地獄 少女 三 鼎 - 15 じごく|しょうじょ|みっ|かなえ JIGOKU SHOJI SANKIN - 15

山河 三 差 路 分かれ 道 さんか|みっ|さ|じ|わかれ|どう

守り たい の は 己 か 人 か まもり||||おのれ||じん|

常 世 の 闇 か … とわ|よ||やみ|

非だ の 乱れ は 貢が ない ひだ||みだれ||みつが|

終わる 事 ない 阿 鼻 の 芸 おわる|こと||おもね|はな||げい

時に 分け入れ 扉 が 開く ときに|わけいれ|とびら||あく

晴らせ ぬ 恨み 晴らし ます はらせ||うらみ|はらし|

あ ～ もう

結局 毎日 これ なんだ から けっきょく|まいにち|||

迷う 必要 無い でしょ まよう|ひつよう|ない|

ほら 　 後ろ 並 ん ちゃ って る から |うしろ|なみ|||||

さあ 　 行く よ |いく|

まったく もう

はい ！

ありがとう

篠原 さん しのはら|

これ 　 篠原 さん の お 兄さん で よね |しのはら||||にいさん||

ほら ね

ウソ ！ うそ

本当だ ほんとうだ

期待 の 新生 DJ 美知 きたい||しんせい||みち

本名 は 篠原 美知 人 　 十八 歳 ほんみょう||しのはら|みち|じん|じゅうはち|さい

凄 いちゃ う 　 本人 載って る なんて すご|||ほんにん|のって||

ねぇ 　 篠原 さん の 兄さん って CD も 出して る んだ よ ねぇ |しのはら|||にいさん||||だして||||

でも いろんな 人 の 曲 が 入って る やつで ||じん||きょく||はいって||

え と 普通じゃ ない ところ から 出て る って ||ふつうじゃ||||でて||

インディーズ でしょ

いい なあ

ねぇ ねぇ 　 お 兄さん 東京 を ？ |||にいさん|とうきょう|

こ ち に は 帰って 来 ない の ？ ||||かえって|らい||

たまに は …

今度 サイン もらって きて よ こんど|さいん|||

ねぇ ねぇ 　 ほしい ほしい

ねぇ 　 いい でしょ 　 ねぇ ねぇ

もう 　 あんた 達 無理に 言わ ない の ||さとる|むりに|いわ||

何 よ 　 私 たち 篠原 さん に 聞いて る の よ なん||わたくし||しのはら|||きいて|||

兎に角 駄目 とにかく|だめ

うん うん 　 はい

兎 の お 兄さん って 凄かった んでしょ うさぎ|||にいさん||すごかった|

成績 優秀 　 スポーツ が 万能 せいせき|ゆうしゅう|すぽーつ||ばんのう

知って る 　 バレンタイン の チョコ も 凄かった って しって||ばれんたいん||ちょこ||すごかった|

賽 河原 校 の チョコレートチャンピョン さい|かわはら|こう||

それ に 比べて … ||くらべて

あんた じゃ ピザ が 冷めちゃ うよ ||ぴざ||さめちゃ|

やって あげる から 待って な |||まって|

ありがとう

ホント 世話 が 焼ける ほんと|せわ||やける

でも さ 幼稚園 から の 仲 だ し ||ようちえん|||なか||

わたし たち が ずっと 面倒 見て きて やった んだ もん ねぇ ||||めんどう|みて|||||

今さら 見捨て らん ないし いまさら|みすて||

少し は 感謝 して よね うさぎ すこし||かんしゃ|||

うん 感謝 … |かんしゃ

ただいま ～

お 帰り 　 兎 |かえり|うさぎ

お 帰り |かえり

お 兄ちゃん 　 帰って きて た んだ |にいちゃん|かえって|||

近く で 仕事 が あった んです って ちかく||しごと|||ん です|

コンサート だ よ な こんさーと|||

イベント だ よ いべんと||

イベント と コンサート は 違う わ ？ いべんと||こんさーと||ちがう|

もう 　 お 父さん たら ||とうさん|

兎 　 お 兄ちゃん ね うさぎ||にいちゃん|

芸能 プロダクション に 入る かも しれ ない んです って げいのう|||はいる||||ん です|

事務 所 の 人 と 挨拶 した だけ って 言った だ ろ じむ|しょ||じん||あいさつ||||いった||

それ だけ でも 大した もん さ 　 なあ |||たいした|||

えい 　 順調 そうで 安心 した わ |じゅんちょう|そう で|あんしん||

大学 に 進学 し ない 　 音楽 の 道 に 行く って 言い出し で 時 は だいがく||しんがく|||おんがく||どう||いく||いいだし||じ|

どう なる 事 が と 思う だ けど ||こと|||おもう||

美知 人 は しっかり して る から みち|じん|||||

どんな 世界 でも やって いける と 思って いた よ |せかい|||||おもって||

美知 人 も いる こと だ し みち|じん|||||

ちょ ど いい 　 兎 　 お前 の 進路 の 事 だ が … |||うさぎ|おまえ||しんろ||こと||

今週 まで に 　 如何 する か 決める って 父さん たち と 約束 した よ なあ こんしゅう|||いかが|||きめる||とうさん|||やくそく|||

如何 な の ？　 何 か やり たい 事 が あった ？ いかが|||なん||||こと||

やっぱり 決め られ なかった か ？ |きめ|||

そう だろう と 思って ね |||おもって|

父さん と も 話した んだ けど とうさん|||はなした||

ほら 　 兎 が 優しい し 　 介護 の 仕事 と か 向いて る んじゃ ない ？ |うさぎ||やさしい||かいご||しごと|||むいて|||

知り合い に お前 の 事 を 相談 しよう と 思って る んだ が 　 どう だ ？ しりあい||おまえ||こと||そうだん|||おもって|||||

そう 　 良かった |よかった

あ 　 じゃあ 早速 連絡 し ない と な ||さっそく|れんらく||||

ありがとう

返る かえる

じゃあ

お 兄ちゃん |にいちゃん

あの あの ね 友だち が お 兄ちゃん の サイン … |||ともだち|||にいちゃん||さいん

本当に 親父 たち に 言わ れた 通り で いい の か よ ほんとうに|おやじ|||いわ||とおり|||||

ち ぇっ この カメ |||かめ

ねぇ ねぇ 　 あれ 　 美知 人 の 妹 じゃ ない ？ |||みち|じん||いもうと||

しら ねぇ よ

国語 　 算数 こくご|さんすう

えっ と 　 後 な んだ っけ … ||あと|||

美知 人 　 学校 まで 兎 と 一緒に 行って やり なさい みち|じん|がっこう||うさぎ||いっしょに|おこなって||

嫌だ よ 　 あいつ おせ ぇだ と も いやだ||||||

行って き ます おこなって||

っあ 　 美知 人 |みち|じん

英語 　 連絡 帳 … えいご|れんらく|ちょう

うさぎ 　 大きく なったら お 兄ちゃん の お 嫁 さん に なる |おおきく|||にいちゃん|||よめ|||

誰 が お前 なんか と 　 この カメ だれ||おまえ||||かめ

柚木 ゆぎ

私 たち 図書 館 で 勉強 して こんだ けど わたくし||としょ|かん||べんきょう|||

よっ 　 よく ったら …

ごめん 行く ところ が あって |いく|||

あ あの

はい

あの 　 地獄 通信 … って 知って ます か ？ |じごく|つうしん||しって||

地獄 通信 に アクセス し ないで ください じごく|つうしん||あくせす|||

どんなに 怨 んで て も 憎んで て も |えん||||にくんで||

そんな こと な ん の 解決 に も |||||かいけつ||

あ あの 地獄 … な んです か ？ ||じごく||ん です|

地獄 通信 知ら ない んです か ？ じごく|つうしん|しら||ん です|

失礼 し ました ！ しつれい||

あの

え ！ うさぎ に 彼 氏 が できた ？ 相手 は |||かれ|うじ|||あいて|

遠藤 君 うち の クラス の えんどう|きみ|||くらす|

遠藤 … えんどう

あぁ あの 暗い 奴 ||くらい|やつ

で 今日 は 一緒に 帰る から って |きょう||いっしょに|かえる||

へ ぇ あの うさぎ に ねぇ

あんた 達 　 彼 氏 い ない もん ねぇ |さとる|かれ|うじ||||

あの カメ に 先 越さ れた |かめ||さき|こさ|

俺 が ？ おれ|

そう 　 バイト の チーフ やって もらい ない か なあ |ばいと||ちーふ|||||

今 いる この 中 で 一 番 長く やって くれて る し いま|||なか||ひと|ばん|ながく||||

篠原 君 しっかり して る から 　 引き受けて くれる と 助かる んで よ ね しのはら|きみ|||||ひきうけて|||たすかる|||

でも 　 俺 音楽 ある から |おれ|おんがく||

え 　 まだ やって た ？

最近 毎日 履いて くれる から も 止めて た 思う って た さいきん|まいにち|はいて||||とどめて||おもう||

まあ 　 考え と いきゃ |かんがえ||

はい

もしもし

母さん かあさん

聴いて 聴いて きいて|きいて

いま 忙しい から |いそがしい|

あの ね 　 お 母さん も びっくり した んだ けど |||かあさん|||||

兎 に 彼 氏 が できた んです うさぎ||かれ|うじ|||ん です

将来 の 目標 も 決まった し 　 素敵な 人 も できた し しょうらい||もくひょう||きまった||すてきな|じん|||

本当 　 あの 子 の こと ずっと 心配 した から ほんとう||こ||||しんぱい||

お 母さん 嬉しく って ね |かあさん|うれしく||

お ー い 　 わ ろ わ ろ ネジ 巻いて ぇ ー |-||||||ねじ|まいて||-

はやく ぅ ー … ||-

もう 少し 待って ください 姫 |すこし|まって||ひめ

まだ 輪 入 道さん の お 手伝い が |りん|はい|どうさん|||てつだい|

いい ぜ 山 童 ||やま|わらべ

うるさく って 仕方 が ねえ や ||しかた|||

はい

お ー い 　 遅い ぞ 　 わら わら |-||おそい|||

動か れて も 鬱 陶 しい だ ろ うごか|||うつ|とう|||

離れて くれる だけ マシ さ ぁ はなれて|||||

なんで あい だけ 新しい 身体 もらえる んだ ぁ |||あたらしい|からだ|||

きく り も ほしい 　 ボンキュポン

ボンキュ ？

今 でも 十 分 ボン だ ぜ 頭 が な いま||じゅう|ぶん|ぼん|||あたま||

一目 連 さん いちもく|れん|

は ぁ な んだ と 目玉 ぁ ー |||||めだま||-

ところで あっ ち は どう な んで ぇ

まだ 糸 を 解か れる 心配 は な さ そうだ |いと||とか||しんぱい||||そう だ

焼けた やけた

芋 ？ いも

いただき ます

いい なぁ 篠原 さん ||しのはら|

一緒に いる と 気持ち が のんびり する いっしょに|||きもち|||

じゃあ 　 また

兎 は ？ うさぎ|

連絡 は 付か ない から 家 に 寄って くるって れんらく||つか|||いえ||よって|

もう 何 日 も 休んで る もん ね 　 彼 |なん|ひ||やすんで||||かれ

いい 気味 よ カメ の 分 際 で |きみ||かめ||ぶん|さい|

わたし たち の 先 を 越す から |||さき||こす|

そう ね カメ の くせ に ||かめ|||

男 に は 手 が 早い エロガメ だ おとこ|||て||はやい||

ありがとう 来て くれて |きて|

ピサー 冷めちゃ う から |さめちゃ||

お 兄さん が やって 来た んだ |にいさん|||きた|

篠原 さん の こと で 話 が ある って 言わ れて しのはら|||||はなし||||いわ|

イベント の 打ち上げ が ある から いべんと||うちあげ|||

一緒に 来 ない か って 誘わ れて いっしょに|らい||||さそわ|

それ で …　 御免 ||ごめん

僕 に は 君 と 一緒に いる 資格 なんて 無い ぼく|||きみ||いっしょに||しかく||ない

何 の ような んだ 　 急に 呼び出し で なん||||きゅうに|よびだし|

あ うん あの ね 遠藤 君 の こと な んだ けど ||||えんどう|きみ|||||

写真 届いた の か ？ しゃしん|とどいた||

知らせて おいた ほう が いい と 思って なあ しらせて||||||おもって|

ああいう 男 な んだ よ |おとこ|||

さっさと 別れた 方 が お前 の ため だ と 思う ぜ |わかれた|かた||おまえ|||||おもう|

うん もう 別れた ||わかれた

別れちゃ った わかれちゃ|

兎 やめろ っ ！ うさぎ|| やめろ

それ お 兄ちゃん の ？ ||にいちゃん|

ひょっとして わたし を ？

なんで そんなに わたし の こと が 嫌いな の ||||||きらいな|

グズ だ から カメ だ から |||かめ||

ねえ お 兄ちゃん ！ ||にいちゃん

ずっと お前 が 羨ま しかった |おまえ||うらやま|

ずっと お前 が 羨ま しかった |おまえ||うらやま|

親父 も お袋 も 子ども の 頃 から お前 の 心配 ばかり して た おやじ||おふくろ||こども||ころ||おまえ||しんぱい|||

しっかり して る から って 俺 は いつも 放っとか れた |||||おれ|||ほっとか|

お 兄ちゃん は できる から わたし は 何も でき ない だ から |にいちゃん||||||なにも||||

都会 に 出て みろ とかい||でて|

俺 より できる 奴 なんて いくら でも いる さ おれ|||やつ|||||

仕事 が 上手く いって る なんて 嘘 だ よ ！ しごと||うまく||||うそ||

え でも 本 に 載って ＣＤ も ||ほん||のって||

芸能 プロダクション に も 入る って げいのう||||はいる|

親父 たち が 勝手に 勘違い した だけ だ おやじ|||かってに|かんちがい|||

あの 日 　 俺 は 音楽 を 止める って |ひ|おれ||おんがく||とどめる|

そういう と 思って 帰った のに ||おもって|かえった|

いい 子 で いる の が 嫌で うち を 飛び出して バイト して |こ|||||いやで|||とびだして|ばいと|

なのに 何で で お前 の 方 が 幸せに なる んだ よ |なんで||おまえ||かた||しあわせに|||

何の 努力 も し ないで へらへら 笑って る だけ の お前 が なんの|どりょく|||||わらって||||おまえ|

何で 何で な んだ よ ！ なんで|なんで|||

幸せ なんか じゃ ない よ わたし しあわせ|||||

知って る んだ 　 友だち が わたし の こと を しって|||ともだち|||||

ホント は バカに して る って ほんと||ばかに|||

お 父さん も お 母さん も わたし の こと すっかり 諦めちゃ って |とうさん|||かあさん||||||あきらめちゃ|

わたし だって がんばって る よ

でも でき ない んだ もん カメ な んだ もん |||||かめ|||

そんな の 笑って なきゃ 耐え られ ない よ ||わらって||たえ|||

やめよ 兄妹 で こんな こと もう やめよう |きょうだい|||||

お 兄ちゃん |にいちゃん

兎 彼 氏 に 悪い こと した な うさぎ|かれ|うじ||わるい||| でも まあ お前 に だって また いい 男 が 見つかる さ ||おまえ|||||おとこ||みつかる|

彼 氏 だけ じゃ ない かれ|うじ|||

諦める な よ がんばれば お前 に だって できる こと が ある って あきらめる||||おまえ|||||||

お前 に だって おまえ||

なん 　 何 だ ？ |なん|

クソ 　 誰 か くる 助けて くれ ！ くそ|だれ|||たすけて|

そ 　 そんな

まさか

どうして

あんた の 妹 が 　 糸 を 解いた の さ ||いもうと||いと||といた||

兎 が ？ うさぎ|

嘘 だ ろ これ から は 上手く やっていこう って … 嘘 だっ ！ うそ||||||うまく|||うそ|

だって さ お 嬢 |||じょう

闇 に 惑い し 哀れな 影 よ 人 を 傷つけ 貶めて やみ||まどい||あわれな|かげ||じん||きずつけ|おとしめて

罪 に 溺れ し 業 の 魂 ざい||おぼれ||ぎょう||たましい

一 遍 死んで みる ？ ひと|へん|しんで|

よろしい 　 できた

どうして

わたし に だって できる

わたし に だって わたし に だって

わたし に だって

兎 大きく なったら お 兄さん の お 嫁 さん に なる うさぎ|おおきく|||にいさん|||よめ|||

誰 かお 前 なんか じゃあ 　 この カメ ！ だれ||ぜん||||かめ

美人 に なったら 　 結婚 して やる よ びじん|||けっこん|||

あなた の 怨み 晴らし ます ||うらみ|はらし|

名前 は ？ なまえ|

名和 章宏 なわ|あきひろ

あの 男 を 地獄 へ 流した の か |おとこ||じごく||ながした||

俺 は 加世 ちゃん を 助けた んだ おれ||かせ|||たすけた|

あの まま 見過ごして いたら 　 きっと あいつ は 加世 ちゃん を … ||みすごして|||||かせ||

後悔 は して ない よ 罪 も しっかり 背負って 生きて いく こうかい|||||ざい|||せおって|いきて|

だが これ で 終わり じゃ ねえ ようだ ぜ |||おわり||||

次回 じかい

诱惑 的 陷阱 诱わく|てき|かん阱