イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #3
( 入江 直樹 ( いりえ なおき )) 紹介 し ます 私 の 妻 の 入江 琴子 ( ことこ ) です
♪~
( 入江 琴子 ) あっ !
ほら お前 も 書け よ
うん !
よろしく な 奥さん
( 小森 ( こもり ) じんこ ) いや ~ いよいよ ―
大学生 最後 の シーズン 到来 かあ
なんか 寂しく なる ね
私 後期 は あんま 学校 来れ なさそう だ し なあ
( 石川 理美 ( いしかわ さとみ )) ウチ も 結構 忙しい んだ よ ね
ファッション 雑誌 って いって も 実際 は 雑用 ばっかり だ し
ウチ の 編集部 も もう いよいよ 年末 の ―
カウントダウン ライブ 動きだして て さ
はあ まあ もう ちょっと 残り 少ない 学生 生活 を
謳歌 し たい んだ けど ねえ
そっかあ 二人 と も 内定先 で の バイト 忙しい んだ
じゃ もう あんまり 会え なくなっ ちゃう かも ね …
内定 決まった と は 言え まだまだ お 試し 期間 だ から
でも 琴子 は いい よ ねえ
なん たって 将来 医者 の 旦那 に 永久就職 だ もん ね
うーん 玉 の 輿 い !
いい な ~!
うん …
( クリスティーヌ ・ ロビンス ) トナン … ダイガク
♪~
( チャイム )
はぁ … いい の かなあ
このまま で 私 就職 し なくて
私 の やり たい こと って …
( クリスティーヌ ) アノー スミマセン デスッ
あのっ ワタシ エイゴ ワカリマセン デス
スミマセン デス
( クリスティーヌ ) Oh , no !
イエイエ ドウイタシマシテ スミマセン デスタ
ああ … スミマセン デスタ
トコロデ モシモシ ブンガクブ ナン デショウ ?
お ? は ?
ナン デショウ ネ ?
チガーウ スミマセン No , No , No !
ブンガクブ ドコ デショウ ?
オー ! ドコ デショウ ?
ワタシ ブンガクブ あー イッショ イク プリーズ ドウゾ
OH ! オッケー ! アリガト !
( 琴子 ) つ … 通じた
アタシ クリスティーヌ ・ ロビンス
イギリス カラ ミナ … ミナミ ?
キタ ! イギリス カラ キタ 19 サイ デス
ゼヒ クリス ト ヨブ OK ?
お ー OK ! クリス !
アタシ トナン ダイガク …
ハントシ カン ベンキョウ ニ …
キタ !
マイ ネーム イズ コトコ ・ イリエ
ツエンティー ワン イヤーズ オールド
コトコ OH ! OK ! ヨロシク ネ コトコ !
ヨロシク ネ !
( クリスティーヌ ) OH ! コトコ ノ ダーリン ドクター デスカ ?
まだ 卵 だ けど ね
ん ~ 教室 どこ に ある ん だろう ?
まっ いい や 聞いて みよう
すいませーん
( 船津 誠一 ( ふなつ せいいち )) 何か ?
あの 4 年生 の 入江 君 知り ません か ?
入江 … 入江 直樹 ?
そう です ! 天才 の !
( 琴子 ) やっぱり 入江 君 有名 な んだ
君 は ?
友人 ていうか … 妻 ? っていうか
( 琴子 ) キャッ 言っ ちゃった
ふ~ん ―
君 が …
あ … あの 何か ?
いやあ 天才 入江 の 心 揺るがした 女性 って 興味 が あり まして
ふーん 少し イメージ と 違って ました ね ハハッ
( 琴子 ) 何 その 笑い ?―
何か 奥歯 に 物 が はさまった ような …―
なんか 感じ わるーい
コトコ ?
( 琴子 ) クリス
この 子 ひょっとして 留学生 ?
あっ うん
アリガタイ ケレドモ ゴ エンリョ オネガイ シマス
アナタ ワタシ ノ タイプ チガイマス ―
ワタシ ノ リソウ タカイ
アナタ ゼンゼン ダメ
ソノタメ ゴ エンリョ オネガイシマス
全然 ダメ ?
( 琴子 ) そんな ダメ ?―
クリス 理想 高あい
( 直樹 ) 琴子 何 して んだ ?
( 琴子 ) 入江 君 !
( 船津 ) むっ
何か用 か ?
あっそう !
この 子 クリス って いう ―
今日 から 留学 して きた 同級生 な んだ けど
あっ クリス この 人 が 私 の 旦那 さん の 入江 君
はじめ まして クリス
で 今日 お 父さん の お 店 に
クリス と 一緒に 行こう って 話 に なって
で 入江 君 も よかったら 一緒に 行か ない ?
俺 も 行って も 大丈夫 ?
( 琴子 ) え … 何 どうした の ? クリス
何なら 僕 が 通訳 し ましょう か ?
OH !
ゼヒ ゼヒゼヒ Yeah クッテ ヤル ヨ
クリス
( 琴子 ) え !―
クリス の 理想 の 人 って ひょっとして 入江 君 ?
( 船津 ) 入江 君 遊んで ばかり いる と 勉強 に 影響 を きたし ます よ
心配 して くれて ありがとう 船津
けど 俺 は 少し 遊んだ ぐらい じゃ 成績 は 落ち ない よ
お前 は 安心 して 二番 の まんま で いれば いい
な … な …
なにい ! いい か 大きな 口 を 叩ける の も 今 の うち だ から な !
次 の 論文 発表会 じゃ 俺 が 必ず お前 を 抜いて ―
学会 に 行って やる !
あの 人 …
ああ 船津 か
いい よ あいつ は ほっとけ ―
論文 書き上げたら 行く から
( 琴子 ) うん
( 琴子 ) わ ~!
オイシソウ !
( 相原 重雄 ( あいはら しげお )) 遠慮 し ないで どんどん 食って くれ よ
アリガト ゴザイマス コトコ パパ
( 琴子 ) 入江 君 も 後 から 来る って
おお そうか
オイシイ !
( 琴子 ) クリス って すごい かわいい し ―
はあ …―
なんか 嫌 な 予感 が する なあ
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) 大将 宴会 の 下ごしらえ 終わり ました でえ
はい よ
おおーっ 琴子 ! 会い たかった で ~
おおーっ 琴子 ! 会い たかった で ~
( 戸 の 開閉 音 )
おおーっ 琴子 ! 会い たかった で ~
( 琴子 ) 入江 君 !
( 小田原 ( おだわら )) いらっしゃい
( 重雄 ) おお 来た か
こんばん は
つうか なん や 入江 おんどれ も 来 よった ん か !―
早 よ 離婚 して くれ よ 頼む で
ん ? なん や その 金髪 さん は ?
( 琴子 ) え ? クリス ひょっとして やっぱり …
( 金之助 ) なん や 無口 な 金髪 さん や なあ 日本語 あかん のか ?
ヘロー でっせ アイ ラブ コトコ でっせ
あっ 金 ちゃん クリス よ ―
半年 間 ウチ の 大学 に 留学 して きた の
クリス 彼 は 池沢 金之助 金 ちゃん よ
もともと は 私 の クラスメート だった んだ けど
今や 立派 な シェフ よ
どうした の ? クリス
コトコ … アタシ ショウジキ イイ マス
アタシ スキ ナ ヒト デキタ
え …
コンナ キモチ ハジメテ
コトコ ヒョットシテ イヤナキモチ スル カモ …
( 琴子 ) それ って …
デモ オネガイ ! イワセテ
アタシ スキ ナ ヒト ソレハ …
( 琴子 ) ダメ ! 入江 君 は 私 の 旦那 様 !
おい
( 琴子 ) ん ?―
えー !!
ウソ やん …
( クリスティーヌ ) OH ! キンノスケーッ !―
Oh , my god ... Are you OK ?―
Oh , my love , ダイジョウブ ?
いや すまん ね 直樹 君 手伝わせ ちまって
いえ お 力 に なれた か どう か
いやいや ホント 助かった よ
それにしても あの 野郎 宴会 で 大忙し だって のに ―
勝手に 倒れ やがって よ ~!
( 琴子 ) 幸せ そうに 寝て る
アタシ ノ セイ デス カワイソウ デス
キス されて のぼせて 気い 失う なんて ねえ …
ネガオ モ キュート キンノスケ
( 琴子 ) クリス は 本気 で そう 思って る んだ ?
アタリマエ デス ヨ モンダイ アリマス カ ?
オー ! ないない クリス が いい んだったら 全然 問題 ない
モンダイ ハ コトコ ニ アリマス ヨ
え ?
アタシ コトコ トモダチ ダカラ イエナカッタ デス ヨ
ダケド トモダチ ダカラ アエテ イイ マス
コトコ オトコ ノ シュミ ワルイ ヨ
はあ ?
ナオキ ミテ オモッタ
コトコ スーッゴイ ハンサム オンチ
は ー ? ど … どこ が よーっ !
それ は あんた の 方 でしょう !? 入江 君 の どこ が !
OH ! コイ ハ モウモク
シカシ アタシ ミルメ ハ タダシイ ヨ !
キンノスケ サイコウ !
キンノスケ マサニ キンメダル !
金 ちゃん なんて 全然 不細工 じゃない !
入江 君 の 方 が 百倍 かっこいい んだ から !
ソレ ヲ ハンサム オンチ ユウト デス
タブン アタシ キンノスケ ト ケッコン シマス !
モウ キメ マシタ ウン モウ キマリ マシタ !
それ の 方 が ハンサム 音痴 でしょう !?
( 金之助 ) こりゃ 起きる に 起き られ へん でえ …
えーっ !
明日 から 3 日 も 家 あける の ?
ああ 明日 から 3 日間 神戸 の 学会 に 行く こと に なって な
( 琴子 ) ふーん えっ …―
それ って もし かして ―
こないだ の 論文 発表会 で 選ばれ たって こと ?
ああ
わーっ すごい !
すごい ね ~ 入江 君 すごい ね !
別に たいした こと ない よ
そんな こと ない ! 入江 君 は すごい
レベル が 違う んだ ~
あっ レベル って いったら 船津 君 どう なった の ?
ああ あいつ な …
異議 あり !
なぜ 僕 の が 選ばれ ない ? これ は 陰謀 だ 策略 だ !
どう 考えて も 僕 の 方 が 優れて いる !
なあ 入江 君 君 も 当事者 と して わかって いる だ ろ ?
僕 の 方 が 優れて いる そう 思う だろ ?
君 も 男 なら 正々堂々 認めたら どう だ !
わかった
だろ ?
よーく わかった
やっと わかった か
お前 は 本当に 二番 が 好き だ なあ
ああーっ !!
入江 !
入江 !
( 学生 ) 落ち着け …
放せーっ ! 放せ !―
入江 ! 放せ !
引っ張る な … 放せ !
引っ張る な … 放せ !
落ち着け !
さすが 入江 君
( 直樹 ) もったいない よ な
あいつ なら いい 外科医 に なれる のに
ふーん そんなに すごい の ? 船津 君 て
ああ あいつ の メス さばき は 他 に は 真似 でき ない よ
入江 君 でも ?
さあ どうかな …
は ~ そんなに すごい んだ ね
あの 屈折 した 性格 さえ どうにか なりゃあ な
でも 3 日 も 入江 君 に 会え ない なんて 寂しい な
また あなた と 二人っきり ね
どうした ?
いや ~
お 昼頃 から 胃 の 調子 が …
( 直樹 ) どうせ また バカ 食い した ん だろ
すぐ そういう ふう に …
微熱 が ある かな
ちょっと 口 あけて
横 に なって お腹 出して
入江 君 お 医者 さん ごっこ みたーい
エッチ じゃない ?
ごっこ じゃない ! お前 何 考えて んだ よ
ほら 早く しろ
はーい―
よいしょ
( 玄関 の チャイム )
入江 君 が い ない 間 は あなた と 一緒 ね
俺 と いよう ぜ !
ええ あなた と 一緒に いる わ !
はあ ~
はあ ~
( ノック )
( ノック )
( じんこ ) 失礼
あー じんこ 理美 わざわざ 来て くれた の !
すっげー 部屋 ね
調子 は どう ?
まだ ちょっと 吐き気 がね
ちょうど 今朝 から 入江 君 も い ない し
休ん じゃえ って
そりゃ 腹 も 壊す わ よ
昨日 の 食べ 放題 の あんた 尋常 じゃなかった もん
ケーキ 8 個 だ よ ?
それ 入江 君 に 内緒 に しちゃった エヘッ
( 理美 ・ じんこ ) エヘッ … て
ねえ 果物 買って きた けど 食べる ?
あー 嬉しい !
なんか スーッと する もの 食べ たかった んだ よ ね
グレープフルーツ と か ある ?
たぶん …
ある よね
ある よね
( 皿 が 割れた 音 )
( 皿 が 割れた 音 )
( 入江 紀子 ( のりこ )) 琴子 ちゃん 今 ―
グ … グレープフルーツ って …
え … ええ
吐き気 … 吐き気 が ある の よ ね
酸っぱい もの が 食べ たい んでしょ ?
微熱 が ある の よ ね ? 月 の もの は ?
あ … そう いえば ちょっと 遅れて て
決まり よ !
琴子 ちゃん あなた 妊娠 して る わ
(3 人 ) えーっ !?
そう よ そう よ そう なの よ 間違いない わ その 症状
( じんこ ) 琴子 そう なの ?
わかんない でも …
ちょっと 考えて みなさい よ !
なんか 思い当たる イトナミ は あった の ?
あっ そう いえば 思い当たる こと が …
( 紀子 達 ) キャーッ !!
待って いた の よ 待って た の よ この 日 を !
琴子 ちゃん と お 兄ちゃん の 赤ちゃん ああ 夢 の よう …
でも お 義母 ( かあ ) さん …
いいえ 琴子 ちゃん !―
子供 を 二人 産んだ 私 の 勘 は 当たる の よ ピンと きた わ !
あーっ こんな 肝心 な 時 に お 兄ちゃん が い ない なんて
なんて 間 の 悪い 人 かしら !
そうだ わ パパ に 知らせ なくっちゃ
相原 さん に も ね
ああ もう 世界中 の みんな に 知らせ たい 気分 よお !
( 理美 ) おばさん 落ち着いて
( 琴子 ) 私 が 妊娠 ?―
入江 君 と の 赤ちゃん が 私 の お腹 の 中 に いる の ?
よかった ねえ 琴子
すごい よ おめでとう
( 琴子 ) 全然 実感 ない けど …―
本当 なの ?―
いる の ? 赤ちゃん
( 重雄 ) 琴子ーっ !
お … お前 赤ん坊 できた ん だって ?
( 入江 重樹 ( しげき )) 本当 なの か ? 琴子 ちゃん !
いや まだ 病院 行った わけじゃない んで
いいえ 間違いなく って よ ! ベテラン の 私 が 言う んだ もの
病院 なんて お 兄ちゃん と 行けば いい の よ
ね ー ? おじいちゃん 方
( 重樹 ・ 重雄 ) お … お … おじいちゃん !!
おじいちゃん …
( 学生 ) 琴子 ちゃん おめでとう
( 学生 ) よかった ね
( 学生 ) おめでとう ございます 琴子 先輩
( 学生 ) 体 に 気 を 付けて ください ね
ウフフ …
( 松本 裕子 ( まつもと ゆうこ )) こんにち は 相原 さん
( 琴子 ) あ … 松本 さん
聞いた わ よ おめでとう あなた 妊娠 した んです って ?
あ … それ 誰 から ?
あら 知ら ない の ?
入江 君 の お母さん が
ツイッター で 拡散 し まくって る わ よ
ええーっ …
でも これ で やっと ―
あなた の 不向き な 学業 から 引退 できる わ ね
お 疲れ 様
ホント あなた に は ビックリ させ られ っぱなし だった わ
じゃ …
琴子 の 妊娠 世界 に 広まって る よ
ちょっと ! 笑いごと じゃない よ
教授 に まで おめでとう って 言わ れる んだ よ
しかも 授業 中 に !
まだ 実感 ない の に 何て 言えば いい の か わかんない よ ー
いい じゃない 実際 おめでたい こと な んだ から
( じんこ ) そう そう
ねえ 見て こんな ちっちゃい の よ
こっち は 鳥 さん の 模様 な の
おむつ カバー も 今 は
かわいい の が いろいろ と ある の ねえ
これ なんて ほら 天使 の 羽 付き ん~っ かわいい ~!
あの お 義母 さん 全部 ピンク な 気 が する んです けど
もちろん よ ! だって 絶対 女の子 が 欲しい んです もの
琴子 ちゃん 頼む わよ ~
はい …
( 重樹 ) ただいま ~ ああ 重い …
ああ どうぞ どうぞ こちら です どうぞ
琴子 ちゃん これ 見て くれ これ
ちょっと ね 気 は 早い かな と 思った んだ けど
赤ちゃん 用品 … 買って き ちゃった !
( 紀子 ) あら ~ パパ も ?
えっ ママ も ? あら 奇遇 だ ね
あっ どうも どうも ありがと ね ~
これ 見て これ 見て
車 さん ね ブーン ブーン でしょ ?
で ね ほら これ 飛行機 さん ねっ
ブクブク ツクツク …
ねえ パパ
なんだか 男の子 の もの が 多い 気 が する んです けど
おっ ? まあまあ そりゃあ ね
私 も 初孫 です から
こら やっぱり 男の子 かなー と 思って …
何 言って る の よ 女の子 に 決まって る じゃない の
男 だ よ
いーえ 女の子
初孫 は 男
いや ん 女の子 よ
( 重樹 ) 男 だ よ
( 重樹 ) 男 だ よ
( 紀子 ) 女の子 に 決まって る わ よ
( 紀子 ) 女の子 に 決まって る わ よ
( 紀子 ) 女の子 に 決まって る わ よ
( 重樹 ) 男 だって 絶対
( 重樹 ) 男 だって 絶対
( 重樹 ) 男 だって 絶対
( 紀子 ) 女の子 が いい の
( 紀子 ) 女の子 が いい の
( 入江 裕樹 ( ゆうき )) ったく 二人とも … 浮かれ ちゃって
( 重樹 ) 男 だ よ
いいえ 女の子
男の子
女の子 が いい の
( 重雄 ) 琴子ーっ !
琴子 !
これ 食え ! 店 から 持ってきた ぞ ―
はい “ あい原 ” 特製 の ご 懐妊 ご 膳 だ !
さあ 食え !
お父さん …
どうした 遠慮 すんな 食え !
あ … いや …
あっ 箸 忘れ ちゃった !
あ … いや そ … まだ … ね …
( 琴子 ) なんだか 少し 実感 が わいて きた ような ―
入江 君 の 赤ちゃん か …―
かわいい だろう なあ ―
明日 入江 君 が 帰って きたら どんな 顔 する だろう ?―
喜ぶ かなあ …
ん ?
( 玄関 の チャイム )
( 紀子 ) 来た わ ほら !
お 兄ちゃん だ お 兄ちゃん
( 紀子 ) ほら ほら …
よーしっ
琴子 ちゃん も
( 紀子 達 ) おめでとう !!
いったい これ は 何の 騒ぎ だ よ
( 紀子 ) 聞き たい ? お 兄ちゃん
( 直樹 ) ぜひ 聞き たい ね
( 紀子 ) ほら ほら 琴子 ちゃん あなた から 言って あげ なさい な
あ … おかえり
ただいま
あ … あの ね
あの ね …
あ … あの ね
あの ね は もう いい よ
うん
あ … あの ね
あ … ごめんなさい
あの …
赤ちゃん が …
え ? 何て ?
赤ちゃん が できた みたいな の
( 一同 ) よしっ !!
本当 か ?
た … たぶん
病院 は ?
あ … まだ だ けど お 義母 さん が …
行こう
( 琴子 ) えっ ?
行く って どこ に ?
男の人 って こういう 所 恥ずかしく ない の ?
別に
俺 は 医者 に なる 人間 だし 病院 の 匂い は かえって 落ち着く ね
ねえ 入江 君
赤ちゃん が できた って 聞いた 時 どう 思った ?
( 戸 が 開く 音 )
( 看護師 ) 入江 さん 入江 琴子 さん 中 に お 入り ください
( 琴子 ) はい !
いってきます
ごめんなさい ! 本当に ごめんなさい !
そうか … やっぱり 違った か
そう なの ! ごめんなさい …
私 大 … 大 … 大 勘違い し ちゃって
胃 が 荒れて る だけ で 生理 も すぐ 来る って
ったく …
医者 に も 行か ず に 先走る から だ ぞ
話 を 大きく した の は お袋 だ と 思う けど
私 の せい で 期待 させ ちゃった し …
できて ない もの は できて ない んだ から ―
そう 言う しかない だろ
でも …
赤ちゃん じゃなかった なんて
♪~
( 直樹 ) どうした
落ち込んで ん のか ?
入江 君 …
胃炎 の 次 は 風邪 ひく ぞ
大丈夫
私 お腹 は 壊して も 風邪 は ひか ない から
だって バカ だ もーん
そう だ な
ちょ … 否定 して よ ひど~い
だって 否定 しようがない だろ
( 琴子 ) ねえ 入江 君
( 直樹 ) ん ?
( 琴子 ) こんなふうに 同じ 空 を 見て る の って いいね
これ から も ずっと 同じ 景色 を 見 れたら いい な
ああ
私 …
ここ しばらく ずっと 考えて た んだ けど ね
もちろん 私 の 考え が 甘い こと は わかって る んだ けど
私 なんか が やって いい の かも
正直 まだ よく わから ない んだ けど ね
何 だ よ
私 …
一 番 やり たい こと って 何 だろう って ずっと 考えて て
で 入江 君 に は バカに さ れる かも しれ ない んだ けど
私 …
一 番 やり たい こと って ―
入江 君 の お 仕事 を お 手伝い する こと な の
つまり … 看護 師 … さん
今日 病院 で 先生 と 看護 師 さん を 見て
やっぱり そう 思った
私 これ から ちゃんと 勉強 して ―
で 卒業 したら ね 看護 師 に なり たい の
そりゃ 命 に かかわる こと だ から 無理 だって 言わ れちゃ う と 思う の
だけど … 本気で そう 思って る の
だから …
看護 師 に なり たい
入江 君 は … どう 思う ?
どう 思う って …
わかって る と は 思う けど 看護 師 は 人 の 命 を 預かる 仕事 だ ぞ
一瞬 の ミス が 命取り に なる
うん … わかって る よく 考えた
今 まで の サークル や バイト と 違って
思い付き で できる 仕事 じゃ ない ぞ
わかって る ! 思い付き なんか じゃ ない
医者 だって 看護 師 だって ―
人 を 助け たい って いう 気持ち が ない と でき ない
お前 に 本当に そういう 気持ち が ある の か ?
私 は 入江 君 を 助け たい の !
入江 君 の 役 に 立ち たい の !
看護 師 に なって 患者 さん を 助ける こと が ―
入江 君 を 助ける こと に なる んでしょ ?
だったら 私 は 全力 で 患者 さん を 助ける
他 に 何の 自信 も ない けど それ だけ は 自信 ある もん !
お前 って 奴 は …
入江 君 ?
どうせ 止めて も やめ ない んだ ろ ?
だったら ―
やれる だけ やって みろ よ
入江 君 …
まっ 看護 師 に なる ため に は 看護 科 に 転部 する 必要 が ある から
もし テスト に 受かったら … の 話 だけど な
そう だ テスト …
やっぱり テスト ある よ ね
当たり前 だろ
よし ! 私 頑張る !
産婦人科 で …
赤ちゃん が できた 時 どう 思った って 聞いた よな ?
うん
あの 時 …
子供 が できた って 聞いた 時 …
正直 言って ―
この 俺 が 一瞬 頭 が 真っ白 に なった
え …
だけど 病院 に 行って ―
お前 が 診察 を 受けて いる 間 の 時間 に
いろいろ 考えて さ
俺 の 勘 で は 違って る って 思った けど
でも もし …
子供 が できて いたら … って
その 数分 の 間 に ―
俺 も オヤジ の 気分 に なれた よ
どう だった ? オヤジ の 気分 は
なかなか よかった
私 も
ちょっと …
子供 欲しく なって きた
え ?
作っ ちゃおう か
( 琴子 ) 入江 君 …
( 琴子 ) 私 も …―
私 も 入江 君 の 赤ちゃん が 心 に いた 少し の 間 ―
とっても 幸せ な 気分 だった ―
だから …―
いつか …―
いつか 今度 は 本当に やってきて ね ―
赤ちゃん
♪~
え~ん 全然 わかんない …
琴子 帰る ぞ
( 琴子 ) 入江 君
全然 わかんない 教えて
なんで 俺 が … 自分 で 頑張る ん じゃなかった の か
行く ぞ
あー ちょっと だけ !―
ちょっと だけ ~
( 直樹 ) 俺 だって 忙しい んだ
なぜ わからない んだ …
今 教えた ばかり だろう が
あっそう だ っけ ?
この 公式 に 当てはめる んだ よ !
え ? ん ? 何の 公式 ?
は ?
入江 君 ?
少し は 自分 で 考えろ よ
何 だ よ
いや ~ 怒った 顔 も かっこいい な って 思って
お前 って 奴 は …
あっ その 顔 も 素敵 !
バカ !
ごめんなさい …
( 琴子 ) 毎日 怒ら れて ばかり いる うち に ―
月日 は 流れ …
( 琴子 ) ああ … 緊張 する なあ もう …
( 直樹 ) 緊張 して も でき ない もの は でき ない よ する だけ 損だ
うん … それ は わかって る んだ けど さ
俺 が 心配 して る の は …
ん ? 何 ?
お前 が ちゃんと 受験番号 を 間違え ないで 書ける か どう か だ よ
書ける わよ それ くらい ふんっ !
あ !
ない … 受験票 が ない !
机 の 上 に 置いて あった ぞ
よかった …
大丈夫 かよ …
大丈夫 よ ! 私 本番 に 強い んだ から
任せ と いて ! シャーッ
入江 君
大好き ―
フフッ ―
よしっ !
♪~
よし ! じゃ 飲み 行く か 今日 は 俺 が おごって やっ から よ
( 金之助 ) ホンマ です か ~? おおきに
キンノスケ ~
マッテタ デ イッショニ カエロウ
( 金之助 ) クリス !
何べん 言う たら わかん ねん
わし は 今 でも 琴子 オンリー ラブ や
相手 が 結婚 した から って そう 簡単 に 気持ち 変え れる かい
それ に お前 一応 年頃 の レディー や ねん から
こんな 時間 まで こんな とこ うろついて んな !
危ない や ない か
ソ ヤ ケド …
しゃーない な もう 今日 だけ わし が …
( 小田原 ) わり ~ な クリス ちゃん !
今日 は 金之助 先約 ある んだ わ
よし ! じゃ 飲み 行こう ―
よし 行く ぞ 金之助 ! 飲む ぞ 飲む ぞ ~
ほな そういう こと や
キンノスケ …
何 グズグズ して ん の や !
夜道 に 気い付けて とっとと 帰り い
( 小田原 ) 金之助 !
はい !
♪~
キンノスケ …
モウ ジカン ナイ ヨ
♪~
( 一同 ) おめでとう ! 金 ちゃん !
( クリスティーヌ ) イギリス ニ ―
カエラナ アキマヘン ガナ
( 琴子 ) 行く な や クリス !
( クリスティーヌ ) モウイチド アイ タカッタ デシタ
( 金之助 ) チキショーッ !
じゃーん !
( 琴子 ) お前 が 見事 合格 したら お 祝い に デート しよう な …―
って 言わ れた んです ~ キャッ !
( 直樹 ) ここ の 公園 で ボート に 乗った カップル は ―
別れる らしい ぜ
どう する ?