NARUTO -ナルト - 疾風 伝 - シーズン 21 - 492 - 疑 雲
( サイ ) ムダ だ よ シカマル 。 キミ も 目覚める んだ 。
( シカマル ) 冗談 じゃ ねえ !
俺 は な 気持 よく 寝て る とこ を 起こさ れる の が →
大嫌いな んだ よ !
ハァ 。
( シカマル )4三 銀 3六 歩 4二 飛 →
4八 飛 3六 角 1六 歩 →
1四 歩 2六 歩 6二 玉 →
6八 玉 7二 玉 →
7八 玉 6二 銀 。
( サイ ) ずいぶん 頑張る じゃ ない か 。
並み の 忍 なら とっくに 音 を 上げて いる ところ だ よ 。
歴代 の 名人 たち と の 対局 に 忙しくて ね 。
退屈 して る 暇 なんて ねえ 。
好きだ な キミ の そういう 強 がり 。
将棋 から 学ぶ こと は 多い ぞ 。
どんな 局面 に も 必ず 逆転 の 筋 が 残さ れて いる しな 。
この 状況 から 逆転 する 気 かい ? それ は 楽しみだ 。
なぁ ライタ ー だけ でも 返して くれよ 。
あれ が ねえ と 落ち着か ねえ んだ 。
シカマル が ゲンゴ 様 の 志 を 受け入れる 気 に なったら ね 。
どうして あんな やつ に 従う んだ ?
僕 は ただ 自分 の 居場所 を 見つけた だけ さ 。
木 ノ 葉 は 違う って の か ?
お前 は 第 七 班 の 一員 じゃ なかった の か よ ?
だったら どうして ナルト が 来 ない ?
それほど 親しく も なかった キミ が 来た の は なぜ な んだろう ね ?
今回 の 一 件 ナルト は 何も 聞か さ れちゃ い ねえ 。
全部 俺 の 判断 だ 。
だ と して も もし これ が サスケ や サクラ だったら →
ナルト が 来た んじゃ ない の か な ?
どうせ その 考え も ゲンゴ に 吹き込ま れた んだ ろ ?
ゲンゴ が 言葉 で 人 を 操って る の は 間違い ねえ 。
お前 も いいかげん 目 を 覚ませ 。
目 なら とっくに 覚め てるよ 。
ゲンゴ 様 に 志 を いただいた とき に ね 。
フッ …。
待てよ 。 まだ 何 か ?
必ず ゲンゴ の 術 を 見破って お前 を 助けて やる から な 。
そろそろ 観念 した ほう が いい 。
でないと もっと ひどい こと に なる よ 。
( シカマル ) お前 は 木 ノ 葉 の 一員 だ 。 それ を 忘れ ん な !
4五 歩 3三 角 3七 桂 …。
ダメ だ 今 の 手持ち じゃ 駒 が 足り ねえ 。
玉 に 逃げ られ ち まう 。
朧 お前 か !?
( 朧 ) その 声 は シカマル 殿 で ご ざる か ?
おい ゲンゴ こいつ ら は 俺 の 命令 で 動いて た だけ だ 。
やる なら 俺 だけ に しろ 。 ( 朧 ) う ぅ …。
( シカマル ) いい か 生きて りゃ 機 は 必ず 来る 。
諦める んじゃ ねえ ぞ 。
くたばり や が ったら 承知 し ねえ から な !
( 朧 ) だ … 大丈夫で ご ざる 。 この くらい 屁 の カッパ で ご ざる よ 。
( シカマル ) 鏃 は どうした ? 一緒じゃ ねえ の か ?
あいつ も 無事な んだ ろ !?
( 鏃 ) あ !
( ゲンゴ ) なぜ 大名 や 無能な 民 ども に 虐げ られ ながら →
それ でも なお や つら の ため に 尽くす のだ ?
( 鏃 ) お前 に は 関係ない し 。
( ゲンゴ ) 思い出せ お 前 を 見る 民 ども の 目 を 。
その 奥 に は 何 が 見えた ?
( 鏃 ) そんな の 忘れた し 。
( ゲンゴ ) そんな はず は ない 。
本当 は 頭 に こびりついて 離れ ない のだろう ?
思い出せ お 前 を 見る や つら の 目 を 。
あれ は 私 を 恐れ 疑い 遠ざけよう と する 目 。
( ゲンゴ ) そんな 下 賤 の 者 ども の ため に →
なに ゆえ 誇り 高き お前 が 命 を かけ ねば なら ぬ ?
なに ゆえ お前 を 縛る 者 の ため に ➡
忠義 を 尽くさ ねば なら ぬ のだ ?
( 鏃 ) あいつ ら は 私 を 利用 する …。
みんな 敵 だ 。
( ゲンゴ ) 恐れる こと は ない 。 振り向け 。
すべて を 受け入れる のだ 。
( 鏃 ) うわ ぁ ~!
今 ここ に 志 は 授け られた 。
( サイ ) 連れて まいり ました ゲンゴ 様 。
窮屈な 思い を さ せて すまない 。
用心 を 怠る わけに は いか ない ので ね 。
て め え と 話す 気 は ねえ 。
言葉 で 操ろう って 魂胆 が 見え見えだ ぜ 。
お 父上 の 面影 に 似て きた ので は ない か ?
悪い が 調べ させて もらった よ 。 ご 家族 や 友人 の こと 。
それ に 貴 君 が 私 を 殺し に 来た こと も ね 。
貴 君 ら は なぜ 我々 を 虐げる のだ ?
俺 たち が いつ 虐げた ?
この 国 は 弱い 。 満足な 資源 も なく →
作物 も 育た ぬ 不毛の 地 で →
ただ 必死に 生きのびよう と して いる だけ だ 。
( シカマル ) 抜け 忍 を かき集め といて よく 言う ぜ !
目的 は 何 だ ? 戦争 でも 始めよう って の か ?
集めて いる ので は ない 。
彼ら の ほう から 救い を 求めて 集まって くる のだ 。
救い だ と ?
貴 君 は 今 の 忍 の あり 方 に 疑問 を 持った こと は ない か ?
戦 も せ ず 大名 や 金持ち ども の 走 狗 に 甘んじる 。
それ で 真 の 忍 と いえる だろう か ?
何 が 言 いて え ?
この 国 に 集まって くる 者 たち は →
皆 忍 らしく あり たい と 願って いる だけ だ 。
連合 は やみくもに 平和 を 求める あまり →
忍 を 無意味な 掟 で 縛る ばかり 。
だが そこ から はみ出す 人間 は 必ず 出て くる 。
この 国 は その 受け皿 に なって いる に すぎ ぬ !
平和 を 維持 する ため に は 多少 の ル ー ル は 必要だ !
貴 君 の いう 平和 と は すべて 大国 が 押し付ける 理屈 だ 。
その 証拠 に 貴 君 ら は 尾 獣 を 有して いる 。
もしも あれ を 使わ れたら この 国 など ひと たまり も ない 。
違う かね ?
俺 たち は 二度と 尾 獣 を 戦 に 使う つもり なんか ねえ 。
自分 たち だけ 尾 獣 を 所有 して おいて →
我々 に その 言葉 を 信じろ と いう の か ?
それ が 大国 の 理屈 で なくて な んな のだ ?
勝手に 決めて んじゃ ねえ よ ! ならば どう だ ?
この 国 に も 尾 獣 を くれ ぬ か ?
たしか 雲隠れ の 里 に 一 匹 残って いた な 。
そう すれば 我々 も 安心 して 貴 君 ら の こと を 信じよう 。
んな こと で き っこ ねえ だ ろ ! そう だろう と も 。
口先 で は 平和 を 唱え ながら 結局 の ところ 貴 君 ら は →
我々 の ような 小国 の こと など 信用 して い ない のだ から な !
だから って 戦 を して いい って いう 理屈 に は なら ねえ !
他 に も 解決 策 は ある はずだ !
他の 解決 策 か …。
来た まえ 。 貴 君 に 見せ たい もの が ある 。
ここ は …。
標高 の 高い この 里 で は 作物 も ろくに 育た ない 。
人々 の 生活 の 糧 は なく 貧し さ に あえぐ ばかりだ 。
せめて 何 か 物産 品 が あれば 生活 の 足し に なる 。
そう 考えて 品種 改良 で 作った の が この 花 だ 。
貴 君 も あちこち で 目 に した ので は ない か な ?
しかし ムダ だった よ 。
この 花 は 里 から 出した とたん に 枯れて しまう 。
この 里 の 環境 は 特殊な のだ 。
貴 君 は どうして 忍 の 道 を 目指した ?
書類 整理 を する ため か ? さ ぁな 。
おそらくは 違う はずだ 。
日々 忍 の 腕 を 磨き 己 を 鍛え 上げる 。
そして その 技 を もって 敵 を 倒し 大切な もの を 守る 。
それ こそ が 忍 らしい 生き 方 だ 。
かつて お 父上 や 恩師 が そうした ように な 。
て め え に 何 が わかる !
貴 君 とて いずれ 彼ら に 肩 を 並べ たい と 思わぬ はず が ない 。
しかし ただ 平和な だけ の 世の中 で →
果たして それ が 成し 得る だろう か ?
戦 が あった から こそ 忍 の 技術 は めざましい 発展 を 遂げた のだ 。
もし 平和 が 続いて いたら →
今 の 貴 君 も 友 と 過ごした 価値 ある 時間 も →
すべて 得 られ なかった はずだ 。 違う かね ?
それ が 平和 の 代償 なら 俺 は 喜んで 武器 を 置く !
それ は 本心 で は ない 。
( シカマル の 声 ) お前 自身 腕 の 衰え を 感じて いる んだろう ?
シカマル 君 。
その 口 を 閉じろ !
手 を 出す な 。
恐れる こと は ない シカマル よ 。
さ ぁ その 手 を 下ろし なさい 。
そう だ それ で いい 。
まずは 落ち着こう じゃ ない か 。 深呼吸 して みた まえ 。
どう だ ね ? 私 の 自慢 の 花 の 香り は 。
さ ぁ 。
なるほど … そういう わけ か 。
ある 種 の 花 の 香り に は 思い出 を 呼び覚ます 薬効 が ある 。
て め え は それ を 洗脳 に 利用 し たって わけだ 。
とんだ 志 だ ぜ !
それ に 気づいた ところ で どうにも なる まい 。
私 に 逆らう こと など でき ぬ 。
俺 の 仲間 は … 朧 と 鏃 は どこ だ !?
ここ へ 連れて こい !
( 朧 ) もう 来て いる で ご ざる 。
あぁ っ ! お前 ら !!
( 鏃 ) 私 たち は ゲンゴ 様 に 志 を いただいた んだ し 。
捜せ ! やつ を この 城 から 出す な !!
シカマル … 隠れて も ムダ だ よ 。
う ぅ … まだ 痺れて や がる 。
鏃 の やつ め !
影 は 使え ねえ 。 飛車 角 も 取ら れた 。 状況 は かんばしく ねえ な …。
(( シカマル : 珍しい っす ね いきなり 棒 銀 なんて 。
( アスマ ) 敵陣 突破 の 先兵 だ 。
たまに は こういう 指し 方 も でき ねえ と な ))
ここ で 逃げたら 木 ノ 葉 の リスク が 高まる …。
あんた あん と き そう 言った よ な 。
俺 に も その とき が 来 たって こと な の か 。
落ち着け 。 まだ 逆転 の 筋 は 残さ れて る はずだ 。
(( アスマ : シカマル … さしずめ お前 は 桂 馬 だ な ))
敵陣 突破 の 棒 銀 か それとも 桂 馬 の 高跳び か 。
ここ は もう いっぺん 玉 の 懐 に 飛び込む しか ねえ か 。
( 朧 ) ゲンゴ 様 … シカマル 捜し を サイ 殿 に 任せ きり で →
よろしい ので ご ざる か ?
( 鏃 ) 城 の 外 に 逃げ られたら 面倒だ し 。
( ゲンゴ ) 慌てる な 。
彼 は 追い込ま れれば 追い込ま れる ほど →
あえて 困難な 状況 に 身 を 投じる … そういう 男 だ 。
そう だ な ? シカマル 。
気づいて た の か よ つま ん ねえ な 。
貴 君 が これ を 残して いく はず は ない しな 。
わざわざ 戻って くる なんて おめでたい やつ だし 。
おとなしく 捕まる で ご ざる !
床 が ダメ なら 天井 って 手 も ある んだ ぜ !
( 朧 ) 下 で ご ざる !
う っ 体 が …。
おっと ! シカマル 殿 は なす で ご ざる !
幻 術 を 解く に は かけた 人間 を 倒す の が セオリ ー だが →
そこ ん とこ は どう な んだ ゲンゴ ?
ムダ だ 私 の 言葉 に 抗 う こと など でき ぬ 。
朧 悪い が しばらく 俺 の 盾 に なって もらう ぜ 。
撃て ! 朧に 当たって も 構わ ぬ 。
撃って みな ただし よく 狙って な 。
シカマル 止まれ ! 私 の 声 に は 逆らえ ぬ !
キサマ まさか …。
鏃 の 攻撃 を わざと 耳 に 受け →
一時的に 聴覚 を 麻痺 さ せた の か ?
これ が 桂 馬 の 高跳び だ !
うわ !
惜しい な シカマル 。 実に 惜しい 。
ゲンゴ 様 は 奥 へ 。 ここ は 私 に お 任せ ください 。
よく やった 。 ( シカマル ) ゲンゴ !
逃がし は せ ぬ !
しまった !
(( シカク : った く て め え は 女の子 に やられて ばかりだ な 。
仲間 の ため て め え が より 優秀に なる んじゃ なかった の か よ ?
( シカマル ) 親父 俺 は さ や っぱ 忍 に は 向いて ねえ んだ よ 。
は あ …))
( 朧 ) 死んだ で ご ざる か ?
( 鏃 ) まだ 殺して は い ない し 。
まあ 最後 は やぶれかぶれで ご ざったな 。
( サイ ) 哀れな もの だ ね 。
《 体 も 限界 だ 空気 も やけに 重い ぜ 。
なんか もう めん どくせ え 》
( チョウジ ) シカマル 大丈夫 ?
( いの ) 死んだら 承知 し ない から ね ?
ヒヒヒ 。 ウフ 。
お前 ら … っつ か どうして ここ に ?
そ っか 俺 は まだ 夢 を …。
( テマリ ) シカマル ! テ テマリ !
お前 は 私 が 見込んだ 男 だろう ?
何 ボサッ と して んだ よ !
シカマル ! やめて よ テマリ !
本当に 死んじゃ うって ば 。 黙って ろ !
今 の は 連合 の 会議 で 私 に ウソ を ついた 分 だ 。
( シカマル ) すまなかった な テマリ 。 え ?
おかげ で 目 が 覚めた ぜ 。
シカマル 。 悪い が ここ 頼める か ?
倒さ なきゃ なら ない 相手 が もう 1 人 いる んだ 。
ゲンゴ だ ろ ?
どうして それ を ? 火影 様 に 聞いた んだ 。
聞き出す の に は ちょっと 苦労 した けど ね 。
どう やって 聞き出した か は あん まし 想像 し たく ねえ な 。
シカマル こいつ ら 倒しちゃ って いい んだ よ ね ?
洗脳 さ れて は いる が 2 人 と も 仲間 だ 。
そい つら も 目 を 覚まさ せて やって くれ 。
言って くれる し ! 待て !
え ? もう 1 つ 忘れ物 だ ぞ !
向こう も お前 が 来る の を 見越して ➡
罠 を 張って いる はずだ 。
その 体 で 勝算 は ある んだろう な ?
捨て 駒 に なる つもり は ねえ 。
なら よし !
さて サシ の 勝負 と いこう か 。
ゲンゴ !