NARUTO - ナルト - 疾風 伝 - シーズン 20 - 461 - ハゴロモ と ハムラ
( ゼツ ) 母 は この 地 を 愛した 。 そして 人間 を 愛そう と した 。
だが その 希望 は 奪わ れ →
自ら の 子 を 守る ため に 神 樹 の 実 を 口 に した 。
しかし だ …。
母 の 本当の 絶望 の 物語 は ここ から 始まる 。
母 は それ から 間もなく 双子 を 産んだ 。
それ が ハゴロモ と ハムラ だ 。
( ハムラ ) 母上 は ああして 毎日 空 を 見上げて いる が →
いったい 何 を 見て いる のだろう 。
( ハゴロモ ) 私 たち に は 何も 語って くれ ない から な 。
心 の 内 は 誰 も わから ない 。
きっと 母上 に は →
我ら 息子 とて 計り知れない 思い が ある の かも しれ ぬ な 。
( ハオリ ) ねぇ ハゴロモ ハムラ ちょっと 来て !
どうした ハオリ ?
て め え の ところ で 全部 水 を と っち まったん じゃ →
下流 の 田んぼ に ゃあ 水 は いか なく な っち まう だ ろ !
それ は 俺 の せい じゃ ねえ !
待てよ どうした ん だ ?
どうも こう も こいつ が 水 を 全部 と っち まう から よ 。
俺 の 田んぼ が 上流 に ある んだ から 当たり前だろう 。
だけど 今 まで は 他の ところ に も 水 は いって た んだ ろ ?
それ が 急に 川 の 流れ が 弱く なって よ 。
上流 で 何 か あった の か ?
上流 を 見 に いく に も この 山 に は →
ど で かい 熊 が ウロウロ して て うかつに は 入れ ねえ 。
この 前 だって 山菜 採り に 入った ばあさん が →
大 ケガ さ せ られた しよ 。
わかった 我々 で 見て くる 。
ほんと か ? 助かる よ 。
気 を つけて ね ハゴロモ 。
大丈夫だ 。 行く ぞ ハムラ 。 うん 。
何 か 見える か ? ちょっと 待って 。
( ハムラ ) どうやら 上流 に で かい 岩 が ある ね 。
なるほど こいつ が 川 の 流れ を ふさいで た の か 。
だけど この 岩 は どこ から 来た んだ ?
前 に 来た とき に は なかった よ 。
どこ から か 降って きた か 誰 か が 置いた か 。
誰 かって … こんな 大岩 を 動かせる の は →
母上 か 兄 者 以外 い ない ぞ 。
( ガマ 丸 ) それ は わし が 置いた のじゃ 。
( ガマ 丸 ) お ~ い 無視 する な 。
じゃ が わし は 虫 で は なく 蛙 じゃ が な 。
おい 私 の 頭 が おかしい の か ?
蛙 が つまら ぬ シャレ を 言って いる 。
兄 者 … それ なら 俺 も 頭 が おかしく なった って こと か ?
べつに お前たち の 頭 は どうにも な っと らん 。
ちゃんと わし が 話して る んじゃ 。
いや … わし の シャレ が おもしろく ない と いう 点 で →
おかしい かも しれ ぬ が 。
( ハムラ ) 誰 も 隠れて ない 。
腹話術 じゃ ない みたいだ 。
用心深い やつ じゃ の 人間 の 分 際 で 。
ずいぶん と 威張った 蛙 だ な 。
お前たち が 知ら ない だけ で わし ら 蛙 の ほう が →
ずっと 昔 から この 地 に 住 ん ど る んじゃ 。
しゃべる 蛙 って 捕まえて 帰ったら みんな 喜ぶ かな ?
バカ 者 ! 貴 様 ら 程度 に 捕まる わし で は ない !
言う じゃ ない か 蛙 の くせ に 。
お っ どうやら 新しい お 客 さん じゃ ぞ 。
グォ ~ ッ !
グォ ~ グォ ~!
グォ ~!
で かい 熊 だ な 。
ちょうど いい 。 わし の 強 さ を 自慢 して やる 。
( ハムラ / ハゴロモ ) お ぉ ~。
この 岩 は お前たち に 会う ため に わし が 置いた のじゃ 。
わし の 名前 は ガマ 丸 。 お前たち は ハゴロモ と ハムラ じゃ な 。
蛙 に 呼び捨て に さ れた 。
2 人 と も ちょっと 来い 。
おっと 忘れて た 。
ほ ぅ … 少し はやる ようじゃ な 。
なんだ ? こんな 場所 に 連れて きて 。
あれ を 知っている か ?
もちろん 。 あれ は 終焉 の 峠 。
あの 向こう を 見た こと は ある か ?
いい や ない な 。
母上 から あの 峠 に は 近づく な と 言わ れて いる 。
全員 の 掟 だ 。
誰 も あの 向こう側 を 見た 者 は い ない 。
あの 向こう に 神 樹 の 正体 が ある 。
神 樹 の 正体 ?
( ガマ 丸 ) 神 樹 は 大地 の 力 を 吸い取り 続けて いる 。
あれ が ある かぎり この 大地 は 弱り 続ける 。
そう な の ? でも 神 樹 の 力 で この 地 は 潤って いる と 聞く けど 。
違う 。 真実 を 知り たかったら 峠 の 向こう を 見て みる んじゃ な 。
じゃあ の 。
真実 。
は ぁ ? ほんとに カグヤ 様 は い ない の か ?
何度 言わ れて も い ない もの は いま せ ん 。
お かえり なさい まし ハゴロモ 様 ハムラ 様 。
どうした ? この お方 が どうにも しつこくて 。
あんた 誰 ? オイラ は 旅 の 薬 売り だ 。
この 辺 で 商売 しよう と 思って カグヤ 様 の 許可 を もらい に 来た の よ 。
母上 は ? 今晩 は 留守 に さ れる と 。
そう か また 出かけた の か 。
最近 は 多い な 。 まいった な 。
ほ ぅ … どれ どれ ? 俺 が お前 の 薬 を 見て やる 。
うわ ぁ 人 の 商売 道具 に な に し や がる !
ただ の 雑草 に カビ の 生えた 木 の 実 。
こりゃ 毒 キノコ だ 。
こんな の 飲ま さ れたら よけい 具合 が 悪く なる 。
さては お前 ペテン の 薬 売り だ な ? ギクッ !
この 村 に は 母上 と 兄 者 の 力 が ある 。
それ が あれば どんな 病気 だって たちどころに 治る 。
こんな の 買う やつ は 誰 も い ない よ 。
それ って あの 神 樹 様 の お 力 な の か ?
いい から とっとと 出て いけ 。 痛い 目 に 遭い たく なきゃ な !
あ … あ … あぁ ~!
チクショ ー ! バカ に しや が って …。
アタタタタ …。
頭 に きたら 腰 の 痛み が ぶり返して きた ぜ 。
神 樹 か …。
もし 欠 片 でも 持って 帰れば さぞ お 高く …。
よし ! 鬼 の いぬ 間 に …。
やめろ やめろ ! うかつに 神 樹 に 近づく と 死ぬ ぞ 。
あっ ! お前 は …。
さっき は 悪かった な 。 弟 は ちゃめ っ 気 が ある んで な 。
何の 用 だ … あっ ! イテテテ …。
お前 に 聞き たい こと が ある 。
ふざける な !! 何も 教えて やる もの か !
答えて くれれば 腰 を 治して やる 。
フン ! そんな こと で 病気 が 治ったら 誰 も 苦労 は …。
あ … あれ !? 治った …。
お ぉ ~! 本当に 治って る 。 ハハハ !!
で … 私 の 質問 に 答えて くれる か ? へい ! なんでも 。
お前 は いろいろな 場所 を 旅 して る のだ ろ ?
え ぇ そりゃ もう 。 それ が 商売 です から 。
あの 峠 の 向こう は 見た こと が ある か ?
あぁ いえ それ は ないで す が 他の ところ なら …。
そこ で の 母上 の 噂 は どんなだ ?
へい そりゃ … あぁ え ~ っと …。
言い づらい こと で も いい 。 へい …。
実は カグヤ 様 が 行って る 神 樹 へ の しきたり に 反対 して →
あちこち で 反乱 が 起きて る って 噂 です 。
それ を 鎮圧 する のに カグヤ 様 は →
彼 の 国 の 連中 を 全滅 さ せて いる と か …。
最近 じゃ カグヤ 様 は 暴君 だって 噂 が あちこち で …。
全滅 …。
それ で 母上 は 最近 留守 に …。
行け ! もう 戻って くる な 。
その ほう が お前 の ため だ 。 へい 。
どこ も 異常な いよ 。
兄 者 ? あ … あぁ 。
何も ない の が いちばん だ 。
兄 者 … あの 蛙 の 言った こと が 気 に なる の かい ?
いや そう いう わけで は ない が …。
あれ は 神 樹 様 へ の しきたり の …。
あっ ! そんな …。 あ … 兄 者 !
ハオリ !
ハゴロモ … ハムラ …。 これ は …。
私 に 神 樹 様 へ の お 使い の 知らせ が 来た の 。
だが …。 しかたない こと よ 。
ずっと 昔 から カグヤ 様 が 決めた しきたり な んだ から …。
ハゴロモ … ハムラ … 短い 間 だった けど 2 人 に 会えて 楽しかった わ 。
私 の こと 忘れ ないで ね 。
ハオリ !
母上 …。
神 樹 の しきたり を 中止 して ください 。
( カグヤ ) それ は なら ぬ 。 しかし …。
お前たち とて わらわ に 逆らう こと は 許し ませ ん 。
では 教えて ください 。
あの しきたり で 神 樹 に 向かった 者 たち は →
どう なる のです ? なぜ 1 人 も 帰って こ ない のです か ?
しきたり は 必要な のだ 。 あの 者 たち が 来る まで は 。
あの 者 たち ?
それ は まだ お前たち が 知る 必要 は ない 。
ハゴロモ ハムラ わらわ は また 出かける 。
留守 を 頼む 。 はい 。
兄 者 まさか …。
ああ 私 は あの 峠 に 登ろう と 思う 。
母上 に 知れれば ただ で は 済まない ぞ 。
それ は 覚悟 の うえ だ 。
わかった 兄 者 俺 も 行こう 。
何 だ これ は ?
兄 者 !
ハムラ 。
どうした ? 兄 者 この 繭 を 。
ハオリ !
ハオリ 起きろ ハオリ 。
兄 者 ムダ だ 。
死んで る 。
う ぉ ~ う ぉ ~!
( ハムラ ) これ が 神 樹 の しきたり の 正体 。
( ハムラ ) 兄 者 その 目 は …。
出て こい ガマ 丸 。
どうやら 行った ようじゃ な あの 峠 の 向こう に 。
わし に ついてこい 。
ここ は ?
ここ は 蝦蟇 の 国 じゃ 。
なんだ ? 不思議な 力 を 感じる 。
ほう さすが じゃ な 人間 で ここ の 力 を 感じとる と は 。
ここ は 仙力 と 呼ば れる 自然 パワ ー が 満ちて おる 。
だから その 力 を 使えば …。
よっ ! わし に でも こんな こと が できる のじゃ 。
すげ え 。 よい しょ ついてこい 。
これ は 記憶 石 と 呼ば れる もの じゃ 。
記憶 石 ?
地上 に 起きた あらゆる こと を 記録 して いる 石 じゃ 。
見る が いい かつて 何 が 起きた の か を 。
その昔 あの 樹 は 空 から 降って きた 。
それ を 追う ように お前たち の 母 カグヤ も やってきた 。
カグヤ は 地上 に 降りて から この 地 の 帝 と 恋 に 落ち →
お前たち を 身 ご もった 。
だが カグヤ の 運命 は 人間 に 翻弄 さ れ →
そして 人間 の 敵 に 回った 。
カグヤ は 神 樹 の 力 を 得て お前たち の 父親 を →
そして 人々 を 神 樹 の 生 贄 に 変えた 。
一部 の 人間 は 人間 を 絶やさ ぬ ため に →
記憶 を 抜か れ 元 に 戻さ れた ようじゃ が な 。
真相 は カグヤ しか 知ら ぬ 。
母上 は いったい どこ から ? なぜ 神 樹 を 守ろう と する ?
わから ん 。 遠い 空 から やってきた こと と →
関係 して いる の かも しれ ぬ はっきり して いる こと は …。
あの 神 樹 が 生えて から →
明らかに 大地 の 自然 エネルギ - は 減少 して いる と いう こと じゃ 。
なんて こと を 。
大地 ばかり で は ない 人間 から も じゃ 。
あの 神 樹 が ある 限り やがて 大地 は 枯れ 果て →
我々 も 同じ 運命 を たどる 。
母上 と 話 を する 必要 が ある な 。
だけど 母上 が 話 なんて …。
ハゴロモ よ お前 の 母 の 力 は 絶大じゃ 。
わし も 素直に 話 を 聞いて くれる 相手 と は 思え ない 。
たとえ 息子 の お前 でも 。
ガマ 丸 私 に 仙力 の 使い 方 を 教えて くれ ない か 。
兄 者 まさか 母上 と 戦う つもりで は ?
万が一 の ため だ 。
なるほど カグヤ の 力 を 強く 受け継いだ お前 が →
仙力 を 習得 すれば たしかに 対抗 できる かも しれ ぬ 。
じゃ が 。 なんだ ?
お前 に 仙力 を 教える こと は →
危険な 賭け じゃ 。 なぜ だ ?
仙力 を 会得 した お前 が →
母親 と 同じに なら ない 保証 が ある か ?
ガマ 丸 ここ まで きて →
怖気づいた の か ? な んじゃ と ?
お前 の 話 は 矛盾 して いる 。
お前 は なぜ 私 たち を 待って いた ?
お前 は 母上 と 我々 が 戦う こと を 最初 から 予測 して いた はずだ 。
う … お前 人間 の クセ に 鋭い な 。
そう じゃ お告げ が あった のじゃ 。
( ハゴロモ ) お告げ ? 夢 じゃ 。
ガマ は 滅多に 夢 を 見 ない 。
その 夢 は いわば 予言 に 近い 。
わし は お前たち が カグヤ と 戦う 夢 を 見た 。
その 結果 は ?
そこ まで は 見て い ない はずだ 。
見て いたら びび り など し ない 。
ゲコ !? 何 から 何 まで 蛙 の 心 を 読む と は 。
なんて やつ じゃ 。
何も 考える な 。
自然 エネルギ ー を 感じて それ を 自分 の 中 に 取り込め 。
《 こいつ は 驚き だの お 。
ハゴロモ め あっという間 に 仙力 を 習得 し とる 》
母上 もう お 戻り に なら れた のです か ?
ハゴロモ は どうした の です ?
兄 者 は まだ 村 を 見回り に 行った まま 。
ハムラ 。
わらわ に 隠し事 は 無駄だ 。
う ! 無駄だ 。
お前 の 白 眼 で 跳ね返そう と して も →
わらわ の 白 眼 は お前 の を はるかに 上回る 。