イタズラ な Kiss 2〜Love in TOKYO#2
( 入江 琴子 ( いりえ ことこ )) 私 達 ホントに 結婚 した んだ ね ~!
( 堀内 麻里 ( ほりうち まり )) ハネムーン です か ?
直樹 ( なおき ) さ~ん !
( 琴子 ) 何 よ 直樹 さん 直樹 さん って
あっ ああっ
( 女性 ) ソーリー ヴェリー マッチ
あの 人達 どっか で …
( ボブ ・ ロッキー ) イエーイ イエーイ
( スタッフ ) はい チーズ !
( 麻里 ) 直樹 さ~ん !!
早く 直樹 さーん !
( 琴子 ) もう ~! なんで こう 毎日 毎日 邪魔 に 入って くる の ?
う~ん いた たた たた ~
( 入江 直樹 ) どの へん が 痛い ?
やだ ! 触 ん ないで よ 入江 君 !
他 の 女 の 人 なんか 触 ん ないで !
いい加減にしろ よ !―
お前 は 医者 に なろう って 男 と 結婚 した んだ ろ ?
( 琴子 ) 私 ってば 最低 …―
医者 に なり たい って 入江 君 の 気持ち わかって た はず な のに …
直樹 さん て 冷たあい
ま 琴子 さん が 相手 じゃ 仕方ない か
ホント は 好き じゃない ん じゃない の ?
お前 みたいな 女 100 回 巡り合った と して も ―
100 回 と も 無視 して やる !
心配 した だろ ?
あー 楽しかった !
また 行き たい ね 入江 君
ああ そう だ な
次 は 絶対 ずーっと ずっと …
( 金森 ( かなもり )) 直樹 さん
( 直樹 ) 金森 さん
どうした ん です か こんな ところ に
お迎え に 上がり ました
会社 で 何か あった んです か ? 親父 が 留守 の 間 に …
え ? お 義父 ( とう ) さん お 留守 だった の ?
私 の 口 から は …
金森 さん どこ に 行く んです か ?
( 金森 ) まもなく です
どうぞ お 入り ください
( 直樹 ) ここ は ?
どうぞ
( 一同 ) おかえりなさーい !!
( 拍手 )
( 入江 紀子 ( のりこ )) お 兄ちゃん ほら 入って 入って !―
さあ 琴子 ちゃん も どうぞ ほら ほら !
( 入江 重樹 ( しげき )) 金森 君 サンキュ !
ハネムーン お疲れ様
お袋 達 も ね
えっ …
オホホ … 何の こと やら ?
それ より この 家 …
今日 から 私 達 入江 家 と 相原 ( あいはら ) 家 が 暮らす 新居 よ !
これ から ほら …
ベイビー ちゃん が 生まれたり したら
前 の お家 じゃ 何かと 手狭 じゃない ?
そう 思って 思い切って 建て ちゃった ー !
( 相原 重雄 ( しげお )) また お 言葉 に 甘え させて もらっ ちゃった よ
( 入江 裕樹 ( ゆうき )) ねえ ねえ 僕 の 部屋 も ある んだ よ
だいたい 子供 の 話 は まだ 早い よ
それ に …
これ は 何 な んだ !
おお !
あーっ !
恥ずかしい けど 素敵 !―
って いう か これ 沖縄 いつの間に ?
( 直樹 ) お前 まだ わかんない のか
ついてきて た んだ よ この 人達 は 沖縄 に
えーっ !
あ 金髪 の …
あ … 抱きついて 抱きついて た …
これ はずして くれ !
( 重樹 ) まあまあ 直樹 ―
気持ち は わかる けど いい 写真 じゃない か
( 重雄 ) 確かに 奥さん いい 腕 し ちょる ばい
まあ !
あれ だけ たくさん 撮ったら ね
はずして くれ ! 客 が 来たら どう 思う ?
まあ ! 円満 な 家庭 ね って 思う に 決まって る じゃない
わあ
ここ が リビング よ どう ?
広ーい !
ねっ 琴子 ちゃん こっち も 見て !―
ほら ほら みんな 早く こっち こっち !
ここ が … じゃーん ! キッチン よ
お ー !
( 紀子 ) さ ー 入って 入って !―
ここ が 二人 の ベッドルーム よ
素敵 な ベッド !
( 紀子 ) はーい ここ が ベイビー ちゃん の お 部屋 ―
どう ?
素敵 ! かわいい !
( 琴子 ) そう な んです ―
ついに 私 は あの 憧れ の 入江 直樹 君 と ―
結婚 し ちゃった んです
♪~
( 目覚まし時計 の 音 )
よし …
起きた …
( 琴子 ) いよいよ 奥さん 初日 ―
エヘヘ 隣 に は 愛し の 旦那 様 …―
入江 君 が まだ 眠って る ―
今日 から 毎朝 この かわいい 寝顔 を 見 られる なんて …―
し ・ あ ・ わ ・ せ ―
よ ー し ! この 完璧な 旦那 様 の ため に ―
完璧な 朝食 を 作る ぞ お !
お ー っ !
( 琴子 ) 朝食 は 純 和風 で ―
お 豆腐 の 味噌汁 に アジ の 開き それ に だし 巻き 卵 …―
って いう の が いい わ よ ね ―
あ そう そう 納豆 も 忘れちゃ ダメ ―
で 玄関 まで お 見送り して …
( 琴子 ) きゃーっ !
ん ?
はっ ! はっ ?
えっ ?
あーっ ! しまったあ !
( 紀子 ) あら 琴子 ちゃん おはよう ―
もっと 寝て て いい のに
あの 私 すみません
いい の よ 全然 平気 よ
だって ほら 結婚 式 に ハネムーン に ―
何かと 疲れて る でしょ ?
何かと ね … ウフフ …
新妻 失格
( 琴子 ) うっ …
お 兄ちゃん も かわいそう だ な
こんな ズボラ な 女 と 結婚 し ちゃって さ
今頃 後悔 して ん だろう な
すびばせん …
ところで 入江 君 は ?
さあ ね もう 出勤 し ちゃった ん じゃない ?
( 琴子 ) え ! ウソ !
あっ 入江 君 !
よかった … 間に合った
よお おはよう
あの … ごめん ね
随分 朝 早く から 目覚まし が 鳴って た から
どんな 朝食 が 出て くる の か 楽しみ に して た んだ よな
あー 結婚 って いい よな …
いい 嫁 さん もらった なって
あ … あの 私 私 …
明日 こそ は 明日 こそ は …
ウソ だ よ お前 に は 何も 期待 して ない から
う … それ は それ で ショック な …
( 直樹 ) じゃ いってきます
( 紀子 ) ちょっと お 兄ちゃん 待ち なさい !
お 兄ちゃん 何か 大事 な こと 忘れて ない ?
( 直樹 ) は ?
( 紀子 ) 新妻 が いってらっしゃい って 言ったら チュー でしょ !
そんな カメラ 向け られて る のに やる わけ ない だろ ?
じゃあ カメラ が なかったら やる って 言う の ?
もう いい加減にして くれ よ !
俺達 の こと は 俺達 で 決める から もう 放っといて くれ よ
ホホホ …
お 兄ちゃん が 一人 で 何でも できる と 思っちゃ 大間違い よ
第一 新婚 夫婦 に とって ―
ものすごく 大事 な 大事 な こと 忘れて る じゃない の
( 琴子 ・ 直樹 ) え ?
まさか 忘れた と は 言わせ ない わ よ
あっ あの 一応 そっち の 方 は ハネムーン で …
入籍 よ !
えっ ?
どう ? 忘れて た んでしょ !
もう お 兄ちゃん たら もう …
いつまでも 区役所 に 行か ない もん だ から もう …
こんな 大事 な こと 忘れる なんて
それ って 入籍 して ない って …
私達 実は まだ 結婚 して ない って こと ?
そー なの よ
えーっ ! じゃ 私 って まだ 相原 琴子 って こと ?
入江 君 大変 ! 区役所 行か ない と 区役所 …
琴子 ちゃん 慌て ない でも 大丈夫 よ
ほーらっ 婚姻届 !
書き 間違え ちゃって も 大丈夫 な ように ―
いっぱい もらって き といた わ
全部 保証人 の ハンコ も 押して ある
( 琴子 ) ホント だ こんなに いっぱい …―
ありがとう ございます
悪い けど …
まだ 籍 入れる つもり ない から
(2 人 ) はあ ?
ちょっと 考える ところ が あって
入籍 は 延ばして もらう から
ちょ ちょっと お 兄ちゃん 待ち なさい !
そんな こと 許され ない わよ !
そんな こと 許され ない わよ !
( ドア が 閉まる 音 )
( ドア が 閉まる 音 )
( 須藤 ( すどう )) よ お !
これ は 新妻 の 琴子 君 じゃない か !
どう だい 新婚 生活 は ?
ダメ だ よ ー あんまり H な こと ばかり して ちゃあ …
いやあ でも まさか 本当に 相原 が
入江 を 射止める と は なあ
奇跡 を 見た よ 俺 と 松本 ( まつもと ) の 未来 も 明るい ぞ ー !
あっ すまん 相原 じゃなくて もう 入江 さん だった な
まだ …
相原 です …
ん ?
何 だって ?
まだ 相原 です …
ええーっ ! まだ 相原ーっ ?
シーッ 須藤 さん 声 が 大きい よ !
あいや だって お前 結婚 した ん じゃ
いや 確かに 行った ぞ 結婚 式
いや 確かに 行った ぞ 結婚 式
まだ 入籍 して なかった の
え ? どういう こと だ よ
入江 が 入籍 し たく ない って いう のか ?
私 入江 君 の こと よく わかんなくて
男 の 人 って 何 考えて る んです か ? 須藤 さん !
落ち着け 相原 … 入江 さん ? 相原 ? 入江 さん ?
( 松本 裕子 ( ゆうこ )) 離婚 する 手間 が 省ける から じゃない ?
( 須藤 ) おう 松本
さすが 入江 君 ねえ やる こと に ソツ が ない わ
( 琴子 ) な … なに よ !
つまり あなた は 今 お 試し 期間 て こと
妻 失格 って 判断 したら さっさと 別れる ため の ね
( 琴子 ) そ そ そ そんな こと って 絶対 違う …
さ ! そう と わかれば また 入江 君 を 狙わ なくちゃ
よろしく ね 相原 さん
あ … おい 松本 おい !
( 着信 音 )
( 女性 ) 受付 です が こちら に 入江 様 の お 友達 …―
と いう 方々 が お 見え に なって る のです が
誰 です か ?
( 女性 ) はあ それ が 会えば わかる と おっしゃって お 名前 の 方 は …
じゃあ 会え ませ ん
( 青木 ( あおき )) ああ っ 言い ます 言い ます ! 青木 です 斗南 大学 の
青木 ? 誰 だ ?
まあ いい
通して ください
アニメ 部 の 青木 です
( 赤木 ( あかぎ )) 赤木 です
( 黄村 ( きむら )) 黄村 です
アニメ 部 ?
( 青木 達 ) エヘヘヘ そう な んです
で アニメ 部 の 方々 が 俺 に 何か ?
いや ー 僕ら 驚い ちゃって さあ
おたく が パンダイ の 次期 社長 だって 聞いて さあ
( 赤木 ・ 黄村 ) なーっ
実は 僕達 おたく に すごく 関係 の ある ―
ある モノ を 製作 して き ちゃった んだ よ ねえ
そう ! 製作 期間 1 年半 の 超 特大 傑作
見 たい ?
いえ 別に
( 青木 ) えっ ? でも のど から 手 が 出る ほど 欲しい と 思う なあ
だって だって おたく ―
相原 さん と 結婚 した って 聞いた し さあ
何 な んです か いったい
見 たい ?
いい です よ 見 ます よ 見たら 帰って くれる なら
( 青木 達 ) キターッ !―
じゃーん 「 ラケット 戦士 コトリン 」!
何 です か これ ゲーム で も 作った んです か ?
( 青木 達 ) ピンポーン !
さすが 頭 いい !
どう ? ヒロイン の コトリン かわいい でしょ ?
いや 別に …
ん … コトリン ?
( 青木 達 ) ピンポーン !
( 着信音 )
もしもし 入江 君 ?
( 直樹 ) 琴子 ?
どうした の ? 仕事 忙しい の ?
( 直樹 ) ああ 今日 は 帰ら ない から
えっ
( 直樹 ) しばらく 帰れ ない かも しれ ない
( 通話 が 切れた 音 )
( 不通 音 )
( 琴子 ) 入江 君 は 次 の 日 も …
( 琴子 ) その 次 の 日 も …
もう !
( 琴子 ) その 次 の 日 も ―
帰って き ません でした
入江 君 …
♪~
よし ! できた ―
おーい 入江 君 …
大好き だ よ
( 琴子 ) あのう …
( 警備員 ) はい ?
社長 秘書 代理 の 入江 直樹 さん に 会い たい んです けど …
あっ じゃあ 今 聞いて み ます ね
( 琴子 ) はい
お嬢さん どちら 様 で ?
あっ つ …
あっ いえ
琴子 って 言って くだされば わかる と 思い ます
( 警備員 ) はい 琴子 さん です ね
はい
( 琴子 ) あ ~ 情けない ―
妻 と 胸 を 張って 言え ない 自分 …
( 直樹 ) 弁当 だって ? 琴子 なんて 気 が 利く んだ ―
さあ おいで 抱きしめて あげよう
入江 君 !
なんて 素敵 な 奥さん な んだ
さあ 早く 籍 を 入れよう
( 警備員 ) お嬢さん お嬢さん !
はい !
申し訳ない んだ けど ね
入江 さん 今 会え ない そう な んだ よ ね
えっ !
なんか 悪い ね お 届け もの なら ね 渡して おこう か ?
じゃあ お 願い し ます
はい
( 理美 ( さとみ ) 達 ) 会う の 拒ま れた !?
( 小森 ( こもり ) じんこ ) そりゃ マズい よ
( 石川 ( いしかわ ) 理美 ) 入籍 も まだ な んでしょ ?―
2 週間 も 家 に 帰って こ ない 上 に
会い に 行って も 拒ま れる なんて
なんか 仕事 って の も 怪しい よ ね
もし かして … 女 ?
ちょ ちょっと じんこ !
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) その 話 ホンマ け ?
( 理美 ・ じんこ ) 金 ちゃん !
入籍 して へん て ホンマ か !
入江 の 野郎 帰って こう へん て ホンマ か !
琴子 を 悲しませ と ん の か ?
( じんこ ) あっ いや それ は その …
( 理美 ) ほら いろいろ 事情 も ある だろう し …
( 琴子 ) 金 ちゃん どこ 行く の ?
決まっ とる やろ !
入江 の 野郎 ぶちのめし たる !
ちょっと 金 ちゃん !
( 金之助 ) 入江ーっ ! 入江 どこ やーっ !
おい 入江 ! どこ や
あんた ら 入江 知ら ん か ―
おいっ ! 出てこい こら !
おい 入江ーっ !
騒々しい な
( 金之助 ) お前 … 何 やって ん ねん こんな とこ で !
なんで や ねん ! なんで 琴子 と 籍 入れて へん ねん
なんで 家 帰ら へん ねん なんで 琴子 を 避け ん ねん ―
嫌に なったら いつでも 別れる ため の 下準備 か !
わし は なあ … わし は …
琴子 さえ 幸せ やったら 黙って る つもり やった ん や
お前 に 思い切って 琴子 預けた ろ そう 思っ とった ん や !
そや けど もう 泣かせ とる や ない か !
お前 の 身勝手で 琴子 を もてあそぶ な !
俺 と 琴子 の 問題 だ
お前 に は 関係ない
( 金之助 ) なん や と !―
お前 な 何回 琴子 悲しま せたら 気 が 済む ん や !
( 警備員 ) ほら ほら 君 ! やめ なさい って 言う のに …
なん や 放せ !
( 琴子 ) 待って ! 待って !
琴子 …
悪い の は 金 ちゃん じゃない 入江 君 でしょ !―
入江 君 は 私 の こと ―
奥さん だ なんて 思って ない もん !―
いつも 私 ばっかり ウキウキ して
いつも 私 ばっかり 不安 に なって …
こんな の 結婚 なんて 言え ない よ !
( 直樹 ) じゃあ やめれば ?
運よく 籍 も 入れて ない ぜ
( 金之助 ) なんて こと 言って ん ねん !―
おいっ ! 放せ ! 琴子っ !
やっぱり 俺 や ない と あかん みたい や な
わし の 勝ち や !―
おい 琴子 !
( 重雄 ) 琴子
いい の か 夕食時 に こんな とこ で ブラブラ して て
主婦 は 台所 に 立つ 時間 だ ろ
いい の
だって 入江 君 は 帰って こない し
家 に いて も しょーがない んだ もん
琴子 …
だいたい の こと は ―
金之助 が ペラペラ しゃべった から わかって る けど
いや ケンカ する な と は 言わ ねえ
けど な …
男 は 職場 で 命 張って んだ よ
それ を 旦那 が 仕事 で 家 に 帰ら ねえ から って ―
職場 に 乗り込んだ あげく
ケンカ する なんて どういう 了見 だ !
そんな こと で ―
女房 が 旦那 の 株 を 下げる ような みっともない 真似 す んな ―
自分 の こと ばっかり 考えて ねえ で もっと 直樹 君 の こと 考えて やり な
ちょっと 待って ください 大将 !
琴子 を 責める の は お門違い で っせ
( 小田原 ( おだわら )) おいっ 金之助 !
( 金之助 ) そもそも 入江 の 野郎 が 悪い んです ―
今日 と いう 今日 は ホンマ に あいつ 見損ない ました わ !
( 重雄 ) 余計 な こと す んな よ ! これ は こいつら 夫婦 の 問題 だ
そや けど 大将 !
( 重雄 ) いい から お前 は 仕事 して ろ !
ほら … 金之助
わかり ました
そや けど …
少し は 琴子 の 気持ち も 考えて やって ください
( 重雄 ) 直樹 君 に は 直樹 君 の 考え が ある ん だろう
もっと 彼 の こと 信じて やれ
お前 が 信じ なくて どう すんだ よ
♪~
( 須藤 ) こらーっ 相原ーっ !
ボケーッと すなーっ ! 声 を 出せ …
声 出せ この やろう !
( 琴子 ) 信じて る … うん ―
入江 君 の こと 信じて る ―
けど … 会い たい …―
入江 君 に 会い たい よ
( 直樹 ) 琴子 !―
琴子 !
( 琴子 ) 入江 君 !
( 女性 達 ) 入江 さん ? 入江 先輩 …
琴子 来い !
へ ?
出かける から さっさと 来い !
あっ はい でも 出かける なら 着替え なきゃ …
( 直樹 ) いい それ で ! 時間 が ない 早く しろ !
はい !
( 琴子 ) あっ 入江 君 どうした の ?
入江 君 …―
入江 君 ?
入江 君 どこ 行く の ?
来れば わかる
♪~
準備 の 方 は できて おり ます
わかり ました すぐに 始めて ください
よし 始めて くれ
( 司会者 ) それでは 皆様 お 待たせ いたし ました ―
入江 直樹 さん の 登場 です !
( 拍手 )
( 琴子 ) 何 ?
( 司会者 ) それでは 早速 入江 さん に 一言 いただき ましょう
琴子 ちょっと 待って ろ
( 司会者 ) なお この 会見 は ―
インターネット で 世界 に 同時 配信 させて いただいて おり ます
( 重樹 ) おーい 琴子 ちゃーん
琴子 ちゃん
お 義父 さん !
はー よかったあ 間に合って
えっ どうした ん です か ? 何 な んです か これ
え ? 直樹 から 何も 聞いて ない の ?
( 直樹 ) 本日 は 私 ども パンダイ 製作 の ―
オンライン ゲーム の 完成 披露 記者 会見 へ お 越し いただき ―
各 メディア の 皆様 誠に ありがとう ございます
製作 を 担当 した 入江 直樹 です
( 拍手 )
( 司会 者 ) 業界 でも 注目 度 ナンバーワン の 入江 さん です が 今回 の 製作 に …
直樹 は ね ウチ から 今度 売り出さ れる ―
オンライン ゲーム を 製作 して た んだ よ
オンラインゲーム ?
そう
普通 だったら ね 数か月 …
いやあ 1 年 以上 は かかる ような もの を ね
たった の 数週間 で
それ も たった の 数人 で 作り上げ ちゃった んだ よ
たいした もん だ よ ―
今日 の 今日 まで ね ずーっと 徹夜 続き だった らしくて さ ―
本当 は フラフラ の はず な んだ よ あいつ も
なにも こんなに 慌てて 会見 し なくて も ねえ
それにしても ね
今日 は 琴子 ちゃん に 連絡 して ―
来て もらい なさい って 私 言った の
そしたら 自分 で 迎え に 行く つって あいつ 言う んだ よ …
言う の よ
そう な んです か ?
うん !
入江 君 …
( 司会 者 ) それでは 製作 スタッフ …
タイトル キャラクター の 紹介 を し たい と 思い ます
キャラクター デザイン 担当 ―
斗南 大学 4 年生 の アニメ 部 の 方々 です
( 拍手 )
( アニメ 部員 達 ) う おーっ ! 先輩 達 だあっ !
( アニメ 部員 ) コトリン 最高 !
( じんこ ) コトリン ?
( じんこ ) コトリン ?
( 理美 ) え ?
なん だろ ?
そして 新作 の タイトル は 「 ラケット 戦士 コトリン 」 です
ん ? コト … リン …
( アニメ 部員 達 ) う おーっ !―
コトリン キター !!
これ って …
( 金之助 ) ん ? なん や どない してん
あれ ?
( 司会 者 ) そして ―
この “ コトリン ” の モデル と なられた 方 を ご 紹介 し ます
“ コトリン ” こと 琴子 さん です !
おーっ !
( アニメ 部員 達 ) う おーっ ! 琴子 さん だ !!
ええーっ 琴子 !
え ? 琴子 ?
う お … えーっ 琴子 や えー ! なんで !?
( 司会 者 ) 琴子 さん どうぞ ステージ へ
( 拍手 )
はい !
どうも …
紹介 し ます 私 の 妻 の 入江 琴子 です
( どよめき )
ほら 挨拶 しろ よ
はい …
( 琴子 の せき払い )
あの …
入 …
琴子 です
あー 頭 の いい 入江 君 の ―
妻 を やら せて いただいて おり ます
よろしく お願いしま~す
よろしく お願いしま~す
( 来場者 の 笑い声 )
よろしく お願いしま~す
よろしく お願いしま~す
( 拍手 )
( 拍手 )
変 だった ?
変 …―
琴子
久しぶり だ な
入江 君 !
♪~
( 琴子 ) 恥ずかしかった けど …―
本当に 本当に 幸せ な 時間 だった
あれ ? この パジャマ は ?
あ … ごめん ! 新しい の 買った の
前 の は ?
あの …―
これ に 使っ ちゃった
は ?
あ … だって 入江 君 なかなか 帰って こ なかった から
寂しかった んだ もん
これ 入江 君 な の
いつも これ 見て 元気出して た の …
今日 会社 やめて きた
ホント ?
ああ まだ 引き継ぎ は ある けど 来月 から は 大学 に 戻れる と 思う
じゃあ また お 医者 さん の 勉強 始め られる の ?
やっと な
わあ やったあ ! よかった ねえ
あっ ねえ ゲーム ヒット する かな ?
当たり前 だろ
なん たって お前 の カラ 入り 卵焼き 弁当 食べた し な
( 琴子 ) えっ カラ 入って た ?
ああ ~ ごめんなさい
♪~
入江 君 会い たかった
え ?
お疲れ様
( 裕樹 ) ねえ ねえ 見て 見て !
お 兄ちゃん の 作った ゲーム 新聞 に 載って る よ !
( 琴子 ・ 紀子 ) えーっ !
わーっ すごい !―
“「 コトリン 」 大ヒット ” だってーっ !
“ 今 まで に ない 興奮 前代未聞 の 臨場感 ” だって !
さすが お 兄ちゃん !
おい 行く ぞ
( 琴子 ) あっ はい !
ああ そっか お 兄ちゃん 今日 から 大学 な の よ ね
( 裕樹 ・ 紀子 ) いってらっしゃーい
( 琴子 ) いってきまーす !
ちょっと 大学 行く 前 に 寄って いい か ?
え ?
( 琴子 ) え … 区役所 ?
( 琴子 ) あの … 入江 君
何 それ ?
あっ !
ほら お前 も 書け よ
うん !
ふう …
間違える な よ
はい …
( 直樹 ) おい
なに 早々 に 入江 って 書いて んだ よ
え … 入江 琴子 じゃない の まだ ?
しょうがない な …
こういう とこ お袋 抜け目 ない よ な
( 職員 ) はい 確かに あっ …
ここ に フリガナ 書いて いただけ ます か 奥さん
え … 奥さん ?
はい こちら です ね
奥さん …
奥 …
奥さん …
( 直樹 ) おいっ !
私 … これ で 本当に 入江 君 の 奥さん に なれた んだ
お前 を 不安 に させる と は 思った けど
男 の ケジメ と して …
親父 の 会社 を しっかり 立て直して から ―
結婚 する って 決めて た んだ ―
それ を お袋 が ―
いきなり 勝手に 結婚式場 やら 何やら 決めて くる から
結局 随分 時間 くっ ちまった
私 平気 だった よ だって 入江 君 の こと 信じて た から
俺 が ヘトヘト だった 時 金之助 と 乗り込んで きた くせ に
あーのー あの あの ね あの それ は あの えっと …
よろしく な 奥さん
( 琴子 ) 私 こそ よろしく ! 入江 君
( 琴子 ) 入江 君 ! 待って ー !
( 琴子 ) そして 今日 から 私 は 晴れて …―
入江 琴子 な のだ !
♪~
( クリスティーヌ ) アタシ ―
クリスティーヌ ・ ロビンス ―
ニッポン デ リソウ ノ カレシ ツクリ タイ ト オモットリ マス !
( 琴子 ) ダメ !
琴子 ちゃん あなた 妊娠 して る わ !
(3 人 ) えーっ !?
( 松本 ) 入江 君 の お母さん が ツイッター で 拡散 し まくって る わ よ
(2 人 ) おじいちゃ~ん ?
( 直樹 ) 病院 は ?
( 琴子 ) まだ だ けど … お 義母 ( かあ ) さん が
行こう