三 姉妹 探偵 団 (2) Chapter 14 (2)
── 綾子 は 、 席 を 立って 、 自動 販売 機 の 方 へ 歩いて 行った 。
紙 コップ を 手 に 席 に 戻って 、 また 残った サンドイッチ を 食べ 始める 。
「 キャーッ !
と 、 女子 学生 の 悲鳴 が 響きわたった 。
さすが に 綾子 も びっくり した 。
さては 殺人 事件 ? ── 反射 的に そう 思った の は 、 夕 里子 の 影響 が 出て いる の かも しれ ない 。
「 猫 じゃ ない の 、 ただ の 」
と 、 他の 子 の 声 が して 、 驚いて 席 を 立って いた 周囲 の 学生 たち が 、 ホッと した ように 笑った 。
「 だって 、 私 、 猫 、 嫌いな んだ もん !
と 、 悲鳴 を 上げた 女の子 が 、 ふてくされた 様子 で 言った 。
綾子 は 床 の 方 へ 目 を やった 。
── 黒白 の ブチ の 子 猫 が 、 赤い リボン など つけて 、 チョコ チョコ と 歩いて 来る 。
「 ワア 、 可愛い !
「 どこ から 来た の かしら 」
「 リボン つけて る から 、 誰 か が 飼って る んだ わ 」
色々 と 声 が 飛び交う 。
── その子 猫 、 なぜ か 、 綾子 の 足下 まで 来る と 、 ピタリ と 止って 、 ニャーオ 、 と 、 まだ 舌足らずな 鳴き声 を 上げた 。
「 あら 、 何 か ほしい の ?
「 ニャーオ 」
きっと 、 頼ま れる と 断り切れ ない と いう 綾子 の 性質 を 、 子 猫 の 方 でも 、 見抜いて いた の かも しれ ない 。
「 でも 、 サンドイッチ しか ない の よ 。
これ 、 食べる ? 「 ニャオ 」
と いう わけで 、 綾子 は 、 もう 一 つ 残って いた サンドイッチパン と ハム を 少し ちぎって 、 子 猫 の 方 へ 差し出した 。
子 猫 は 、 喜んで 食いつく ように して 、 アッという間 に 食べて しまった 。
「 よっぽど お腹 が 空いて た の ね 」
と 、 綾子 は 微笑んで 言った 。
そして 、 紅茶 を 飲む 。
── 他の 子 の 声 が した 。
「 あら 、 どうした の かしら ?
何だか 変 よ 」
え ?
── 綾子 は 、 足下 へ 目 を やった 。
そして 、 青く なった 。
あの 子 猫 が 、 床 を のたうち 回る ように して 転げ 回って いる 。 苦しげで 、 手足 が 宙 を 空しく かいて いた 。
何 か ── 何 か 入って た んだ !
綾子 は 椅子 を けって 立ち上る と 、 かがみ 込んで 、 子 猫 を かかえ 上げた 。
そして 、 食堂 の カウンター の 方 へ と 駆け出し ながら 、
「 一一九 番 !
救急 車 を 呼んで ! 誰 か 、 救急 車 を ! と 叫んで いた 。