プリン の しお かげん
むかし むかし 、 アメリカ の いなか まち に 、 プリン づくり の じょうずな シンプソン おばさん が いました 。 シンプソン おばさん は ひ を おこす と 、 プリン を コンロ に かけました 。 「 あと は 、 やきあがる の を まつ だけ ね 。
・・・ そう そう 。
お きゃく さま が みえる のだ から 、 この あいだ に お そうじ を しましょう 」 シンプソン おばさん は 、 まど を ふいたり ゆか を はいたり と おおいそがしです 。 しばらく して シンプソン おばさん は 、 ある こと を おもいだしました 。 「 いけない 。
プリン づくり に だいじな しお を いれ わすれた わ ! シンプソン おばさん の プリン が おいしい ひみつ は 、 ほんの ちょっぴり かくし あじ と して い れる しお です 。
あまい プリン に 、 しお を いれる の ?
と 、 おもう かも しれません が 、 これ が ない と プリン が おいしく できません 。 シンプソン おばさん は プリン に しお を いれよう と して 、 じぶん の て が よごれて いる の に きづきました 。 「 あら 、 お そうじ で て が まっくろ ね 。
・・・ そう だ 、 ちょうじょ の スウ に たのみましょう 」 シンプソン おばさん に は 、 さん にん の むすめ が いました 。 いちばん うえ が 、「 スウ 」
に ばん め が 、「 セイリイ 」
さん ばん め が 、「 リル 」 です 。
シンプソン おばさん は 、 じぶん の へや に いる スウ に たのみます 。 「 スウ 。
プリン に しお を いれて おくれ 。 わたし の て は 、 まっくろだ から 」
「 だめ よ 、 お かあさん 。
あたし 、 パーティー できる ふく を ぬって いる の 」
「 そう 。
・・・ じゃあ セイリイ 、 お ねがい だ から プリン に しお を いれて 」
「 だめ 。
リル に さ せて よ 。 あたし いま 、 パーティー に はく クツ に あぶら を ぬって いる んだ から 」
「 そう 。
・・・ じゃあ リル 、 お ねがい だ から プリン に しお を いれて ね 」
「 あたし も だめ 。
いま 、 おきにいり の リボン を さがして いる の 。
パーティー に は あの リボン を つける と 、 まえ から きめて いる の 」
みんな に ことわられて 、 シンプソン おばさん は がっかり です 。 「 やれやれ 。
じぶん で いれる しか ない の ね 」
シンプソン おばさん は て を あらう と 、 じぶん で プリン に しお を いれました 。 リル が でて いった あと 、 クツ に あぶら を ぬり おわった セイリイ が だいどころ に やってきて 、
プリン に ひとつまみ の しお を いれました 。 ふく を ぬいあげた スウ も だいどころ に やってきて 、 プリン に ひとつまみ の しお を いれました 。 こうして シンプソン おばさん の プリン は 、 とても しおからく なって しまいました 。 「 さあ 、 お まち ど お さま 。
まずは 、 しんぷ さん から どうぞ 」
「 はい 、 ありがとう ございます 。
こんなに おいしい プリン が たべられる の は 、 かみさま の おかげ です 」 しんぷ さん は くち を おおきく あける と 、 パクリ と プリン を たべました 。 すると 、 その とたん 、
「 ウヒャァー !
と 、 しんぷ さん は 、 すぐに み ず の は いった コップ に とびつきました 。 みんな は なに が おこった の か わから ず 、 ポカーン と して います 。 「 これ は 、 どういう こと かしら ?
シンプソン おばさん は プリン の あじみ を して 、 すぐに げんいん が わかりました 。 「 からい !
この プリン に しお を いれた の は 、 いったい だれ な の ? 「 わたし よ 」
と 、 スウ が いいました 。 「 あら 、 わたし も いれた わ 」
と 、 セイリイ も いいました 。 「 わたし も !
と 、 さいごに リル も いいました 。 「 お やおや 。
でも これ で 、 プリン は し お かげん が だいじ だって いう こと が わかった でしょう 」
「 は ー い 」
シンプソン おばさん の ことば に はんたい する ひと は 、 だれ も いま せ ん でした 。