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屍鬼, Shiki Episode 3

( 静 信 ) 《 荒涼 たる 大地 は 硬く 凍って →

幾重にも うねる 空 は 暗 たん と 垂れ込め →

空 と 大地 と で 世界 は 見事 に 二 分 さ れ て い た 》 →

《 この 不毛 の 地 を 歩く の は 彼 と 悪霊 だけ だった 》 →

《 呪わ れ て あれ 追放 者 。 呪わ れ て あれ 追放 者 》 →

《 呪わ れ て あれ 追放 者 》 →

《 やがて 日 が 薄れ また 夜 が やって 来る 》 →

《 それ が この 荒野 に やって 来る 刻限 》 →

《 それ は 彼 が すでに ほ ふった 弟 》 →

《 その 亡き がら は 哀惜 と 共に 葬ら れ た はず だった 》 →

《 それ が また 今夜 も 墓 から 蘇る 》

愛し ‥ 愛し 合う の さ もっと

激しい 渇き に 狂い そう

目 を 閉じ て 罪深き くちづけ

お前 の 匂い 狂わせる

真 夜中 に 目覚め て 狂気 愛 飲み干す

おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い ぞ "

君 は 惑い 揺らめく

やがて 永遠 に なる " こっち の 闇 は 甘い ぞ "

僕 は 深く 突き刺す

おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い よ "

君 は 惑い 揺らめく

( 徹 ) お ー い 夏野 !

( 徹 ) 制服 なんか 着 て どこ 行って た ん だ よ 。

( 夏野 ) 登校 日 だ ろ ! ? つ か 徹 ちゃん 車 の 免許 取れ た の か ?

まだ 仮 免 。 律 ちゃん に 運転 の 練習 に →

付き合って もらって る ん だ 。 ( 律子 ) こんにちは 。

あっ 。 どうも … 。 ( 徹 ) て か こんな 暑い 中 →

何で 歩 い て ん だ ? さあ 乗った 乗った 。

1 時間 以上 バス が なかった から 次 の バス停 まで 歩 い た ん だ けど →

途中 で 追い抜か れ た … 。 ナハハ ! 俺 も よく やる よ それ 。

溝辺 町 から 歩 い たら 3 時間 くらい かかる でしょ ?

ええ … 。

電車 でも ありゃ 別 だ けど バス しか ない し 。

そう ね 。 ( 徹 ) フッ 。 どう し た ! ? →

寝不足 か 。 まあ ね 。

早く 村 から 出 たい なって 考え て たら ね 。

お前 ん と この 親 せっかく 自然 を 求めて 越し て き た ん だ ろ 。 →

そんな こと 言ったら 嘆く ぞ 。

ちょっと ! 前 見 て !

( 徹 ) 保 ! 正雄 !

( 保 ) 兄貴 !

( 正雄 ) 徹 ちゃん !

もうけ た ! 乗って こ う ぜ 。 ( 正雄 ) うん ! う っ … 。

やっぱり 俺 いい わ 。 ( 保 ) 何で ? 車 の 方 が 涼しい ぜ 。

いい ん だ って ! ! 乗り たきゃ 保 だけ 乗りゃ いい だ ろ ! !

正雄 ! は ぁ 。 待て よ ー !

どう し た の ? 彼 。

正雄 は 夏野 の こと が 嫌い な ん だ よ 。

夏野 の 方 は どう で も いい みたい だ けど 。

( 頭 を たたく 音 ) ( 徹 ) ぐ あっ ! ! 何 を する 夏野 !

だから 俺 を 名前 で 呼ぶ な って 言って ん だ ろ !

《 誰 と も 親しく なる つもり な ん か なかった 》

( 村人 ) あら ~ 。 あれ 工房 の 息子 じゃ ない の ?

( 村人 ) ハイカラ な 自転車 に 乗って 。

《 よそ者 が 引っ越し て くる なんて ほとんど なかった みたい だ し 》

《 親 も 名字 が 違って ちょっと 変わった 感じ に 見 られ た 》

《 こんな 村 こっち も ごめん だ 》

( 徹 ) お っ パンク か ? お前 工房 の 息子 だ ろ ?

田舎 の 道 は 都会 と 違って パンク し やすい から な 。

直し て やる よ 。

いや … いい よ 。

あっ 。

遠慮 する なって 。 こういう の も ご 近所 付き合い って やつ だ ぜ 。

( 徹 ) お前 ん ち も 修理 セット 買った 方 が いい ぞ 。

俺 武藤 徹 。 お前 は ?

結城 。 小出 。 どっち で も いい 。

ああ 。 親 の 名字 違う ん だ っけ … 。 下 は ?

名字 じゃ 紛らわしい から 名前 で 呼び たい ん だ けど 。

名前 なんて どうでも いい だ ろ ! どうも あり が と 。

今度 遊び に 来 な ー !

《 誰 が 行く か よ ! 》

また パンク し た ん だ けど 。

お前 ん と この 親 から 聞い た ぜ 。

夏野 。

《 どうせ 出 て いく ん だ 。 誰 と も 親しく なる つもり は ない 》

《 そんな つもり は … なかった 》

夏野 。 熟睡 か ?

起き てる よ 。

よし 。

( 律子 ) 奈緒 さん 悪い ん です か ? ( 敏夫 ) いや 検査 結果 が 変 な ん だ 。

もう 一 度 調べ 直し たい から すぐに でも 再 検査 に 来る よう →

電話 し て くれ ない か 。 ( 律子 ) はい 。

やはり 恵 ちゃん と 同じ だ 。 貧血 。

血液 。 網 赤血球 の 増加 。 有 核 赤血球 あり 。

骨髄 。 赤 芽 球 の 過 形成 。 形態 異常 なし 。

大量 に 赤血球 が 消費 さ れ て いる ため に →

造 血 が 促進 さ れ て いる の か 。 だが 出血 は ない 。 内出血 も ない 。

血清 ビリ ルビン LDH 共に 正常 。

クームス 試験 陰性 。 溶 血 で も ない 。

考え れ ば 考える ほど 全て の 可能 性 が 否定 さ れる 。

何 か おかしい !

( 正雄 ) あ … 。 えっ と … 。

( 正雄 ) ただ い ま ー 。

( 宗 秀 ) 宿題 は 終わった の か ? ( 正雄 ) 宿題 ?

もう すぐ 新 学期 だ ろ ? ( 正雄 ) ああ … 。

そんな の とっくに 終わって る よ 。 ねえ 父ちゃん 。

「 あ 」 で 始まる 言葉 で … 。 ( 博巳 ) お じいちゃん ! →

お 母さん が ご飯 を 食べ に 行き ま しょ う って 。

そう か 。 今日 は 外食 か 。 ( 博巳 ) うん 。

( 宗 秀 ) 博巳 は 何 が 食べ たい ? ( 博巳 ) あ … 。 えっ と … 。

( 宗 秀 ) ハンバーグ か ? オムライス が いい か 。 →

ほら 。 正雄 も 行く ぞ 。 ( 正雄 ) 俺 行か ない 。

正雄 。 ( 正雄 ) 行か ない !

お前 は … 。 また 子供 みたい な こと を 。

博巳 に 笑わ れる ぞ 。 なあ ?

( 智 寿 子 ) お 父 さま 。 準備 でき まし た ? →

正雄 君 は ? ( 宗 秀 ) 行か ない そう だ 。

そう な の ? じゃあ 仕方ない わ ね 。

( 正雄 ) 《 俺 と 智 寿 子 姉さん は 正直 折り合い が 悪い 》 →

《 兄さん と の 結婚 が 決まって 何度 目 か に 会った とき … 》

( 智 寿 子 ) あら 。 正雄 君 。 ( 正雄 ) 姉さん … 。

なあ に ?

姉さん は 兄さん の どこ が いい の ?

えっ 。 や だ いきなり ! 何 聞く の ! そう ねぇ →

明るく て 屈託 の ない ところ ? 人望 の ある ところ ? な ー ん て !

( 正雄 ) そう … 。 じゃあ 俺 み たい の は 嫌い な ん だ ろ う ね 。 →

同居 なんて 我慢 でき ない ん じゃ ない か なぁ ?

えっ ?

「 そんな こと ない わ 好き よ 」 って 言う よ ね 。

まだ 分から ない わ 。 正雄 君 を よく 知って る わけ で も ない し 。

( 正雄 ) そう … 。 じゃあ きっと 嫌い に なる よ 。

( 正雄 ) あの とき から だ 。

( 幹 康 ) 敏夫 さん ! →

あ … 。 奈緒 の 具合 が … 。

どうして 昨日 来 なかった ! ? 連絡 し た ろ う ! !

( 幹 康 ) そんな 話 … 奈緒 は 何 も … 。 ( 律子 ) えっ ! ?

奈緒 さん 具合 は どう だ ?

( 敏夫 ) 《 かなり 速い 》

《 うん ? 虫 刺され か ? 》

やす よ さ ん ! 血液 検査 ! →

頻脈 が ある から 念のため に 心電図 を 撮って くれ 。 →

あと 下山 さん に 言って NUS と CT の 準備 を !

( 敏夫 ) 奈緒 さん は いつ から 悪かった ん だ ?

( 幹 康 ) え ー と … 2 ~ 3 日 前 。 ( 敏夫 ) おととい ? その 前 ?

たぶん その 前 から だ よ 。 具合 が だる そう で … 。

《 こいつ 子供 の ころ から 変わら ない な 》

幹 康 は どう だ ? ( 幹 康 ) 俺 ?

お前 でも ほか の 家族 で も いい 。

あるいは 工務 店 の 若い の でも 具合 の 悪 そう な やつ は い た か ?

たぶん … 。

( 敏夫 ) いれ ば 夏 風邪 を うつさ れ た の かも しれ ん 。

い ない と 思う 。

じゃあ 客 は ?

えっ ? ( 敏夫 ) 具合 が 悪 そう だ と か →

様子 の おかしい 客 は い なかった か ?

( 幹 康 ) ああ そう いえ ば … 。 ( 敏夫 ) うん ?

兼 正 の ご 主人 と 奥さま に 会った 。

兼 正 ? ( 幹 康 ) うん 。 何 日 か 前 。

( 幹 康 ) いく ぞ ー 。 ほら ! ( 進 ) わ ぁ !

( 奈緒 ) きれい だ ね ー 。 ( 進 ) わ ぁ ー !

( 千鶴 ) こんばんは 。

( 幹 康 ) こんばんは 。 進 。 「 こんばん は 」 は ?

( 幹 康 ) あっ !

( 奈緒 ) 進 ちゃん 。 ( 幹 康 ) すみません 。

( 正 志郎 ) いいえ 。 驚かせ て しまった みたい です ね 。

山 の 上 の 洋館 に 越し て き まし た 桐 敷 と 申し ます の 。

お 見 知り おき を 。

( 騒ぎ 声 )

( 千鶴 ) あら 。 ずいぶん にぎやか です の ね 。

( 淳子 ) あ … 。 お盆 な の で 親戚 が 集まって て 。

そう か ! 千鶴 。 これ が 帰省 だ !

そう ね 正 志郎 ! 私 初めて 見 まし た わ !

( 正 志郎 ) 向こう に 住 ん で いる と この シーズン あの 人 たち が →

どこ に 消え て いる の か 不思議 だった ん だ !

問題 解決 で すわ ね !

( 幹 康 ) 何だか すごい 人 たち だった よ 。

そして それ から … 。

あの … よかったら 寄って いき ませ ん か ?

ご覧 の とおり 宴会 の 最中 で 酔っぱらい ばかり な ん です けど 。

ん まっ ! 申し訳ない わ 。 →

せっかく ご 親戚 で お 集まり の ところ な ん です もの 。 →

日 を 改めて 伺わ せ て いただき ます わ 。

じゃ うち に も い らし て ください 。 工務 店 って 言え ば 分かり ます から 。

( 奈緒 ) 確か お嬢さん も いる ん です よ ね 。 ぜひ 一緒 に !

ありがとう ござい ます 。 →

必ず ごあいさつ に 伺わ せ て いただき ます 。 →

近い うち に 。

それ で ?

えっ ? いや それ だけ だ けど 。

俺 は 具合 の 悪 そう な 客 は い なかった か 聞い てる ん だ 。

あ … だって … 。

まあ いい 。

( 幹 康 ) あの … 敏夫 さん 。 ( 敏夫 ) うん … 。 →

場合 に よって は 国立 病院 に 連れ て いった 方 が いい かも な 。

( 幹 康 ) えっ ! それ って … 。

( 敏夫 ) あるいは 大学 病院 に 紹介 状 書く から 。

あ … かなり や ばい って こと ?

場合 に よって は だ よ 。

工務 店 の 若 奥さん は 何かと 気苦労 も 多い だ ろ ?

ちゃんと 診 て やら ない と な 。

( 敏夫 ) 《 すま ん 幹 康 。 奈緒 さん は きっと 助から ない 》

( 静 信 ) 《 死 が まん延 し たら →

この 小さな 村 は なく なって しまう の だ ろ う か 》

( 沙 子 ) 室井 さん 。 →

室井 静 信 さん でしょ ? ( 静 信 ) そう だ けど 。

( 静 信 ) 君 は ?

( 沙 子 ) あなた の 小説 わりと 好き だ わ 。

( 静 信 ) 君 が 読む の かい ? ( 沙 子 ) そう よ 。 変 ?

( 静 信 ) いや ありがとう 。 →

たぶん 君 は 最 年少 の 読者 だ と 思う よ 。

( 沙 子 ) そう ね 。 少し 難しい 言葉 も あった けど 。

( 静 信 ) 君 は 本 が 好き な の ? ( 沙 子 ) 好き よ 。 たくさん 読む わ 。 →

あなた の 本 は お 父さん の 本棚 に あった の を 借り た の 。 →

長編 が 6 つ と 短 編集 が 2 つ 。 それ で 全部 なら 全部 読 ん でる 。

すごい な 。 それ で 全部 だ よ 。

全部 読 ん で くれ た 人 に 会った の は 初めて だ 。

エッセー も 雑誌 で 見掛け た わ 。

「 村 は 死に よって 包囲 さ れ て いる 」 この 村 の こと でしょ ?

( 静 信 ) よく 分かった ね 。

( 沙 子 ) 読め ば 著者 の 住 ん でる 村 だって すぐ 分かる 。 →

あと は 略歴 と か お 寺 の 名前 を 頼り に 地図 を 見 れ ば いい の 。 →

ほこら の よう な 村 。 いい 感じ 。

きっと お 父さん も そう 思った ん だ わ 。 →

あの エッセー を 見 て から だ もの 。 引っ越し が 決まった の 。 →

わたし は とても 室井 さん に 興味 が あった 。 会って み たかった 。

イメージ と 違って がっかり し た ?

そう ね 。 意外 と 普通 だ なって 思った わ 。

角 や しっぽ が 生え てる か と 思って た の 。 →

だって 神様 に 見放さ れ た 人 の お 話 ばかり だ から 。 →

でも 納得 し た わ 。 角 は なかった けど →

傷 が あった から 。 →

フフ フフ … 。 ( 静 信 ) 君 は … 。

( 沙 子 ) 沙 子 よ 。 ( 静 信 ) 沙 子 ちゃん 。

ちゃん 付け し ない で ! そういう の 大嫌い !

1 つ 教え て あげる わ 室井 さん 。

手首 を 切った くらい じゃ 人 は 死な ない の よ 。 →

フフフ … 。 フフフ … 。 フフフ … 。

( 静 信 ) そうだ ね 死な ない 。

たぶん 知って い た と 思う よ 。

( テレビ ゲーム の 音 )

聞い た か 徹 ちゃん ! 工務 店 の 奈緒 さん が … 。

あぁ 正雄 。 何 だって ?

( 徹 ) 奈緒 さん が どう し た って ?

亡くなった ん だ よ ! ( 徹 ) だって 確か 若かった ろ ?

ああ 。 でも 今日 葬式 で 埋葬 さ れ て た ぜ !

清水 も 死 ん だ し 何 か 変 な 病気 は やって ん じゃ ない か な ?

( 正雄 ) 夏野 。 お前 冷たい な 。 清水 の 遺品 断った ん だ って ? →

思いやり が ない って いう か 情緒 に 欠陥 で も ある ん じゃ ねえ ?

普通 若く し て 死 ん だ かわいそう な 子 の 遺品 →

断ら ない ぜ 。 若い から 何 だ ?

俺 たち だって あした に も 死ぬ かも しれ ない 。

あ … あんまり 死 な ね ー だ ろ が ! ! そう か ? 確率 の 問題 だ ろ 。

( 正雄 ) でも 人生 これ から って とき に 死 ん じ まった ん だ ぜ 。 →

さぞ 無念 だった ろ う な 。

無念 を 残す よう な 生き 方 を し てる から そう 思う ん だ 。

つ う か お前 自分 が 死 ん で そういう 扱い さ れ て 平気 な わけ ?

死 ん だ ら 平気 も 何も 分から ない 。

いい や ! 清水 今ごろ は 墓 の 下 で 泣 い て ん だ !

お前 を 恨 ん で 出 て くる かも な ! !

いい 年 し て … うぶ な こと だ 。

く あー っ ! ! こいつ ! よそ者 の くせ に ! !

( 徹 ) ここ まで に しよ う 正雄 !

何で こいつ を かばう ん だ よ ! ? 徹 ちゃん 。 こいつ の 方 が 悪い だ ろ 。

うん … 。 冷たく 見える けど ね →

良く 言う と 冷静 で 公平 な ん じゃ ない の か ?

徹 ちゃん も 仲間 か … 。 帰る !

( 徹 ) 夏野 。 お前 の 方 が 利口 な ん だ から 優しく して やれ 。

へ っ ?

今日 は ここ で 寝る 。

いや それ は 俺 の 布団 だ し !

親 に 連絡 し とい て 。 家 じゃ 眠れ なく て … 。

やれやれ 。 せめて ちゃんと 布団 を かぶれ 。

夏 風邪 が はやって る らしい から な 。

( 徹 ) ジュース 買って くる よ 。

( 徹 ) あっ 。

あー あ 。

( 辰巳 ) どう かしま し たか ?

( 徹 ) どなた ? ( 辰巳 ) やっ ! →

このたび 引っ越し て まいり まし た 辰巳 と 申し ます 。

ああ ! 兼 正 の 。 ( 辰巳 ) やっ ! そうです 兼 正 の 。

( 徹 ) い や ぁ 自販機 の 下 に 100 円 が 転がっちゃ っ て 。

おお 何と ! でも 大丈夫 です 。 僕 は こんな とき の ため に →

いつも 孫 の 手 を 持って いる の です 。

こんな とき の ため に … 。 ( 辰巳 ) はい 。

い や ぁ ありがとう 助かった よ 。

俺 武藤 って いう ん だ 。

そこ の 家 な ん だ けど 今度 ぜひ 遊び に 来 て くれよ 。

やっ ! で は 友達 も 連れ て 伺って も いい です か ?

( 徹 ) ああ もちろん 。 ( 辰巳 ) で は →

必ず 伺い ます 近い うち に … 。

大きな 夢 目指し 歩 い て い た

迷い 迷って 終わり の ない 旅

あの 時 は 雪 混じり の 雨 で

涙 か どう か わから なかった

さよなら もう 二 度 と 会え ない

私 が 、 選 ん だ 未来 へ また 一 歩 踏み出す よ

大きな 壁 を 超え て

好き だった のに どうして ?

「 最期 だ 」 なんて 言った の ?

今 で は ちゃんと わかる

だから ねぇ " walk " 強く . . .

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( 静 信 ) 《 荒涼 たる 大地 は 硬く 凍って →

幾重にも うねる 空 は 暗 たん と 垂れ込め →

空 と 大地 と で 世界 は 見事 に 二 分 さ れ て い た 》 →

《 この 不毛 の 地 を 歩く の は 彼 と 悪霊 だけ だった 》 →

《 呪わ れ て あれ 追放 者 。 呪わ れ て あれ 追放 者 》 →

《 呪わ れ て あれ 追放 者 》 →

《 やがて 日 が 薄れ また 夜 が やって 来る 》 →

《 それ が この 荒野 に やって 来る 刻限 》 →

《 それ は 彼 が すでに ほ ふった 弟 》 →

《 その 亡き がら は 哀惜 と 共に 葬ら れ た はず だった 》 →

《 それ が また 今夜 も 墓 から 蘇る 》

愛し ‥ 愛し 合う の さ もっと

激しい 渇き に 狂い そう

目 を 閉じ て 罪深き くちづけ

お前 の 匂い 狂わせる

真 夜中 に 目覚め て 狂気 愛 飲み干す

おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い ぞ "

君 は 惑い 揺らめく

やがて 永遠 に なる " こっち の 闇 は 甘い ぞ "

僕 は 深く 突き刺す

おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い よ "

君 は 惑い 揺らめく

( 徹 ) お ー い 夏野 !

( 徹 ) 制服 なんか 着 て どこ 行って た ん だ よ 。

( 夏野 ) 登校 日 だ ろ ! ? つ か 徹 ちゃん 車 の 免許 取れ た の か ?

まだ 仮 免 。 律 ちゃん に 運転 の 練習 に →

付き合って もらって る ん だ 。 ( 律子 ) こんにちは 。

あっ 。 どうも … 。 ( 徹 ) て か こんな 暑い 中 →

何で 歩 い て ん だ ? さあ 乗った 乗った 。

1 時間 以上 バス が なかった から 次 の バス停 まで 歩 い た ん だ けど →

途中 で 追い抜か れ た … 。 ナハハ ! 俺 も よく やる よ それ 。

溝辺 町 から 歩 い たら 3 時間 くらい かかる でしょ ?

ええ … 。

電車 でも ありゃ 別 だ けど バス しか ない し 。

そう ね 。 ( 徹 ) フッ 。 どう し た ! ? →

寝不足 か 。 まあ ね 。

早く 村 から 出 たい なって 考え て たら ね 。

お前 ん と この 親 せっかく 自然 を 求めて 越し て き た ん だ ろ 。 →

そんな こと 言ったら 嘆く ぞ 。

ちょっと ! 前 見 て !

( 徹 ) 保 ! 正雄 !

( 保 ) 兄貴 !

( 正雄 ) 徹 ちゃん !

もうけ た ! 乗って こ う ぜ 。 ( 正雄 ) うん ! う っ … 。

やっぱり 俺 いい わ 。 ( 保 ) 何で ? 車 の 方 が 涼しい ぜ 。

いい ん だ って ! ! 乗り たきゃ 保 だけ 乗りゃ いい だ ろ ! !

正雄 ! は ぁ 。 待て よ ー !

どう し た の ? 彼 。

正雄 は 夏野 の こと が 嫌い な ん だ よ 。

夏野 の 方 は どう で も いい みたい だ けど 。

( 頭 を たたく 音 ) ( 徹 ) ぐ あっ ! ! 何 を する 夏野 !

だから 俺 を 名前 で 呼ぶ な って 言って ん だ ろ !

《 誰 と も 親しく なる つもり な ん か なかった 》

( 村人 ) あら ~ 。 あれ 工房 の 息子 じゃ ない の ?

( 村人 ) ハイカラ な 自転車 に 乗って 。

《 よそ者 が 引っ越し て くる なんて ほとんど なかった みたい だ し 》

《 親 も 名字 が 違って ちょっと 変わった 感じ に 見 られ た 》

《 こんな 村 こっち も ごめん だ 》

( 徹 ) お っ パンク か ? お前 工房 の 息子 だ ろ ?

田舎 の 道 は 都会 と 違って パンク し やすい から な 。

直し て やる よ 。

いや … いい よ 。

あっ 。

遠慮 する なって 。 こういう の も ご 近所 付き合い って やつ だ ぜ 。

( 徹 ) お前 ん ち も 修理 セット 買った 方 が いい ぞ 。

俺 武藤 徹 。 お前 は ?

結城 。 小出 。 どっち で も いい 。

ああ 。 親 の 名字 違う ん だ っけ … 。 下 は ?

名字 じゃ 紛らわしい から 名前 で 呼び たい ん だ けど 。

名前 なんて どうでも いい だ ろ ! どうも あり が と 。

今度 遊び に 来 な ー !

《 誰 が 行く か よ ! 》

また パンク し た ん だ けど 。

お前 ん と この 親 から 聞い た ぜ 。

夏野 。

《 どうせ 出 て いく ん だ 。 誰 と も 親しく なる つもり は ない 》

《 そんな つもり は … なかった 》

夏野 。 熟睡 か ?

起き てる よ 。

よし 。

( 律子 ) 奈緒 さん 悪い ん です か ? ( 敏夫 ) いや 検査 結果 が 変 な ん だ 。

もう 一 度 調べ 直し たい から すぐに でも 再 検査 に 来る よう →

電話 し て くれ ない か 。 ( 律子 ) はい 。

やはり 恵 ちゃん と 同じ だ 。 貧血 。

血液 。 網 赤血球 の 増加 。 有 核 赤血球 あり 。

骨髄 。 赤 芽 球 の 過 形成 。 形態 異常 なし 。

大量 に 赤血球 が 消費 さ れ て いる ため に →

造 血 が 促進 さ れ て いる の か 。 だが 出血 は ない 。 内出血 も ない 。

血清 ビリ ルビン LDH 共に 正常 。

クームス 試験 陰性 。 溶 血 で も ない 。

考え れ ば 考える ほど 全て の 可能 性 が 否定 さ れる 。

何 か おかしい !

( 正雄 ) あ … 。 えっ と … 。

( 正雄 ) ただ い ま ー 。

( 宗 秀 ) 宿題 は 終わった の か ? ( 正雄 ) 宿題 ?

もう すぐ 新 学期 だ ろ ? ( 正雄 ) ああ … 。

そんな の とっくに 終わって る よ 。 ねえ 父ちゃん 。

「 あ 」 で 始まる 言葉 で … 。 ( 博巳 ) お じいちゃん ! →

お 母さん が ご飯 を 食べ に 行き ま しょ う って 。

そう か 。 今日 は 外食 か 。 ( 博巳 ) うん 。

( 宗 秀 ) 博巳 は 何 が 食べ たい ? ( 博巳 ) あ … 。 えっ と … 。

( 宗 秀 ) ハンバーグ か ? オムライス が いい か 。 →

ほら 。 正雄 も 行く ぞ 。 ( 正雄 ) 俺 行か ない 。

正雄 。 ( 正雄 ) 行か ない !

お前 は … 。 また 子供 みたい な こと を 。

博巳 に 笑わ れる ぞ 。 なあ ?

( 智 寿 子 ) お 父 さま 。 準備 でき まし た ? →

正雄 君 は ? ( 宗 秀 ) 行か ない そう だ 。

そう な の ? じゃあ 仕方ない わ ね 。

( 正雄 ) 《 俺 と 智 寿 子 姉さん は 正直 折り合い が 悪い 》 →

《 兄さん と の 結婚 が 決まって 何度 目 か に 会った とき … 》

( 智 寿 子 ) あら 。 正雄 君 。 ( 正雄 ) 姉さん … 。

なあ に ?

姉さん は 兄さん の どこ が いい の ?

えっ 。 や だ いきなり ! 何 聞く の ! そう ねぇ →

明るく て 屈託 の ない ところ ? 人望 の ある ところ ? な ー ん て !

( 正雄 ) そう … 。 じゃあ 俺 み たい の は 嫌い な ん だ ろ う ね 。 →

同居 なんて 我慢 でき ない ん じゃ ない か なぁ ?

えっ ?

「 そんな こと ない わ 好き よ 」 って 言う よ ね 。

まだ 分から ない わ 。 正雄 君 を よく 知って る わけ で も ない し 。

( 正雄 ) そう … 。 じゃあ きっと 嫌い に なる よ 。

( 正雄 ) あの とき から だ 。

( 幹 康 ) 敏夫 さん ! →

あ … 。 奈緒 の 具合 が … 。

どうして 昨日 来 なかった ! ? 連絡 し た ろ う ! !

( 幹 康 ) そんな 話 … 奈緒 は 何 も … 。 ( 律子 ) えっ ! ?

奈緒 さん 具合 は どう だ ?

( 敏夫 ) 《 かなり 速い 》

《 うん ? 虫 刺され か ? 》

やす よ さ ん ! 血液 検査 ! →

頻脈 が ある から 念のため に 心電図 を 撮って くれ 。 →

あと 下山 さん に 言って \ NUS と CT の 準備 を !

( 敏夫 ) 奈緒 さん は いつ から 悪かった ん だ ?

( 幹 康 ) え ー と … 2 ~ 3 日 前 。 ( 敏夫 ) おととい ? その 前 ?

たぶん その 前 から だ よ 。 具合 が だる そう で … 。

《 こいつ 子供 の ころ から 変わら ない な 》

幹 康 は どう だ ? ( 幹 康 ) 俺 ?

お前 でも ほか の 家族 で も いい 。

あるいは 工務 店 の 若い の でも 具合 の 悪 そう な やつ は い た か ?

たぶん … 。

( 敏夫 ) いれ ば 夏 風邪 を うつさ れ た の かも しれ ん 。

い ない と 思う 。

じゃあ 客 は ?

えっ ? ( 敏夫 ) 具合 が 悪 そう だ と か →

様子 の おかしい 客 は い なかった か ?

( 幹 康 ) ああ そう いえ ば … 。 ( 敏夫 ) うん ?

兼 正 の ご 主人 と 奥さま に 会った 。

兼 正 ? ( 幹 康 ) うん 。 何 日 か 前 。

( 幹 康 ) いく ぞ ー 。 ほら ! ( 進 ) わ ぁ !

( 奈緒 ) きれい だ ね ー 。 ( 進 ) わ ぁ ー !

( 千鶴 ) こんばんは 。

( 幹 康 ) こんばんは 。 進 。 「 こんばん は 」 は ?

( 幹 康 ) あっ !

( 奈緒 ) 進 ちゃん 。 ( 幹 康 ) すみません 。

( 正 志郎 ) いいえ 。 驚かせ て しまった みたい です ね 。

山 の 上 の 洋館 に 越し て き まし た 桐 敷 と 申し ます の 。

お 見 知り おき を 。

( 騒ぎ 声 )

( 千鶴 ) あら 。 ずいぶん にぎやか です の ね 。

( 淳子 ) あ … 。 お盆 な の で 親戚 が 集まって て 。

そう か ! 千鶴 。 これ が 帰省 だ !

そう ね 正 志郎 ! 私 初めて 見 まし た わ !

( 正 志郎 ) 向こう に 住 ん で いる と この シーズン あの 人 たち が →

どこ に 消え て いる の か 不思議 だった ん だ !

問題 解決 で すわ ね !

( 幹 康 ) 何だか すごい 人 たち だった よ 。

そして それ から … 。

あの … よかったら 寄って いき ませ ん か ?

ご覧 の とおり 宴会 の 最中 で 酔っぱらい ばかり な ん です けど 。

ん まっ ! 申し訳ない わ 。 →

せっかく ご 親戚 で お 集まり の ところ な ん です もの 。 →

日 を 改めて 伺わ せ て いただき ます わ 。

じゃ うち に も い らし て ください 。 工務 店 って 言え ば 分かり ます から 。

( 奈緒 ) 確か お嬢さん も いる ん です よ ね 。 ぜひ 一緒 に !

ありがとう ござい ます 。 →

必ず ごあいさつ に 伺わ せ て いただき ます 。 →

近い うち に 。

それ で ?

えっ ? いや それ だけ だ けど 。

俺 は 具合 の 悪 そう な 客 は い なかった か 聞い てる ん だ 。

あ … だって … 。

まあ いい 。

( 幹 康 ) あの … 敏夫 さん 。 ( 敏夫 ) うん … 。 →

場合 に よって は 国立 病院 に 連れ て いった 方 が いい かも な 。

( 幹 康 ) えっ ! それ って … 。

( 敏夫 ) あるいは 大学 病院 に 紹介 状 書く から 。

あ … かなり や ばい って こと ?

場合 に よって は だ よ 。

工務 店 の 若 奥さん は 何かと 気苦労 も 多い だ ろ ?

ちゃんと 診 て やら ない と な 。

( 敏夫 ) 《 すま ん 幹 康 。 奈緒 さん は きっと 助から ない 》

( 静 信 ) 《 死 が まん延 し たら →

この 小さな 村 は なく なって しまう の だ ろ う か 》

( 沙 子 ) 室井 さん 。 →

室井 静 信 さん でしょ ? ( 静 信 ) そう だ けど 。

( 静 信 ) 君 は ?

( 沙 子 ) あなた の 小説 わりと 好き だ わ 。

( 静 信 ) 君 が 読む の かい ? ( 沙 子 ) そう よ 。 変 ?

( 静 信 ) いや ありがとう 。 →

たぶん 君 は 最 年少 の 読者 だ と 思う よ 。

( 沙 子 ) そう ね 。 少し 難しい 言葉 も あった けど 。

( 静 信 ) 君 は 本 が 好き な の ? ( 沙 子 ) 好き よ 。 たくさん 読む わ 。 →

あなた の 本 は お 父さん の 本棚 に あった の を 借り た の 。 →

長編 が 6 つ と 短 編集 が 2 つ 。 それ で 全部 なら 全部 読 ん でる 。

すごい な 。 それ で 全部 だ よ 。

全部 読 ん で くれ た 人 に 会った の は 初めて だ 。

エッセー も 雑誌 で 見掛け た わ 。

「 村 は 死に よって 包囲 さ れ て いる 」 この 村 の こと でしょ ?

( 静 信 ) よく 分かった ね 。

( 沙 子 ) 読め ば 著者 の 住 ん でる 村 だって すぐ 分かる 。 →

あと は 略歴 と か お 寺 の 名前 を 頼り に 地図 を 見 れ ば いい の 。 →

ほこら の よう な 村 。 いい 感じ 。

きっと お 父さん も そう 思った ん だ わ 。 →

あの エッセー を 見 て から だ もの 。 引っ越し が 決まった の 。 →

わたし は とても 室井 さん に 興味 が あった 。 会って み たかった 。

イメージ と 違って がっかり し た ?

そう ね 。 意外 と 普通 だ なって 思った わ 。

角 や しっぽ が 生え てる か と 思って た の 。 →

だって 神様 に 見放さ れ た 人 の お 話 ばかり だ から 。 →

でも 納得 し た わ 。 角 は なかった けど →

傷 が あった から 。 →

フフ フフ … 。 ( 静 信 ) 君 は … 。

( 沙 子 ) 沙 子 よ 。 ( 静 信 ) 沙 子 ちゃん 。

ちゃん 付け し ない で ! そういう の 大嫌い !

1 つ 教え て あげる わ 室井 さん 。

手首 を 切った くらい じゃ 人 は 死な ない の よ 。 →

フフフ … 。 フフフ … 。 フフフ … 。

( 静 信 ) そうだ ね 死な ない 。

たぶん 知って い た と 思う よ 。

( テレビ ゲーム の 音 )

聞い た か 徹 ちゃん ! 工務 店 の 奈緒 さん が … 。

あぁ 正雄 。 何 だって ?

( 徹 ) 奈緒 さん が どう し た って ?

亡くなった ん だ よ ! ( 徹 ) だって 確か 若かった ろ ?

ああ 。 でも 今日 葬式 で 埋葬 さ れ て た ぜ !

清水 も 死 ん だ し 何 か 変 な 病気 は やって ん じゃ ない か な ?

( 正雄 ) 夏野 。 お前 冷たい な 。 清水 の 遺品 断った ん だ って ? →

思いやり が ない って いう か 情緒 に 欠陥 で も ある ん じゃ ねえ ?

普通 若く し て 死 ん だ かわいそう な 子 の 遺品 →

断ら ない ぜ 。 若い から 何 だ ?

俺 たち だって あした に も 死ぬ かも しれ ない 。

あ … あんまり 死 な ね ー だ ろ が ! ! そう か ? 確率 の 問題 だ ろ 。

( 正雄 ) でも 人生 これ から って とき に 死 ん じ まった ん だ ぜ 。 →

さぞ 無念 だった ろ う な 。

無念 を 残す よう な 生き 方 を し てる から そう 思う ん だ 。

つ う か お前 自分 が 死 ん で そういう 扱い さ れ て 平気 な わけ ?

死 ん だ ら 平気 も 何も 分から ない 。

いい や ! 清水 今ごろ は 墓 の 下 で 泣 い て ん だ !

お前 を 恨 ん で 出 て くる かも な ! !

いい 年 し て … うぶ な こと だ 。

く あー っ ! ! こいつ ! よそ者 の くせ に ! !

( 徹 ) ここ まで に しよ う 正雄 !

何で こいつ を かばう ん だ よ ! ? 徹 ちゃん 。 こいつ の 方 が 悪い だ ろ 。

うん … 。 冷たく 見える けど ね →

良く 言う と 冷静 で 公平 な ん じゃ ない の か ?

徹 ちゃん も 仲間 か … 。 帰る !

( 徹 ) 夏野 。 お前 の 方 が 利口 な ん だ から 優しく して やれ 。

へ っ ?

今日 は ここ で 寝る 。

いや それ は 俺 の 布団 だ し !

親 に 連絡 し とい て 。 家 じゃ 眠れ なく て … 。

やれやれ 。 せめて ちゃんと 布団 を かぶれ 。

夏 風邪 が はやって る らしい から な 。

( 徹 ) ジュース 買って くる よ 。

( 徹 ) あっ 。

あー あ 。

( 辰巳 ) どう かしま し たか ?

( 徹 ) どなた ? ( 辰巳 ) やっ ! →

このたび 引っ越し て まいり まし た 辰巳 と 申し ます 。

ああ ! 兼 正 の 。 ( 辰巳 ) やっ ! そうです 兼 正 の 。

( 徹 ) い や ぁ 自販機 の 下 に 100 円 が 転がっちゃ っ て 。

おお 何と ! でも 大丈夫 です 。 僕 は こんな とき の ため に →

いつも 孫 の 手 を 持って いる の です 。

こんな とき の ため に … 。 ( 辰巳 ) はい 。

い や ぁ ありがとう 助かった よ 。

俺 武藤 って いう ん だ 。

そこ の 家 な ん だ けど 今度 ぜひ 遊び に 来 て くれよ 。

やっ ! で は 友達 も 連れ て 伺って も いい です か ?

( 徹 ) ああ もちろん 。 ( 辰巳 ) で は →

必ず 伺い ます 近い うち に … 。

大きな 夢 目指し 歩 い て い た

迷い 迷って 終わり の ない 旅

あの 時 は 雪 混じり の 雨 で

涙 か どう か わから なかった

さよなら もう 二 度 と 会え ない

私 が 、 選 ん だ 未来 へ また 一 歩 踏み出す よ

大きな 壁 を 超え て

好き だった のに どうして ?

「 最期 だ 」 なんて 言った の ?

今 で は ちゃんと わかる

だから ねぇ " walk " 強く . . .