×

Χρησιμοποιούμε cookies για να βελτιώσουμε τη λειτουργία του LingQ. Επισκέπτοντας τον ιστότοπο, συμφωνείς στην cookie policy.


image

ぐらんぶる, Grand Blue Episode 3

( 男 ) 新人 の 伊 織 ( いおり ) ちゃん で ー す

この 春 大学生 に なった ばかり の ピチピチ です よ ~

( 伊 織 ) いらっしゃい ませ

( 伊 織 ) 本日 は ご 指名 あり が … えっ ! ?

( 2 人 ) ヒヒ …

( 伊 織 ) ギャー !

ハァ ハァ … 夢 か …

まったく ひどい 夢 だ

俺 が 女子 高 生 の 制服 なんか 着る わけ …

おはよう ございます … ぬ っ !

( 2 人 ) おはよう

ヒッ … イヤー !

♪ ~

~ ♪

ああ …

まさか 先輩 たち に そんな 趣 味 が あった だ なんて

( 寿 ( こと ぶき ) ) は あ ? 何 言って る ん だ 伊 織

( 伊 織 ) だって その 制服 !

( 耕平 ( こうへい ) ) 制服 は 好き です が なんで 男子 高校 生 用 な ん です か !

( 時田 ( と き た ) ) 今日 は 真面目 に サークル 活動 を しよ う と 思って な

( 伊 織 ・ 耕平 ) え ?

( 千 紗 ( ちさ ) ) おはよう … えっ ?

( 耕平 ) う ー む 確か に …

( 千 紗 ) 変態 ( 伊 織 ) 違う ぞ 千 紗 !

これ を ダイビング に 使う と 渡さ れ て !

ダイビング ? ああ …

もう そんな 時期 です か

( 時田 ) そう いう こと だ ( 伊 織 ・ 耕平 ) おお ! ?

千 紗 が 平然 と 受け入れ て いる だ と ?

本当 に 制服 が 必要 だ と は

しかし これ を どう 使う ん だ ?

こう する と サメ よけ に なる と か

あの 2 人 なんの 話 を し てる ん です ?

( 寿 ・ 時田 ) さあ

それ じゃ 説明 する か

( 寿 ) ダビング で 使う 機材 は 大体 こんな 感じ な ん だ が

制服 は 必要 ない じゃ ない です か !

やっぱり ウソ か !

( 寿 ) 黙って 聞け

つまり ダイビング と いう の は

金 が かかる ん だ よ

ここ まで 話せ ば もう 分かる だ ろ う ?

そい つ の 使い道 だ

( 耕平 ・ 伊 織 ) ふむ …

( 伊 織 ) う っ う う … ( 耕平 ) フフ …

( 千 紗 ) なんだか すごい 想像 し てる みたい です けど

( 寿 ・ 時田 ) うむ …

お前 ら “ 伊豆 ( い ず ) 春 祭 ( は る さい ) ” って 知って る か ?

( 伊 織 ) は あ ?

( 寿 ) 5 月 に やる うち の 大学 の 祭り の こと だ

( 時田 ) “ サークル 対抗 ミスター コンテスト ” って ―

イベント が あって だ な

( 寿 ) 優勝 サークル に は 賞金 が 出る ん だ よ

( 耕平 ・ 伊 織 ) ふ ー ん そう です か まさか 俺 たち に 出ろ と ?

( 寿 ・ 時田 ) 正解 ! ( 耕平 ・ 伊 織 ) イヤ だ !

これ は 男子 コンテスト と も 言って …

男 ( だん ) コン と 略し て いる

( 耕平 ・ 伊 織 ) 最低 だ !

ハッ ! 千 紗 は 知って た の か ?

一応 去年 と か も 見 て た から

俺 は 御免 です

そんな 服 を 着 て 笑い者 に なる なんて ―

冗談 じゃ ない ( 伊 織 ・ 千 紗 ) ああ …

( 時田 ) なあ 耕平 ( 耕平 ) ん ?

お前 は 美 形 だ

な … 何 を

お前 が 出 れ ば きっと 勝 てる

サークル の ため に お前 の 魅力 を 貸し て くれ ない か ?

えっ そう 言わ れ て も …

じゃあ 俺 は 必要な い です よ ね ? ( 寿 ) なぜ だ ?

だって 耕平 が いる じゃ ない です か

なあ 伊 織

( 伊 織 ) な ん です か

お前 は ネタ 枠 だ ( 伊 織 ) ブチ 殺し ます よ

( 寿 ) ん じゃ 2 人 と も そい つ を 着 て くれ

( 耕平 ・ 伊 織 ) え ? ( 寿 ) 今日 は 実際 に 海 に 出る

( 時田 ) サイズ は どう だ ?

ちょっと 苦しい 程度 です ね

( 時田 ) 隙間 が でき て い なけ れ ば OK だ

じゃあ 行く ぞ !

( 耕平 ) う っす

ハァ … 海 か

千 紗 は 行か ない の か ?

店番

そ っか じゃ

( 千 紗 ) あの さ 伊 織 ( 伊 織 ) ん ?

大学 生活 が 始まる とき ワクワク し た ?

( 伊 織 ) え ? ( 千 紗 ) どう ?

ん ~ そう いえ ば ワクワク …

し て た な …

( 千 紗 ) それ なら きっと ―

楽し め る と 思う

( 伊 織 ) ん ?

( 寿 ) 伊 織 は 俺 と 組 ん で 練習 だ

( 時田 ) じゃ 俺 は 耕平 と だ な

( 寿 ) やる こと は 至って 単純

水 の 中 で 呼吸 する 感覚 を 体験 する

はい

( 寿 ) レギュ を くわえ て 息 を 吸って みろ

はい

( 寿 ) どう だ ?

普通 に 息 を する の と は だいぶ 感覚 が 違い ます ね

( 寿 ) そう だ な 吸う と 一気に 空気 が 流れ 込 ん で くる 感じ だ ろ

( 伊 織 ) それ も あり ます が ―

息 を 吸う とき に 若干 力 が いる と いう か …

( 寿 ) ああ 慣れ ない うち は 意識 し ない と ―

呼吸 に 詰まる かも なあ ( 伊 織 ) はい

じゃ 実際 に 潜って みる か

分かり まし た

ハァ ハァ ハァ …

( 寿 ) 伊 織 ?

( 伊 織 ) プハッ ! ハァ ハァ …

なあ 伊 織

( 伊 織 ) な ん です か …

なぜ 息 を 切 らし てる ん だ ?

苦しい から です

( 寿 ) お前 は なんの ため に タンク を 背負って る

( 伊 織 ) 怖い ん です よ 水 の 中 で 息 を 吸う って こと が

( 寿 ) 怖い ? ( 伊 織 ) はい …

( 寿 ) そう か まあ ―

最初 は 戸惑う かも しれ ない が すぐ に 慣れる さ

じゃあ もう 1 回 やって み ます

( 伊 織 ) プハッ …

どう し た 大丈夫 か ?

( 伊 織 ) マスク の 中 に 水 が …

( 寿 ) つけ 方 が ゆるい の かも な 貸し て みろ

( 奈々 華 ( な なか ) ) ありがとう ござい まし た

( 伊 織 ) あれ あの お 客 さん たち …

ああ 出張 前 に 潜り に 来 た らしい

なんか 大変 そう です ね

忙し そう な の に わざわざ スーツ まで 持って き て

( 寿 ) ハハハ 頼もしい だ ろ ( 伊 織 ) 頼もしい ?

だって そう だ ろ ? あの 人 たち は ―

貴重 な 金 や 時間 を 使って まで 潜って る

それ って つまり ―

ここ に は それ ほど の 魅力 が 詰まって いる と いう 証拠 じゃ ない か

( 寿 ) さっき 水 の 中 が 怖い と 言った な

( 伊 織 ) すみません ( 寿 ) 謝る こと は ない さ

水中 で 空 気 が なく なったら なんて 考え たら 俺 だって 怖い

これ なんだか 分かる か ?

えっ と …

( 寿 ) こいつ は オクトパス と いって ―

予備 の レギュレーター だ

水中 で 仲間 が 空気 切れ を 起こし た とき に 渡し て やる ん だ

ウエイト の ベルト は つける 向き が 決まって いる が ―

これ に も 理由 が ある

何 か が あった とき 手早く 外し て やる ため だ

自分 の 安全 だけ じゃ なく ―

一緒に 潜る 仲間 を 助け られる よう に

安全 確認 は しっかり やった

ここ に は お前 だけ じゃ なく て 俺 も いる

大丈夫 だ から 根性 入れ て 潜って こい

何 が あ ろ う と 助け て やる

よし !

いって き ます !

おう !

( 伊 織 ) あっ … あれ でき た 苦しく ない 全然 !

やった !

これ が 水 の 中 …

俺 の 知ら なかった 世界 !

( 伊 織 ) ハァ ハァ … ( 千 紗 ) ん っ ! ?

( 伊 織 ) 千 紗 ! ( 千 紗 ) 伊 織 ?

( 伊 織 ) 分かった よ お前 が 言って た こと

海 の 中 で 息 が できる って すごい な !

俺 全然 泳 げ ない のに ! ( 千 紗 ) そ … そう

これ が 新しい 世界 に 触れる って こと な ん だ な !

これ って あれ か ! 宇宙 に 行って ―

無 重力 を 体験 する よう な 感覚 な の か !

( 千 紗 ) 伊 織 分かった から とりあえず 着替え て

( 千 紗 ) 伊 織 分かった から とりあえず 着替え て

( 伊 織 ) やっぱり 本格 的 に 潜る と ―

浮遊 感 と か そう いう の と …

( 時田 ) あれ ばっかり は ―

できる こと だけ 選 ん でる やつ に は 一生 分から ん 喜び だ な

なんの こと です か ?

( 寿 ) お前 は 分から ない か ?

そりゃ お前 あれ だ よ

でき ない こと が できる よう に なる 喜び って やつ だ

( 一同 ) カンパーイ !

クゥー !

( 耕平 ) う … うまい ( 寿 ) 染みる だ ろ

( 登志夫 ( と しお ) ) ほれ つまみ だ ( 一同 ) おお ー !

ありがとう ございます

( 時田 ) よかった な 伊 織 苦手 を 克服 でき て

まだ 水 は 苦手 です けど

だが 新しい 世界 に 踏み込む 楽し さ を 知る こと は でき た だ ろ ?

はい ! ありがとう ござい まし た

いやいや 礼 に は 及ば ん さ

そう だ と も これ で …

あ …

( 寿 ) こっち の 新 世界 を 断る 理由 も なくなった わけ だ し な

( 伊 織 ) イヤ だ ー !

う う っ またしても 飲みすぎ た …

水 … ウプッ

何 す ん です か … えっ ?

ヒイイ …

( 梓 ( あずさ ) ) もう ちょ い 寝よ う よ

( 伊 織 ) え ?

え ? は ? え ?

( 伊 織 ) は あ ! ? ( 梓 ) う うん …

( 伊 織 ) いやいや あり え ない だ ろ

酔って 起き たら 隣 で 半 裸 の 人 が 寝 てる なんて …

( 寿 と 時田 の いびき )

( 伊 織 ) いつも の こと だ な

と いう か この 人 は 一体 ?

ああ お前 ら は 初対面 か ( 耕平 ) う おお !

うち が インカレ サークル だって こと は ―

知って る よ な ?

( 伊 織 ) て こと は ほか の 学校 の 人 な ん です か ?

( 時田 ) こいつ は 青海 ( お うみ ) 女子 大 の 浜岡 ( は ま おか ) 梓 って 女 で な

( 耕平 ) で その 人 が なんで 寝 てる ん です か ?

( 時田 ) 布団 が あった から じゃ ない か ?

( 伊 織 ) その 布団 先 に 俺 が 寝 て い た ん です が …

( 時田 ) そう いう こと を 気 に する 女 じゃ ない

( 伊 織 ) う わ っ … ( 耕平 ) 普通 ―

裸 の 男 が いる 部屋 で 服 脱 い で 寝る か ?

( 寿 ) そう いう こった

こいつ を 女 扱い し て いる と バカ を 見る ぞ

あ … 服 を 着る なんて 珍しい です ね

今日 は 外 で やる こと が ある から な

( 時田 ) その ため に 梓 を 呼 ん だ ん だ

じゃあ 起こし ま しょ う か ?

( 寿 ) 待て ( 伊 織 ) え ?

先 に お前 ら に 話し て おく こと が ある

伊豆 春 祭 に 関する 大事 な 話 だ

( 梓 ) ほ い 完成

( 耕平 ・ 伊 織 ) おお っ !

( 千 紗 ) 相変わらず 上手 です ね

それほど でも

伊豆 春 祭 で お好み焼き を 売る ん です か

うん 普通 に うまい !

うまく なきゃ 困る

売り上げ を サークル 予算 の 足し に する から な

( 時田 ) と いう わけ で ―

今日 は 1 年 生 に これ を 作 れる よう に なって もらう

トッキー と ブッキー は ?

ああ 俺 たち は …

( 東 ( あ ず ま ) ) 時田 寿 行く ぞ ! ( 時田 ) おお !

機材 の 準備 に 行って くる

終わったら みんな で 食い に 来る から ―

たくさん 焼 い と い て くれ

分かった じゃ 始め よっ か

( 千 紗 ) はい ( 耕平 ・ 伊 織 ) ん …

( 伊 織 ) やる ぞ 耕平 !

( 耕平 ) 任せろ 北原 ( きた はら ) !

( 伊 織 ) 伊豆 春 祭 の 大事 な 話 ? 男 コン の こと じゃ なく て ?

実は それ がらみ な ん だ が …

お前 ら に は 千 紗 ちゃん の 説得 を 頼み たい

どう いう こと です ?

( 時田 ) 伊豆 春 祭 に は ミスコン も あって な

サークル 予算 獲得 の ため に

千 紗 ちゃん に 出 て もらい たい ん だ

まさか その 説得 を やれ と ?

絶対 に 無理 です よ !

だが これ で 彼女 が 優勝 し て くれ たら ―

お前 ら は 男 コン に 出る 必要 が なくなる

( 耕平 ・ 伊 織 ) っ しゃ ー ! やって やる ぜ !

( 伊 織 ) 普通 なら 千 紗 は 絶対 に ―

ミスコン 出場 なんて 承諾 し ない だ ろ う

( 耕平 ) ならば 普通 じゃ ない 状態 に し て やれ ば いい だけ の こと

( 伊 織 ) 千 紗 を 酔わ せ て 判断 力 を 奪い

( 耕平 ) ミスコン 参加 の 言質 を 取る !

( 伊 織 ) いや ~ 暑い な 耕平 !

そう だ な 北原 ! こう 暑い と 熱中 症 が 怖い な

きちんと 水分 補給 を し ない と な !

じゃあ 俺 が 飲み物 を 取って き て やる よ

ほ ー ら ウーロン 茶

おう サンキュー

( 耕平 ) 北原 分かって る な 右手 が 酒 だ

( 伊 織 ) 右手 が 千 紗 左手 が 俺 だ な

ほら 千 紗 飲み物

( 千 紗 ) 今 手 が 離 せ ない から あと で

じゃあ 私 が もらっちゃ う ね ( 伊 織 ・ 耕平 ) え ?

あ … 飲ま ない の ?

え … えっ と その …

何 ? まさか 変 な 物 でも 入って る の ?

ハ … ハハハ まさか そんな !

ほら 飲め よ 北原 !

お … おう そう だ な !

あ … どう し た の ? 伊 織

( 伊 織 ) いや なんでも …

て め え なんて こと し て くれ や がる !

今 の は 不可 抗力 だ ろ !

( 伊 織 ) 交代 だ ! ( 耕平 ) じゃ 今度 は 俺 が やる か

なら 飲み物 でも 持って き て やる よ

フフフ …

( 千 紗 ) 何 作って る の ? ( 伊 織 ) う っ !

( 千 紗 ) おお …

ち ちち … 千 紗 別 に これ は !

( 千 紗 ) まったく 2 人 と も よく やる わ

それ 今村 ( いま むら ) 君 に 飲ま せよ う と し てる ん でしょ ?

う う …

( 伊 織 ) 耕平 お茶 だ

おお 悪い な

ブーッ !

すま ない 不可 抗力 だった ん だ

何 が どう なったら これ が 不可 抗力 に なる ん だ ?

うーん 上出来 上出来 !

梓 さん ほど うまく 作 れ ない です けど

いい の いい の 大学 祭 の 出店 な ん だ から

いや あ こう いう ロケーション だ と あれ だ な 千 紗

何 ?

ビール が 欲しく なる よ な ?

そう くる と 思って 用意 し て おい た ぜ っ !

私 は いら ない けど

あっ 私 もらって も いい かな ?

プハーッ ! 君 たち 2 人 気 が 利く ね !

それはそれは …

お 褒め に あずかり 恐 悦 至極 …

うん うん 奈々 華 から 聞い た とおり かわいい 後輩 たち じゃ ない

( 伊 織 ) 奈々 華 さん から ?

( 耕平 ) 仲 いい ん です か ?

ちょくちょく 電話 する 程度 に はね

だから 君 の こと よく 知って る よ 伊 織 君

え ? ああ …

聞か せ て もらった から いろいろ

( 伊 織 ) 奈々 華 さん から …

お 友達 に 電話 し て こ ない と

( 伊 織 ) ああ … ( 耕平 ) う お っ !

伊 織 汚い

ああ … もう 何 し てる の さ

あの AV や 男 どうし の と か は 誤解 で …

アハハ 大丈夫 大丈夫

いや 全然 大丈夫 じゃ …

実は 私 も どっち も イケ る 口 な ん だ

いや あ 同じ 趣味 の 子 が いる って いう の は いい よ ね

今度 いろいろ 語り明か そ う !

同じ 趣味 ?

ダイビング の こと でしょ ?

う う …

おい 北原 ! どう で も いい 話 を し て いる 場合 じゃ ない だ ろ

いや 結構 大 ごと な ん だ が …

( 梓 ) ムフフ …

( 千 紗 ) ん ? 2 人 と も どう かし た ?

いやいや 別に !

ちょっと 飲み物 取って くる !

この 手 だけ は 使い たく なかった が …

全員 の 飲み物 を これ に する しか …

はい ウーロン 茶 ( 耕平 ) どうぞ

まだ ある から いい よ ( 千 紗 ) 私 も

( 伊 織 ・ 耕平 ) まだまだ !

フッ !

海 と いえ ば かき氷 !

シロップ は 特性 だ ぜ !

もう おなか いっぱい だ から

君 ら 2 人 で 食べ な よ

2 人 と も さっき から 何 し てる の よ

あの さ ちょっと 聞い て いい ?

ち ー ちゃん 酔わ せ て 何 しよ う と し てん の ?

( 伊 織 ) なな な … なん の こと だ か さっぱり !

( 耕平 ) 言いがかり も 甚だしい よ なあ !

潰し て 何 か しよ う って いう なら 私 に も 考え が ある けど ?

いえ そう いう ん じゃ ない ん です !

なら 何 しよ う と し て た の ?

( 耕平 ) クッ ! こう なりゃ しかたない !

小細工 は やめ だ ! 千 紗 !

な … 何 よ ?

( 耕平 ・ 伊 織 ) ミスコン に 出 て くれ ( 千 紗 ) イヤ

( 耕平 ) こいつ が 全裸 で 土下座 する から 頼む !

上 から 踏め ば いい の ?

( 伊 織 ) せめて “ 出る ” “ 出 ない ” で 返事 を !

( 伊 織 ) とにかく 頼む ! ( 耕平 ) この とおり だ !

( 千 紗 ) イヤ ったら イヤ !

ダメ だ よ 頼み 事 する のに そんな ん じゃ

頼む 理由 も ちゃんと 言わ ない と ね

( 耕平 ・ 伊 織 ) あ …

( 梓 ) 理由 ない の ?

いや あ まあ …

千 紗 が 出 たら 優勝 賞金 ゲット できる じゃ ない です か

そう する と 俺 ら が 男 コン に 出 ない で 済む ん です よ

ふう ん … そ っか なるほど ね

どう ? ち ー ちゃん

絶対 に イヤ です

( 耕平 ) う ぬう …

( 伊 織 ) 予想 し て は い た が …

( 千 紗 ) じゃあ 最初 から 聞か ない で

なん だ ダメ だった の か

とりつく 島 も ない って 感じ で …

これ で 俺 ら は 男 コン 出場 確定 か

( 寿 ) まあ しかたない な

そう いえ ば 先輩 たち の とき は 誰 が 出 た ん です か ?

( 時田 ) ミスコン なら 梓 が 出 た な

( 伊 織 ) 確か に 美人 です もん ね

( 時田 ) 予選 落ち だった けど な

( 耕平 ) へ ? なんで ?

水着 を 忘れ て 下着 で 出 て 失格 に なった

( 伊 織 ) いろいろ と すごい です ね それ

羞恥 心 が ない の か ?

( 寿 ) あいつ は そう いう 女 だ

いやいや そんな …

まあ いつも どおり に し てりゃ 分かる さ

( 東 ) っし ゃあ !

( 横手 ( よこて ) ) いい 脱ぎ っぷり じゃ ねえ か !

( 安西 ( あんざ い ) ) 次 負け たら M 字 開 脚 な !

( 部員 たち の 騒ぎ 声 )

( 梓 ) よ しっ ちょっと まぜ て もらって くる !

いって らっしゃい

本当 に 梓 は ああ いう の 好き よ ね

( 梓 ) ま ー ぜ ー て ー !

あっ は い って え えっ ! ?

本当 です か ? ( 梓 ) うん

だって 野球 拳 です よ ? 脱ぐ ん です よ ?

いい ん です か ! ?

そりゃ 負け れ ば 脱ぐ よ 野球 拳 だ もん

さすが に 全裸 に は なら ない けど ね 私 だって 乙女 な ん だ から

あ … なんだ

そりゃ そう です よ ね

( 梓 ) だ から ちゃんと ばんそうこう を 貼って る よ

( 伊 織 ) まず は 俺 が いく

だが 北原 …

もう 脱ぐ もの ない だ ろ ( 梓 ) ククッ …

( 伊 織 ) 心配 ない 耕平

1 回 だ … 1 回 だけ の チャンス に 俺 は すべて を 懸ける !

( 梓 ) グフフフ …

トッキー ブッキー この 子 もう 最高 !

気 に 入った よう で 何より だ

すげ え 逸材 だ ろ

( 梓 ) それ じゃあ スピード で 勝負 !

( 伊 織 ) 受けて立ち ま しょ う 下がって ろ 耕平 !

( 耕平 ) いや むしろ お前 が 下がって ろ よ

( 梓 ) あ ~ おもしろかった

いい 子 たち でしょ ? ( 梓 ) うん

( 千 紗 ) あれ の どこ が いい 子 な ん だ か …

私 は 気 に 入った けど ね

ねえ ち ー ちゃん ( 千 紗 ) はい

( 梓 ) ミスコン くらい 出 て あげ れ ば ?

イヤ です

女 冥利 ( みょう り ) に 尽きる と 思う けど ねえ

( 千 紗 ) どこ が です か

ん ー だって ほら

あの 子 たち ち ー ちゃん の 優勝 を 信じ て 疑わ なかった でしょ ?

それ って ち ー ちゃん が 一 番 かわいい と 思って る から じゃ ない

千 紗 が 出 たら 優勝 賞金 ゲット できる じゃ ない です か

ん …

( 梓 ) どう ?

( 千 紗 ) 別 に … ( 梓 ) ん ?

何 が なんでも 絶対 に イヤ って わけ じゃ ない です けど

ただ 私 に だけ 恥ずかしい 思い を さ せよ う って いう ―

考え 方 が 気 に 入ら ない ん です

( 梓 と 奈々 華 の 笑い声 )

( 千 紗 ) な ん です か

そりゃ そう よ ね 確か に 男らしく ない わ

( 梓 ) それ なら こう しよ う よ ( 千 紗 ) ん ?

伊 織 と 耕平 の おかげ で

無事 千 紗 ちゃん が ミスコン に 出る こと に なった

( 伊 織 ) えっ ? マジ です か !

ひと 晩 で 心変わり !

( 寿 ) つい て は 2 人 に 渡す 物 が ある ( 耕平 ・ 伊 織 ) お ?

( 時田 ) さあ 受け取って くれ

( 耕平 ・ 伊 織 ) なんで だ !

千 紗 ちゃん から ミスコン 参加 に あたって 条件 を 出さ れ て な

お前 ら も 男 コン に 出る こと だ そう だ

じゃあ 俺 たち は なんの ため に !

むだ な 行動 じゃ ねえ か !

せめて お前 が この 女子 の を !

ネタ 系 は お前 だ ろ う が !

楽し そう だ な

仲 が よく て 何より だ

これ なら 全部 オッケー でしょ ? ( 千 紗 ) はい

まあ ちょっと スッ と し まし た

( 伊 織 と 耕平 の 騒ぎ 声 )

( 耕平 ) ほれ 北原 マイク

( 伊 織 ) 俺 も かよ

よっ しゃ いく ぜ !

( 寿 ) おお ~ 歌え 歌え !

( 時田 ) ノリ ノリ だ な

♪ ~

~ ♪

( 一同 ) すいません で し た !

( 一同 ) 伊豆 春 祭 じゃ ! イエーイ !

Peek a Boo ( ピーカブー ) の 古手 川 ( こて がわ ) 千 紗 です

ど りゃ あ !

う っ !

( 耕平 ) う お っ ! お化け !


( 男 ) 新人 の 伊 織 ( いおり ) ちゃん で ー す

この 春 大学生 に なった ばかり の ピチピチ です よ ~

( 伊 織 ) いらっしゃい ませ

( 伊 織 ) 本日 は ご 指名 あり が … えっ ! ?

( 2 人 ) ヒヒ …

( 伊 織 ) ギャー !

ハァ ハァ … 夢 か …

まったく ひどい 夢 だ

俺 が 女子 高 生 の 制服 なんか 着る わけ …

おはよう ございます … ぬ っ !

( 2 人 ) おはよう

ヒッ … イヤー !

♪ ~

~ ♪

ああ …

まさか 先輩 たち に そんな 趣 味 が あった だ なんて

( 寿 ( こと ぶき ) ) は あ ? 何 言って る ん だ 伊 織

( 伊 織 ) だって その 制服 !

( 耕平 ( こうへい ) ) 制服 は 好き です が なんで 男子 高校 生 用 な ん です か !

( 時田 ( と き た ) ) 今日 は 真面目 に サークル 活動 を しよ う と 思って な

( 伊 織 ・ 耕平 ) え ?

( 千 紗 ( ちさ ) ) おはよう … えっ ?

( 耕平 ) う ー む 確か に …

( 千 紗 ) 変態 ( 伊 織 ) 違う ぞ 千 紗 !

これ を ダイビング に 使う と 渡さ れ て !

ダイビング ? ああ …

もう そんな 時期 です か

( 時田 ) そう いう こと だ ( 伊 織 ・ 耕平 ) おお ! ?

千 紗 が 平然 と 受け入れ て いる だ と ?

本当 に 制服 が 必要 だ と は

しかし これ を どう 使う ん だ ?

こう する と サメ よけ に なる と か

あの 2 人 なんの 話 を し てる ん です ?

( 寿 ・ 時田 ) さあ

それ じゃ 説明 する か

( 寿 ) ダビング で 使う 機材 は 大体 こんな 感じ な ん だ が

制服 は 必要 ない じゃ ない です か !

やっぱり ウソ か !

( 寿 ) 黙って 聞け

つまり ダイビング と いう の は

金 が かかる ん だ よ

ここ まで 話せ ば もう 分かる だ ろ う ?

そい つ の 使い道 だ

( 耕平 ・ 伊 織 ) ふむ …

( 伊 織 ) う っ う う … ( 耕平 ) フフ …

( 千 紗 ) なんだか すごい 想像 し てる みたい です けど

( 寿 ・ 時田 ) うむ …

お前 ら “ 伊豆 ( い ず ) 春 祭 ( は る さい ) ” って 知って る か ?

( 伊 織 ) は あ ?

( 寿 ) 5 月 に やる うち の 大学 の 祭り の こと だ

( 時田 ) “ サークル 対抗 ミスター コンテスト ” って ―

イベント が あって だ な

( 寿 ) 優勝 サークル に は 賞金 が 出る ん だ よ

( 耕平 ・ 伊 織 ) ふ ー ん そう です か まさか 俺 たち に 出ろ と ?

( 寿 ・ 時田 ) 正解 ! ( 耕平 ・ 伊 織 ) イヤ だ !

これ は 男子 コンテスト と も 言って …

男 ( だん ) コン と 略し て いる

( 耕平 ・ 伊 織 ) 最低 だ !

ハッ ! 千 紗 は 知って た の か ?

一応 去年 と か も 見 て た から

俺 は 御免 です

そんな 服 を 着 て 笑い者 に なる なんて ―

冗談 じゃ ない ( 伊 織 ・ 千 紗 ) ああ …

( 時田 ) なあ 耕平 ( 耕平 ) ん ?

お前 は 美 形 だ

な … 何 を

お前 が 出 れ ば きっと 勝 てる

サークル の ため に お前 の 魅力 を 貸し て くれ ない か ?

えっ そう 言わ れ て も …

じゃあ 俺 は 必要な い です よ ね ? ( 寿 ) なぜ だ ?

だって 耕平 が いる じゃ ない です か

なあ 伊 織

( 伊 織 ) な ん です か

お前 は ネタ 枠 だ ( 伊 織 ) ブチ 殺し ます よ

( 寿 ) ん じゃ 2 人 と も そい つ を 着 て くれ

( 耕平 ・ 伊 織 ) え ? ( 寿 ) 今日 は 実際 に 海 に 出る

( 時田 ) サイズ は どう だ ?

ちょっと 苦しい 程度 です ね

( 時田 ) 隙間 が でき て い なけ れ ば OK だ

じゃあ 行く ぞ !

( 耕平 ) う っす

ハァ … 海 か

千 紗 は 行か ない の か ?

店番

そ っか じゃ

( 千 紗 ) あの さ 伊 織 ( 伊 織 ) ん ?

大学 生活 が 始まる とき ワクワク し た ?

( 伊 織 ) え ? ( 千 紗 ) どう ?

ん ~ そう いえ ば ワクワク …

し て た な …

( 千 紗 ) それ なら きっと ―

楽し め る と 思う

( 伊 織 ) ん ?

( 寿 ) 伊 織 は 俺 と 組 ん で 練習 だ

( 時田 ) じゃ 俺 は 耕平 と だ な

( 寿 ) やる こと は 至って 単純

水 の 中 で 呼吸 する 感覚 を 体験 する

はい

( 寿 ) レギュ を くわえ て 息 を 吸って みろ

はい

( 寿 ) どう だ ?

普通 に 息 を する の と は だいぶ 感覚 が 違い ます ね

( 寿 ) そう だ な 吸う と 一気に 空気 が 流れ 込 ん で くる 感じ だ ろ

( 伊 織 ) それ も あり ます が ―

息 を 吸う とき に 若干 力 が いる と いう か …

( 寿 ) ああ 慣れ ない うち は 意識 し ない と ―

呼吸 に 詰まる かも なあ ( 伊 織 ) はい

じゃ 実際 に 潜って みる か

分かり まし た

ハァ ハァ ハァ …

( 寿 ) 伊 織 ?

( 伊 織 ) プハッ ! ハァ ハァ …

なあ 伊 織

( 伊 織 ) な ん です か …

なぜ 息 を 切 らし てる ん だ ?

苦しい から です

( 寿 ) お前 は なんの ため に タンク を 背負って る

( 伊 織 ) 怖い ん です よ 水 の 中 で 息 を 吸う って こと が

( 寿 ) 怖い ? ( 伊 織 ) はい …

( 寿 ) そう か まあ ―

最初 は 戸惑う かも しれ ない が すぐ に 慣れる さ

じゃあ もう 1 回 やって み ます

( 伊 織 ) プハッ …

どう し た 大丈夫 か ?

( 伊 織 ) マスク の 中 に 水 が …

( 寿 ) つけ 方 が ゆるい の かも な 貸し て みろ

( 奈々 華 ( な なか ) ) ありがとう ござい まし た

( 伊 織 ) あれ あの お 客 さん たち …

ああ 出張 前 に 潜り に 来 た らしい

なんか 大変 そう です ね

忙し そう な の に わざわざ スーツ まで 持って き て

( 寿 ) ハハハ 頼もしい だ ろ ( 伊 織 ) 頼もしい ?

だって そう だ ろ ? あの 人 たち は ―

貴重 な 金 や 時間 を 使って まで 潜って る

それ って つまり ―

ここ に は それ ほど の 魅力 が 詰まって いる と いう 証拠 じゃ ない か

( 寿 ) さっき 水 の 中 が 怖い と 言った な

( 伊 織 ) すみません ( 寿 ) 謝る こと は ない さ

水中 で 空 気 が なく なったら なんて 考え たら 俺 だって 怖い

これ なんだか 分かる か ?

えっ と …

( 寿 ) こいつ は オクトパス と いって ―

予備 の レギュレーター だ

水中 で 仲間 が 空気 切れ を 起こし た とき に 渡し て やる ん だ

ウエイト の ベルト は つける 向き が 決まって いる が ―

これ に も 理由 が ある

何 か が あった とき 手早く 外し て やる ため だ

自分 の 安全 だけ じゃ なく ―

一緒に 潜る 仲間 を 助け られる よう に

安全 確認 は しっかり やった

ここ に は お前 だけ じゃ なく て 俺 も いる

大丈夫 だ から 根性 入れ て 潜って こい

何 が あ ろ う と 助け て やる

よし !

いって き ます !

おう !

( 伊 織 ) あっ … あれ でき た 苦しく ない 全然 !

やった !

これ が 水 の 中 …

俺 の 知ら なかった 世界 !

( 伊 織 ) ハァ ハァ … ( 千 紗 ) ん っ ! ?

( 伊 織 ) 千 紗 ! ( 千 紗 ) 伊 織 ?

( 伊 織 ) 分かった よ お前 が 言って た こと

海 の 中 で 息 が できる って すごい な !

俺 全然 泳 げ ない のに ! ( 千 紗 ) そ … そう

これ が 新しい 世界 に 触れる って こと な ん だ な !

これ って あれ か ! 宇宙 に 行って ―

無 重力 を 体験 する よう な 感覚 な の か !

( 千 紗 ) 伊 織 分かった から とりあえず 着替え て

( 千 紗 ) 伊 織 分かった から とりあえず 着替え て

( 伊 織 ) やっぱり 本格 的 に 潜る と ―

浮遊 感 と か そう いう の と …

( 時田 ) あれ ばっかり は ―

できる こと だけ 選 ん でる やつ に は 一生 分から ん 喜び だ な

なんの こと です か ?

( 寿 ) お前 は 分から ない か ?

そりゃ お前 あれ だ よ

でき ない こと が できる よう に なる 喜び って やつ だ

( 一同 ) カンパーイ !

クゥー !

( 耕平 ) う … うまい ( 寿 ) 染みる だ ろ

( 登志夫 ( と しお ) ) ほれ つまみ だ ( 一同 ) おお ー !

ありがとう ございます

( 時田 ) よかった な 伊 織 苦手 を 克服 でき て

まだ 水 は 苦手 です けど

だが 新しい 世界 に 踏み込む 楽し さ を 知る こと は でき た だ ろ ?

はい ! ありがとう ござい まし た

いやいや 礼 に は 及ば ん さ

そう だ と も これ で …

あ …

( 寿 ) こっち の 新 世界 を 断る 理由 も なくなった わけ だ し な

( 伊 織 ) イヤ だ ー !

う う っ またしても 飲みすぎ た …

水 … ウプッ

何 す ん です か … えっ ?

ヒイイ …

( 梓 ( あずさ ) ) もう ちょ い 寝よ う よ

( 伊 織 ) え ?

え ? は ? え ?

( 伊 織 ) は あ ! ? ( 梓 ) う うん …

( 伊 織 ) いやいや あり え ない だ ろ

酔って 起き たら 隣 で 半 裸 の 人 が 寝 てる なんて …

( 寿 と 時田 の いびき )

( 伊 織 ) いつも の こと だ な

と いう か この 人 は 一体 ?

ああ お前 ら は 初対面 か ( 耕平 ) う おお !

うち が インカレ サークル だって こと は ―

知って る よ な ?

( 伊 織 ) て こと は ほか の 学校 の 人 な ん です か ?

( 時田 ) こいつ は 青海 ( お うみ ) 女子 大 の 浜岡 ( は ま おか ) 梓 って 女 で な

( 耕平 ) で その 人 が なんで 寝 てる ん です か ?

( 時田 ) 布団 が あった から じゃ ない か ?

( 伊 織 ) その 布団 先 に 俺 が 寝 て い た ん です が …

( 時田 ) そう いう こと を 気 に する 女 じゃ ない

( 伊 織 ) う わ っ … ( 耕平 ) 普通 ―

裸 の 男 が いる 部屋 で 服 脱 い で 寝る か ?

( 寿 ) そう いう こった

こいつ を 女 扱い し て いる と バカ を 見る ぞ

あ … 服 を 着る なんて 珍しい です ね

今日 は 外 で やる こと が ある から な

( 時田 ) その ため に 梓 を 呼 ん だ ん だ

じゃあ 起こし ま しょ う か ?

( 寿 ) 待て ( 伊 織 ) え ?

先 に お前 ら に 話し て おく こと が ある

伊豆 春 祭 に 関する 大事 な 話 だ

( 梓 ) ほ い 完成

( 耕平 ・ 伊 織 ) おお っ !

( 千 紗 ) 相変わらず 上手 です ね

それほど でも

伊豆 春 祭 で お好み焼き を 売る ん です か

うん 普通 に うまい !

うまく なきゃ 困る

売り上げ を サークル 予算 の 足し に する から な

( 時田 ) と いう わけ で ―

今日 は 1 年 生 に これ を 作 れる よう に なって もらう

トッキー と ブッキー は ?

ああ 俺 たち は …

( 東 ( あ ず ま ) ) 時田 寿 行く ぞ ! ( 時田 ) おお !

機材 の 準備 に 行って くる

終わったら みんな で 食い に 来る から ―

たくさん 焼 い と い て くれ

分かった じゃ 始め よっ か

( 千 紗 ) はい ( 耕平 ・ 伊 織 ) ん …

( 伊 織 ) やる ぞ 耕平 !

( 耕平 ) 任せろ 北原 ( きた はら ) !

( 伊 織 ) 伊豆 春 祭 の 大事 な 話 ? 男 コン の こと じゃ なく て ?

実は それ がらみ な ん だ が …

お前 ら に は 千 紗 ちゃん の 説得 を 頼み たい

どう いう こと です ?

( 時田 ) 伊豆 春 祭 に は ミスコン も あって な

サークル 予算 獲得 の ため に

千 紗 ちゃん に 出 て もらい たい ん だ

まさか その 説得 を やれ と ?

絶対 に 無理 です よ !

だが これ で 彼女 が 優勝 し て くれ たら ―

お前 ら は 男 コン に 出る 必要 が なくなる

( 耕平 ・ 伊 織 ) っ しゃ ー ! やって やる ぜ !

( 伊 織 ) 普通 なら 千 紗 は 絶対 に ―

ミスコン 出場 なんて 承諾 し ない だ ろ う

( 耕平 ) ならば 普通 じゃ ない 状態 に し て やれ ば いい だけ の こと

( 伊 織 ) 千 紗 を 酔わ せ て 判断 力 を 奪い

( 耕平 ) ミスコン 参加 の 言質 を 取る !

( 伊 織 ) いや ~ 暑い な 耕平 !

そう だ な 北原 ! こう 暑い と 熱中 症 が 怖い な

きちんと 水分 補給 を し ない と な !

じゃあ 俺 が 飲み物 を 取って き て やる よ

ほ ー ら ウーロン 茶

おう サンキュー

( 耕平 ) 北原 分かって る な 右手 が 酒 だ

( 伊 織 ) 右手 が 千 紗 左手 が 俺 だ な

ほら 千 紗 飲み物

( 千 紗 ) 今 手 が 離 せ ない から あと で

じゃあ 私 が もらっちゃ う ね ( 伊 織 ・ 耕平 ) え ?

あ … 飲ま ない の ?

え … えっ と その …

何 ? まさか 変 な 物 でも 入って る の ?

ハ … ハハハ まさか そんな !

ほら 飲め よ 北原 !

お … おう そう だ な !

あ … どう し た の ? 伊 織

( 伊 織 ) いや なんでも …

て め え なんて こと し て くれ や がる !

今 の は 不可 抗力 だ ろ !

( 伊 織 ) 交代 だ ! ( 耕平 ) じゃ 今度 は 俺 が やる か

なら 飲み物 でも 持って き て やる よ

フフフ …

( 千 紗 ) 何 作って る の ? ( 伊 織 ) う っ !

( 千 紗 ) おお …

ち ちち … 千 紗 別 に これ は !

( 千 紗 ) まったく 2 人 と も よく やる わ

それ 今村 ( いま むら ) 君 に 飲ま せよ う と し てる ん でしょ ?

う う …

( 伊 織 ) 耕平 お茶 だ

おお 悪い な

ブーッ !

すま ない 不可 抗力 だった ん だ

何 が どう なったら これ が 不可 抗力 に なる ん だ ?

うーん 上出来 上出来 !

梓 さん ほど うまく 作 れ ない です けど

いい の いい の 大学 祭 の 出店 な ん だ から

いや あ こう いう ロケーション だ と あれ だ な 千 紗

何 ?

ビール が 欲しく なる よ な ?

そう くる と 思って 用意 し て おい た ぜ っ !

私 は いら ない けど

あっ 私 もらって も いい かな ?

プハーッ ! 君 たち 2 人 気 が 利く ね !

それはそれは …

お 褒め に あずかり 恐 悦 至極 …

うん うん 奈々 華 から 聞い た とおり かわいい 後輩 たち じゃ ない

( 伊 織 ) 奈々 華 さん から ?

( 耕平 ) 仲 いい ん です か ?

ちょくちょく 電話 する 程度 に はね

だから 君 の こと よく 知って る よ 伊 織 君

え ? ああ …

聞か せ て もらった から いろいろ

( 伊 織 ) 奈々 華 さん から …

お 友達 に 電話 し て こ ない と

( 伊 織 ) ああ … ( 耕平 ) う お っ !

伊 織 汚い

ああ … もう 何 し てる の さ

あの AV や 男 どうし の と か は 誤解 で …

アハハ 大丈夫 大丈夫

いや 全然 大丈夫 じゃ …

実は 私 も どっち も イケ る 口 な ん だ

いや あ 同じ 趣味 の 子 が いる って いう の は いい よ ね

今度 いろいろ 語り明か そ う !

同じ 趣味 ?

ダイビング の こと でしょ ?

う う …

おい 北原 ! どう で も いい 話 を し て いる 場合 じゃ ない だ ろ

いや 結構 大 ごと な ん だ が …

( 梓 ) ムフフ …

( 千 紗 ) ん ? 2 人 と も どう かし た ?

いやいや 別に !

ちょっと 飲み物 取って くる !

この 手 だけ は 使い たく なかった が …

全員 の 飲み物 を これ に する しか …

はい ウーロン 茶 ( 耕平 ) どうぞ

まだ ある から いい よ ( 千 紗 ) 私 も

( 伊 織 ・ 耕平 ) まだまだ !

フッ !

海 と いえ ば かき氷 !

シロップ は 特性 だ ぜ !

もう おなか いっぱい だ から

君 ら 2 人 で 食べ な よ

2 人 と も さっき から 何 し てる の よ

あの さ ちょっと 聞い て いい ?

ち ー ちゃん 酔わ せ て 何 しよ う と し てん の ?

( 伊 織 ) なな な … なん の こと だ か さっぱり !

( 耕平 ) 言いがかり も 甚だしい よ なあ !

潰し て 何 か しよ う って いう なら 私 に も 考え が ある けど ?

いえ そう いう ん じゃ ない ん です !

なら 何 しよ う と し て た の ?

( 耕平 ) クッ ! こう なりゃ しかたない !

小細工 は やめ だ ! 千 紗 !

な … 何 よ ?

( 耕平 ・ 伊 織 ) ミスコン に 出 て くれ ( 千 紗 ) イヤ

( 耕平 ) こいつ が 全裸 で 土下座 する から 頼む !

上 から 踏め ば いい の ?

( 伊 織 ) せめて “ 出る ” “ 出 ない ” で 返事 を !

( 伊 織 ) とにかく 頼む ! ( 耕平 ) この とおり だ !

( 千 紗 ) イヤ ったら イヤ !

ダメ だ よ 頼み 事 する のに そんな ん じゃ

頼む 理由 も ちゃんと 言わ ない と ね

( 耕平 ・ 伊 織 ) あ …

( 梓 ) 理由 ない の ?

いや あ まあ …

千 紗 が 出 たら 優勝 賞金 ゲット できる じゃ ない です か

そう する と 俺 ら が 男 コン に 出 ない で 済む ん です よ

ふう ん … そ っか なるほど ね

どう ? ち ー ちゃん

絶対 に イヤ です

( 耕平 ) う ぬう …

( 伊 織 ) 予想 し て は い た が …

( 千 紗 ) じゃあ 最初 から 聞か ない で

なん だ ダメ だった の か

とりつく 島 も ない って 感じ で …

これ で 俺 ら は 男 コン 出場 確定 か

( 寿 ) まあ しかたない な

そう いえ ば 先輩 たち の とき は 誰 が 出 た ん です か ?

( 時田 ) ミスコン なら 梓 が 出 た な

( 伊 織 ) 確か に 美人 です もん ね

( 時田 ) 予選 落ち だった けど な

( 耕平 ) へ ? なんで ?

水着 を 忘れ て 下着 で 出 て 失格 に なった

( 伊 織 ) いろいろ と すごい です ね それ

羞恥 心 が ない の か ?

( 寿 ) あいつ は そう いう 女 だ

いやいや そんな …

まあ いつも どおり に し てりゃ 分かる さ

( 東 ) っし ゃあ !

( 横手 ( よこて ) ) いい 脱ぎ っぷり じゃ ねえ か !

( 安西 ( あんざ い ) ) 次 負け たら M 字 開 脚 な !

( 部員 たち の 騒ぎ 声 )

( 梓 ) よ しっ ちょっと まぜ て もらって くる !

いって らっしゃい

本当 に 梓 は ああ いう の 好き よ ね

( 梓 ) ま ー ぜ ー て ー !

あっ は い って え えっ ! ?

本当 です か ? ( 梓 ) うん

だって 野球 拳 です よ ? 脱ぐ ん です よ ?

いい ん です か ! ?

そりゃ 負け れ ば 脱ぐ よ 野球 拳 だ もん

さすが に 全裸 に は なら ない けど ね 私 だって 乙女 な ん だ から

あ … なんだ

そりゃ そう です よ ね

( 梓 ) だ から ちゃんと ばんそうこう を 貼って る よ

( 伊 織 ) まず は 俺 が いく

だが 北原 …

もう 脱ぐ もの ない だ ろ ( 梓 ) ククッ …

( 伊 織 ) 心配 ない 耕平

1 回 だ … 1 回 だけ の チャンス に 俺 は すべて を 懸ける !

( 梓 ) グフフフ …

トッキー ブッキー この 子 もう 最高 !

気 に 入った よう で 何より だ

すげ え 逸材 だ ろ

( 梓 ) それ じゃあ スピード で 勝負 !

( 伊 織 ) 受けて立ち ま しょ う 下がって ろ 耕平 !

( 耕平 ) いや むしろ お前 が 下がって ろ よ

( 梓 ) あ ~ おもしろかった

いい 子 たち でしょ ? ( 梓 ) うん

( 千 紗 ) あれ の どこ が いい 子 な ん だ か …

私 は 気 に 入った けど ね

ねえ ち ー ちゃん ( 千 紗 ) はい

( 梓 ) ミスコン くらい 出 て あげ れ ば ?

イヤ です

女 冥利 ( みょう り ) に 尽きる と 思う けど ねえ

( 千 紗 ) どこ が です か

ん ー だって ほら

あの 子 たち ち ー ちゃん の 優勝 を 信じ て 疑わ なかった でしょ ?

それ って ち ー ちゃん が 一 番 かわいい と 思って る から じゃ ない

千 紗 が 出 たら 優勝 賞金 ゲット できる じゃ ない です か

ん …

( 梓 ) どう ?

( 千 紗 ) 別 に … ( 梓 ) ん ?

何 が なんでも 絶対 に イヤ って わけ じゃ ない です けど

ただ 私 に だけ 恥ずかしい 思い を さ せよ う って いう ―

考え 方 が 気 に 入ら ない ん です

( 梓 と 奈々 華 の 笑い声 )

( 千 紗 ) な ん です か

そりゃ そう よ ね 確か に 男らしく ない わ

( 梓 ) それ なら こう しよ う よ ( 千 紗 ) ん ?

伊 織 と 耕平 の おかげ で

無事 千 紗 ちゃん が ミスコン に 出る こと に なった

( 伊 織 ) えっ ? マジ です か !

ひと 晩 で 心変わり !

( 寿 ) つい て は 2 人 に 渡す 物 が ある ( 耕平 ・ 伊 織 ) お ?

( 時田 ) さあ 受け取って くれ

( 耕平 ・ 伊 織 ) なんで だ !

千 紗 ちゃん から ミスコン 参加 に あたって 条件 を 出さ れ て な

お前 ら も 男 コン に 出る こと だ そう だ

じゃあ 俺 たち は なんの ため に !

むだ な 行動 じゃ ねえ か !

せめて お前 が この 女子 の を !

ネタ 系 は お前 だ ろ う が !

楽し そう だ な

仲 が よく て 何より だ

これ なら 全部 オッケー でしょ ? ( 千 紗 ) はい

まあ ちょっと スッ と し まし た

( 伊 織 と 耕平 の 騒ぎ 声 )

( 耕平 ) ほれ 北原 マイク

( 伊 織 ) 俺 も かよ

よっ しゃ いく ぜ !

( 寿 ) おお ~ 歌え 歌え !

( 時田 ) ノリ ノリ だ な

♪ ~

~ ♪

( 一同 ) すいません で し た !

( 一同 ) 伊豆 春 祭 じゃ ! イエーイ !

Peek a Boo ( ピーカブー ) の 古手 川 ( こて がわ ) 千 紗 です

ど りゃ あ !

う っ !

( 耕平 ) う お っ ! お化け !