 見て 見て 入江 君 …
( 琴子 ) そう だった … 今夜 この ベッド で …―
入江 君 と …!―
私 ホントに 入江 君 と 結ばれる んだ …
入江 君 …
ん ?
あの …
私 いい お 嫁 さん に なれる ように 頑張る から だ から …
だから 見捨て ないで ね
さっき は A . N . JELL に 夢中 だった くせ に
え ?
いや
期待 して ない から …
そのまんま で いい よ
そのまんま で いろ
♪~
( 着信音 )
はい …
( 麻里 ) もしも~し ! 直樹 さん ?―
ア ・ タ ・ シ
直樹 さ ~ ん !
直樹 さん ! 琴子 さん ! こっち こっち !―
席 とって ます よ 早く ~!
( 琴子 ) 何 よ ―
直樹 さん 直樹 さん って 馴れ馴れしい !
直樹 さ~ん こっち こっち ! 席 用意 し とき ました ~!
やあ どーも どーも
ここ プール サイド で ドリンク 飲める んです って !
直樹 さん 一緒に 注文 し に 行き ましょ ?
あ じゃあ 私 が …
いい です よ
行き ましょ !
すいません ウチ の 麻里 ちゃん
すっかり 直樹 さん 気 に 入っ ちゃった みたい で …
ちょっと ! 巧 さん … でした っけ ?
あなた ご 自分 の 奥様 に
どういう 教育 を して らっしゃる んです か ?
え ?
わかって ん なら 止め なさい よ !
あなた 旦那 さん でしょ ? いい の ?
いや ~ 僕 ずーっと 片思い だった から
やっと 結婚 して もらった って 感じ で
何 弱気 な こと 言って ん の よ !
結婚 して んだ から 立場 は 一緒 でしょ ?
フィフティ フィフティ よ !
( 入江 裕樹 の 声 ) バカ 琴子 ―
お前 に そんな こと 言え ん の か よ
ん ?
( 琴子 ) 今 裕樹 君 の 声 が 聞こえた ような …
( 麻里 ) なんだか あの 二人 気が合う みたい ね
あたし達 は あたし達 で よろしく やり ましょう か ?
( 琴子 ) あ ~!
ちょっと 入江 君 ! ベタベタ して ~!
あっ ああっ
ちょっと もう ! 冷たい ~!
ちょっと もう ! 冷たい ~!
( スタッフ ) 大丈夫 です か ?
何 よ もう !
すいません すぐ タオル お 持ち し ます !
もう ~ 何これ !
( 女性 ) オー ! アイムソーリー
ちょっと 何 す ん の よ !
ナイス ! 金髪 さん !
麻里 ちゃん 大丈夫 ?
ああ っ
大丈夫 ? 麻里 ちゃん
( 麻里 ) もう ~ 最低 !
ソーリー ヴェリー マッチ
ワタシ ノ ミステイク デス
( サンディ ) ヘイ マム ! カモーン !
レッツ ゴー トゥー ビーチ !
( 女性 ) サンディ ! ウェイト !
ソーリー !
あれ ? あの 人達 …
外国 の 人達 だった んだ ね !
( チーン )
え ~! 直樹 さん って 医者 の 卵 な んです か ?
いえ 医者 を 目指して る って いう だけ です から
いやあ 目指して る だけ でも すごい です よ
でも 入江 君 だったら 絶対 に すぐ 医学部 入っ ちゃい ます よ !
なん たって IQ 200 です から ね !
お 二人 は 琴子 さん の 猛烈 な プッシュ が あって
結婚 した んです よ ね ?
猛烈 …
だ~って 入江 君 は 全然 違う 世界 の 人 だ から …
“ 入江 君 ” って … 結婚 して る のに 君づけ なんて
おっかし ~
まだ 名前 で 呼べ ない 関係 なんだ
麻里 ちゃん !
これ は … 長年 の 癖 で … つい !
あら あれ っぽっち の お 酒 で …
( 直樹 ) 琴子 部屋 着いた ぞ
おい …
琴子
奥さん 部屋 に 着いた ぞ ―
ったく …
入江 君 …
大好き …
( 琴子 ) あ ~!―
シーサー だあ ~! かわいい ~!―
わあ ねえ 入江 君 一緒に 撮って もらおう よ
いい よ
ねえ 誰か に 撮って もらおう 誰か い ない かな ?
あっ すいません
写真 撮って もらって いい です か ?
( ロッキー ) オフコース ! ザッツ OK ヨ ~
あ ~ ありがとう ございます ! お 願い し ます ―
ほら ほらっ 入江 君 !
( ロッキー ) オー フィット フィット !
もっと ぎゅっと フィット !
( ロッキー ) イエス イエス ! プリティ ~ おお ノー ボーイ !
ルック ルック ! ルック アット ミー !―
アンド スマイル スマイル !―
フィーバー !!―
オーケー ! ハイ ちーん すこう ~!
オーケー ! ハイ ちーん すこう ~!
( シャッター 音 )
( シャッター 音 )
イエース ! ラッフィ ~!
ありがとう ございます !
確認 して
確認 して
あ はい 大丈夫 です !
あ はい 大丈夫 です !
ありがとう ございます
イエーイ OK !
( ボブ ) ロッキー ! カモーン !
( ロッキー ) OH ボブ ! ソーリー !―
OH ! ソーリー
( ボブ ) ハリ アップ
イエーイ イエーイ
あの 人達 どっか で …
あ ~! プール で 一緒 だった 人 だ …
あ ~! プール で 一緒 だった 人 だ …
( チーン )
( チーン )
( チーン )
プール で 一緒 だった 人 だ よ ね ~!―
プール で 一緒 だった 人 だ よ ね ~!―
同じ とこ 来て ん だ 偶ー然 ~!―
まー そうだ よ ね おすすめ スポット だ もん ね !―
あ ~ 楽しかった お腹ぺっこぺこ
それじゃ いただき まーす
いただき ます
( 麻里 ) あら 偶然 ~!―
お昼ご 一緒 して も いい です か ~?
失礼 しまーす !
何 されて た んです か ? 今 まで
エイサー ショー を 見 に
エイサー ショー !
あたし達 も 次 行く んだ よ ね ー ? 楽しみ だ ね 巧 君 !
どう でした 直樹 さん 楽しかった です か ?
楽しかった です !
( はしゃぎ声 )
( スタッフ ) こちら この 辺 支えて もらって …―
一緒に こちら 持って いただけ ます か ?―
はい チーズ !
( シャッター 音 )
わ ~ 何 これ !―
すごい 色 の 魚 ~―
入江 君 ヤシガニ だって !
これ おいしい の かな
すいません ! これ ください
( 店員 ) はい―
はい じゃ どうぞ 2 階 へ ご 案内 し ます
はい !
( 直樹 ) 行く ぞ
( 麻里 ) 直樹 さ~ん ! こっち こっち !―
早く 空いて る よ 席
早く ! 直樹 さ~ん
( 麻里 ) 直樹 さ~ん !!―
早く 直樹 さーん ! こっち でーす !―
見えて ます か ~ 早く ! こっち で 待って ます よ !
直樹 さーん !
( 琴子 ) もう ~! なんで こう 毎日毎日 邪魔 に 入って くる の ?
( 麻里 ) じゃじゃーん ! こちら 正殿 に なり ます
昔 琉球 の お 城 だった んです って ~!
龍 が 1 2 3… 3 体 ~! シーサー じゃない んです ね ―
真っ赤 な お 城 ~! 直樹 さん 何色 が 好き な んです か ?
ウソ でしょ …
いつの間にか いつの間にか …―
沖縄 最終日 に なっ ちゃった よ ~!―
今夜 で おしまい …
明日 東京 帰る のに …
私達 … まだ 何にも ない !
これという の も あの 夫婦 が 毎日 邪魔 する から …
夜 は 夜 で お 酒 に 誘われる し …
すごい 麻里 と 一緒 か な ?
あ ! 結婚 の 婚期 一緒 です よ ほら
あれ ? 二重 運命 線 !?
はい お代わり !
そりゃ 弱い の に つい 飲ん じゃう 私 も 悪い けど さ
( 琴子 ) おかげで 全然 ロマンチック な 雰囲気 なんて ―
ほど遠く …
成田離婚 … なんて こと に なら ないで ね ~
どう しよう このまま 何にも なかったら
琴子 ちゃん ! 期待 して る わ よ
お 義母 ( かあ ) さん の ため に もう うん ! 私 の ため に !
このまま じゃ 絶対 東京 に 帰れ ない !
今夜 こそ は ! しょ …
しょ …
初夜 を 迎える ぞ ー !
( 琴子 ) わ ~ ジンベエザメ だ ! 大きい ~!
( 琴子 ) 今夜 こそ 入江 君 と …
はぁ …
( 琴子 ) うわあ ~! 見て 見て 入江 君 !―
素敵 な チャペル ~!
( カメラマン ) はい 奥さん いい 笑顔 いい 笑顔 旦那 さん 笑顔 いい です ね ―
はい いき ます よ ! はい チーズ !―
はい いき ます よ ! はい チーズ !―
( シャッター 音 )
( シャッター 音 )
いい です ね もう 一枚 いき ます はい いい 角度 !―
いき ます よ はい チーズ !―
( シャッター 音 )
( シャッター 音 )
もう 一枚 いき ます はい チーズ !―
もう 一枚 いき ます はい チーズ !―
もう 一枚 いき ます はい チーズ !―
( シャッター 音 )
( シャッター 音 )
( シャッター 音 )
いい 画 撮れ ました ね
いい 画 撮れ ました ね
奥様 の 肩 に 優しく 手 を 添えて ください
優しく です よ ―
そう です そうです いい 笑顔 ! 奥さん いい 笑顔 !―
旦那 さん 笑顔 笑顔 ! 旦那 さん 笑顔 です よ ―
はい チーズ !
はい チーズ !
( シャッター 音 )
( シャッター 音 )
や ~ よかった !
予約 も して ない のに 写真 だけ でも 撮って もらえて
結婚 式 の 感動 が また よみがえって きた ~!
った く もう 二度と や ん ねえ から な
ありがとう ございました
いえ この後 ちょうど 新婚 さん の 予約 が 入って た んで
ちょうど よかった です よ
新 … 婚 … さん …
( カメラマン ) お ? 来た かな 新婚 さん
( スタッフ ) こちら で ございます
( 麻里 ) あら ~! お 二人とも いらして た の ~?
( 巧 ) またしても お 会い し ちゃい ました ね ~
お 知り合い ?
ええ … まあ
( 麻里 ) 直樹 さん 素敵 ~! 背 が 高い から よく 似合う の ね
ほら ~ あたし と 身長 が ぴったり ~!
そう だ
せっかく だ から 直樹 さん と も 撮って もらっ ちゃおう かな
いや ~ それ は どうかな
( 麻里 ) ねえ 琴子 さん に も 巧 君 貸して あげる から ―
ね ~ 直樹 さん
( 直樹 ) せっかく だ けど
俺 達 は もう 行か なくちゃ いけない んだ
え ?
土産 もの 買い に 行く ん だろ ?
あ うん
行く ぞ 琴子
はいっ よいしょ
待って 入江 君 !
ふん
( 扉 の 開閉 音 )
( ノック )
どうした ん です か ?
麻里 が …
麻里 が …!
う~ん いた たた たた ~
さっき 急に お腹 が 痛い って 言い 始めて …
病院 病院 に 行けば …
それ が 今日 は 休み だ し この 時間 じゃ 病院 は …
じゃあ 救急車 !
それ が 麻里 ちゃん が 大げさ に し たくない って
はあ ?
たぶん 寝て れば 治まる から …
あ ~ 痛い ~
麻里 ちゃん 大丈夫 ? ね ? 大丈夫 ?
直樹 さん !
君 医者 に なり たい って 言って た よ な ?
何とか して くれ ない か ?
そんな !―
医者 目指して る から って 入江 君 は まだ …
わかった
とにかく 見て み ましょう
( 琴子 ) えっ
吐き気 は ?
ない みたい です
熱 は ?
うん 熱 も 特に …
ちょっと 脈 はかり ます よ
直樹 さん 麻里 は … 麻里 は 大丈夫 な ん でしょう か ?
どのへん が 痛い ? ちょっと お腹 見せて
( 麻里 ) え …
( 琴子 ) え ! やだ 入江 君 ! そんな 人 の 身体 さわん ないで
ねえ やっぱり 救急車 呼んだ 方がよく ない ?
病状 に よる って
だって じゃあ ディナー は ?
今 それ どころ じゃない だろ ?
( 麻里 ) 痛い …
やだ ! 触ん ないで よ 入江 君 !
他 の 女の人 なんか 触ん ないで !
いい加減にしろ よ !
お前 は 医者 に なろう って 男 と 結婚 した んだ ろ ?
ちょっと は 自覚 しろ って
入江 君 …
患者 の 状態 を 見て いる 夫 に
これ から も いちいち そんな こと 言う の か ?
そんな くだらない こと に 付き合って られる かよ !―
それ が わかんない よう なら 一緒に なんか いられ ない
直樹 さん ちょっと 言いすぎ じゃ …
( 麻里 ) うう … 痛い …
こ …
( ドア の 開閉 音 )
( ドア の 開閉 音 )
琴子 さん !
大丈夫 です か ? 奥さん 追いかけ なくて …
奥さん … 大丈夫 です ね 軽い 食あたり でしょう
この 時間 なら 薬局 開いて ます から ―
普通に 胃薬 飲めば 痛み は 治まって くる と 思い ます
はぁ … ありがとう ~
( 麻里 ) 巧 君 買って きて
うん わかった … すぐ !
奥さん 早く 迎え に 行って あげた 方 が
( 麻里 ) 巧 君 早く !
はい ! じゃ …
じゃ … 俺 は これ で
直樹 さん て 冷たあい
ま 琴子 さん が 相手 じゃ 仕方ない か
ホント は 好き じゃない ん じゃない の ?
お腹 痛い ん じゃない んです か ?
お 芝居 し ちゃった
お 芝居 ?
だって 直樹 さん と 二人っきり に なり たかった んだ もん 麻里
聞いた わ あなた達 って まだ 何もない んです って ?
ま 無理もない わ ね
琴子 さん じゃ 手 出す 気 に も なれ ない ん でしょ ?―
一目ぼれ な の あたし ―
琴子 さん より も 先 に 直樹 さん に 巡り合えて れば よかった のに
そしたら お互い 間違った 結婚 し なくて も 済んだ のに
今 から でも 遅く ない わ
うるさい んだ よ
え ?
お前 みたいな 女
100 回 巡り合った として も ―
100 回 と も 無視 して やる !
ちょ …
お前 と 琴子 を 比べる な
ごめん ごめん 財布 忘れ ちゃって …―
どうした の 麻里 ちゃん ?
直樹 さん 怒ってる みたい だった けど
許せ ない
え ?
この あたし を バカにする なんて …
麻里 ちゃん ?
あんな 二人 絶対 別れ さして やる !
何 よ あんなふうに 言わ なく た ってもいい じゃな …
何すんの よ !
それ は こっち の セリフ だ !
なんで あたし が 殴られ なきゃ いけない の ?
巧 なんか に ! 結婚 して あげた のに !
もう いい 別れる ! 別れて やる !
確かに !
俺 の 一方的 な 片思い だった よ !
でも 結婚 した んだ から 立場 は 一緒 だ !
君 は 俺 の 妻 だ ! 他 の 男 なんか 見る な !
わかった か
はい
( 琴子 ) 私 って ば 最低 …―
恥ずかしくて 死ん じゃい たい ―
医者 に なり たい って 入江 君 の 気持ち ―
わかって た はず な のに …
ここ どこ なんだろう ?
( 琴子 ) これ って 完全に 迷子 だ よ ね ―
どこ を どう 走った の か 全然 覚えて ない ―
お 財布 忘れて き ちゃった し ―
なんか 怪しい 街 に 来 ちゃった みたい
( 男性 ) Hey ! Excuse me . Can I help you ?
( 琴子 ) ノー ! ちょっ …
アイムソーリー ! アイムソーリー …
( 琴子 ) さらわれる ! 私 このまま さらわれ ちゃって ―
初夜 どころ か 二度と 入江 君 に 会え なくなっ ちゃう の かも !―
入江 君 助けて !
入江 く~ん !
入江 君 大好き ~!―
成田 離婚 し たくなかった よ ー !―
助けて ~!―
やだ ~ 助けて ~!
何 やって んだ ? あいつ ?
〈 俺 の 妻 に 何か用 か ?〉
Your wife ?
( 琴子 ) 入江 君 !
琴子
( 琴子 の 泣き声 )
( 琴子 ) もう 会え ない か と 思った
もう 見つけて くれ ない ん じゃない か って 思った …
大丈夫だ から もう
Ha ha ha …
この 人 は お前 が 迷子 の 小学生 か と 心配 して
声 を かけて くれた そうだ
小学生 ?
悪い 人 じゃなくて ?
とにかく 謝れ よ
アイムソーリー
OK , OK , OK ! Don ' t worry ! Don ' t worry !
It ' s OK ! Thank you ! You guys are nice . Good Luck !
I wish you guys can enjoy your fantastic
and good amazing honeymoon !
サンキュ ~!
Have a great day ! Thank you !
アハハ …
来て くれて ありがとう
あんな 大声 で 叫ばれ ちゃ な
だって …
今時 成田 離婚 って
あ …
それ を 言う なら 羽田 離婚 だ ろ
った く
ごめんなさい … ヤキモチ 焼い ちゃって
私 自分 の こと しか 考えて なくて や な 女 だった だ から …
バカやろう 心配 した だろ ?
♪~
( シャッター 音 )
いい わ ~
買っ といて よかった わ この 高感度 カメラ ウフフ
( シャッター 音 )
( 琴子 ) 私 の 中 の グチャグチャ で …―
どうして いい か わからない イライラ して た 気持ち が ―
あったかくて 甘い お 菓子 みたいな もの に 変わって いく 感じ
今日 まで 長かった な
うん でも 平気
入江 君 と 一緒に いる だけ で 嬉しかった もん
俺 は もう 平気 じゃない
♪~
( 琴子 ) 幸せ を はかれる 秤 が あったら ―
その日 私 は 世界一 幸せ だった はず ―
この 日 を 一生 忘れ ない から ―
絶対 に
あ~ん あっという間に 終わっ ちゃった ~
名残惜しい なあ もう 沖縄 が 恋しい
ハネムーン な のに あんまり 二人 で 遊べ なかった し
( 麻里 ) はい 巧 君 あ~ん
( 巧 ) あ~ん
お … おいひ ~
何それ え ~
麻里 ちゃん も
はい
どーなってんの ? あの 二人
誰 の せい で こんな やきもき した と 思って ん の !
よかった じゃねえ か
まあ そう だ けど さ …
ん ?
ううん
( 琴子 ) 短い 間 だった けど ―
素敵な 思い出 を 作って くれた 沖縄 ―
お 待た せ し ました お 義母 さん ―
私 と 入江 君 やっと ご 期待 に 添え ました
( シャッター 音 )
( くしゃみ )
エクスキューズミー
ペロン 甘い
おいひ ~
♪~
あー 楽しかった !
また 行き たい ね 入江 君
ああ そう だ な
次 は 絶対 ずーっと ずっと …
( 金森 ) 直樹 さん
金森 さん
お かえり なさい 直樹 さん
そして 奥様
奥様 って
どうした ん です か こんな ところ に
お迎え に 上がり ました
お迎え ?
どうした ん です か ?
会社 で 何か あった んです か ? 親父 が 留守 の 間 に …
え ? お 義父 ( とう ) さん お 留守 だった の ?
私 の 口 から は …
え ? 家 に 向かって る ん じゃない んです か ?
え ?
金森 さん どこ に 行く んです か ?
まもなく です
まもなく …?
♪~
♪~
( じんこ ・ 理美 ( さとみ )) えーっ ! 入籍 して ない !?
( 直樹 ) まだ 籍 入れる つもり ない から
私 入江 君 の こと よく わかんなくて
いい です よ
( 理美 ) なんか 訳がある ん じゃない か な
( 青木 ( あおき ) 達 ) 「 ラケット 戦士 コトリン 」!
新妻 失格
琴子 を もてあそぶ な !
男の人 って 何 考えて る んです か !
( 琴子 ) 入江 君 に 会い たく ない …
こんな の 結婚 なんて 言え ない よ !
じゃあ やめれば