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涼宮ハルヒの憂鬱, Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 28

Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 28

( キョン ) 文化 祭 や その後 に やって 来た ゴタゴタ も 終了 し

はや 冬 の 足音 が 山 風 と ともに 聞こえて くる 今 は

もう そろそろ 12 月

創立 以来 の 古 さ を 誇る 旧 館 この 部室 棟 は

その 壁 の 薄 さ の せい も あって

屋内 に いながら 妙に 寒々 しい 日 の こと である

♪~

~♪

( 運動 部員 たち の 掛け声 )

( 吹奏 楽 の 練習 の 音 )

( キョン ) あ …

( キョン ) 毎度 いろんな こと に 巻き込ま れて きた SOS 団

と いう より もっぱら 俺 だった が

しかし そんな 事態 が 毎日 毎日 律 儀 に 訪れる わけ は なく

大体 毎日 の ように あれ や これ や の 非 日常 爆弾 が

さく裂 して いたら 俺 の 身 が もた ず 心 の ほう は もっと もた ない

は あ …

( キョン ) しかし ハルヒ が い ない と ホント 静かで いい な

でも 少し 静か すぎる か

よく 考えたら ハルヒ や 朝比奈 ( あさひ な ) さん たち と 出会って

もう 半年 たつ の か

いろいろ やら かして きた もん だ

ハルヒ が 原因 な もの も あれば そう で ない もの も 含めて な

まあ 大抵 は こうして 俺 たち が まったり と 時 を 過ごして いる 最中 に

あいつ が 突然 飛び込んで きて 始ま …

( ハルヒ ) みんな ~! 聞いて 朗報 よ !

( キョン ) また か こいつ の 言う 朗報 と やら が ―

俺 たち … 特に 俺 と 朝比奈 さん に とって

朗らかな 報告 と なった こと など 実際 ほとんど ない のだ が …

( キョン ) 今度 は な んだ よ

( ハルヒ ) 部室 に 暖房 器具 を 設置 する 手はず が 整った わ

ん … お いしょ

( み くる ) あっ は いはい

映画 撮った 時 に スポンサー に なって くれた 電器 屋 さん が

提供 して くれる って

去年 の 売れ残り を 倉庫 に しまった きり 忘れちゃ って て

処分 に 困って る 電気 ストーブ で よければ って ―

さっき 電話 が あった の

( キョン ) ハルヒ に わざわざ 電話 して そんな 申し出 を する ほど

暇で 親切な 電器 屋 は ない だろう から

どうせ こいつ が ゴリ 押し で ねじ込んだ のだろう

だから キョン あんた これ から 店 に 行って もらって きて ちょうだい

俺 が ? 今 から ?

そう あんた が 今 から

( キョン ) お前 俺 が 毎日 往復 して る 山道 を もう 一 回 下りて

しかも 電車 で 2 駅 かかる 電器 店 まで 行って から

おまけに 荷物 抱えて また ここ まで 戻って こい って 言う の か

そう よ だって 急が ない と ―

おっちゃん の 気 が 変わっちゃ う かも しれ ない じゃ ない

いい から さっさと 行って き なさい どうせ 暇な んでしょ

( キョン ) この 部屋 に いる 時点 で

暇で ない ヤツ など い ない ような 気 が する が …

お前 は 暇じゃ ねえ の か

あたし は これ から し ない と いけない こと が ある から

イヒッ

ん ?

( ハルヒ ) 古泉 ( こい ずみ ) 君 は 副 団長 で

あんた は ヒラ の 団員 な んだ から

階級 の 低い ほう が キリキリ 働く の は どこ の 組織 だって 同じ よ

もちろん SOS 団 も その ルール を 採用 して る わ

( キョン ) まあ いい か

今回 ばかり は ハルヒ も マシ な 用件 を 取り付けて きた

ちょうど 部室 に 暖房 器具 が 欲しい と 思って いた ところ だ

朝比奈 さん や 長門 ( な が と ) に 行か せる くらい なら 俺 が 行く さ

あっ …

待って

今日 は 冷え ます から

あ …

( キョン ) どうも ( ハルヒ ) 早く

行き なさい よ !

は あ … あ ~ あ

( カラス の 鳴き声 )

( ハルヒ ) さっ 邪魔者 は 消えた わ ( み くる ) えっ ?

( ハルヒ ) み くるちゃ ん 写真 撮り たい から ポーズ 取って くれる ?

( み くる ) ええ ? なんの 写真 です か ?

( ハルヒ ) 決まって る でしょ 文化 祭 で 上映 した ―

「 朝比奈 ミクル の 冒険 」 を DVD に する から ―

その ジャケット 撮影 よ

( み くる ) ええ ? あれ 本当に 作る つもりな んです か ?

諦めて くれた んじゃ …

( ハルヒ ) あん 時 は キョン が うるさかった から

今 なら 反対 する ヤツ も い ない し ね

( 古泉 ) うん

( キョン ) 最初に この 坂道 を 上って 登校 した 日 に は

うんざり さ せ られた が

半年 以上 通って いる と すっかり 慣れ ち まった

ハイキング コース みたいな 登 下校 に も

そして SOS 団 に も な

今頃 俺 の いない 部室 で ハルヒ は 何 を やって んだろう

暇だ から と か なんとか 言って

朝比奈 さん を オモチャ に して なければ いい んだ が

( ハルヒ ) 古泉 君 レフ 板 係 お 願い ね

( 古泉 ) 分かり ました

( ハルヒ ) み くるちゃ ん ぼ ー っと して ないで ポーズ を 取りなさ い ほら ほら

( み くる ) は … は ~ い

( ハルヒ ) もっと 媚 ( こ ) び る ように 笑って

もっと 物 欲し そうに

そんな ん じゃ 男子 ユーザー を 満足 さ せ られ ない わ よ

( み くる ) ふえ え …

( ハルヒ ) そろそろ 衣装 チェンジ し ま しょ 次 は これ

( み くる ) ええ え …

( ハルヒ ) いい から いい から !

( み くる ) う ぐ っ … う っ う ぬ ぬ …

( ハルヒ ) 離し なさい この !

( み くる ) あ ~! 自分 で やり ます ~

いい の ! あたし が 手伝った ほう が 早い でしょ

( み くる ) ふえ っ ! ブラ まで 一緒に …

( ハルヒ ) どうせ 取る んだ し いい でしょ

あっ み くる ちゃん また 大きく なった んじゃ ない の ?

ますます ダイナマイト ね

( み くる ) ち べ たっ ! ど ど ど … どこ 触って んです か ~

あ … もう 冷たく なって る

( み くる ) う う … さ ぶい です それ に 恥ずかしい です よ ~

( ハルヒ ) み くるちゃ ん あなた は もっと 自信 を 持つ べき よ

なんといっても この あたし が 選んだ

学校 一 の マスコットキャラ なんだ から

ねっ ? 古泉 君

( 古泉 ) まったく その とおり か と

( ハルヒ ) ほん じゃ 次 これ 着て !

( み くる ) えっ また ?

わ わ っ ! だ … だ から 自分 で …

( ハルヒ ) あ ~ ん もう ! ん ん ~!

今日 中 に 全て 撮り 終え ない と いけない んだ から 急ぐ わ よ

( ハルヒ ) ん っ ! は あ … ( み くる ) ふえ …

( ハルヒ ) はい 次 これ !

( み くる ) あの … この ナース 服 も それ も

映画 の 中 で 着たり して ない んです けど …

ホントに これ ジャケット の 撮影 な んです か ?

( ハルヒ ) うん そう よ ! でも 今 アイデア が ひらめいた わ

この 分 だ と 写真 集 だって 作れ そう ね

どう ? 古泉 君 この アイデア !

( 古泉 ) 誠に 結構な アイデア か と

( み くる ) ひえ え …

( ハルヒ ) いえ 待って ! どうせ DVD に する なら

特典 と して おまけ 映像 を つける べき よ ね

どう ? 古泉 君 この アイデア !

( 古泉 ) 非常に よい アイデア か と

( み くる ) ひえ え ~

( お 知らせ の チャイム )

( アナウンス ) まもなく 電車 が 到着 いたし ます

( み くる ) あっ …

( ハルヒ ) じゃ 後ろ 向いて ひ ょい っと

どうやら ひと 雨 き そうです ね

( ハルヒ ) これ かぶって

( 女子 生徒 A ) おかしかった ( 女子 生徒 B ) そう な の ?

( 女子 生徒 A ) ビックリ する って ( 女子 生徒 B ) アハハッ

( み くる ) ふう … ( ハルヒ ) ほら 脱いで 脱いで

( み くる ) わ あ … ええ まだ やる んです か ?

( み くる ) ふえ ~ ( ハルヒ ) フフ ~ ン ♪

フッフフン フンフ ~ ン ♪

アハハッ フフ ~

うりゃ ~!

( み くる ) これ は 脱が さ なくて も いい で すよ !

( ハルヒ ) 見せ パン は くんだ から これ は いら ない でしょ っと

♪( ハルヒ の 歌声 )

( ハルヒ ) ハハハ ~ 楽し ~! ( み くる ) あれ ~!

( 大森 ( おおもり )) これ が 約束 の ストーブ だ よ 持って 帰れる かい ?

ええ まあ なんとか

あの かわいい 娘 さん たち は 元気 かな ?

1 人 が 元気 あり すぎて 困って ます よ

CM の 効果 は あり ました ?

正直 言って あまり 変わって ない ね

( キョン ) そりゃ そう だろう な

高校 の 文化 祭 映画 本 編 中 の CM じゃ あまりに 局地 的 すぎる

よく スポンサー に なって くれた もの だ

ところで あの 元気 の いい 娘 さん が 電話 で 言って た んだ が

映画 の 続編 を 作る って 本当 かい ?

あいつ が そう 言って んだったら そう なる んでしょう ね

次 も スポンサー に なる よう 頼ま れて しまった よ ハッハッハ

この ストーブ は 次の スポンサー 料 の 前渡し だ と 思って くれ

( キョン ) そういう カラ クリ だった の か

じゃあ これ で

ありがとう ございます

ああ 気 を つけて

( 演劇 部員 たち ) あめんぼ あかい な アイウエオ

うき も に こえ び も およいで る

かき の き くり のき カキクケコ

きつつき こつこつ かれ けやき

ささげ に す を かけ サシスセソ

その う お あさせ で さし ました

たち ま しょ らっぱ で タチツテト

( 男性 ) 声 出して け 声 !

( 演劇 部員 たち ) トテトテ タッタ と とびたった

なめくじ のろのろ ナニヌネノ

( 演劇 部員 ) ナニヌネノ ~!

( 演劇 部員 ) ん ~ あなた が 犯人 です

( 演劇 部員 ) うん 赤 の 方 14 番 を 選ば れた ん ~ まあ いい でしょう

この後 どういった 展開 に なる のでしょう か 次の 問題 どうぞ

( 演劇 部員 ) すごい わ あの 子 が 出て きた だけ で ステージ の 空気 が 変わった

それにしても あの 子 今 まで と 全然 違う

さっき まで と まるで 別人 だ わ

なんて 恐ろしい 子

( 演劇 部員 ) タンメンセット ~! チャーハン セット ~!

天 ざる セット ~!

( 演劇 部員 F ) 青年 エース ! 中年 エース ! 定年 エース !

留年 エース ! 来年 エース ! 3 年 エース !

や っぱ 好き や ねん エース !

( 演劇 部員 ) なぜ ベスト を 尽くさ ない の か ! ど ~ ん と 来 ~ い !

( 演劇 部員 ) お前 ら の やった こと は まる っと ゴリ っと 全て お 見通し だ !

( 演劇 部員 ) 見た目 は 子供 中身 は 微妙 ご 町 内 の 強い 味方

( 演劇 部員 ) その 名 は 名 探偵 … ( 長門 ) ユキ

( 演劇 部員 ) え ~ い 控え 控え 控え ~ い ! この 紋 所 が 目 に 入ら ぬ か

( 演劇 部員 ) わたくし は フランス の 女王 な のです から

( 演劇 部員 ) 変な ところ に 当たる な !

( 演劇 部員 ) まだまだ 甘い な

♪( 演劇 部員 の オペラ の 独唱 )

( 男子 生徒 ) どうも ~! 北海 アイスキャンディーズ です

( 女子 生徒 ) ズキューン

( 男子 生徒 ) ユキ ちゃん 今日 も 相変わらず セクシーだ ね

( 女子 生徒 ) どこ 見 てんねん ど スケベ 警察 呼ぶ ぞ

( 男子 生徒 ) いきなり ボディーブロー かい

満員 電車 の 中 で 痴漢 に 間違わ れた ような 気分 だ よ

( 女子 生徒 ) ところ で もう 冬 やね

( 男子 生徒 ) そう ! 冬 だ ね 冬 と いえば …

( 女子 生徒 ) プロ 野球 オフシーズン

( 男子 生徒 ) クール な と こ突いて くる ね ユキ ちゃん ! WBC も 真っ青だ よ

( 女子 生徒 ) 戦力 外 に なった 選手 が 出て くる の が 楽しみ や ねん

( 男子 生徒 ) しか も なんて イン ザ ダーク な 楽しみ 方 !

いや ほら さ もう すぐ クリスマス じゃ ない ?

( 女子 生徒 ) 鍋 食べ たく なって きた な

( 男子 生徒 ) そう ! 冬 と いえば 鍋

( 女子 生徒 ) あんた 鍋 に は 何 入れる ?

( 男子 生徒 ) えっ ? そうだ な 白菜 に 鶏 豚 白 ネギ 納豆 豆腐 …

えっ と ユキ ちゃん は ?

( 女子 生徒 ) ヒグマ

( 男子 生徒 ) ワーオ ! ユキ ちゃん 狩人 だった んだ

マタギ も 泣いて 逃げ出す よ

( 女子 生徒 ) でも い っつ も ヒグマ の 気持ち に なって

かわいそうに なって 食べ られ へん ねん

( 男子 生徒 ) だったら 最初 から 鍋 に 入れる なって 話 も ある よね

( 女子 生徒 ) じゃあ これ から ヒグマ の 役 やる わ

( 男子 生徒 ) えっ ? ユキ ちゃん が ?

( 女子 生徒 ) だ から あんた 鍋 の 役 やって

( 男子 生徒 ) 来た よ これ ! 漫才 史上 最も …

( 谷口 ( たに ぐち )) よう キョン 何 やって んだ こんな ところ で

見て 分から ない の か 荷物 運び だ

ハッ ご 苦労な こった どうせ また 涼 宮 ( すずみ や ) の 命令 だ ろ

( キョン ) どうやら 半年 も あれば

クラスメート が 俺 の 立場 を 正しく 認識 する の に 十分な ようだった

( 国 木田 ( くに き だ )) これ から 学校 に 戻る の ? 本当に ご苦労さまだ ね

まったく だ

( 谷口 ) じゃ あな ( キョン ) おう

( 国 木田 ) また あした ( キョン ) うん

っと …

チェッ 降って きや がった

( キョン ) 天気 予報 じゃ 降水 確率 10 パー って 言って や がった のに

当て に なら ん 気象 予報 士 だ 本降り に なら ん こと を 祈ろう

( 古泉 ) おや 雨 の ようです ね

( み くる ) キョン 君 大丈夫 かな

( キョン ) 今 ほど あの 部屋 が 恋しい と 思った こと は ない

一刻 も 早く 朝比奈 さん の いれて くれる お茶 に ありついて

心 と 体 を あっ ため たい ぜ

( 鶴屋 ( つる や )) ヤッホー ! み くる いる ?

って あれ ? 長門 っち だけ ?

あした の 掃除 当番 代わって ほしくて さ

それ を 頼み に 来た んだ けど み くる は ?

おうおう そっち の ほう に いん の かい ? あん が と !

( テニス 部 の ランニング の 掛け声 )

( キョン ) … っと ああ

やれやれ

は あ ~ は あ ~

( 鶴屋 ) あれ れ ? キョン 君 お つかい だった の かい ?

鶴屋 さん

どうりで

はっ ? 何 が です ?

フフフ なんでもない っさ ご 苦労 さん

ん ~ ぬれて る ねえ よい しょ っと

どうも

じゃあ ね !

ハンカチ なら これ と 一緒に 後 で み くる に 渡し といて フフッ

( キョン ) 相変わらず 挙動 の よく 読め ない 人 だ

サバ けた 感じ の いい 先輩 だ が

( キョン ) あれ 長門 お前 だけ か

よっ …

ハルヒ たち は ?

( み くる ) と お ~!

( ハルヒ ) そう ! そこ は 尻もち を つく べき ところ よ

なかなか 分かって る じゃ ない

( み くる ) ん ~ ん …

ほっ

あ 痛 ! ふえ ~ ん

( ハルヒ ) ほれぼれ する くらい の ドジ っ子 っぷり ねえ

ひょっとして わざと やって ない ? 古泉 君 ちょっと これ 持って て

こう する の よ こう !

( キョン ) 3 人 が 今 どこ で 何 を して いる の か 少し は 気がかりだ が

さすが に かさばる 荷物 を 持って の 坂道 登り は こたえた ぜ

しかも 同じ 道 を 下校 時 に

また 下り ない と いけない と きた 日 に は なおさら だ

( キョン ) 来い 来い 来い 来い …

( キョン ) あ ~ 手 が 冷 て え

は あ …

疲れた

( 寝息 )

( ハルヒ ) おわ ~ っと …

ああ … あ … う …

ああ ? お前 だけ か

何 よ 悪い の ?

悪く は ない が …

お前 俺 の 顔 に イタズラ 書き と か して ない だろう な

し ない わ よ そんな 幼稚な こと

他の 3 人 は ?

( ハルヒ ) 先 に 帰った わ

あんた なかなか 起き そうに なかった から

で お前 は 帰ら ず に 残って た の か

しようがない でしょ あんた 寝て る し ―

部室 に 鍵 かけて 帰ら ない と ダメだ し

それ に 雨 も 降って る し

( 雨 の 音 )

返し なさい

( キョン ) へ っ ? ( ハルヒ ) カーディガン

あ ? ああ …

( ハルヒ ) ん っ

フン

( キョン ) 一 枚 は ハルヒ の 物 で 間違い ない

だが このもう 一 枚 は 誰 のだ ?

って 待てよ と いう こと は ―

朝比奈 さん は 俺 が 寝て いる 横 で 着替え を して た の か ?

クソ ~ どうして 本当に 寝 ち まったん だ

寝た フリ を して おけば …

さっ とっくに 下校 時間 だ し あたし たち も 帰る わ よ

ああ

でも まいった な 俺 傘 持ってきて ない ぜ

1 本 あれば 十分でしょ

( ハルヒ ) もっと こっち に 寄せ なさい よ あたし が ぬれる じゃ ない の

十分 寄せて る だ ろ

あ ? この 傘 お前 のじゃ ねえ な

職員 用 って 書いて ある ぞ

( ハルヒ ) 学校 の 備品 だ もん

生徒 が 使って 悪い こと なんか ない でしょ

それとも 何 ? ぬれて 帰り た いってん なら

入れて あげ ない わ よ !

( キョン ) まったく … せっかく ストーブ を もらって きて やった って のに

いたわり の 言葉 も な しか この 団長 様 は

待てよ !

アハッ !

♪~

~♪

Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 28 suzumiya|haruhi||yuuutsu Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 28 Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 28

( キョン ) 文化 祭 や その後 に やって 来た ゴタゴタ も 終了 し |ぶんか|さい||そのご|||きた|ごたごた||しゅうりょう|

はや 冬 の 足音 が 山 風 と ともに 聞こえて くる 今 は |ふゆ||あしおと||やま|かぜ|||きこえて||いま|

もう そろそろ 12 月 ||つき

創立 以来 の 古 さ を 誇る 旧 館 この 部室 棟 は そうりつ|いらい||ふる|||ほこる|きゅう|かん||ぶしつ|むね|

その 壁 の 薄 さ の せい も あって |かべ||うす|||||

屋内 に いながら 妙に 寒々 しい 日 の こと である おくない|||みょうに|さむざむ||ひ|||

♪~

~♪

( 運動 部員 たち の 掛け声 ) うんどう|ぶいん|||かけごえ

( 吹奏 楽 の 練習 の 音 ) すいそう|がく||れんしゅう||おと

( キョン ) あ …

( キョン ) 毎度 いろんな こと に 巻き込ま れて きた SOS 団 |まいど||||まきこま|||sos|だん

と いう より もっぱら 俺 だった が ||||おれ||

しかし そんな 事態 が 毎日 毎日 律 儀 に 訪れる わけ は なく ||じたい||まいにち|まいにち|りつ|ぎ||おとずれる|||

大体 毎日 の ように あれ や これ や の 非 日常 爆弾 が だいたい|まいにち||||||||ひ|にちじょう|ばくだん|

さく裂 して いたら 俺 の 身 が もた ず 心 の ほう は もっと もた ない さくれつ|||おれ||み||||こころ||||||

は あ …

( キョン ) しかし ハルヒ が い ない と ホント 静かで いい な |||||||ほんと|しずかで||

でも 少し 静か すぎる か |すこし|しずか||

よく 考えたら ハルヒ や 朝比奈 ( あさひ な ) さん たち と 出会って |かんがえたら|||あさひな||||||であって

もう 半年 たつ の か |はんとし|||

いろいろ やら かして きた もん だ

ハルヒ が 原因 な もの も あれば そう で ない もの も 含めて な ||げんいん||||||||||ふくめて|

まあ 大抵 は こうして 俺 たち が まったり と 時 を 過ごして いる 最中 に |たいてい|||おれ|||||じ||すごして||さい なか|

あいつ が 突然 飛び込んで きて 始ま … ||とつぜん|とびこんで||はじま

( ハルヒ ) みんな ~!  聞いて 朗報 よ ! ||きいて|ろうほう|

( キョン ) また か こいつ の 言う 朗報 と やら が ― |||||いう|ろうほう|||

俺 たち … 特に 俺 と 朝比奈 さん に とって おれ||とくに|おれ||あさひな|||

朗らかな 報告 と なった こと など 実際 ほとんど ない のだ が … ほがらかな|ほうこく|||||じっさい||||

( キョン ) 今度 は な んだ よ |こんど||||

( ハルヒ ) 部室 に 暖房 器具 を 設置 する 手はず が 整った わ |ぶしつ||だんぼう|きぐ||せっち||てはず||ととのった|

ん … お いしょ

( み くる ) あっ は いはい

映画 撮った 時 に スポンサー に なって くれた 電器 屋 さん が えいが|とった|じ||すぽんさー||||でんき|や||

提供 して くれる って ていきょう|||

去年 の 売れ残り を 倉庫 に しまった きり 忘れちゃ って て きょねん||うれのこり||そうこ||||わすれちゃ||

処分 に 困って る 電気 ストーブ で よければ って ― しょぶん||こまって||でんき|すとーぶ|||

さっき 電話 が あった の |でんわ|||

( キョン ) ハルヒ に わざわざ 電話 して そんな 申し出 を する ほど ||||でんわ|||もうしで|||

暇で 親切な 電器 屋 は ない だろう から ひまで|しんせつな|でんき|や||||

どうせ こいつ が ゴリ 押し で ねじ込んだ のだろう ||||おし||ねじこんだ|

だから キョン あんた これ から 店 に 行って もらって きて ちょうだい |||||てん||おこなって|||

俺 が ?  今 から ? おれ||いま|

そう あんた が 今 から |||いま|

( キョン ) お前 俺 が 毎日 往復 して る 山道 を もう 一 回 下りて |おまえ|おれ||まいにち|おうふく|||やまみち|||ひと|かい|おりて

しかも 電車 で 2 駅 かかる 電器 店 まで 行って から |でんしゃ||えき||でんき|てん||おこなって|

おまけに 荷物 抱えて また ここ まで 戻って こい って 言う の か |にもつ|かかえて||||もどって|||いう||

そう よ だって 急が ない と ― |||いそが||

おっちゃん の 気 が 変わっちゃ う かも しれ ない じゃ ない ||き||かわっちゃ||||||

いい から さっさと 行って き なさい どうせ 暇な んでしょ |||おこなって||||ひまな|

( キョン ) この 部屋 に いる 時点 で ||へや|||じてん|

暇で ない ヤツ など い ない ような 気 が する が … ひまで||やつ|||||き|||

お前 は 暇じゃ ねえ の か おまえ||ひまじゃ|||

あたし は これ から し ない と いけない こと が ある から

イヒッ

ん ?

( ハルヒ ) 古泉 ( こい ずみ ) 君 は 副 団長 で |こいずみ|||きみ||ふく|だんちょう|

あんた は ヒラ の 団員 な んだ から ||||だんいん|||

階級 の 低い ほう が キリキリ 働く の は どこ の 組織 だって 同じ よ かいきゅう||ひくい||||はたらく|||||そしき||おなじ|

もちろん SOS 団 も その ルール を 採用 して る わ |sos|だん|||るーる||さいよう|||

( キョン ) まあ いい か

今回 ばかり は ハルヒ も マシ な 用件 を 取り付けて きた こんかい|||||||ようけん||とりつけて|

ちょうど 部室 に 暖房 器具 が 欲しい と 思って いた ところ だ |ぶしつ||だんぼう|きぐ||ほしい||おもって|||

朝比奈 さん や 長門 ( な が と ) に 行か せる くらい なら 俺 が 行く さ あさひな|||ながと|||||いか||||おれ||いく|

あっ …

待って まって

今日 は 冷え ます から きょう||ひえ||

あ …

( キョン ) どうも ( ハルヒ ) 早く |||はやく

行き なさい よ ! いき||

は あ … あ ~ あ

( カラス の 鳴き声 ) からす||なきごえ

( ハルヒ ) さっ 邪魔者 は 消えた わ ( み くる ) えっ ? ||じゃまもの||きえた||||

( ハルヒ ) み くるちゃ ん 写真 撮り たい から ポーズ 取って くれる ? ||||しゃしん|とり|||ぽーず|とって|

( み くる ) ええ ?  なんの 写真 です か ? ||||しゃしん||

( ハルヒ ) 決まって る でしょ 文化 祭 で 上映 した ― |きまって|||ぶんか|さい||じょうえい|

「 朝比奈 ミクル の 冒険 」 を DVD に する から ― あさひな|||ぼうけん||dvd|||

その ジャケット 撮影 よ |じゃけっと|さつえい|

( み くる ) ええ ?  あれ 本当に 作る つもりな んです か ? ||||ほんとうに|つくる|||

諦めて くれた んじゃ … あきらめて||

( ハルヒ ) あん 時 は キョン が うるさかった から ||じ|||||

今 なら 反対 する ヤツ も い ない し ね いま||はんたい||やつ|||||

( 古泉 ) うん こいずみ|

( キョン ) 最初に この 坂道 を 上って 登校 した 日 に は |さいしょに||さかみち||のぼって|とうこう||ひ||

うんざり さ せ られた が

半年 以上 通って いる と すっかり 慣れ ち まった はんとし|いじょう|かよって||||なれ||

ハイキング コース みたいな 登 下校 に も はいきんぐ|こーす||のぼる|げこう||

そして SOS 団 に も な |sos|だん|||

今頃 俺 の いない 部室 で ハルヒ は 何 を やって んだろう いまごろ|おれ|||ぶしつ||||なん|||

暇だ から と か なんとか 言って ひまだ|||||いって

朝比奈 さん を オモチャ に して なければ いい んだ が あさひな|||おもちゃ||||||

( ハルヒ ) 古泉 君 レフ 板 係 お 願い ね |こいずみ|きみ||いた|かかり||ねがい|

( 古泉 ) 分かり ました こいずみ|わかり|

( ハルヒ ) み くるちゃ ん ぼ ー っと して ないで ポーズ を 取りなさ い ほら ほら |||||-||||ぽーず||とりなさ|||

( み くる ) は … は ~ い

( ハルヒ ) もっと 媚 ( こ ) び る ように 笑って ||び|||||わらって

もっと 物 欲し そうに |ぶつ|ほし|そう に

そんな ん じゃ 男子 ユーザー を 満足 さ せ られ ない わ よ |||だんし|ゆーざー||まんぞく||||||

( み くる ) ふえ え …

( ハルヒ ) そろそろ 衣装 チェンジ し ま しょ 次 は これ ||いしょう|ちぇんじ||||つぎ||

( み くる ) ええ え …

( ハルヒ ) いい から いい から !

( み くる ) う ぐ っ … う っ う ぬ ぬ …

( ハルヒ ) 離し なさい この ! |はなし||

( み くる ) あ ~!  自分 で やり ます ~ |||じぶん|||

いい の ! あたし が 手伝った ほう が 早い でしょ ||||てつだった|||はやい|

( み くる ) ふえ っ !  ブラ まで 一緒に … ||||||いっしょに

( ハルヒ ) どうせ 取る んだ し いい でしょ ||とる||||

あっ み くる ちゃん また 大きく なった んじゃ ない の ? |||||おおきく||||

ますます ダイナマイト ね |だいなまいと|

( み くる ) ち べ たっ ! ど ど ど … どこ 触って んです か ~ |||||||||さわって||

あ … もう 冷たく なって る ||つめたく||

( み くる ) う う … さ ぶい です それ に 恥ずかしい です よ ~ |||||||||はずかしい||

( ハルヒ ) み くるちゃ ん あなた は もっと 自信 を 持つ べき よ |||||||じしん||もつ||

なんといっても この あたし が 選んだ ||||えらんだ

学校 一 の マスコットキャラ なんだ から がっこう|ひと||||

ねっ ?  古泉 君 |こいずみ|きみ

( 古泉 ) まったく その とおり か と こいずみ|||||

( ハルヒ ) ほん じゃ 次 これ 着て ! |||つぎ||きて

( み くる ) えっ また ?

わ わ っ !  だ … だ から 自分 で … ||||||じぶん|

( ハルヒ ) あ ~ ん もう !  ん ん ~!

今日 中 に 全て 撮り 終え ない と いけない んだ から 急ぐ わ よ きょう|なか||すべて|とり|おえ||||||いそぐ||

( ハルヒ ) ん っ !  は あ … ( み くる ) ふえ …

( ハルヒ ) はい 次 これ ! ||つぎ|

( み くる ) あの … この ナース 服 も それ も |||||ふく|||

映画 の 中 で 着たり して ない んです けど … えいが||なか||きたり||||

ホントに これ ジャケット の 撮影 な んです か ? ほんとに||じゃけっと||さつえい|||

( ハルヒ ) うん そう よ ! でも 今 アイデア が ひらめいた わ |||||いま|あいであ|||

この 分 だ と 写真 集 だって 作れ そう ね |ぶん|||しゃしん|しゅう||つくれ||

どう ?  古泉 君 この アイデア ! |こいずみ|きみ||あいであ

( 古泉 ) 誠に 結構な アイデア か と こいずみ|まことに|けっこうな|あいであ||

( み くる ) ひえ え …

( ハルヒ ) いえ 待って ! どうせ DVD に する なら ||まって||dvd|||

特典 と して おまけ 映像 を つける べき よ ね とくてん||||えいぞう|||||

どう ?  古泉 君 この アイデア ! |こいずみ|きみ||あいであ

( 古泉 ) 非常に よい アイデア か と こいずみ|ひじょうに||あいであ||

( み くる ) ひえ え ~

( お 知らせ の チャイム ) |しらせ||ちゃいむ

( アナウンス ) まもなく 電車 が 到着 いたし ます あなうんす||でんしゃ||とうちゃく||

( み くる ) あっ …

( ハルヒ ) じゃ 後ろ 向いて ひ ょい っと ||うしろ|むいて|||

どうやら ひと 雨 き そうです ね ||あめ||そう です|

( ハルヒ ) これ かぶって

( 女子 生徒 A ) おかしかった ( 女子 生徒 B ) そう な の ? じょし|せいと|a||じょし|せいと|b|||

( 女子 生徒 A ) ビックリ する って ( 女子 生徒 B ) アハハッ じょし|せいと|a|びっくり|||じょし|せいと|b|

( み くる ) ふう … ( ハルヒ ) ほら 脱いで 脱いで |||||ぬいで|ぬいで

( み くる ) わ あ … ええ まだ やる んです か ?

( み くる ) ふえ ~ ( ハルヒ ) フフ ~ ン ♪

フッフフン フンフ ~ ン ♪

アハハッ   フフ ~

うりゃ ~!

( み くる ) これ は 脱が さ なくて も いい で すよ ! ||||だつ が||||||

( ハルヒ ) 見せ パン は くんだ から これ は いら ない でしょ っと |みせ|ぱん|||||||||

♪( ハルヒ の 歌声 ) ||うたごえ

( ハルヒ ) ハハハ ~ 楽し ~! ( み くる ) あれ ~! ||たのし|||

( 大森 ( おおもり )) これ が 約束 の ストーブ だ よ 持って 帰れる かい ? おおもり||||やくそく||すとーぶ|||もって|かえれる|

ええ まあ なんとか

あの かわいい 娘 さん たち は 元気 かな ? ||むすめ||||げんき|

1 人 が 元気 あり すぎて 困って ます よ じん||げんき|||こまって||

CM の 効果 は あり ました ? cm||こうか|||

正直 言って あまり 変わって ない ね しょうじき|いって||かわって||

( キョン ) そりゃ そう だろう な

高校 の 文化 祭 映画 本 編 中 の CM じゃ あまりに 局地 的 すぎる こうこう||ぶんか|さい|えいが|ほん|へん|なか||cm|||きょくち|てき|

よく スポンサー に なって くれた もの だ |すぽんさー|||||

ところで あの 元気 の いい 娘 さん が 電話 で 言って た んだ が ||げんき|||むすめ|||でんわ||いって|||

映画 の 続編 を 作る って 本当 かい ? えいが||ぞくへん||つくる||ほんとう|

あいつ が そう 言って んだったら そう なる んでしょう ね |||いって|||||

次 も スポンサー に なる よう 頼ま れて しまった よ ハッハッハ つぎ||すぽんさー||||たのま||||

この ストーブ は 次の スポンサー 料 の 前渡し だ と 思って くれ |すとーぶ||つぎの|すぽんさー|りょう||まえわたし|||おもって|

( キョン ) そういう カラ クリ だった の か ||から|くり|||

じゃあ これ で

ありがとう ございます

ああ 気 を つけて |き||

( 演劇 部員 たち ) あめんぼ あかい な アイウエオ えんげき|ぶいん|||||

うき も に こえ び も およいで る

かき の き くり のき カキクケコ

きつつき こつこつ かれ けやき

ささげ に す を かけ サシスセソ

その う お あさせ で さし ました

たち ま しょ らっぱ で タチツテト

( 男性 ) 声 出して け 声 ! だんせい|こえ|だして||こえ

( 演劇 部員 たち ) トテトテ タッタ と とびたった えんげき|ぶいん|||||

なめくじ のろのろ ナニヌネノ

( 演劇 部員 ) ナニヌネノ ~! えんげき|ぶいん|

( 演劇 部員 ) ん ~ あなた が 犯人 です えんげき|ぶいん||||はんにん|

( 演劇 部員 ) うん 赤 の 方 14 番 を 選ば れた ん ~ まあ いい でしょう えんげき|ぶいん||あか||かた|ばん||えらば|||||

この後 どういった 展開 に なる のでしょう か   次の 問題 どうぞ このあと||てんかい|||||つぎの|もんだい|

( 演劇 部員 ) すごい わ あの 子 が 出て きた だけ で ステージ の 空気 が 変わった えんげき|ぶいん||||こ||でて||||すてーじ||くうき||かわった

それにしても あの 子 今 まで と 全然 違う ||こ|いま|||ぜんぜん|ちがう

さっき まで と まるで 別人 だ わ ||||べつじん||

なんて 恐ろしい 子 |おそろしい|こ

( 演劇 部員 ) タンメンセット ~! チャーハン セット ~! えんげき|ぶいん||ちゃーはん|せっと

天 ざる セット ~! てん||せっと

( 演劇 部員 F ) 青年 エース !  中年 エース ! 定年 エース ! えんげき|ぶいん|f|せいねん|えーす|ちゅうねん|えーす|ていねん|えーす

留年 エース !  来年 エース ! 3 年 エース ! りゅうねん|えーす|らいねん|えーす|とし|えーす

や っぱ 好き や ねん エース ! ||すき|||えーす

( 演劇 部員 ) なぜ ベスト を 尽くさ ない の か ! ど ~ ん と 来 ~ い ! えんげき|ぶいん||べすと||つくさ|||||||らい|

( 演劇 部員 ) お前 ら の やった こと は まる っと ゴリ っと 全て お 見通し だ ! えんげき|ぶいん|おまえ||||||||||すべて||みとおし|

( 演劇 部員 ) 見た目 は 子供 中身 は 微妙 ご 町 内 の 強い 味方 えんげき|ぶいん|みため||こども|なかみ||びみょう||まち|うち||つよい|みかた

( 演劇 部員 ) その 名 は 名 探偵 … ( 長門 ) ユキ えんげき|ぶいん||な||な|たんてい|ながと|ゆき

( 演劇 部員 ) え ~ い 控え 控え 控え ~ い ! この 紋 所 が 目 に 入ら ぬ か えんげき|ぶいん|||ひかえ|ひかえ|ひかえ|||もん|しょ||め||はいら||

( 演劇 部員 ) わたくし は フランス の 女王 な のです から えんげき|ぶいん|||ふらんす||じょおう|||

( 演劇 部員 ) 変な ところ に 当たる な ! えんげき|ぶいん|へんな|||あたる|

( 演劇 部員 ) まだまだ 甘い な えんげき|ぶいん||あまい|

♪( 演劇 部員 の オペラ の 独唱 ) えんげき|ぶいん||おぺら||どくしょう

( 男子 生徒 ) どうも ~! 北海 アイスキャンディーズ です だんし|せいと||ほっかい||

( 女子 生徒 ) ズキューン じょし|せいと|

( 男子 生徒 ) ユキ ちゃん 今日 も 相変わらず セクシーだ ね だんし|せいと|ゆき||きょう||あいかわらず|せくしーだ|

( 女子 生徒 ) どこ 見 てんねん ど スケベ 警察 呼ぶ ぞ じょし|せいと||み||||けいさつ|よぶ|

( 男子 生徒 ) いきなり ボディーブロー かい だんし|せいと|||

満員 電車 の 中 で 痴漢 に 間違わ れた ような 気分 だ よ まんいん|でんしゃ||なか||ちかん||まちがわ|||きぶん||

( 女子 生徒 ) ところ で もう 冬 やね じょし|せいと||||ふゆ|

( 男子 生徒 ) そう !  冬 だ ね   冬 と いえば … だんし|せいと||ふゆ|||ふゆ||

( 女子 生徒 ) プロ 野球 オフシーズン じょし|せいと|ぷろ|やきゅう|

( 男子 生徒 ) クール な と こ突いて くる ね ユキ ちゃん !  WBC も 真っ青だ よ だんし|せいと||||こづいて|||ゆき||wbc||まっさおだ|

( 女子 生徒 ) 戦力 外 に なった 選手 が 出て くる の が 楽しみ や ねん じょし|せいと|せんりょく|がい|||せんしゅ||でて||||たのしみ||

( 男子 生徒 ) しか も なんて イン ザ ダーク な 楽しみ 方 ! だんし|せいと||||いん||だーく||たのしみ|かた

いや ほら さ もう すぐ クリスマス じゃ ない ? |||||くりすます||

( 女子 生徒 ) 鍋 食べ たく なって きた な じょし|せいと|なべ|たべ||||

( 男子 生徒 ) そう !  冬 と いえば 鍋 だんし|せいと||ふゆ|||なべ

( 女子 生徒 ) あんた 鍋 に は 何 入れる ? じょし|せいと||なべ|||なん|いれる

( 男子 生徒 ) えっ ?  そうだ な 白菜 に 鶏 豚 白 ネギ 納豆 豆腐 … だんし|せいと||そう だ||はくさい||にわとり|ぶた|しろ|ねぎ|なっとう|とうふ

えっ と ユキ ちゃん は ? ||ゆき||

( 女子 生徒 ) ヒグマ じょし|せいと|ひぐま

( 男子 生徒 ) ワーオ ! ユキ ちゃん 狩人 だった んだ だんし|せいと||ゆき||かりゅうど||

マタギ も 泣いて 逃げ出す よ ||ないて|にげだす|

( 女子 生徒 ) でも い っつ も ヒグマ の 気持ち に なって じょし|せいと|||||ひぐま||きもち||

かわいそうに なって 食べ られ へん ねん ||たべ|||

( 男子 生徒 ) だったら 最初 から 鍋 に 入れる なって 話 も ある よね だんし|せいと||さいしょ||なべ||いれる||はなし|||

( 女子 生徒 ) じゃあ これ から ヒグマ の 役 やる わ じょし|せいと||||ひぐま||やく||

( 男子 生徒 ) えっ ?  ユキ ちゃん が ? だんし|せいと||ゆき||

( 女子 生徒 ) だ から あんた 鍋 の 役 やって じょし|せいと||||なべ||やく|

( 男子 生徒 ) 来た よ これ !  漫才 史上 最も … だんし|せいと|きた|||まんざい|しじょう|もっとも

( 谷口 ( たに ぐち )) よう キョン 何 やって んだ こんな ところ で たにくち|||||なん|||||

見て 分から ない の か 荷物 運び だ みて|わから||||にもつ|はこび|

ハッ ご 苦労な こった どうせ また 涼 宮 ( すずみ や ) の 命令 だ ろ ||くろうな||||りょう|みや||||めいれい||

( キョン ) どうやら 半年 も あれば ||はんとし||

クラスメート が 俺 の 立場 を 正しく 認識 する の に 十分な ようだった ||おれ||たちば||まさしく|にんしき||||じゅうぶんな|

( 国 木田 ( くに き だ )) これ から 学校 に 戻る の ? 本当に ご苦労さまだ ね くに|きた||||||がっこう||もどる||ほんとうに|ごくろうさまだ|

まったく だ

( 谷口 ) じゃ あな ( キョン ) おう たにくち||||

( 国 木田 ) また あした ( キョン ) うん くに|きた||||

っと …

チェッ 降って きや がった |ふって||

( キョン ) 天気 予報 じゃ 降水 確率 10 パー って 言って や がった のに |てんき|よほう||こうすい|かくりつ|||いって|||

当て に なら ん 気象 予報 士 だ 本降り に なら ん こと を 祈ろう あて||||きしょう|よほう|し||ほんぶり||||||いのろう

( 古泉 ) おや 雨 の ようです ね こいずみ||あめ|||

( み くる ) キョン 君 大丈夫 かな |||きみ|だいじょうぶ|

( キョン ) 今 ほど あの 部屋 が 恋しい と 思った こと は ない |いま|||へや||こいしい||おもった|||

一刻 も 早く 朝比奈 さん の いれて くれる お茶 に ありついて いっこく||はやく|あさひな|||い れて||おちゃ||

心 と 体 を あっ ため たい ぜ こころ||からだ|||||

( 鶴屋 ( つる や )) ヤッホー !  み くる いる ? つるや||||||

って あれ ?  長門 っち だけ ? ||ながと||

あした の 掃除 当番 代わって ほしくて さ ||そうじ|とうばん|かわって||

それ を 頼み に 来た んだ けど み くる は ? ||たのみ||きた|||||

おうおう そっち の ほう に いん の かい ?  あん が と !

( テニス 部 の ランニング の 掛け声 ) てにす|ぶ||らんにんぐ||かけごえ

( キョン ) … っと ああ

やれやれ

は あ ~ は あ ~

( 鶴屋 ) あれ れ ?  キョン 君 お つかい だった の かい ? つるや||||きみ|||||

鶴屋 さん つるや|

どうりで

はっ ?  何 が です ? |なん||

フフフ   なんでもない っさ ご 苦労 さん ||||くろう|

ん ~ ぬれて る ねえ よい しょ っと

どうも

じゃあ ね !

ハンカチ なら これ と 一緒に 後 で み くる に 渡し といて   フフッ はんかち||||いっしょに|あと|||||わたし||

( キョン ) 相変わらず 挙動 の よく 読め ない 人 だ |あいかわらず|きょどう|||よめ||じん|

サバ けた 感じ の いい 先輩 だ が さば||かんじ|||せんぱい||

( キョン ) あれ 長門 お前 だけ か ||ながと|おまえ||

よっ …

ハルヒ たち は ?

( み くる ) と お ~!

( ハルヒ ) そう !  そこ は 尻もち を つく べき ところ よ ||||しりもち|||||

なかなか 分かって る じゃ ない |わかって|||

( み くる ) ん ~ ん …

ほっ

あ 痛 !  ふえ ~ ん |つう||

( ハルヒ ) ほれぼれ する くらい の ドジ っ子 っぷり ねえ ||||||っこ||

ひょっとして わざと やって ない ? 古泉 君 ちょっと これ 持って て ||||こいずみ|きみ|||もって|

こう する の よ こう !

( キョン ) 3 人 が 今 どこ で 何 を して いる の か 少し は 気がかりだ が |じん||いま|||なん||||||すこし||きがかりだ|

さすが に かさばる 荷物 を 持って の 坂道 登り は こたえた ぜ |||にもつ||もって||さかみち|のぼり|||

しかも 同じ 道 を 下校 時 に |おなじ|どう||げこう|じ|

また 下り ない と いけない と きた 日 に は なおさら だ |くだり||||||ひ||||

( キョン ) 来い 来い 来い 来い … |こい|こい|こい|こい

( キョン ) あ ~ 手 が 冷 て え ||て||ひや||

は あ …

疲れた つかれた

( 寝息 ) ねいき

( ハルヒ ) おわ ~ っと …

ああ … あ … う …

ああ ?  お前 だけ か |おまえ||

何 よ 悪い の ? なん||わるい|

悪く は ない が … わるく|||

お前 俺 の 顔 に イタズラ 書き と か して ない だろう な おまえ|おれ||かお||いたずら|かき||||||

し ない わ よ そんな 幼稚な こと |||||ようちな|

他の 3 人 は ? たの|じん|

( ハルヒ ) 先 に 帰った わ |さき||かえった|

あんた なかなか 起き そうに なかった から ||おき|そう に||

で お前 は 帰ら ず に 残って た の か |おまえ||かえら|||のこって|||

しようがない でしょ あんた 寝て る し ― |||ねて||

部室 に 鍵 かけて 帰ら ない と ダメだ し ぶしつ||かぎ||かえら|||だめだ|

それ に 雨 も 降って る し ||あめ||ふって||

( 雨 の 音 ) あめ||おと

返し なさい かえし|

( キョン ) へ っ ? ( ハルヒ ) カーディガン

あ ?  ああ …

( ハルヒ ) ん っ

フン ふん

( キョン ) 一 枚 は ハルヒ の 物 で 間違い ない |ひと|まい||||ぶつ||まちがい|

だが このもう 一 枚 は 誰 のだ ? ||ひと|まい||だれ|

って 待てよ   と いう こと は ― |まてよ||||

朝比奈 さん は 俺 が 寝て いる 横 で 着替え を して た の か ? あさひな|||おれ||ねて||よこ||きがえ|||||

クソ ~ どうして 本当に 寝 ち まったん だ くそ||ほんとうに|ね|||

寝た フリ を して おけば … ねた||||

さっ とっくに 下校 時間 だ し あたし たち も 帰る わ よ ||げこう|じかん||||||かえる||

ああ

でも まいった な 俺 傘 持ってきて ない ぜ |||おれ|かさ|もってきて||

1 本 あれば 十分でしょ ほん||じゅうぶんでしょ

( ハルヒ ) もっと こっち に 寄せ なさい よ あたし が ぬれる じゃ ない の ||||よせ||||||||

十分 寄せて る だ ろ じゅうぶん|よせて|||

あ ?  この 傘 お前 のじゃ ねえ な ||かさ|おまえ|||

職員 用 って 書いて ある ぞ しょくいん|よう||かいて||

( ハルヒ ) 学校 の 備品 だ もん |がっこう||びひん||

生徒 が 使って 悪い こと なんか ない でしょ せいと||つかって|わるい||||

それとも 何 ? ぬれて 帰り た いってん なら |なん||かえり|||

入れて あげ ない わ よ ! いれて||||

( キョン ) まったく … せっかく ストーブ を もらって きて やった って のに |||すとーぶ||||||

いたわり の 言葉 も な しか この 団長 様 は ||ことば|||||だんちょう|さま|

待てよ ! まてよ

アハッ !

♪~

~♪