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2 - Harry Potter, 17.2.1 スリザリンの継承者 - The Heir of Slytherin

17.2.1 スリザリンの継承者 - The Heir of Slytherin

リドル は フォークス と 「 組 分け 帽子 」 を からかう ように 、 チラッ と 見て その 場 を 離れた 。

ハリー は 感覚 の なくなった 両足 に 恐怖 が 広がって いく の を 感じ ながら 、 リドル を 見つめた 。

リドル は 一 対 の 高い 柱 の 間 で 立ち止まり 、 ずっと 上 の 方 に 、 半分 暗闇 に 覆われて いる スリザ リン の 石像 の 顔 を 見上げた 。 横 に 大きく 口 を 開く と 、 シュー シュー と いう 音 が 漏れた 。 ハリー に は リドル が 何 を 言って い る の か わかった 。

『 スリザリン よ 。 ホグワーツ 四 強 の 中 で 最強の 者 よ 。 われ に 話した まえ 』 ハリー が 向き を 変えて 石像 を 見上げた 。 フォークス も ハリー の 肩 の 上 で 揺れた 。

スリザリン の 巨大な 石 の 顔 が 動いて いる 。 恐怖 に 打ちのめさ れ ながら 、 ハリー は 石像 の 口 が だんだん 広がって 行き 、 ついに 大きな 黒い 穴 に なる の を 見て いた 。

何 か が 、 石像 の 口 の 中 で うごめいて いた 。 何 か が 、 奥 の 方 から ズルズル と 這い 出して きた 。 ハリー は 「 秘密の 部屋 」 の 暗い 壁 に ぶつかる まで 、 あとずさり した 。 目 を 固く 閉じた とき 、 フォークス が 飛び立ち 、 翼 が 頬 を 擦る の を 感じた 。

ハリー は 「 僕 を 一 人 に し ないで !」 と 叫び たかった 。 しかし 、 蛇 の 王 の 前 で 、 不死鳥 に 勝ち 目 など ある だろう か ?

何 か 巨大な もの が 部屋 の 石 の 床 に 落ち 、 床 の 振動 が 伝わって きた 。

何 が 起こって いる の か ハリー に は わかって いた 。 感覚 で わかる 。 巨大な 蛇 が スリザリン の 口 から 出て きて 、 とぐろ を 解いて いる の が 目 に 見える ような 気 が した 。 リドル の 低い シューッ と いう 声 が 聞こえて きた 。

「 あいつ を 殺せ 」

バジリスク が ハリー に 近づいて くる 。

埃っぽい 床 を ズルッズルッ と ずっしり した 胴体 を 滑らせる 音 が 聞こえた 。 ハリー は 目 を しっかり 閉じた まま へ 手 を 伸ばし 、 手探り で 横 に 走って 逃げよう と した 。 リド ル の 笑う 声 が する ......。

ハリー は 躓き 、 石 の 床 で したたかに 顔 を 打ち 、 ロ の 中 で 血 の 味 が した 。 毒 蛇 は すぐ そば まで 来て いる 。

近づく 昔 が 聞こえる 。 ハリー の 真上 で 破裂 する ような シャーッシャーッ と いう 大きな 音 が し た 。

何 か 重い もの が ハリー に ぶつかり 、 その 強烈な 衝撃 で ハリー は 壁 に 打ちつけられた 。 今にも 毒 牙 が 体 に ズブリ と 突き刺さる か と 覚悟 した とき 、 ハリー の 耳 に 狂った ような シュー シュー と いう 音 と 、 何 か が のた打ち 回って 、 柱 を 叩きつけて いる 音 が 聞こえた 。

もう 我慢 でき なかった 。

ハリー は できる だけ 細く 目 を 開け 、 何 が 起こって いる の か 見よう と した 。

巨大な 蛇 だ 。 テラテラ と 毒々しい 鮮緑 色 の 、 樫 の 木 の ように 太い 胴体 を 、 高々 と 宙 に くねら せ 、 その 巨大な 鎌 首 は 酔った ように 柱 と 柱 の 間 を 縫って 動き回って いた 。 ハリー は 身震い し 、 蛇 が こちら を 見たら 、 すぐに 目 を つぶろう と 身構えた その とき 、 ハリー は いったい 何 が 蛇 の 気 を 逸ら せて いた の か を 見た 。

フォークス が 、 蛇 の 鎌 首 の 周り を 飛び回り 、 バジリスク は サーベル の ように 長く 鋭い 毒 牙 で 狂った ように 何度 も 空 を 噛んで いた 。

フォークス が 急 降下 した 。 長い 金色 の 嘴 が 何 か に ズブリ と 突き刺さり 、 急に 見え なく なった 。 その 途端 、 どす黒い 血 が 吹き出し ボタボタ と 床 に 降り注いだ 。 毒 蛇 の 尾 が のたうち 、 あやうく ハリー を 打ち そうに なった 。

ハリー が 目 を 閉じる 間 も なり 蛇 は こちら を 振り向いた 。 ハリー は 真 正面 から 蛇 の 頭 を ―― そ して 、 その 目 を 見た 。

大きな 黄色い 球 の ような 目 は 、 両眼 と も 不死鳥 に 潰されて いた 。 おびただしい 血 が 床 に 流れ 、 バジリスク は 苦 痚 に のたうち 回って いた 。

「 違う !」 リドル が 叫ぶ 声 が 聞こえた 。 「 鳥 に かまう な ! ほって おけ ! 小僧 は 後ろ だ ! 匂い で わかる だろう ! 殺せ !」

盲目の 蛇 は 混乱 して 、 ふらふら して は いた が 、 まだ 危険だった 。 フォークス が 蛇 の 頭上 を 輪 を 描き ながら 飛び 、 不思議な 旋律 を 歌い ながら バジリスク の 鱗 で 覆わ れた 鼻面 を あちこち 突 ついた 。

バジリスク の 潰れた 目 から は 、 ドクドク と 血 が 流れ 続けて いた 。 「 助けて 。 助けて 。 誰 か 、 誰 か !」 ハリー は 夢中で 口走った 。 バジリスク の 尾 が 、 また 大きく 一 振り して 床 の 上 を 掃いた 。 ハリー が 身 を かわした その とき 、 何 か 柔らかい もの が ハリー の 顔 に 当たった 。 バジリスク の 尾 が 、「 組 分け 帽子 」 を 吹き飛ばして ハリー の 腕 に 放って よこした のだ 。 ハリー は それ を しっかり つかんだ 。 もう これ しか 残されて いない 。 最後 の 頼みの綱 だ 。 ハリー は 帽子 を ぐ いっと かぶり 、 床 に ぴったり と 身 を 促せた 。 その 頭上 を 掃く ように 、 バジリスク の 尾 が また 通り過ぎた 。 「 助けて ............ 助けて ......」 帽子 の 中 で しっかり と 目 を 閉じ 、 ハリー は 祈った 。 「 お 願い 、 助けて 」

答え は なかった 。 しかし 、 誰 か の 見え ない 手 が ぎゅっと 絞った か の ように 、 帽子 が 縮んだ 。

固くて ずしり と 重い もの が ハリー の 頭 の てっぺん に 落ちて きた 。

ハリー は 危うく ノックアウト さ れ そうに なり 、 目 から 火花 を 飛ばし ながら 、

帽子 の てっぺん を つかんで ぐ いっと 脱いだ 。

何 か 長くて 固い もの が 手 に 触れた 。

帽子 の 中 から 、 眩 い 光 を 放つ 銀 の 剣 が 出て きた 。 柄 に は 卵 ほど も ある ルビー が 輝いて いる 。

「 小童 を 殺せ ! 鳥 に かまう な ! 小童 は すぐ 後ろ だ ! 匂い だ ―― 嗅ぎ 出せ !」

ハリー は すっくと 立って 身構えた 。 バジリスク は 胴体 を ハリー の 方 に 捻り ながら 柱 を 叩き つ け 、 とぐろ を くねら せ ながら 鎌 首 を もたげた 。

バジリスク の 頭 が ハリー 目がけて 落ちて くる 。

巨大な 両眼 から 血 を 流して いる の が 見える 。

丸ごと ハリー を 飲み込む ほど 大きく 口 を カツ と 開けて いる の が 見える 。 ずらり と 並んだ 、 ハ リー の 剣 ほど 長い 鋭い 牙 が 、 ヌメヌメ と 毒々しく 光って ......。

バジリスク が やみくもに ハリー に 襲いかかって きた 。 ハリー は 危うく かわし 、 蛇 は 壁 に ぶつかった 。 再び 襲って きた 。 今度 は 、 裂けた 舌 先 が ハリー の 脇腹 に 打ち 当たった 。

ハリー は 諸手 で 剣 を 、 高々 と 掲げた 。 三 度 目 の 攻撃 は 、 狙い 違わ ず 、 まともに ハリー を 捉え て いた 。

ハリー は 全体 量 を 剣 に 乗せ 、 剣 の 鍔 まで 届く ほど 深く 、 毒 蛇 の 口 蓋 に ズブリ と 突き刺した 。

生暖かい 血 が ハリー の 両腕 を どっぷり と 濡らした とき 、 肘 の すぐ 上 に 焼けつく ような 痚 み が 走った 。 長い 毒 牙 が 一 本 ハリー の 腕 に 突き刺さり 、 徐々に 深く 食い込んで 行く ところ だった 。 毒 牙 の 破片 を ハリー の 腕 に 残した まま 牙 が 折れ 、 バジリスク は ドッと 横 様 に 床 に 倒れ 、 ヒクヒク と 痙攣 した 。

ハリー は 壁 に もたれた まま 、 ズルズル と 崩れ落ちた 。 体中 に 毒 を 撒き散らして いる 牙 を しっかり つかみ 、 力 の かぎり ぐ いっと 引き抜いた 。

しかし 、 もう 遅 過ぎる こと は わかって いた 。 傷口 から ズキズキ と 、 灼熱 の 痚 み が ゆっくり 、 しかし 確実に 広がって いった 。

牙 を 捨て 、 ローブ が 自分 の 血 で 染まって いく の を 見つめた とき から 、 もう ハリー の 目 は 霞 み はじめて いた 。

「 秘密の 部屋 」 が ぼんやり した 暗 色 の 渦 の 中 に 消え去り つつ あった 。 真 紅 の 影 が スッ と 横切った 。 そして ハリー の 傍ら で カタカタ と 静かな 爪 音 が 聞こえた 。 「 フォークス 」 ハリー は もつれる 舌 で 呟いた 。 「 君 は すばらしかった よ 、 フォークス 」

毒 蛇 の 牙 が 貫いた 腕 の 傷 に 、 フォークス が その 美しい 頭 を 預ける の を ハリー は 感じた 。

足音 が 響く の が 聞こえ 、 ハリー の 前 に 暗い 影 が 立った 。

「 ハリー ・ ポッター 、 君 は 死んだ 」 上 の 万 から リドル の 声 が した 。

「 死んだ 。 ダンブルドア の 鳥 に さえ それ が わかる らしい 。 鳥 が 何 を して いる か 、 見える かい 泣いて いる よ 」

ハリー は 瞬き した 。 フォークス の 頭 が 一瞬 はっきり 見え 、 すぐ また ぼやけた 。 真珠 の ような 涙 が ポロポロ と 、 その つや や かな 羽毛 を 伝って 滴り 落ちて いた 。

「 ハリー ・ ポッター 、 僕 は ここ に 座って 、 君 の 臨終 を 見物 さ せて もらおう 。 ゆっくり やって れ 。 僕 は 急ぎ は し ない 」

ハリー は 眠かった 。 周り の もの が すべて クルクル と 回って いる ようだった 。 「 これ で 有名な ハリー ・ ポッター も おしまい だ 」 遠く の 方 で リドル の 声 が する 。

「 たった 一 人 、『 秘密の 部屋 』 で 、 友人 に も 見捨てられ 、 愚かに も 挑戦 した 闇 の 帝王 に 、 遂 に 敗北 して 。 もう すぐ 、『 穣 れた 血 』 の 恋しい 母親 の 元 に 戻れる よ 、 ハリー ......。 君 の 命 を 、 十二 年 延ばした だけ だった 母親 に ...... しかし 、 ヴォルデモート 卿 は 結局 君 の 息の根 を 止めた 。 そう なる こと は 、 君 も わかって いた はずだ 」

―― これ が 死ぬ と いう こと なら 、 あんまり 悪く ない ―― ハリー は 思った 。 痚 み さえ 薄らいで いく ......

しかし 、 これ が 死ぬ と いう こと な の か ? 真っ暗闇に なる どころ か 、『 秘密の 部屋 』 が また はっきり と 見え 出した 。

ハリー は 頭 を プルプル ッと 振って みた 。

フォークス が そこ に いた 。 ハリー の 腕 に その 頭 を 休めた まま だ 。

傷口 の 周り が 、 ぐるり と 真珠 の ような 涙 で 覆われて いた ―― しかも 、 その 傷 さえ 消えて い る 。 「 鳥 め 、 どけ 」 突然 リドル の 声 が した 。

「 そいつ から 離れろ 。 聞こえ ない の か 。 どけ !」

ハリー が 頭 を 起こす と 、 リドル が ハリー の 杖 を フォークス に 向けて いた 。

鉄砲 の ような バーン と いう 音 が して 、 フォークス は 金色 と 真 紅 の 輪 を 描き ながら 、 再び 舞い 上がった 。

「 不死鳥 の 涙 ......」 リドル が 、 ハリー の 腕 を じっと 見つめ ながら 低い 声 で 言った 。 「 そうだ ...... 癒し の 力 ...... 忘れて いた ......」 リドル は ハリー の 顔 を じっと 見た 。

「 しかし 、 結果 は 同じだ 。 むしろ この 方 が いい 。 一 対 一 だ 。 ハリー ・ ポッター ...... 二 人 だけ の 勝負 だ ......」 リドル が 杖 を 振り上げた 。

激しい 羽音 と ともに 、 フォークス が 頭上 に 舞い戻って 、 ハリー の 膝 に 何 か を ポトリ と 落とし た ―― 日記 だ 。

ほんの 一瞬 、 ハリー も 杖 を 振り上げた まま の リドル も 、 日記 を 見つめた 。

そして 、 何も 考え ず 、 ためらい も せず 、 まるで 初め から そう する つもりだった か の ように 、 ハリー は そば に 落ちて いた バジリスク の 牙 を つかみ 、 日記 帳 の 真芯 に ズブリ と 突き 立てた 。

恐ろしい 、 耳 を つんざく ような 悲鳴 が 長々 と 響いた 。 日記帳 から インク が 激流 の ように ほ と ば しり 、 ハリー の 手 の 上 を 流れ 、 床 を 浸した 。 リドル は 身 を 振り 、 悶え 、 悲鳴 を あげ ながら のたうち 回って ...... 消えた 。

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17.2.1 スリザリンの継承者 - The Heir of Slytherin スリザリン の けいしょう しゃ|the|heir||slytherin der Erbe von Slytherin|||| the Heir of Slytherin|||| 17.2.1 Das Erbe von Slytherin - Das Erbe von Slytherin 17.2.1 The Heir of Slytherin 17.2.1 L'héritier de Serpentard - L'héritier de Serpentard 17.2.1 De erfgenaam van Slytherin - De erfgenaam van Slytherin 17.2.1 Dziedzic Slytherinu - Dziedzic Slytherinu 17.2.1 Slytherins arvtagare - Slytherins arvtagare

リドル は フォークス と 「 組 分け 帽子 」 を からかう ように 、 チラッ と 見て その 場 を 離れた 。 ||||くみ|わけ|ぼうし||||||みて||じょう||はなれた riddle||Fawkes||||hat||to tease||glanced|||that|place||left Riddle glanced away from the scene, as if to make fun of Forks and the "grouping hat." 里德尔戏谑地看了福克斯和分院帽一眼就离开了。

ハリー は 感覚 の なくなった 両足 に 恐怖 が 広がって いく の を 感じ ながら 、 リドル を 見つめた 。 ||かんかく|||りょうあし||きょうふ||ひろがって||||かんじ||||みつめた ||sensation|||both feet||fear||spread|||||||| Harry stared at Riddle, feeling the spread of fear on his desensitized legs.

リドル は 一 対 の 高い 柱 の 間 で 立ち止まり 、 ずっと 上 の 方 に 、 半分 暗闇 に 覆われて いる スリザ リン の 石像 の 顔 を 見上げた 。 ||ひと|たい||たかい|はしら||あいだ||たちどまり||うえ||かた||はんぶん|くらやみ||おおわ れて|||りん||せきぞう||かお||みあげた |||||||||||||||||||||Slytherin||||||| ||one|pair|||pillar|||||||||||darkness||covered||Slytherin|Slytherin||statue|||| Riddle stopped between a pair of tall pillars and looked up all the way up to the face of a half-darkened stone statue of Slytherin. 横 に 大きく 口 を 開く と 、 シュー シュー と いう 音 が 漏れた 。 よこ||おおきく|くち||あく||しゅー|しゅー|||おと||もれた side|||||||||||||leaked When he opened his mouth wide, a hissing sound escaped. ハリー に は リドル が 何 を 言って い る の か わかった 。 |||||なん||いって||||| Harry understood what Riddle was saying.

『 スリザリン よ 。 'Slytherin.' ホグワーツ 四 強 の 中 で 最強の 者 よ 。 |よっ|きょう||なか||さいきょうの|もの| Hogwarts|four|strong||||strongest|person| Hogwarts, the strongest of the four. われ に 話した まえ 』 ハリー が 向き を 変えて 石像 を 見上げた 。 ||はなした||||むき||かえて|せきぞう||みあげた I||||||direction||changed|statue|| Speak to us. ”Harry turned around and looked up at the statue. フォークス も ハリー の 肩 の 上 で 揺れた 。 ||||かた||うえ||ゆれた ||||shoulder||||shook Forks also shook on Harry's shoulders.

スリザリン の 巨大な 石 の 顔 が 動いて いる 。 ||きょだいな|いし||かお||うごいて| |||||||moving| The enormous stone face of Slytherin is moving. 恐怖 に 打ちのめさ れ ながら 、 ハリー は 石像 の 口 が だんだん 広がって 行き 、 ついに 大きな 黒い 穴 に なる の を 見て いた 。 きょうふ||うちのめさ|||||せきぞう||くち|||ひろがって|いき||おおきな|くろい|あな|||||みて| fear||overwhelmed|||||statue|||||||finally||black||||||| Overcome with fear, Harry watched as the statue's mouth gradually widened, eventually becoming a large black hole.

何 か が 、 石像 の 口 の 中 で うごめいて いた 。 なん|||せきぞう||くち||なか||| |||||||||bewegte sich| |||||||||crawling| Something was writhing inside the mouth of the statue. 何 か が 、 奥 の 方 から ズルズル と 這い 出して きた 。 なん|||おく||かた||ずるずる||はい|だして| |||deep||direction||sliding||crawled|| Somehow, I crawl out from the back. ハリー は 「 秘密の 部屋 」 の 暗い 壁 に ぶつかる まで 、 あとずさり した 。 ||ひみつの|へや||くらい|かべ||||| |||||dark|wall||||backed up| Harry backed away until he hit the dark wall of the 'Chamber of Secrets.' 目 を 固く 閉じた とき 、 フォークス が 飛び立ち 、 翼 が 頬 を 擦る の を 感じた 。 め||かたく|とじた||||とびたち|つばさ||ほお||かする|||かんじた |||||||abflog|||||||| eye||firmly|closed||||took off|wing||cheek||rubbed||| When he tightly closed his eyes, he felt Fawkes take off, the wings brushing his cheek.

ハリー は 「 僕 を 一 人 に し ないで !」 と 叫び たかった 。 ||ぼく||ひと|じん|||||さけび| |||||||し|||screamed| Harry wanted to shout, 'Don't leave me alone!' しかし 、 蛇 の 王 の 前 で 、 不死鳥 に 勝ち 目 など ある だろう か ? |へび||おう||ぜん||ふしちょう||かち|め|||| |snake||king||||phoenix||defeated||||| But in front of the King of Snakes, is there any chance of winning the phoenix?

何 か 巨大な もの が 部屋 の 石 の 床 に 落ち 、 床 の 振動 が 伝わって きた 。 なん||きょだいな|||へや||いし||とこ||おち|とこ||しんどう||つたわって| |||||||stone||||fell|||vibration||conveyed| Something huge fell on the stone floor of the room, and the vibration of the floor was transmitted.

何 が 起こって いる の か ハリー に は わかって いた 。 なん||おこって|||||||| 感覚 で わかる 。 かんかく|| sensation|| You can understand it by feeling. 巨大な 蛇 が スリザリン の 口 から 出て きて 、 とぐろ を 解いて いる の が 目 に 見える ような 気 が した 。 きょだいな|へび||||くち||でて||||といて||||め||みえる||き|| |snake||||||||coil||uncoiling|||||||||| A giant snake came out of Slytherin's mouth, and I felt like I could see it unraveling. リドル の 低い シューッ と いう 声 が 聞こえて きた 。 ||ひくい||||こえ||きこえて| ||low|swoosh|||||| I heard Riddle's low swooshing voice.

「 あいつ を 殺せ 」 ||ころせ

バジリスク が ハリー に 近づいて くる 。 ||||ちかづいて| basilisk|||||

埃っぽい 床 を ズルッズルッ と ずっしり した 胴体 を 滑らせる 音 が 聞こえた 。 ほこり っぽい|とこ||||||どうたい||すべらせる|おと||きこえた |||rutschend||||||||| dusty|||sliding||heavily||body||sliding||| I heard the sound of a heavy body sliding along the dusty floor. ハリー は 目 を しっかり 閉じた まま へ 手 を 伸ばし 、 手探り で 横 に 走って 逃げよう と した 。 ||め|||とじた|||て||のばし|てさぐり||よこ||はしって|にげよう|| |||||||||||tastend||||||| Harry||||||||||stretched|groping||side||running|let's escape|| Harry, keeping his eyes tightly closed, reached out his hand and tried to escape by feeling his way to the side. リド ル の 笑う 声 が する ......。 |||わらう|こえ|| I can hear Riddle's laughing voice...

ハリー は 躓き 、 石 の 床 で したたかに 顔 を 打ち 、 ロ の 中 で 血 の 味 が した 。 ||つまずき|いし||とこ|||かお||うち|||なか||ち||あじ|| |||||||heftig|||||||||||| Harry||stumbled|||||hard|||hit|||||blood||taste|| Harry stumbled, struck his face on the stone floor, and tasted blood in the b. 毒 蛇 は すぐ そば まで 来て いる 。 どく|へび|||||きて| poison|snake|||||| The poisonous snake is coming very close.

近づく 昔 が 聞こえる 。 ちかづく|むかし||きこえる approach|long ago|| I can hear the old times approaching. ハリー の 真上 で 破裂 する ような シャーッシャーッ と いう 大きな 音 が し た 。 ||まこと じょう||はれつ||||||おおきな|おと||| ||direkt über|||||Schahr-Schahr||||||| ||right above||burst|||a loud noise||||||| There was a loud sound like a burst, shh shh, right above Harry.

何 か 重い もの が ハリー に ぶつかり 、 その 強烈な 衝撃 で ハリー は 壁 に 打ちつけられた 。 なん||おもい|||||||きょうれつな|しょうげき||||かべ||うちつけ られた ||||||||||||||||geschlagen ||heavy|||||hit||intense|shock||||wall||hit Something heavy slammed into Harry, and the forceful impact knocked him against the wall. 今にも 毒 牙 が 体 に ズブリ と 突き刺さる か と 覚悟 した とき 、 ハリー の 耳 に 狂った ような シュー シュー と いう 音 と 、 何 か が のた打ち 回って 、 柱 を 叩きつけて いる 音 が 聞こえた 。 いまにも|どく|きば||からだ||||つきささる|||かくご|||||みみ||くるった||しゅー|しゅー|||おと||なん|||のたうち|まわって|ちゅう||たたきつけて||おと||きこえた ||||||Zuburi|||||||||||||||||||||||sich wälzen|||||||| just about|poison|fang||||suddenly||pierced|||prepared|||||ear||crazy||shoe||||||something|||thrashing|rolling|pillar||slammed|||| When I was ready to pierce my body with poisonous fangs, I heard Harry's crazy swooshing sound and the sound of something slamming around and slamming the pillars.

もう 我慢 でき なかった 。 |がまん|| |patience|| I couldn't stand it anymore.

ハリー は できる だけ 細く 目 を 開け 、 何 が 起こって いる の か 見よう と した 。 ||||ほそく|め||あけ|なん||おこって||||みよう|| ||||as||||||was happening|||||| Harry opened his eyes as narrowly as he could and tried to see what was happening.

巨大な 蛇 だ 。 きょだいな|へび| giant|snake| テラテラ と 毒々しい 鮮緑 色 の 、 樫 の 木 の ように 太い 胴体 を 、 高々 と 宙 に くねら せ 、 その 巨大な 鎌 首 は 酔った ように 柱 と 柱 の 間 を 縫って 動き回って いた 。 ||どくどくしい|せんみどり|いろ||かし||き|||ふとい|どうたい||たかだか||ちゅう|||||きょだいな|かま|くび||よった||ちゅう||ちゅう||あいだ||ぬって|うごきまわって| glänzend|||frisches Grün|||||||||||||||||||||||||||||||| glossy||poisonous|vivid green|||oak||tree||||body||highく||air||twisted||||sickle|neck||drunk||pillar||pillar||||zigzagging|moving around| A terra terra and a poisonous bright green, oak-tree-thick torso, twisted high in the air, and its giant sickle neck sewn between pillars as if drunk. ハリー は 身震い し 、 蛇 が こちら を 見たら 、 すぐに 目 を つぶろう と 身構えた その とき 、 ハリー は いったい 何 が 蛇 の 気 を 逸ら せて いた の か を 見た 。 ||みぶるい||へび||||みたら||め||||みがまえた||||||なん||へび||き||はやら||||||みた ||||||||||||schließen|||||||||||||||||||| ||shudder||snake||||||||to close||prepared||||||||snake||||逸らす|||||| Harry shuddered, and when the snake looked at him, he immediately set himself to close his eyes, and Harry saw what was distracting the snake.

フォークス が 、 蛇 の 鎌 首 の 周り を 飛び回り 、 バジリスク は サーベル の ように 長く 鋭い 毒 牙 で 狂った ように 何度 も 空 を 噛んで いた 。 ||へび||かま|くび||まわり||とびまわり||||||ながく|するどい|どく|きば||くるった||なんど||から||かんで| ||||||||||||Säbel||||||||||||||| fox||||sickle|||||flying around|||saber||||sharp|poison|fang||crazy||||||biting| The phoenix was flying around the serpent's sickle-shaped head, while the basilisk was madly biting the air with its long, sharp, saber-like poisoned fangs over and over again.

フォークス が 急 降下 した 。 ||きゅう|こうか| Fawkes||sudden|descent| The phoenix made a steep dive. 長い 金色 の 嘴 が 何 か に ズブリ と 突き刺さり 、 急に 見え なく なった 。 ながい|きんいろ||くちばし||なん|||||つきささり|きゅうに|みえ|| ||||||||||eingestochen|||| |||beak|||||suddenly||pierced|suddenly||| Its long golden beak suddenly plunged into something and disappeared from sight. その 途端 、 どす黒い 血 が 吹き出し ボタボタ と 床 に 降り注いだ 。 |とたん|どすぐろい|ち||ふきだし|||とこ||ふりそそいだ |at that moment|pitch-black|||gushed|dripping||floor||poured down As soon as he did so, a gush of black blood came out and poured onto the floor. 毒 蛇 の 尾 が のたうち 、 あやうく ハリー を 打ち そうに なった 。 どく|へび||お||||||うち|そう に| |||||zappeln|beinahe||||| poison|snake||tail||thrashing|almost|||struck|| The tail of the poisonous snake was about to hit Harry.

ハリー が 目 を 閉じる 間 も なり 蛇 は こちら を 振り向いた 。 ||め||とじる|あいだ|||へび||||ふりむいた ||||closed||||snake||||turned around As Harry closed his eyes, the snake turned around. ハリー は 真 正面 から 蛇 の 頭 を ―― そ して 、 その 目 を 見た 。 ||まこと|しょうめん||へび||あたま|||||め||みた ||direct|directly||snake||||||||| Harry looked straight at the snake's head--and saw his eyes.

大きな 黄色い 球 の ような 目 は 、 両眼 と も 不死鳥 に 潰されて いた 。 おおきな|きいろい|たま|||め||りょうがん|||ふしちょう||つぶさ れて| big|yellow|ball|||||both eyes|||phoenix||crushed| The big yellow sphere-like eyes were crushed by phoenixes in both eyes. おびただしい 血 が 床 に 流れ 、 バジリスク は 苦 痚 に のたうち 回って いた 。 |ち||とこ||ながれ|||く||||まわって| numerous|||floor||flow|basilisk||pain|pain||writhing|rolling| Lots of blood spilled to the floor, and the basilisk was in pain.

「 違う !」 リドル が 叫ぶ 声 が 聞こえた 。 ちがう|||さけぶ|こえ||きこえた different|||screamed||| "No!" I heard Riddle screaming. 「 鳥 に かまう な ! ほって おけ ! 小僧 は 後ろ だ ! 匂い で わかる だろう ! 殺せ !」 ちょう||||||こぞう||うしろ||におい||||ころせ ||don't care about||leave|leave|boy||||smell|||| Don't bother with the bird! Leave it alone! The boy is behind! You can tell by the smell! Kill it!

盲目の 蛇 は 混乱 して 、 ふらふら して は いた が 、 まだ 危険だった 。 もうもくの|へび||こんらん||||||||きけんだった blind|||confusion||unsteadily||||||dangerous The blind snake was confused and swayed about, but it was still dangerous. フォークス が 蛇 の 頭上 を 輪 を 描き ながら 飛び 、 不思議な 旋律 を 歌い ながら バジリスク の 鱗 で 覆わ れた 鼻面 を あちこち 突 ついた 。 ||へび||ずじょう||りん||えがき||とび|ふしぎな|せんりつ||うたい||||うろこ||おおわ||はなづら|||つ| ||||above||circle||drawing||flew|mysterious|melody||||basilisk||scale||covered||snout|||touched| Forks flew above the snake, drawing circles while poking at the basilisk's scale-covered snout here and there, singing a mysterious melody.

バジリスク の 潰れた 目 から は 、 ドクドク と 血 が 流れ 続けて いた 。 ||つぶれた|め|||||ち||ながれ|つづけて| ||||||plätschern|||||| ||squashed||||gushing||||flowed|| From the crushed eye of the basilisk, blood kept flowing out. 「 助けて 。 たすけて help Help me. 助けて 。 たすけて Help me. 誰 か 、 誰 か !」 ハリー は 夢中で 口走った 。 だれ||だれ||||むちゅうで|くちばしった ||||||desperately|blurred "Someone, someone!" Harry exclaimed in a frenzy. バジリスク の 尾 が 、 また 大きく 一 振り して 床 の 上 を 掃いた 。 ||お|||おおきく|ひと|ふり||とこ||うえ||はいた |||||||||||||swepte ||tail|||||swing||||||swept The basilisk's tail swished again, sweeping across the floor. ハリー が 身 を かわした その とき 、 何 か 柔らかい もの が ハリー の 顔 に 当たった 。 ||み|||||なん||やわらかい|||||かお||あたった Harry||body||dodged|||||soft||||||| At that moment, when Harry dodged, something soft hit his face. バジリスク の 尾 が 、「 組 分け 帽子 」 を 吹き飛ばして ハリー の 腕 に 放って よこした のだ 。 ||お||くみ|わけ|ぼうし||ふきとばして|||うで||はなって|| ||tail||||||blew off|||arm||sent|sent| The basilisk's tail blew the 'Sorting Hat' away and tossed it at Harry's arm. ハリー は それ を しっかり つかんだ 。 ||||firmly|caught もう これ しか 残されて いない 。 |||のこさ れて| already||only|remained|not there 最後 の 頼みの綱 だ 。 さいご||たのみのつな| ||letzte Hoffnung| last||last hope| ハリー は 帽子 を ぐ いっと かぶり 、 床 に ぴったり と 身 を 促せた 。 ||ぼうし|||||とこ||||み||うなが せた |||||||||||||drücken ||||quickly||put on|floor||exactly||||prompted Harry put on his hat and urged him to fit snugly on the floor. その 頭上 を 掃く ように 、 バジリスク の 尾 が また 通り過ぎた 。 |ずじょう||はく||||お|||とおりすぎた |||fegen||||||| |above||sweeping|||||||passed The tail of the basilisk passed over his head like a sweep. 「 助けて ............ 助けて ......」 帽子 の 中 で しっかり と 目 を 閉じ 、 ハリー は 祈った 。 たすけて|たすけて|ぼうし||なか||||め||とじ|||いのった ||hat|||||||||||prayed 「 お 願い 、 助けて 」 |ねがい|たすけて

答え は なかった 。 こたえ|| しかし 、 誰 か の 見え ない 手 が ぎゅっと 絞った か の ように 、 帽子 が 縮んだ 。 |だれ|||みえ||て|||しぼった||||ぼうし||ちぢんだ ||||||hand||tight|squeezed||||hat||shrunk But the hat shrank, as if someone's invisible hand had squeezed tightly.

固くて ずしり と 重い もの が ハリー の 頭 の てっぺん に 落ちて きた 。 かたくて|||おもい|||||あたま||||おちて| firmly|heavily||heavy|||||||top||| A hard and heavy object fell on the top of Harry's head.

ハリー は 危うく ノックアウト さ れ そうに なり 、 目 から 火花 を 飛ばし ながら 、 ||あやうく|のっくあうと|||そう に||め||ひばな||とばし| |||Knockout|||||||||| ||almost|knockout|||||||sparks||sparking| Harry was almost knocked out, fluttering sparks from his eyes,

帽子 の てっぺん を つかんで ぐ いっと 脱いだ 。 ぼうし|||||||ぬいだ hat||top||grabbed|||took off I grabbed the top of the hat and pulled it off forcefully.

何 か 長くて 固い もの が 手 に 触れた 。 なん||ながくて|かたい|||て||ふれた ||long|hard|||||touched Something long and hard touched my hand.

帽子 の 中 から 、 眩 い 光 を 放つ 銀 の 剣 が 出て きた 。 ぼうし||なか||くら||ひかり||はなつ|ぎん||けん||でて| hat||||dazzling||||emitted|silver||sword||| A silver sword shining with dazzling light emerged from inside the hat. 柄 に は 卵 ほど も ある ルビー が 輝いて いる 。 え|||たまご||||るびー||かがやいて| handle|locative particle||egg||||ruby||shining| A ruby, which is as big as an egg, is shining on the handle.

「 小童 を 殺せ ! 鳥 に かまう な ! 小童 は すぐ 後ろ だ ! 匂い だ ―― 嗅ぎ 出せ !」 しょう わらべ||ころせ|ちょう||||しょう わらべ|||うしろ||におい||かぎ|だせ Bub||||||||||||||| child|||||pay attention to||child|||||smell||smell|scent "Kill the little child! Don't give a bird! The little child is right behind! It smells--Smell it!"

ハリー は すっくと 立って 身構えた 。 |||たって|みがまえた ||aufrecht|| ||suddenly||prepared Harry stood tall and braced himself. バジリスク は 胴体 を ハリー の 方 に 捻り ながら 柱 を 叩き つ け 、 とぐろ を くねら せ ながら 鎌 首 を もたげた 。 ||どうたい||||かた||ねじり||はしら||たたき||||||||かま|くび|| ||||||||drehen|||||||||||||||erhob ||body||||||twisted||pillar|||||coil||twisted|||sickle|head||raised The basilisk twisted its body towards Harry while striking the pillars, curling its coils and raising its head.

バジリスク の 頭 が ハリー 目がけて 落ちて くる 。 ||あたま|||めがけて|おちて| |||||at|falling| The head of the basilisk was coming down towards Harry.

巨大な 両眼 から 血 を 流して いる の が 見える 。 きょだいな|りょうがん||ち||ながして||||みえる huge|both eyes||||flowing|||| You can see that blood is flowing from its huge, dual eyes.

丸ごと ハリー を 飲み込む ほど 大きく 口 を カツ と 開けて いる の が 見える 。 まるごと|||のみこむ||おおきく|くち||かつ||あけて||||みえる whole|||swallow|||||snap||opened|||| You can see its mouth opening wide enough to swallow Harry whole. ずらり と 並んだ 、 ハ リー の 剣 ほど 長い 鋭い 牙 が 、 ヌメヌメ と 毒々しく 光って ......。 ||ならんだ||||けん||ながい|するどい|きば||||どくどくしく|ひかって in a row||lined up||||sword|||sharp|fang||slimy||poisonously|glowing A row of sharp fangs, as long as Harry's sword, gleams slick and poisonous...

バジリスク が やみくもに ハリー に 襲いかかって きた 。 |||||おそいかかって| ||recklessly|||attacked| The Basilisk recklessly attacked Harry. ハリー は 危うく かわし 、 蛇 は 壁 に ぶつかった 。 ||あやうく||へび||かべ|| ||almost|avoided|snake||wall|| Harry barely dodged, and the snake crashed into the wall. 再び 襲って きた 。 ふたたび|おそって| again|attacked| It attacked again. 今度 は 、 裂けた 舌 先 が ハリー の 脇腹 に 打ち 当たった 。 こんど||さけた|した|さき||||わきばら||うち|あたった ||torn|tongue|tip||Harry||side||hit|hit This time, the split tongue tip hit Harry's side.

ハリー は 諸手 で 剣 を 、 高々 と 掲げた 。 ||もろて||けん||たかだか||かかげた ||mit beiden Händen|||||| ||both hands||sword||highく||raised Harry raised the sword high with both hands. 三 度 目 の 攻撃 は 、 狙い 違わ ず 、 まともに ハリー を 捉え て いた 。 みっ|たび|め||こうげき||ねらい|ちがわ|||||とらえ|| three||||attack||aim|did not miss||directly|||captured||was hitting The third attack hit Harry accurately, without missing the target.

ハリー は 全体 量 を 剣 に 乗せ 、 剣 の 鍔 まで 届く ほど 深く 、 毒 蛇 の 口 蓋 に ズブリ と 突き刺した 。 ||ぜんたい|りょう||けん||のせ|けん||つば||とどく||ふかく|どく|へび||こう|がい||||つきさした ||whole|amount||||placed|sword||guard||reached||deeply|poison|snake||mouth|lid||deeply||stabbed Harry put the whole amount on the sword, deep enough to reach the brim of the sword, and pierced the snake's mouth with a stab.

生暖かい 血 が ハリー の 両腕 を どっぷり と 濡らした とき 、 肘 の すぐ 上 に 焼けつく ような 痚 み が 走った 。 なまあたたかい|ち||||りょううで||||ぬらした||ひじ|||うえ||やけつく|||||はしった lukewarm|||||both arms||thoroughly||soaked||elbow|||||burning||pain||| When Harry's arms were drenched with warm blood, a burning sensation ran through his body just above the elbow. 長い 毒 牙 が 一 本 ハリー の 腕 に 突き刺さり 、 徐々に 深く 食い込んで 行く ところ だった 。 ながい|どく|きば||ひと|ほん|||うで||つきささり|じょじょに|ふかく|くいこんで|いく|| |poison|fang||||||arm||pierced|gradually|deeply|digging in||| A long poisonous fang pierced Harry's arm, gradually and deeply digging into it. 毒 牙 の 破片 を ハリー の 腕 に 残した まま 牙 が 折れ 、 バジリスク は ドッと 横 様 に 床 に 倒れ 、 ヒクヒク と 痙攣 した 。 どく|きば||はへん||||うで||のこした||きば||おれ|||どっと|よこ|さま||とこ||たおれ|||けいれん| poison|fang||fragment||||arm||remained||fang||broke|basilisk||suddenly||side||floor||fell|twitching||twitching| The fangs broke off, leaving pieces embedded in Harry's arm, and the basilisk collapsed heavily onto the floor, convulsing.

ハリー は 壁 に もたれた まま 、 ズルズル と 崩れ落ちた 。 ||かべ||もた れた||ずるずる||くずれおちた ||||lehnte sich|||| ||wall||leaned||sliding||collapsed Harry slumped down while leaning against the wall. 体中 に 毒 を 撒き散らして いる 牙 を しっかり つかみ 、 力 の かぎり ぐ いっと 引き抜いた 。 たいちゅう||どく||まきちらして||きば||||ちから|||||ひきぬいた ||||verstreuen||||||||||| throughout||poison||scattering||fang|||grasp|||limit|||pulled out He firmly grasped the fangs that were spreading poison all over his body and pulled them out with all his might.

しかし 、 もう 遅 過ぎる こと は わかって いた 。 ||おそ|すぎる|||| ||late|too late|||| 傷口 から ズキズキ と 、 灼熱 の 痚 み が ゆっくり 、 しかし 確実に 広がって いった 。 きずぐち||||しゃくねつ|||||||かくじつに|ひろがって| wound||throbbing||burning||pain|||slowly|but|surely||went The pain from the wound throbbed sharply, and the burning agony slowly but surely spread.

牙 を 捨て 、 ローブ が 自分 の 血 で 染まって いく の を 見つめた とき から 、 もう ハリー の 目 は 霞 み はじめて いた 。 きば||すて|||じぶん||ち||そまって||||みつめた||||||め||かすみ||| fang||discard|robe||||||stained||||||||||||mist||| Since the moment I discarded my fangs and stared at my robe being stained with my own blood, Harry's eyes had already begun to blur.

「 秘密の 部屋 」 が ぼんやり した 暗 色 の 渦 の 中 に 消え去り つつ あった 。 ひみつの|へや||||あん|いろ||うず||なか||きえさり|| |||vaguely||dark|||whirlpool||||disappearing|while| The 'Chamber of Secrets' was fading away into a vague dark whirlpool. 真 紅 の 影 が スッ と 横切った 。 しん|こう||かげ||||よこぎった true|deep red||shadow||suddenly||crossed A crimson shadow crossed quickly. そして ハリー の 傍ら で カタカタ と 静かな 爪 音 が 聞こえた 。 |||かたわら||かたかた||しずかな|つめ|おと||きこえた |||beside||clicking||quiet|claw||| And beside Harry, a quiet clicking sound of claws could be heard. 「 フォークス 」 ハリー は もつれる 舌 で 呟いた 。 ||||した||つぶやいた |||verwickelt||| Fox|||tangled|tongue||muttered "Fawkes," Harry murmured with a tangled tongue. 「 君 は すばらしかった よ 、 フォークス 」 きみ|||| ||wonderful|| "You were wonderful, Fawkes."

毒 蛇 の 牙 が 貫いた 腕 の 傷 に 、 フォークス が その 美しい 頭 を 預ける の を ハリー は 感じた 。 どく|へび||きば||つらぬいた|うで||きず|||||うつくしい|あたま||あずける|||||かんじた poison|snake||||pierced|arm||wound|||||beautiful|head||rested||||| Harry felt Fawkes resting its beautiful head on the wound in his arm that was pierced by the poisonous snake's fang.

足音 が 響く の が 聞こえ 、 ハリー の 前 に 暗い 影 が 立った 。 あしおと||ひびく|||きこえ|||ぜん||くらい|かげ||たった ||echoes||||||||dark|shadow|| He heard footsteps echoing, and a dark shadow stood before Harry.

「 ハリー ・ ポッター 、 君 は 死んだ 」 上 の 万 から リドル の 声 が した 。 ||きみ||しんだ|うえ||よろず||||こえ|| ||||died||||||||| "Harry Potter, you are dead," came the voice of Riddle from above.

「 死んだ 。 しんだ ダンブルドア の 鳥 に さえ それ が わかる らしい 。 ||ちょう|||||| Dumbledore||||||||seems Even the birds of Dumbledore seem to know it. 鳥 が 何 を して いる か 、 見える かい 泣いて いる よ 」 ちょう||なん|||||みえる||ないて|| |||||||can see||||you You can see what the bird is doing, you're crying. "

ハリー は 瞬き した 。 ||まばたき| ||blink| Harry blinked. フォークス の 頭 が 一瞬 はっきり 見え 、 すぐ また ぼやけた 。 ||あたま||いっしゅん||みえ||| Fox||||a moment||saw|||blurred 真珠 の ような 涙 が ポロポロ と 、 その つや や かな 羽毛 を 伝って 滴り 落ちて いた 。 しんじゅ|||なみだ||ぽろぽろ||||||うもう||つたって|したたり|おちて| pearl|||||dripping|||luster|||feathers||along|dripping|dripped| Tears like pearls were dripping down, glistening on the soft feathers.

「 ハリー ・ ポッター 、 僕 は ここ に 座って 、 君 の 臨終 を 見物 さ せて もらおう 。 ||ぼく||||すわって|きみ||りんじゅう||けんぶつ||| ||I||||sitting|||death||watch||| "Harry Potter, I will sit here and watch your demise." ゆっくり やって れ 。 slowly||please Take your time. 僕 は 急ぎ は し ない 」 ぼく||いそぎ||| ||will not hurry|||

ハリー は 眠かった 。 ||ねむかった Harry||sleepy Harry was sleepy. 周り の もの が すべて クルクル と 回って いる ようだった 。 まわり|||||くるくる||まわって|| |||||quickly||turning|| 「 これ で 有名な ハリー ・ ポッター も おしまい だ 」 遠く の 方 で リドル の 声 が する 。 ||ゆうめいな||||||とおく||かた||||こえ|| ||famous||||||far||||||||

「 たった 一 人 、『 秘密の 部屋 』 で 、 友人 に も 見捨てられ 、 愚かに も 挑戦 した 闇 の 帝王 に 、 遂 に 敗北 して 。 |ひと|じん|ひみつの|へや||ゆうじん|||みすて られ|おろかに||ちょうせん||やみ||ていおう||すい||はいぼく| ||Person|||||||verlassen|dumm||||||||schließlich||| ||||||friend|||abandoned|foolishly||challenge||||king||finally||defeat|defeated "Only one person, in the'Secret Room', was finally defeated by the Emperor of Darkness, who was abandoned by his friends and foolishly challenged. もう すぐ 、『 穣 れた 血 』 の 恋しい 母親 の 元 に 戻れる よ 、 ハリー ......。 ||みのる||ち||こいしい|ははおや||もと||もどれる|| ||harvest||||dear|mother||||can return|| Soon, I'll be back to my missed mother in "Blood Blood", Harry ... 君 の 命 を 、 十二 年 延ばした だけ だった 母親 に ...... しかし 、 ヴォルデモート 卿 は 結局 君 の 息の根 を 止めた 。 きみ||いのち||じゅうに|とし|のばした|||ははおや||||きょう||けっきょく|きみ||いきのね||とどめた ||||||verlängert|||||||||||||| ||||||prolonged|||mother||||lord||after all|||breath||stopped It was just twelve years that your mother extended your life... However, Lord Voldemort ultimately put an end to your breath. そう なる こと は 、 君 も わかって いた はずだ 」 ||||きみ|||| You must have understood that this would happen as well.

―― これ が 死ぬ と いう こと なら 、 あんまり 悪く ない ―― ハリー は 思った 。 ||しぬ||||||わるく||||おもった this||to die||||if|||||| ―― If this is what it means to die, it's not so bad ―― Harry thought. 痚 み さえ 薄らいで いく ...... |||うすらいで| |||verblasst| sickness|||fading| Even the itch is fading ...

しかし 、 これ が 死ぬ と いう こと な の か ? 真っ暗闇に なる どころ か 、『 秘密の 部屋 』 が また はっきり と 見え 出した 。 |||しぬ|||||||まっくらやみに||||ひみつの|へや|||||みえ|だした ||||||||||pitch darkness||locative particle|||||again|||could be seen|started But does this mean that he will die? Far from being pitch black, the "secret room" is clearly visible again.

ハリー は 頭 を プルプル ッと 振って みた 。 ||あたま|||ッ と|ふって| ||||shaking|quotation particle|shook| Harry shook his head.

フォークス が そこ に いた 。 ハリー の 腕 に その 頭 を 休めた まま だ 。 ||うで|||あたま||やすめた|| |||||||ruhen|| ||arm|||||rested||

傷口 の 周り が 、 ぐるり と 真珠 の ような 涙 で 覆われて いた ―― しかも 、 その 傷 さえ 消えて い る 。 きずぐち||まわり||||しんじゅ|||なみだ||おおわ れて||||きず||きえて|| wound||||around||pearl|||tear||covered||moreover||wound|||| The area around the wound was covered with tears like pearls-and even the wound had disappeared. 「 鳥 め 、 どけ 」 突然 リドル の 声 が した 。 ちょう|||とつぜん|||こえ|| bird||get out of the way|suddenly||||| Bird, get out of the way! Suddenly, I heard Riddle's voice.

「 そいつ から 離れろ 。 そい つ||はなれろ ||離れろ Stay away from him. 聞こえ ない の か 。 きこえ||| どけ !」 move

ハリー が 頭 を 起こす と 、 リドル が ハリー の 杖 を フォークス に 向けて いた 。 ||あたま||おこす||||||つえ||||むけて| Harry||||lift|when||||||||||

鉄砲 の ような バーン と いう 音 が して 、 フォークス は 金色 と 真 紅 の 輪 を 描き ながら 、 再び 舞い 上がった 。 てっぽう||||||おと|||||きんいろ||まこと|くれない||りん||えがき||ふたたび|まい|あがった gun|||bang||||||||||real|deep red||ring||traced||again|danced|rose With the sound of a scissor-like burn, Forks soared again, drawing a ring of gold and crimson.

「 不死鳥 の 涙 ......」 リドル が 、 ハリー の 腕 を じっと 見つめ ながら 低い 声 で 言った 。 ふしちょう||なみだ|||||うで|||みつめ||ひくい|こえ||いった phoenix||tears|||||arm|||||low||| 「 そうだ ...... 癒し の 力 ...... 忘れて いた ......」 リドル は ハリー の 顔 を じっと 見た 。 そう だ|いやし||ちから|わすれて||||||かお|||みた |healing|||||||||||fixedly|

「 しかし 、 結果 は 同じだ 。 |けっか||おなじだ |result|| むしろ この 方 が いい 。 ||かた|| rather|||| 一 対 一 だ 。 ひと|たい|ひと| one|pair||is One on one. ハリー ・ ポッター ...... 二 人 だけ の 勝負 だ ......」 リドル が 杖 を 振り上げた 。 ||ふた|じん|||しょうぶ||||つえ||ふりあげた ||||||duel||||||raised

激しい 羽音 と ともに 、 フォークス が 頭上 に 舞い戻って 、 ハリー の 膝 に 何 か を ポトリ と 落とし た ―― 日記 だ 。 はげしい|はおと|||||ずじょう||まいもどって|||ひざ||なん|||||おとし||にっき| ||||||||zurückflog||||||||||||| heavy|wingbeat|||||above||returned|||knee|||||dropped||||| Along with the violent humming, Forks flew back overhead and dropped something on Harry's lap--a diary.

ほんの 一瞬 、 ハリー も 杖 を 振り上げた まま の リドル も 、 日記 を 見つめた 。 |いっしゅん|||つえ||ふりあげた|||||にっき||みつめた just|a moment|||||raised||||||| For just a moment, both Harry and Riddle, who had his wand raised, stared at the diary.

そして 、 何も 考え ず 、 ためらい も せず 、 まるで 初め から そう する つもりだった か の ように 、 ハリー は そば に 落ちて いた バジリスク の 牙 を つかみ 、 日記 帳 の 真芯 に ズブリ と 突き 立てた 。 |なにも|かんがえ||||せ ず||はじめ||||||||||||おちて||||きば|||にっき|ちょう||ま しん||||つき|たてた ||||||||||||||||||||||||||||||Mitte||||| ||||hesitation||||beginning||||intended||||||||||||fang||grabbed|diary|notebook||center||plunged||stabbed|stuck And without thinking at all, without hesitation, as if it had been his intention from the very beginning, Harry grabbed the basilisk fang that had fallen nearby and plunged it straight into the heart of the diary.

恐ろしい 、 耳 を つんざく ような 悲鳴 が 長々 と 響いた 。 おそろしい|みみ||||ひめい||ながなが||ひびいた terrible|ear||pierce||scream||for a long time||echoed A horrific, ear-piercing scream echoed out for a long time. 日記帳 から インク が 激流 の ように ほ と ば しり 、 ハリー の 手 の 上 を 流れ 、 床 を 浸した 。 にっき ちょう||いんく||げきりゅう|||||||||て||うえ||ながれ|とこ||ひたした Tagebuch||||||||||||||||||||nass gemacht notebook||||torrent|||sprinkled|||spilled|||||||flow|floor||soaked Ink spilled from the diary like a torrent, flowing over Harry's hands and immersing the floor. リドル は 身 を 振り 、 悶え 、 悲鳴 を あげ ながら のたうち 回って ...... 消えた 。 ||み||ふり|もだえ|ひめい|||||まわって|きえた riddle||||shook|squirmed|scream||||writhing|around|disappeared Riddle thrashed about, writhing and screaming... and then disappeared.