NARUTO -ナルト - 疾風 伝 - シーズン 21 - 491 - 闇 雲
( シカマル ) ハァ ハァ …。
( 朧 ) シカマル 殿 大丈夫で ご ざる か ?
うなされて いた ように お 見受け した が …。
この ところ 妙な 夢 ばかり 見 や がる 。
ひょっとして 過去 の 苦い 記憶 で ご ざる か ?
お前 も な の か ?
忘れて しまい たい 記憶 ほど →
こびりついて いる もの で ご ざる 。 歳 の せい で ご ざる かな 。
ハッハッハッ …。 俺 は まだ 19 だ !
( シカマル ) 気づいて たか ?
この 国 に 入って から 風 が ひと つ も 吹いて ねえ 。
( 朧 ) 完全な 凪 の 状態 で ご ざる な 。
( シカマル ) った く 嫌な 予感 しか し ねえ ぜ 。
あいつ 今ごろ ちゃん と 死んで る かな ?
自分 の 術 に 当たって 死ぬ と は こいつ 運 が なかった な 。
入隊 試験 で 自滅 する ような マヌケ じゃ 使い物 に なら ねえ よ 。
( 朧 ) 鏃 なら 心配 ござ らん 。
何で ご ざる か ?
この 里 に 君臨 する ゲンゴ って やつ の 資料 だ 。
暗部 が ひっかき 集めた らしい が … 読んで みる か ?
標的 に ついて 知って おく こと は 重要で ご ざる から な 。
どれ 拝見 。
ん ! これ は … 真っ白で は ご ざら ぬか 。
つまり 何ひとつ わかって ない って こと だ 。
これ 一 枚 で ご ざる か ?
( シカマル ) それ だけ の ため に 10 人 が 命 を 落とした んだ ぜ 。
った く 割り に合わ ねえ よ な 。
貸して みろ 。
あ …。 薪 に した ほう が 役 に 立つ シロモノ だ ぜ 。
( 枝 が 折れる 音 )
お っ 死人 様 の お 帰り だ 。
偽装 は うまく いった ようだ な 。
( 鏃 ) 死んだ ふり なんて 気分 悪い し 。
( 朧 ) あの まま で は この 国 の 忍 に させ られて いた で ご ざる よ 。
もっと 喜べよ 。 これ で 自由に 動ける じゃ ねえ か 。
で 何 か つかめた か ?
ゲンゴ に ついて は さっぱり だし 。
あの 城 の こと は 誰 も 知ら ない し 。
( 朧 ) ゲンゴ と いう 男 めったに 姿 を 現さ ない ようで ご ざる 。
ひと つ だけ わかった の は あの 城 俘囚 城 と 呼ば れて いる そうだ し 。
俘囚 ? 戦 に おける 捕虜 。
中央 が 周辺 の 蛮族 を 呼ぶ 蔑 称 で ご ざる 。
自分 の 城 に そんな 名前 つける なんて →
どん だけ 卑屈な んだ よって 話 だし 。
サイ に ついて は どう だ ? それ も さっぱり だし 。
チッ ゲンゴ は かなり 用心深い 野郎 だ な 。
こいつ は 調べ がい が ある って もんだ 。
よし 腹ごしらえ に 焼き肉 でも 食う か 。
親父 これ の どこ が 焼き肉 だ ! あ ?
文句 あん なら とっとと 帰 んな !
食わ ねえ なんて 言って ねえ だろう が !
どこ も かしこ も 物 不足 で それ でも マシ な ほう だ 。
いろんな 国 の 連中 が いる し 。
カネ の ねえ 野郎 が 依頼 に つられて やってくる んだ ろ 。
ここ で 店 を 開いて 長い で ご ざる か ?
ゲンゴ が やってきた の と 同じだ から 10 年 くらい だ 。
あの 頃 は もっと さびれた 里 だった 。
ゲンゴ って の も よそ者 か ?
いきなり 手下 を 連れて 現れ →
威張りちらして た 大名 を 追い出した の さ 。
大名 が 役立た ず な の は どこ も 一緒だ し 。
( シカマル ) それ で ? 暮らし っぷり は よく なった の か ?
これ が そう 見える か !? 見な よ !
ゲンゴ の 取り巻き だ 。 大勢 いて 威張りちらして や がる 。
大名 を 追い出した まで は よかった が →
その 後釜 に 座り や がった 。
あいつ の 顔 どこ か で …。
拙者 も 同じ こと を 考えて いた で ご ざる 。
間違い ござ らん 。 あれ は 暗部 に いた ミノイチ で ご ざる 。
( シカマル ) てっきり ど っか で の たれ 死んだ と 思って た のに よ 。
( 鏃 ) あんな やつ 見覚え ないし 。
知ら ない の も 無理 は ござ らん 。
なにせ 先 の 大戦 で ご ざる から して 。
あいつ は 同じ 部隊 の 仲間 を 全員 殺して →
行方 を くらまし や がった の さ 。
った く 胸 くそ 悪い 野郎 が 生きて や がった もん だ ぜ 。
そんな やつ が なんで ここ で 偉 そうに して る し ?
そい つ は 本人 に 聞いて み ねえ と な 。
( ミノイチ ) だ … 誰 だ !? て め えら !
( シカマル ) もう 逃げ られ やし ねえ ぜ ミノイチ さん 。
( ミノイチ ) そ … そんな 名前 は 知ら ん !
とぼけ ん な !
か … 影 縛り の 術 !
しっかり 覚えて る じゃ ねえ か 。
あんた も 木 ノ 葉 出身 なら この 術 で 何 が できる か 知って る よ な ?
よ … よせ !
仲間 を 手 に かけて ずいぶん いい 身分 だ な 。
忍 の 掟 を 破って ただ で 済む か よ !
俺 は もう 忍 で は ない 。 俺 は 革 者 だ !
革 者 ?
古くさい 忍 の 世界 で 生きて いる お前 ら に →
俺 たち の 崇高な 志 など わかる もの か !
屁理屈 並べて んじゃ ねえ !
このまま くび り 殺し ち まって も いい んだ ぜ 。
や … やめろ !!
さ ぁ 答えろ !
ゲンゴ って やつ の こと も 洗いざらい な 。
答えろ って んだ よ !!
シカマル 殿 !
( 咳き込む 声 )
か … 革 者 と は ゲンゴ 様 の 崇高な 志 に 賛同 し →
目 を 開か せて もらった 者 に 与え られる 称号 …。
ずいぶん たいそうな 話 だ ぜ 。
この 国 に 大名 など と いう 下 賎 な 者 は 必要 ない 。
我ら は 忍 の ため の 理想郷 を つくる 。
それ こそ が ゲンゴ 様 が 目指す 真 の 革命 !
木 ノ 葉 の サイ 殿 が 囚 われて いる はずで ご ざる 。
どこ に いる か 知り 申さ ぬ か ?
お前 は たしか … 朧 !
う ぅ …。
忍 の 掟 が なんだ !
俺 は 大名 の ため に 死ぬ なん ざ まっぴら だ ぜ !
身 を 守る ため なら どんな こと だって やって やる !
チッ ! やっと 本音 が 出た な 。
卑怯 者 の お前 なら 俺 の 気持 が わかる よ な ? 朧 …。
は … 放せ !
何の 話 だ !?
知ら ない の か ? こいつ の した こと を よ !
アハハ … アハハハハ !
( 鏃 ) 全身 を 麻痺 さ せる ツボ を 突いた から →
当分 起き られ ない し 。
朧 ! しっかり しろ 朧 !
朧 !!
( カラス の 鳴き声 )
うわ ~!
気 が ついた か ?
心配 した し 。
夢 を … 見た で ご ざる 。
話し たく なけりゃ 別に いい んだ ぜ 。
ま っこ と 忘れて しまい たい 記憶 ほど →
こびりついて いる もの で ご ざる な 。
あれ は まだ 下 忍 の 頃 の 話 で ご ざる 。
拙者 の 部隊 は 敵 の 待ち伏せ に あい 全滅 した で ご ざる 。
( カラス の 鳴き声 )
ただ 一 人 生き残った 拙者 は 仲間 たち の 屍 の 中 で →
何 日 も 何 日 も チャクラ を 抑えて 死んだ ふり を し 続けた で ご ざる 。
その とき に 身 に 着けた 術 の おかげ で →
こうして 暗部 に 拾わ れ もう した が →
この 術 は 仲間 を 見殺し に して 得た 呪わ れた 力 に ご ざる 。
俺 だって 同じ こと を した よ 。
広場 の ほう へ 革 者 たち が 集まって る し 。
何 か 始める 気 だ な 。
行って みる で ご ざる 。
けど この 格好だ と なにかと 面倒だ な 。
もう 2 着 必要だ し 。
朧 チャクラ の 偽装 は して ある んだ よ な ?
服 の 持ち主 の チャクラ を トレ ー ス 済み で ご ざる 。
鏃 いざ と なったら 頼む ぞ 。
鏃 聞いて ん の か ?
おい き さま !
襟 が 乱れて いる ぞ !
ゲンゴ 様 の 演説 が 行わ れる と いう の に もっと 気 を 引き締め ん か !
申し訳 あり ませ ん 。
手 が 空いて いる の なら 準備 を 手伝え 。 いい な ?
実に ナイスタイミング で ご ざる な 。
でき すぎ な 気 も し ねえ でも ねえ が 。
ゲンゴ が 人前 に 現れる チャンス を みすみす 逃す 手 は ねえ 。
ここ なら ゲンゴ が どこ に 隠れて も 狙える な ?
鏃 さっき から ぼんやり して んじゃ ねえ ぞ 。
ミノイチ が 言って た こと 。 は あ ?
大名 たち を 追い出して 忍 の 理想郷 を つくる 。
それ は 別に おかしな 考え じゃ ない し 。
何 を 言い出す で ご ざる か ?
私 は ただ 無能な 大名 が 上 に 立つ →
今 の 仕組み に 納得 いか ない だけ だし 。
朧 だって 考えた こと が ない と は 言わ せ ない し !
お前 の 言 いて え こと は わかる 。
だが 今 は 任務 に 集中 しろ 。
心 が 乱れれば 失敗 に つながる ぞ 。
そんな の わかって る し 。
( 朧 ) ずいぶん 無防備な ステ ー ジ で ご ざる な 。
ゲンゴ って やつ は よっぽど の 自信 家 か →
底抜け の バカ か だ な 。
( 歓声 )
いよいよ お出まし で ご ざる な 。
化けの皮 剥がして やる ぜ 。
( ゲンゴ ) まずは →
ここ に 集まって くれた すべて の 者 に 感謝 する 。
諸君 真 の 革命 の 日 は 近づき つつ ある 。
( 歓声 )
影 縫い で ゲンゴ を 捕らえる に は 間合い を 詰めた ほう が 確実だ 。
ついてこい 。
今 宵 は 特別な 趣向 を 用意 した 。
我ら の 真 の 革命 を 妨害 せんと する 不 埒 な 輩 を ご 紹介 しよう 。
( みんな ) おお ~!
サイ !
( ゲンゴ ) 諸君 この 者 を どう し たい ?
死 だ ! 革命 に 捧げる 死 を !
( みんな ) 死 だ !
諸君 ら の 思い は 十分に 伝わった 。
この 者 の 赤き 血 に よって →
真 の 革命 は また 一 歩 誠に 近づく であろう 。
( 歓声 )
サイ 殿 を 放っておく で ご ざる か ?
あの 人数 が 相手 じゃ どうにも なら ねえ 。
こいつ を 使う ぞ 。
陽道 作戦 で ご ざる な ?
私 が この 地 に 立ち て早 10 年 。
今では 多く の 同志 を 得 この 国 も 栄え 始めた 。
しかし ! まだ 我々 の 思い は →
何ひとつ 満たさ れて も 叶え られて も おら ぬ 。
黙 の 国 に 住まう 民 に 問い たい 。
大名 ども が 支配 して いた 頃 と 今 の この 国 →
どちら が 住み よい 世界 であろう か ?
力 も 知恵 も 忍 出身 の 我ら に 及ば ぬ 大名 ども に 支配 さ れて おった →
暗黒の 時代 は すでに 過去 。
この 国 を 守る の は 我ら 革 者 だ !
この 国 を 豊かに する ため に →
ひたすら まい進 する こと こそ が 我ら 革 者 の 望み だ 。
くそ っ ! この 国 を 治める べき は →
大名 など で は なく 忍 の 力 を 持った 我々 だ 。
おい 朧 ! ぼんやり して る 場合 じゃ ねえ ぞ 。
しっかり しろ !
シカマル 殿 拙者 は …。
俺 は サイ の 救出 に 向かう 。
裏 に 回った の が 見えたら ド 派手 に やって くれ 。
頼んだ ぞ 。 しょ … 承知 した で ご ざる 。
なぜ 忍 が 差別 さ れ なければ なら ない ?
なぜ 虐げ られ なければ なら ない ?
チクショウ ! 妙な まやかし 使 いやがって 。
差別 と 支配 に 甘んじる →
旧態依然と した 忍 ども に よって 滅ぼさ れた のだ 。
聞け ! 黙 の 闇 に 朝日 を 待つ 者 たち よ 。
新たな 時代 の 陽光 は →
この 黙 の 国 より 照る !
( 歓声 )
現れた な ネズミ め 。
演説 は 中止 だ ! ゲンゴ 様 を お守り しろ !
ゲンゴ 様 隠れて ください 。 お 体 を 低く 。
サイ 助け に 来た ぞ 。
まさか 逝 っち まった わけ ねえ よ な ?
やめろ サイ ! お前 を 救う ため に 来た んだ 。
( サイ ) 僕 は 目覚めた 。
シカマル も すぐに わかる よ 。
あ … サイ お前 !?
( シカマル ) ゲンゴ て め え の 仕業 だ な 。
なぜ キミ ほど の 忍 が →
旧態依然と した 掟 に 縛ら れる の か 。
理解 に 苦しむ ねぇ 。
あ … 黙れ 黙れ !
なぜ 記憶 に 蓋 を する ?
向き合う の が 怖い の か ?
誰 が て め え の 御 託 に つきあう かよ !
( 指 笛 )
鏃 やれ !
残念 。 俺 の 仲間 に 手 を 出す な !
手 を 出す なんて とんでもない 。
私 は 才能 の ある 忍 が 好きで ね 。
ぐ わ っ !
もちろん キミ の こと も 買って いる のだ よ 。
木 ノ 葉 隠れ の 俊英 奈良 シカマル 君 。
う … ぐ わ っ !
ムダ だ よ 。 シカマル キミ も 目覚める んだ 。
冗談 じゃ ねえ ! 俺 は な →
気持 よく 寝て る とこ を 起こさ れる の が →
大嫌いな んだ よ !
あば よ 。