吉崎 の 嫁 おどし よしざき||よめ| Yoshizaki's Wife

吉崎 の 嫁 おどし よしざき||よめ| Yoshizaki's Bride Intimidation

むかし むかし 、 吉崎 ( よ しざ き ) に 蓮 如 上人 ( れ ん にょう しょうにん ) の お 寺 が あり ました 。 ||よしざき|||||はす|ごと|しょうにん|||||||てら||| Once upon a time, there was a temple of Rennyo Shonin in Yoshizaki. そして その 近く の 二 俣 ( ふた また ) と いう 村 に 、 与 三 次 ( よ さ じ ) と いう 若者 と 母親 が 住んで い ました 。 ||ちかく||ふた|また|||||むら||あずか|みっ|つぎ||||||わかもの||ははおや||すんで||

ある 日 の 事 、 この 与 三 次 の 家 に 、 やさしい 働き者 の 嫁 さん が 来 ました 。 |ひ||こと||あずか|みっ|つぎ||いえ|||はたらきもの||よめ|||らい| 嫁 さん は 蓮 如 上人 の 教え を うけて 、 毎日 、 吉崎 御坊 ( よ しざ きご ぼう ) へ お参り に 通って い ました 。 よめ|||はす|ごと|しょうにん||おしえ|||まいにち|よしざき|ごぼう||||||おまいり||かよって|| その うち 与 三 次 も 、 嫁 さん と 二 人 仲よく 吉崎 御坊 に 通う ように なり ました 。 ||あずか|みっ|つぎ||よめ|||ふた|じん|なかよく|よしざき|ごぼう||かよう||| ところが 母親 は 信心 ( しんじん → 神 や 仏 を 思う 気持ち ) の ない 人 だった ので 、 おもしろく あり ませ ん 。 |ははおや||しんじん||かみ||ふつ||おもう|きもち|||じん|||||| 嫁 さん が 、 母親 に 信心 を すすめる と 、 「 ふん ！ よめ|||ははおや||しんじん|||| なに を 言って いる ん だい 。 ||いって||| 信心 した って 、 腹 は ふくれ ない よ ！ しんじん|||はら|||| そんな ひま が あったら 、 もっと 働き ！ |||||はたらき だいたい 、 お前 と いう 嫁 は ・・・」 と 、 母親 は 嫁 さん を いじる のでした 。 |おまえ|||よめ|||ははおや||よめ||||

ある 日 、 与 三 次 は 急な 用事 が 出来て 、 吉崎 御坊 へ 行け なく なり ました 。 |ひ|あずか|みっ|つぎ||きゅうな|ようじ||できて|よしざき|ごぼう||いけ||| 嫁 さん は 仕方なく 、 一 人 で 吉崎 御坊 へ お参り に 行き ました 。 よめ|||しかたなく|ひと|じん||よしざき|ごぼう||おまいり||いき| 嫁 さん が 、 まっ 暗 な 夜道 を 一 人 で 帰って き ます と 、 家 の 近く の 竹やぶ から 突然 鬼 が 現われ ました 。 よめ||||あん||よみち||ひと|じん||かえって||||いえ||ちかく||たけやぶ||とつぜん|おに||あらわれ| 「 こら ！ 毎晩 親 を ないがしろに して 、 吉崎 御坊 へ 通う と は 何事 じゃ ！ まいばん|おや||||よしざき|ごぼう||かよう|||なにごと| 」 　 嫁 さん は ビックリ し ました が 、 すぐ に いのり ました 。 よめ|||びっくり||||||| 「 蓮 如 上人 さま 、 どうぞ お 助け ください 」 　 すると 不思議な こと に 、 鬼 は ピクリ と も 動か なく なって しまい ました 。 はす|ごと|しょうにん||||たすけ|||ふしぎな|||おに||ぴくり|||うごか|||| 「 蓮 如 上人 さま 、 ありがとう ございます 」 　 嫁 さん は 急いで 家 に かけ 込み ました が 、 家 に 帰って みる と 母親 の 姿 が あり ませ ん 。 はす|ごと|しょうにん||||よめ|||いそいで|いえ|||こみ|||いえ||かえって|||ははおや||すがた|||| 「 もし かして 鬼 が 、 お 母 さま を 」 　 母親 が 鬼 に おそわ れた と 思い 、 嫁 は 母親 を 助けよう と 家 を 飛び出そう と し ました 。 ||おに|||はは|||ははおや||おに|||||おもい|よめ||ははおや||たすけよう||いえ||とびだそう||| すると ちょうど 与 三 次 が 帰って きた ので 、 く 二 人 は さっき 鬼 が 出た ところ まで 行って み ました 。 ||あずか|みっ|つぎ||かえって||||ふた|じん|||おに||でた|||おこなって|| すると 母親 が 、 鬼 の 面 を かぶって 泣いて いる で は あり ませ ん か 。 |ははおや||おに||おもて|||ないて||||||| 「 お 母 さま 、 大丈夫です か 」 「 母さん 、 そこ で 何 を して いる んだ 」 　 二 人 が わけ を 聞く と 、 母親 は 嫁 が 吉崎 御坊 へ 行き た がら ない ように と 、 鬼 の 面 を かぶって おどかした そうです 。 |はは||だいじょうぶです||かあさん|||なん|||||ふた|じん||||きく||ははおや||よめ||よしざき|ごぼう||いき||||||おに||おもて|||おど か した|そう です ところが どうした わけ か 、 母親 の 顔 から 鬼 の 面 が 取れ なく なって しまった のです 。 ||||ははおや||かお||おに||おもて||とれ|||| 二 人 は 母親 を 吉崎 御坊 へ 連れて 行って 、 阿弥陀 ( あみだ ) さま に 一生懸命 おい のり を し ました 。 ふた|じん||ははおや||よしざき|ごぼう||つれて|おこなって|あみだ||||いっしょうけんめい||||| 「 どうか 、 お 母 さま を お 助け ください 」 「 母さん も 反省 して い ます 。 ||はは||||たすけ||かあさん||はんせい||| どうか お 助け ください 」 　 すると 今 まで びくとも し なかった 面 が 、 ポロリ と はずれた のです 。 ||たすけ|||いま|||||おもて||||| それ から は 母親 も 心 を 入れかえて 、 三 人 は 仲良く 吉崎 御坊 へ 通った と いう 事 です 。 |||ははおや||こころ||いれかえて|みっ|じん||なかよく|よしざき|ごぼう||かよった|||こと|

おしまい