Katanagatari Episode 4 (4) Katanagatari Episode 4 (4)

心 の 底 から 驚か さ れた ぜ こころ||そこ||おどろか|||

立ち合い の 最初 から 見せた あの 移動 法 　 爆縮 地 たちあい||さいしょ||みせた||いどう|ほう|ばくしゅく|ち

あれ は びっくり だ

まさか 杜若 より も 自在な 足 運び が あった と は な |もりじゃく|||じざいな|あし|はこび|||||

団子 を ２ 皿 頼む だんご||さら|たのむ

はい ただ今 |ただいま

技 と いう なら わたし は あれ だ な わざ||||||||

刀 の 柄 と さ や を 使用 して の 逆転 夢 斬 が 印象深い かたな||え|||||しよう|||ぎゃくてん|ゆめ|き||いんしょうぶかい

あの 技 を 会得 した 際 に 錆 は 剣 聖 の 称号 を 得た と いう が まさに しかり |わざ||えとく||さい||さび||けん|せい||しょうごう||えた|||||

いやいや

刀 の 刃渡り その 伸縮 を 自由自在に できる と いう あの 妙技 かたな||はわたり||しんしゅく||じゆうじざいに|||||みょうぎ

速 遅 剣 こそ 　 虚 刀 流 に とって は 脅威 だった はや|おそ|けん||きょ|かたな|りゅう||||きょうい|

何せ 　 固定 さ れた 刀 で あり ながら なにせ|こてい|||かたな|||

間合い の はかり よう が な いってん だ から まあい||||||||

あの とき 偶然 俺 の 足場 が 崩れて い なかったら と 思う と ぞっと する ぜ ||ぐうぜん|おれ||あしば||くずれて||||おもう||||

お 待た せ し ました |また|||

決まる か と 思った そ なた の 手 刀 の 切 っ 先 を 完全に 見切った あの 受け 太 きまる|||おもった||||て|かたな||せつ||さき||かんぜんに|みきった||うけ|ふと

刀 刃 取り も 圧巻 だった かたな|は|とり||あっかん|

勝ち は した もの の かち||||

わたし たち は 　 おそらく

あの 堕 剣士 の 恐し さ の 一 分 も 味わって は おら ん のだろう |だ|けんし||こわし|||ひと|ぶん||あじわって||||

そう だ な

正直 言って 勝った 気 が し ない しょうじき|いって|かった|き|||

今回 の 戦い は 残念 ながら 運 が 良かった と さえ 言え ない ぜ こんかい||たたかい||ざんねん||うん||よかった|||いえ||

まったく もって その とおり だ

わたし たち は ただ 負け なかった に すぎ ん ||||まけ||||

ぜんざい を ２ 人 前 頼む ||じん|ぜん|たのむ

はい

そして 何より の 白眉 は |なにより||はくび|

言う まで も なく 四季 崎記 紀 の 完成 形 変 体 刀 十二 本 が １ 本 いう||||しき|さきき|き||かんせい|かた|へん|からだ|かたな|じゅうに|ほん||ほん

「 薄 刀 · 針 」 だ から こそ 実現 した あの 奥義 　 薄 刀 開眼 だろう な うす|かたな|はり||||じつげん|||おうぎ|うす|かたな|かいげん||

まさか 見た目 の 美麗 さ のみ が 取りえ の |みため||びれい||||とりえ|

もろく 弱い だけ の 刀 だ と 思った が |よわい|||かたな|||おもった|

あんな 利点 と 特性 が あった と は 夢にも 思わ なかった ぜ |りてん||とくせい|||||ゆめにも|おもわ||

俺 は 初めて 剣士 の 怖 さ を 思い知った 気 が する おれ||はじめて|けんし||こわ|||おもいしった|き||

あ ち っ

そう だ な

錆 の 剣 は 空 に 浮かぶ 太陽 すら 切り裂く と いう あの 触れ込み さび||けん||から||うかぶ|たいよう||きりさく||||ふれこみ

あの 奥義 ならば |おうぎ|

それ も 不可能で は ない の かも しれ ぬ ||ふかのうで||||||

されど だ 過程 は どう あれ ||かてい|||

わたし たち は 結果 と して 薄 刀 を 手 に した のだ |||けっか|||うす|かたな||て|||

錆 白 兵 を 正面 から の 果たし合い で 打ち破った こと さび|しろ|つわもの||しょうめん|||はたしあい||うちやぶった|

これ は 誇る べき こと だ ぞ ||ほこる||||

かも しれ ねえ

だが それにしても やつ が 死に際 に 言って いた せりふ が 気 に なる ぜ ||||しにぎわ||いって||||き|||

俺 が おれ|

否 　 虚 刀 流 が 四季 崎記 紀 の 遺品 だ と は いな|きょ|かたな|りゅう||しき|さきき|き||いひん|||

いったい 　 どういう 意味 なんだ ||いみ|

記 紀 の 血統 と は 　 いったい き|き||けっとう|||

錆 は 自分 の こと を 出来 損ない の 失敗 作 だ と 言って いた が さび||じぶん||||でき|そこない||しっぱい|さく|||いって||

あいつ は 　 刀 の 毒 に 侵さ れて ||かたな||どく||おかさ|

とがめ を 裏切った んじゃ なかった の か ||うらぎった||||

分から ん わから|

刀 の 毒 に 侵さ れて いた こと 自体 は まず 間違い は ない が かたな||どく||おかさ||||じたい|||まちがい|||

ひょっとすると

錆 に は 錆 で よんどころなき 事情 が あった の や も しれ ぬ さび|||さび|||じじょう|||||||

それ も やつ の 言葉 を 信じる なら ||||ことば||しんじる|

旅 を 続ける うち に 明らかに なる のであろう たび||つづける|||あきらかに||

あ ち っ

そう だ な

「 薄 刀 · 針 」 も 無事に 割る こと も なく うす|かたな|はり||ぶじに|わる|||

壊す こと も なく 傷 一 つ 付け ず に 収集 する こと が できた し こわす||||きず|ひと||つけ|||しゅうしゅう|||||

これ で 　 変 体 刀 も 　４ 本 目 ||へん|からだ|かたな||ほん|め

ちょっと 終わり が 見えて きた んじゃ ねえ か |おわり||みえて||||

気持ち は 分かる が 調子 に 乗る もの で は ない ぞ きもち||わかる||ちょうし||のる|||||

旅 は まだまだ これ から だ たび|||||

そう だ な せっかく 九州 まで 来た のだ ||||きゅうしゅう||きた|

景気 づけ に もう １ 本 変 体 刀 を 収集 する と しよう けいき||||ほん|へん|からだ|かたな||しゅうしゅう|||

ああ 　 分かった |わかった

異論 は ねえ ぜ いろん|||

で 　 次の 場所 は |つぎの|ばしょ|

次 なる 目的 地 は 薩摩 だ つぎ||もくてき|ち||さつま|

収集 対象 は 絶対 無 双 の 防御 を 誇る 「 賊 刀 · 鎧 」 しゅうしゅう|たいしょう||ぜったい|む|そう||ぼうぎょ||ほこる|ぞく|かたな|よろい

対戦 相手 は 海賊 船 の 船長 だ たいせん|あいて||かいぞく|せん||せんちょう|

うん

ぜんざい と 団子 を ２ 人 前 追加 だ ||だんご||じん|ぜん|ついか|

は ー い |-|

こうして 　 鑢 七 花 は 錆 白 兵 を 打ち破り |やすり|なな|か||さび|しろ|つわもの||うちやぶり

名実ともに 日本 最強 剣士 の 名 を 襲名 いたし ました めいじつともに|にっぽん|さいきょう|けんし||な||しゅうめい||

ただし 　 それ は あくまでも 暫定 最強 剣士 の 座 な ので ございます ||||ざんてい|さいきょう|けんし||ざ|||

錆 白 兵 か さび|しろ|つわもの|

それ でも 姉ちゃん ほど じゃ なかった な ||ねえちゃん||||

真庭 虫 組 　 不 承 島 にて 全滅 まにわ|ちゅう|くみ|ふ|うけたまわ|しま||ぜんめつ

蝶 の ように 舞い ちょう||よう に|まい

蜂 の ように 刺し はち||よう に|さし

蟷螂 の ように 食らい かまきり||よう に|くらい

虫 の ように 死んだ ちゅう||よう に|しんだ

七 花 ったら 　 何 が 最終 奥義 よ なな|か||なん||さいしゅう|おうぎ|

大口 たたいちゃ って おおぐち||

あの 技 　 とんでもない 弱点 が ある じゃ ない |わざ||じゃくてん||||

奥義 だ なんて とても 言え ない わ おうぎ||||いえ||

使って み ない と 分から ない もの ね つかって||||わから|||

早く 教えて あげ ない と 　 あの 子 大変な こと に なり かね ない けど はやく|おしえて|||||こ|たいへんな||||||

どうした もの かしら

わたし も 交ぜて もらおう か な 　 刀 集め ||まぜて||||かたな|あつめ

さて 　 題目 そのもの に 突っ込み どころ 満載 な |だいもく|その もの||つっこみ||まんさい|

今月 こ よい の 『 刀 語 』 お楽しみ は ここ まで に ございます こんげつ||||かたな|ご|おたのしみ|||||

錆 白 兵 さび|しろ|つわもの

恐ろしい 敵 だった おそろしい|てき|

しかし 　 まったく 勝った 気 が し ない と は いえ ||かった|き||||||

勝ち は 勝ち だ 　 勝ち なんだ もん かち||かち||かち||

日本 最強 を 手 に 入れた 　 七 花 と 私 が 向かう 次の 目的 地 は 薩摩 にっぽん|さいきょう||て||いれた|なな|か||わたくし||むかう|つぎの|もくてき|ち||さつま

組織 力 を 持つ 厄介な 海賊 団 の 船長 相手 に どう 戦う そしき|ちから||もつ|やっかいな|かいぞく|だん||せんちょう|あいて|||たたかう

え ？ 何 ？ 一目 ぼ れ ？ |なん|いちもく||

俺 の 女 に なれ だとう ？！ おれ||おんな|||

次 　 次回 　 刀 語 　「 賊 刀 · 鎧 」　 チリ よ つぎ|じかい|かたな|ご|ぞく|かたな|よろい|ちり|

その 風 まにまに 散る 花 ら は |かぜ||ちる|か||

美しく 甘美な 夢 うつくしく|かんびな|ゆめ

浮世 に 許さ れ ざる うきよ||ゆるさ||

虚無 を たいて きょむ||

誰 も 辿りつく こと の ない だれ||たどりつく|||

暗闇 に は 何も 映ら ない くらやみ|||なにも|うつら|

ちらり しみて ゆく 絶望 も |||ぜつぼう|

先 の 国 に 消え さき||くに||きえ