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学園黙示録 (Highschool of the Dead), Highschool of the Dead Episode 9

Highschool of the Dead Episode 9

( 高城 百合子 ( た かぎ ゆ りこ ) ) みんな その 場 で 伏せ なさい !

( 衝撃 音 )

( 衝撃 音 )

( 小室 孝 ( こむ ろ たかし ) ) 一体 誰 が …

( 毒 島 冴子 ( ぶ すじ ま さえ こ ) ) 消防 で は ない よう だ が …

( 高城 沙 耶 ( た かぎ さ や ) ) あっ ママ ! アハハ !

( 高城 の 泣き声 )

( 孝 ) あの 人 高城 の お 母 さん です

助かった ん です !

とはいえ … こちら の 状況 は 最悪 だ

さすが に 救助 も 期待 でき ん

迂回 ( うかい ) し て 行き ま しょ う この 辺り は 知って ます

( 高城 ) 待って る から !

私 の 家 で …

待って る から ー !

♪ ~

~ ♪

クッ … ここ も

二 丁目 へ は 行け そう に ない な

( 孝 ) 一 度 戻り ま しょ う

来る 途中 “ 奴 ( やつ ) ら ” は い なかった

クッ … 高城 ん 家 ( ち ) が 見え て ん のに …

( 毒 島 ) また 塀 の 上 でも 歩く か ?

( 孝 ) ハハ …

クッ … せめて バイク なら

冴子 さん !

僕 は バイク を 選び ます

冴子 さん は 必要 な もの を 集め て ください

( 毒 島 ) バイク は いい が タンデム は 危険 だ

デート で は ある まい ?

ん ?

アハ ハハ …

( 毒 島 ) これ は どう だ ろ う か ?

( 孝 ) あ …

水上 航行 も 可能 か ぁ …

ご 満足 いた だ け て 何より だ

ヘヘ …

( アーゴ の エンジン 音 )

面白く なって き た な

ええ まったく です

この 先 どう する か … 計画 は もちろん ある ね ?

あり ます ただし …

ただし ?

面白く なり すぎる かも しれ ませ ん

フフ … まったく 君 と いる と 飽き ない よ !

( 孝 ) つかまって ください !

( うなり 声 )

階段 は 使える の に 急 斜面 は ダメ な の か

と は 言って も …

結局 同じ か …

そう 都合 よく は いかん さ

( 孝 ) それ じゃあ …

小室 君 何 を する !

水 陸 両用 を 生かし ます !

水 陸 ?

あ …

冴子 さん 大丈夫 で し た … か !

う わ あ … ああ … あっ あの !

あの … えっ と その …

( 唾 を 飲み込む 音 )

はっ !

私 も 女 だ ぞ !

( 孝 ) あっ はい ! ごめんなさい !

( 鳶 ( とび ) の 鳴き声 )

( うなり 声 )

ハァ …

( ささやき 声 で ) 男子 が ため息 を 漏らす の は 感 心 し ない よ

あっ はい !

でも ちょっと 冴子 さん 近 すぎ …

今 は なるべく 声 を 抑え た ほう が よか ろ う

中州 を 使う と は 考え た な

( 孝 ) 子供 の 頃 周り が 意外に 深い し 流れ も 速い から ―

“ 絶対 に ここ で 遊 ん じゃ いけ ない ” って ―

何度 も 言わ れ て た の 思い出し た ん です

さて 目論見 どおり に いく に しろ いか ぬ に しろ

一休み だ な

( 孝 ) ええ 交代 で 見張り ま しょ う

冴子 さん は とりあえず 休 ん で …

( 冴子 ) ヘクチッ ! ( 孝 ) え ?

す っ すま ない … 体 が 冷え て しまった よう だ

あっ さっき …

あの とりあえず これ を

ありがとう

( 冴子 ) もう いい よ ( 孝 ) あ …

あっ

ん ? どこ か 変 だ ろ う か ?

ち っ 違い ます ! むしろ 逆 で その …

フフ …

小室 君 は いつも 私 を 女 と し て 見 て くれる な

あぁ … もし かして …

( 孝 ) す いま … ( 毒 島 ) いい の だ

私 は 女 だ よ ?

( 鳶 の 鳴き声 )

( 孝 ) あっ あの …

冴子 さん も やっぱり 好き な 人 と かい た ん です か ?

( 冴子 ) いきなり だ な

( 孝 ) いや あの … 何 言って ん だ か

えっ と … 冴子 さん ほど なら きっと …

私 に も …

好き な 男 は い た よ

そろそろ どう だ ろ う 数 も 減った よ

( 孝 ) ああ はい

( アーゴ の エンジン 音 )

また 増え て き た

このまま で は 中州 に 行く 前 と 同じ だ

次 の 角 を 曲がれ ば 分かり ます !

公園 ?

段ボール の お家 を 作る わけ じゃ ない です !

ブハッ !

君 は 女 を ぬれねずみ に する 趣味 で も ある の か !

バック パック から テープ を 取って ください !

( 冴子 ) なるほど な

音 で 引き寄せ て その 間 に …

( 孝 ) 東 の 出口 を 抜け れ ば 高城 ん 家 の 裏手 に 出 ます

あと 音 が 響く から ―

銃 は なる べく 使い たく ない ん です けど

なるほど …

承知 し た !

アッ アッ アッ …

臭い な

せめて 髪 だけ でも 洗ったら どう だ

( 殴る 音 )

さあ 遠慮 は 無用 だ !

( 殴る 音 )

( 孝 ) さっ 冴子 さん すご すぎ … ( 殴る 音 )

( うなり 声 )

何 し てる ん です ! 冴子 さん !

どう し た って ん だ よ !

アアア !

( 銃撃 音 )

クッ ! こっち です !

急 い で !

( 扉 が 開く 音 )

( 扉 が 閉まる 音 )

冴子 さん 一体 どう し た って …

今 の 装備 じゃ 夜 は 危険 です

ここ で 朝 を 待ち ま しょ う

( マッチ を 擦 ( す ) る 音 )

( 孝 ) お っ これ 本物 だ

冴子 さん これ

まず は ここ に 座って ください

制服 も 乾 い て ます から

もう いい よ

いや あ ほっと し た あり まし た よ 冴子 さん

ん ? 何 が あった と いう の だ

( 孝 ) それ は です ね これ です

( 毒 島 ) ん ?

携帯 トイレ で ござい ます よ 冴子 様

な っ …

フッ … ウッフフ …

君 は …

笑う なんて ひどい なあ

これ でも 困ら ない よう に です ね

( 毒 島 ) 分かって いる よ

ウッフフ …

うれしい … うれしい よ

何 も 尋ね ない の だ な

冴子 さん が あんな ふう に なる なんて

よほど の 理由 でしょ う

君 に は なんの 意味 も ない こと だ が …

聞い て もら える だ ろ う か

( 風 の 音 )

( 毒 島 ) 思い出し て しまった の だ

虞 ( おそれ ) を

小さな 子 の “ 奴 ら ” が い た から …

困った こと に そう で は ない の だ

中州 で 私 に ―

好き な 男 が い た か どう か 聞い て くれ た な

あっ あれ は その …

いい の だ … 私 も 女 だ

男 を 好き に なる こと も ある よ

しかし …

想 ( おも ) い を 告げ た こと は ない

告げる 資格 が ある と は 思え ない の だ

( 孝 ) で も 冴子 さん なら どんな ヤツ だって …

( 毒 島 ) 人 を 殺 ( あや ) め か け て い て も かね ?

あ …

え ?

( 毒 島 ) 4 年 前 夜道 で 男 に 襲わ れ た

無論 負け は し なかった

木刀 を 携え て い た から な

男 の 肩 甲 骨 と 大腿骨 ( だいたい こ つ ) を たたき 割って やった

事情 を 知った 警察 は ―

パトカー で 家 まで 送って くれ た よ

( 孝 ) なら … いや 確か に 過剰 防衛 かも しれ ない けど

( 毒 島 ) 私 を 縛って いる の は その こと 自体 で は ない

楽しかった の だ

明確 な 敵 が 得 られ た こと

それ は 悦 楽 その もの だった

( 男 ) ハァ ハァ …

( 毒 島 ) あの とき …

木刀 を 手 に し た 自分 が ―

圧倒 的 優位 に 立って いる と 知った 私 は ―

おびえ た ふり を し て 男 の 動き を 誘い …

( 殴る 音 ) ( 男 ) う わ ぁ !

( 男 ) う っ う わ ! アア …

( 毒 島 ) ためらう こと なく 逆襲 し た

楽しかった

本当 に 楽しく て たまらなかった

それ が 真実 の 私 !

毒 島 冴子 の 本質 な の だ !

ただ 力 に 酔いしれ 楽し ん で い た 私 が ―

少女 その もの の 真心 を 抱く こと など ―

許さ れる と 思う か ね ?

でも 僕 も “ 奴 ら ” が 出 て き て から

君 は 後 に なって から だ が

私 は 前 から な の だ よ

冴子 さん …

噴水 の 前 で 気付 い た

私 は 何 も 変わって い ない

それどころか ますます ひどく なって いる

はっ !

裏 から 道 に 出 ます

高城 の 家 まで 歩 い て も 20 分 で 行け …

( “ 奴 ら ” の うなり 声 ) ( 孝 ) ん ?

( うなり 声 )

( 孝 ) なぜ いる ん だ !

葉 鳴り の 音 で な の か ? いや そんな はず は …

なんで だ よ !

冴子 さん ! このまま 走って !

あっ …

冴子 さん !

( 足音 )

小室 君 …

ウッ !

こ っ 小室 く …

理由 が 必要 なら 僕 が 与え て やる 冴子 !

たとえ お前 が どれほど 汚れ て いよ う と ―

生き て いる 限り 僕 は お前 に 憧れ 続け て やる !

お前 を 最高 の 女 だ と 信じ 抜 い て やる !

だから 死ぬ な !

僕 を 死な せる な !

( 毒 島 ) ウッ アッ … !

( 孝 ) 頼む ! 僕 の ため 全て の 罪 と 共に ―

本当 の お前 で あり 続けろ !

( うなり 声 )

ありがとう 大丈夫 だ

うれしい よ 孝

ハッ !

( 斬る 音 )

( 斬る 音 )

( 斬る 音 )

( 毒 島 ) これ だ !

これ な の だ !

( 刺す 音 )

( 斬る 音 )

( 斬る 音 )

( 斬る 音 )

( 毒 島 ) たまら ん !

冴子 !

( 毒 島 ) ウアアアッ ! ( 斬る 音 )

( 孝 ) 冴子 こっち だ !

( 毒 島 ) 孝 …

( 孝 ) あ …

責任 … 取って くれる ね ?

( 孝 ) 望む ところ !

♪ ~

~ ♪

( 希 里 ( まれ さ と ) あり す ) どう し て 裏側 な の ?

( 平野 ( ひら の ) コータ ) 回り込 ん で くる と し たら 裏側 だ から ね

( ほえ 声 ) ( 2 人 ) ん ?

ジーク ?

あ …

( あり す ) ん ? ( ジーク の ほえ 声 )

お 兄ちゃん !

あっ !

ふん … 門 を 開け て !

( 門下 生 ) はい !

( ジーク の ほえ 声 )

( あり す ) お 兄ちゃん ! お 姉ちゃん !

( 孝 ) 僕 は 受け入れ た

彼女 の 闇 を

いや “ 終わり ” の もたらし た 全て を

もちろん 僕 が 生きる ため に

( 高城 ) さすが よ ! ほんと に すごい わ !

さすが あたし の パパ と ママ !

生き残って る はず が ない から 即座 に 諦め た なんて !

( 平野 ) 邪魔 する な よ ! まとも に 銃 も 撃 て ない くせ に !


Highschool of the Dead Episode 9 highschool|||dead|episode

( 高城 百合子 ( た かぎ ゆ りこ ) ) みんな その 場 で 伏せ なさい ! たかぎ|ゆりこ|||||||じょう||ふせ| Everyone, duck!

( 衝撃 音 ) しょうげき|おと

( 衝撃 音 ) しょうげき|おと

( 小室 孝 ( こむ ろ たかし ) ) 一体 誰 が … こむろ|こう||||いったい|だれ| Who are they?

( 毒 島 冴子 ( ぶ すじ ま さえ こ ) ) 消防 で は ない よう だ が … どく|しま|さえこ||||||しょうぼう|||||| I do not believe they are really from the fire department.

( 高城 沙 耶 ( た かぎ さ や ) ) あっ ママ ! アハハ ! たかぎ|いさご|や||||||まま| Mom!

( 高城 の 泣き声 ) たかぎ||なきごえ

( 孝 ) あの 人 高城 の お 母 さん です こう||じん|たかぎ|||はは|| That's Takagi's mom!

助かった ん です ! たすかった|| They're saved!

とはいえ … こちら の 状況 は 最悪 だ |||じょうきょう||さいあく| Our situation, on the other hand, does not bode well.

さすが に 救助 も 期待 でき ん ||きゅうじょ||きたい|| I do not believe they will come help us.

迂回 ( うかい ) し て 行き ま しょ う この 辺り は 知って ます うかい||||いき|||||あたり||しって| Let's take a detour. I know my way around this area.

( 高城 ) 待って る から ! たかぎ|まって|| We'll be waiting!

私 の 家 で … わたくし||いえ| We'll be waiting at my house!

待って る から ー ! まって|||-

♪ ~

~ ♪

クッ … ここ も

二 丁目 へ は 行け そう に ない な ふた|ちょうめ|||いけ|||| It does not seem as though we can make it back to 2-chome.

( 孝 ) 一 度 戻り ま しょ う こう|ひと|たび|もどり||| Let's go back this way.

来る 途中 “ 奴 ( やつ ) ら ” は い なかった くる|とちゅう|やつ||||| There were none of them on the way here.

クッ … 高城 ん 家 ( ち ) が 見え て ん のに … |たかぎ||いえ|||みえ|||

( 毒 島 ) また 塀 の 上 でも 歩く か ? どく|しま||へい||うえ||あるく| Do you want to walk on a fence again?

( 孝 ) ハハ … こう|

クッ … せめて バイク なら ||ばいく|

冴子 さん ! さえこ| Saeko-san!

僕 は バイク を 選び ます ぼく||ばいく||えらび| I'll pick out a bike.

冴子 さん は 必要 な もの を 集め て ください さえこ|||ひつよう||||あつめ|| Get whatever you need, Saeko-san.

( 毒 島 ) バイク は いい が タンデム は 危険 だ どく|しま|ばいく||||||きけん| A bike is okay by itself, but in tandem it would be dangerous.

デート で は ある まい ? でーと|||| Or are we going on a date?

ん ?

アハ ハハ …

( 毒 島 ) これ は どう だ ろ う か ? どく|しま||||||| Would this work?

( 孝 ) あ … こう|

水上 航行 も 可能 か ぁ … すいじょう|こうこう||かのう|| You can use it in water?

ご 満足 いた だ け て 何より だ |まんぞく|||||なにより| So you find it satisfactory?

ヘヘ …

( アーゴ の エンジン 音 ) ||えんじん|おと

面白く なって き た な おもしろく|||| What an amusing situation we find ourselves in.

ええ まったく です Yeah, really.

この 先 どう する か … 計画 は もちろん ある ね ? |さき||||けいかく|||| So what shall we do from hereafter?

あり ます ただし … Yup!

ただし ? But?

面白く なり すぎる かも しれ ませ ん おもしろく||||||

フフ … まったく 君 と いる と 飽き ない よ ! ||きみ||||あき||

( 孝 ) つかまって ください ! こう|| Hang on!

( うなり 声 ) |こえ

階段 は 使える の に 急 斜面 は ダメ な の か かいだん||つかえる|||きゅう|しゃめん||だめ||| They can use the stairs, but not a sleep slope?

と は 言って も … ||いって| Say what you please, but...

結局 同じ か … けっきょく|おなじ| They're the same in the end, huh?

そう 都合 よく は いかん さ |つごう||||

( 孝 ) それ じゃあ … こう|| Well then...

小室 君 何 を する ! こむろ|きみ|なん|| What are you doing, Komuro-kun?

水 陸 両用 を 生かし ます ! すい|りく|りょうよう||いかし| Using it amphibiously!

水 陸 ? すい|りく Amphibiously?

あ …

冴子 さん 大丈夫 で し た … か ! さえこ||だいじょうぶ||||

う わ あ … ああ … あっ あの !

あの … えっ と その …

( 唾 を 飲み込む 音 ) つば||のみこむ|おと

はっ !

私 も 女 だ ぞ ! わたくし||おんな|| I-I am a woman!

( 孝 ) あっ はい ! ごめんなさい ! こう||| Oh, yes! Sorry...

( 鳶 ( とび ) の 鳴き声 ) とび|||なきごえ

( うなり 声 ) |こえ

ハァ …

( ささやき 声 で ) 男子 が ため息 を 漏らす の は 感 心 し ない よ |こえ||だんし||ためいき||もらす|||かん|こころ||| It is not admirable for a young man to sigh.

あっ はい ! Uh, okay.

でも ちょっと 冴子 さん 近 すぎ … ||さえこ||ちか| But, wait, Saeko-san...

今 は なるべく 声 を 抑え た ほう が よか ろ う いま|||こえ||おさえ|||||| You're too close...

中州 を 使う と は 考え た な なかす||つかう|||かんがえ|| Good idea to use the sandbank.

( 孝 ) 子供 の 頃 周り が 意外に 深い し 流れ も 速い から ― こう|こども||ころ|まわり||いがいに|ふかい||ながれ||はやい| I remember when I was a kid and I was always told not to play here

“ 絶対 に ここ で 遊 ん じゃ いけ ない ” って ― ぜったい||||あそ||||| because the water is so deep and the stream is really fast.

何度 も 言わ れ て た の 思い出し た ん です なんど||いわ|||||おもいだし|||

さて 目論見 どおり に いく に しろ いか ぬ に しろ |もくろみ||||||||| Now then.

一休み だ な ひとやすみ||

( 孝 ) ええ 交代 で 見張り ま しょ う こう||こうたい||みはり||| Okay. We'll take turns standing guard.

冴子 さん は とりあえず 休 ん で … さえこ||||きゅう|| Saeko-san, you can rest firs—

( 冴子 ) ヘクチッ ! ( 孝 ) え ? さえこ||こう|

す っ すま ない … 体 が 冷え て しまった よう だ ||||からだ||ひえ|||| I-I apologize... My body seems to have gotten cold.

あっ さっき … Oh yeah. We got splashed before...

あの とりあえず これ を Well, you can use this for now.

ありがとう Thank you.

( 冴子 ) もう いい よ ( 孝 ) あ … さえこ||||こう| You can turn around now.

あっ

ん ? どこ か 変 だ ろ う か ? |||へん||||

ち っ 違い ます ! むしろ 逆 で その … ||ちがい|||ぎゃく|| N-No!

フフ …

小室 君 は いつも 私 を 女 と し て 見 て くれる な こむろ|きみ|||わたくし||おんな||||み||| You always look at me as a woman, don't you, Komuro-kun?

あぁ … もし かして … Uh... Would you rather...

( 孝 ) す いま … ( 毒 島 ) いい の だ こう|||どく|しま||| Sor—

私 は 女 だ よ ? わたくし||おんな|| I am a woman, aren't I?

( 鳶 の 鳴き声 ) とび||なきごえ

( 孝 ) あっ あの … こう|| Is there someone you like, Saeko-san?

冴子 さん も やっぱり 好き な 人 と かい た ん です か ? さえこ||||すき||じん||||||

( 冴子 ) いきなり だ な さえこ||| That came out of the blue.

( 孝 ) いや あの … 何 言って ん だ か こう|||なん|いって||| Er, well...

えっ と … 冴子 さん ほど なら きっと … ||さえこ||||

私 に も … わたくし|| There is...

好き な 男 は い た よ すき||おとこ|||| ...a man whom I like.

そろそろ どう だ ろ う 数 も 減った よ |||||すう||へった| Should we leave now?

( 孝 ) ああ はい こう|| Ah, yeah.

( アーゴ の エンジン 音 ) ||えんじん|おと

また 増え て き た |ふえ||| More of them.

このまま で は 中州 に 行く 前 と 同じ だ |||なかす||いく|ぜん||おなじ| As it stands, we will just have a repeat of the sandbank.

次 の 角 を 曲がれ ば 分かり ます ! つぎ||かど||まがれ||わかり| We'll know when we turn at the next corner!

公園 ? こうえん A park?

段ボール の お家 を 作る わけ じゃ ない です ! だんぼーる||おいえ||つくる|||| Doesn't mean we have to make a cardboard box house!

ブハッ !

君 は 女 を ぬれねずみ に する 趣味 で も ある の か ! きみ||おんな|||||しゅみ||||| Do you like making girls wet?

バック パック から テープ を 取って ください ! ばっく|ぱっく||てーぷ||とって| Get the tape out of the backpack!

( 冴子 ) なるほど な さえこ|| I see.

音 で 引き寄せ て その 間 に … おと||ひきよせ|||あいだ| While they are drawn in by the noise...

( 孝 ) 東 の 出口 を 抜け れ ば 高城 ん 家 の 裏手 に 出 ます こう|ひがし||でぐち||ぬけ|||たかぎ||いえ||うらて||だ| We can go out the east exit, and we'll end up behind Takagi's house.

あと 音 が 響く から ― |おと||ひびく|

銃 は なる べく 使い たく ない ん です けど じゅう||||つかい|||||

なるほど … I see.

承知 し た ! しょうち|| Understood!

アッ アッ アッ …

臭い な くさい| What a foul smell.

せめて 髪 だけ でも 洗ったら どう だ |かみ|||あらったら|| You should at least wash your hair.

( 殴る 音 ) なぐる|おと

さあ 遠慮 は 無用 だ ! |えんりょ||むよう| Now...

( 殴る 音 ) なぐる|おと

( 孝 ) さっ 冴子 さん すご すぎ … ( 殴る 音 ) こう||さえこ||||なぐる|おと Y-You're pretty cool, Saeko-san...

( うなり 声 ) |こえ

何 し てる ん です ! 冴子 さん ! なん|||||さえこ| What're you doing, Saeko-san?!

どう し た って ん だ よ ! What's the matter?

アアア !

( 銃撃 音 ) じゅうげき|おと

クッ ! こっち です !

急 い で ! きゅう|| Hurry!

( 扉 が 開く 音 ) とびら||あく|おと

( 扉 が 閉まる 音 ) とびら||しまる|おと

冴子 さん 一体 どう し た って … さえこ||いったい|||| What happened, Saeko-san?

今 の 装備 じゃ 夜 は 危険 です いま||そうび||よ||きけん| Traveling around at night would be dangerous with what supplies we have now.

ここ で 朝 を 待ち ま しょ う ||あさ||まち||| We'll wait here for morning.

( マッチ を 擦 ( す ) る 音 ) まっち||かす|||おと

( 孝 ) お っ これ 本物 だ こう||||ほんもの|

冴子 さん これ さえこ|| Here you go, Saeko-san.

まず は ここ に 座って ください ||||すわって| You should sit down over here first.

制服 も 乾 い て ます から せいふく||いぬい|||| Your uniform is dry too.

もう いい よ I am done changing.

いや あ ほっと し た あり まし た よ 冴子 さん |||||||||さえこ| I feel much better now.

ん ? 何 が あった と いう の だ |なん||||||

( 孝 ) それ は です ね これ です こう|||||| What indeed.

( 毒 島 ) ん ? どく|しま|

携帯 トイレ で ござい ます よ 冴子 様 けいたい|といれ|||||さえこ|さま This is a portable toilet, Saeko-sama.

な っ …

フッ … ウッフフ …

君 は … きみ| Why you...

笑う なんて ひどい なあ わらう||| Hey, don't laugh about that!

これ でも 困ら ない よう に です ね ||こまら||||| This way, we won't have to worry about...

( 毒 島 ) 分かって いる よ どく|しま|わかって|| Yes, I know.

ウッフフ …

うれしい … うれしい よ I...

何 も 尋ね ない の だ な なん||たずね|||| You are not going to pry?

冴子 さん が あんな ふう に なる なんて さえこ||||||| Well, it must be pretty big reason for you to freeze up like that...

よほど の 理由 でしょ う ||りゆう||

君 に は なんの 意味 も ない こと だ が … きみ||||いみ||||| It might not mean anything to you...

聞い て もら える だ ろ う か ききい||||||| But regardless, do you mind hearing me out?

( 風 の 音 ) かぜ||おと

( 毒 島 ) 思い出し て しまった の だ どく|しま|おもいだし|||| I recalled when I was last so...

虞 ( おそれ ) を ぐ|| Afraid.

小さな 子 の “ 奴 ら ” が い た から … ちいさな|こ||やつ||||| Was it because you saw the children?

困った こと に そう で は ない の だ こまった|||||||| Though troubling, no, that was not it.

中州 で 私 に ― なかす||わたくし| When we were by the river bank, you asked if there was a man whom I liked.

好き な 男 が い た か どう か 聞い て くれ た な すき||おとこ|||||||ききい||||

あっ あれ は その … Oh, that, uh...

いい の だ … 私 も 女 だ |||わたくし||おんな| Do not worry.

男 を 好き に なる こと も ある よ おとこ||すき|||||| and there is a man whom I like.

しかし … But...

想 ( おも ) い を 告げ た こと は ない おも||||つげ|||| I did not convey my feelings to him.

告げる 資格 が ある と は 思え ない の だ つげる|しかく|||||おもえ||| I did not believe that I should be allowed to do so.

( 孝 ) で も 冴子 さん なら どんな ヤツ だって … こう|||さえこ||||やつ|

( 毒 島 ) 人 を 殺 ( あや ) め か け て い て も かね ? どく|しま|じん||ころ||||||||| Do you think he would have accepted me if I had committed murder?

あ …

え ?

( 毒 島 ) 4 年 前 夜道 で 男 に 襲わ れ た どく|しま|とし|ぜん|よみち||おとこ||おそわ|| It was four years ago.

無論 負け は し なかった むろん|まけ||| I had my training sword with me, so naturally I was able to fend him off.

木刀 を 携え て い た から な ぼくとう||たずさえ|||||

男 の 肩 甲 骨 と 大腿骨 ( だいたい こ つ ) を たたき 割って やった おとこ||かた|こう|こつ||だいたいこつ||||||わって| I broke his shoulder blade and femur.

事情 を 知った 警察 は ― じじょう||しった|けいさつ| The police understood the situation and took me back home in the patrol car.

パトカー で 家 まで 送って くれ た よ ぱとかー||いえ||おくって|||

( 孝 ) なら … いや 確か に 過剰 防衛 かも しれ ない けど こう|||たしか||かじょう|ぼうえい|||| Then they might have thought it was an excessive way to defend yourself...

( 毒 島 ) 私 を 縛って いる の は その こと 自体 で は ない どく|しま|わたくし||しばって||||||じたい|||

楽しかった の だ たのしかった|| I enjoyed it.

明確 な 敵 が 得 られ た こと めいかく||てき||とく||| I had a clearly defined enemy.

それ は 悦 楽 その もの だった ||えつ|がく||| It was thrilling.

( 男 ) ハァ ハァ … おとこ||

( 毒 島 ) あの とき … どく|しま|| Once I knew that I was on top because of my training sword,

木刀 を 手 に し た 自分 が ― ぼくとう||て||||じぶん|

圧倒 的 優位 に 立って いる と 知った 私 は ― あっとう|てき|ゆうい||たって|||しった|わたくし|

おびえ た ふり を し て 男 の 動き を 誘い … ||||||おとこ||うごき||さそい I pretended to be afraid,

( 殴る 音 ) ( 男 ) う わ ぁ ! なぐる|おと|おとこ|||

( 男 ) う っ う わ ! アア … おとこ|||||

( 毒 島 ) ためらう こと なく 逆襲 し た どく|しま||||ぎゃくしゅう|| and struck back without hesitation.

楽しかった たのしかった And I enjoyed it.

本当 に 楽しく て たまらなかった ほんとう||たのしく|| I truly, truly enjoyed it.

それ が 真実 の 私 ! ||しんじつ||わたくし That is the real me!

毒 島 冴子 の 本質 な の だ ! どく|しま|さえこ||ほんしつ||| The true nature of Busujima Saeko!

ただ 力 に 酔いしれ 楽し ん で い た 私 が ― |ちから||よいしれ|たのし|||||わたくし| Do you really believe that I, drunk and turned on by my own power,

少女 その もの の 真心 を 抱く こと など ― しょうじょ||||まごころ||いだく||

許さ れる と 思う か ね ? ゆるさ|||おもう|| should be allowed something pure like love?!

でも 僕 も “ 奴 ら ” が 出 て き て から |ぼく||やつ|||だ|||| But ever since they appeared, I...

君 は 後 に なって から だ が きみ||あと||||| But you changed after the fact.

私 は 前 から な の だ よ わたくし||ぜん||||| I have been like this since before it all began.

冴子 さん … さえこ| Saeko-san...

噴水 の 前 で 気付 い た ふんすい||ぜん||きづ|| As we stood in front of the water fountain,

私 は 何 も 変わって い ない わたくし||なん||かわって|| I came to realize that I have not changed.

それどころか ますます ひどく なって いる On the contrary, I find myself becoming even crueler.

はっ !

裏 から 道 に 出 ます うら||どう||だ| Let's go out the back.

高城 の 家 まで 歩 い て も 20 分 で 行け … たかぎ||いえ||ふ||||ぶん||いけ It'll take us 20 minutes to walk to Takagi's—

( “ 奴 ら ” の うなり 声 ) ( 孝 ) ん ? やつ||||こえ|こう|

( うなり 声 ) |こえ

( 孝 ) なぜ いる ん だ ! こう|||| What the?!

葉 鳴り の 音 で な の か ? いや そんな はず は … は|なり||おと|||||||| Was it the sound of the leaves?

なんで だ よ ! Why?!

冴子 さん ! このまま 走って ! さえこ|||はしって Run, Saeko-san!

あっ …

冴子 さん ! さえこ| Saeko-san!

( 足音 ) あしおと

小室 君 … こむろ|きみ Komuro-kun?

ウッ !

こ っ 小室 く … ||こむろ|

理由 が 必要 なら 僕 が 与え て やる 冴子 ! りゆう||ひつよう||ぼく||あたえ|||さえこ If you need a reason, I'll give you one!

たとえ お前 が どれほど 汚れ て いよ う と ― |おまえ|||けがれ||||

生き て いる 限り 僕 は お前 に 憧れ 続け て やる ! いき|||かぎり|ぼく||おまえ||あこがれ|つづけ|| I'll always look up to you!

お前 を 最高 の 女 だ と 信じ 抜 い て やる ! おまえ||さいこう||おんな|||しんじ|ぬき|||

だから 死ぬ な ! |しぬ| So don't just die!

僕 を 死な せる な ! ぼく||しな|| I don't wanna die!

( 毒 島 ) ウッ アッ … ! どく|しま||

( 孝 ) 頼む ! 僕 の ため 全て の 罪 と 共に ― こう|たのむ|ぼく|||すべて||ざい||ともに Please, keep living! For my sake!

本当 の お前 で あり 続けろ ! ほんとう||おまえ|||つづけろ Live as yourself and bear your sins!

( うなり 声 ) |こえ

ありがとう 大丈夫 だ |だいじょうぶ| Thank you.

うれしい よ 孝 ||こう I am glad, Takashi.

ハッ !

( 斬る 音 ) きる|おと

( 斬る 音 ) きる|おと

( 斬る 音 ) きる|おと

( 毒 島 ) これ だ ! どく|しま|| This!

これ な の だ !

( 刺す 音 ) さす|おと

( 斬る 音 ) きる|おと

( 斬る 音 ) きる|おと

( 斬る 音 ) きる|おと

( 毒 島 ) たまら ん ! どく|しま|| It's irresistible!

冴子 ! さえこ Saeko!

( 毒 島 ) ウアアアッ ! ( 斬る 音 ) どく|しま||きる|おと

( 孝 ) 冴子 こっち だ ! こう|さえこ|| Saeko, over here!

( 毒 島 ) 孝 … どく|しま|こう Takashi...

( 孝 ) あ … こう|

責任 … 取って くれる ね ? せきにん|とって|| You will...

( 孝 ) 望む ところ ! こう|のぞむ| If that's what you want!

♪ ~

~ ♪

( 希 里 ( まれ さ と ) あり す ) どう し て 裏側 な の ? まれ|さと|||||||||うらがわ|| Why are we out back?

( 平野 ( ひら の ) コータ ) 回り込 ん で くる と し たら 裏側 だ から ね へいや||||まわりこ|||||||うらがわ||| If they want to slip in, they'll have to do it through the back.

( ほえ 声 ) ( 2 人 ) ん ? |こえ|じん|

ジーク ? Zeke?

あ …

( あり す ) ん ? ( ジーク の ほえ 声 ) ||||||こえ

お 兄ちゃん ! |にいちゃん Onii-chan!

あっ !

ふん … 門 を 開け て ! |もん||あけ|

( 門下 生 ) はい ! もんか|せい| Okay!

( ジーク の ほえ 声 ) |||こえ

( あり す ) お 兄ちゃん ! お 姉ちゃん ! |||にいちゃん||ねえちゃん Onii-chan! Onee-chan!

( 孝 ) 僕 は 受け入れ た こう|ぼく||うけいれ| I accepted her darkness.

彼女 の 闇 を かのじょ||やみ|

いや “ 終わり ” の もたらし た 全て を |おわり||||すべて| Actually...

もちろん 僕 が 生きる ため に |ぼく||いきる|| Obviously, I did this in order to survive.

( 高城 ) さすが よ ! ほんと に すごい わ ! たかぎ|||||| I wouldn't think any less of them!

さすが あたし の パパ と ママ ! |||ぱぱ||まま My parents really are something else!

生き残って る はず が ない から 即座 に 諦め た なんて ! いきのこって||||||そくざ||あきらめ||

( 平野 ) 邪魔 する な よ ! まとも に 銃 も 撃 て ない くせ に ! へいや|じゃま||||||じゅう||う|||| Don't get in my way!