うり 子 姫
|こ|ひめ
Prinzessin Uriko
woman peddler in Kyoto from Ohara (typically with a bundle of sticks, etc.)
Princesse Uriko
乌里科公主
うり 子 姫
|こ|ひめ
Uriko Hime
むかし むかし 、 ある ところ に 、 子ども の いない お じいさん と おばあ さん が 住んで い ました 。
|||||こども|||||||||すんで||
Once upon a time, there lived an old man and an old woman who had no children.
ある 日 の 事 、 おばあ さん が 川 へ 洗濯 に 行く と 、 ドンブラコ 、 ドンブラコ と 大きな うり が 流れて き ます 。
|ひ||こと||||かわ||せんたく||いく|||||おおきな|||ながれて||
|||||||||||||big pumpkin||||||||
One day, when the old woman went to the river to wash clothes, a big melon came floating by, making a sound like 'donburako, donburako.'
「 おや おや 、 何て 大きな うり でしょう 。
||なんて|おおきな||
"Oh my, what a big melon!"
家 へ 持って 帰って 、 お じいさん と 二 人 で 食 ベ ましょう 」 おばあ さん は うり を 拾い 上げる と 、 家 へ 持って 帰り ました 。
いえ||もって|かえって||||ふた|じん||しょく||||||||ひろい|あげる||いえ||もって|かえり|
Let's take it home and eat it together with grandpa.” The grandmother picked up the melon and took it home.
うり が 大 好物 なお じいさん は 、 おばあ さん が 持って 帰った うり を 見て 大喜びです 。
||だい|こうぶつ|||||||もって|かえった|||みて|おおよろこびです
Grandpa, who loves melons, was overjoyed when he saw the melon that grandmother brought back.
「 こんなに 大きな うり は 、 初めて 見た 。
|おおきな|||はじめて|みた
I have never seen such a big melon before.
・・・ よし 、 わし が 切って やろう 」 お じいさん が 包丁 ( ほうちょう ) を 振り 上げる と 、 うり は ひとりでに パカッ と 割れて 、 中 から 可愛らしい 女の子 が 飛び出して き ました 。
|||きって|||||ほうちょう|||ふり|あげる|||||||われて|なか||かわいらしい|おんなのこ||とびだして||
|||||||||||||||||with a pop||||||||||
"... Alright, I'll cut it," the old man said as he raised the kitchen knife. Suddenly, the gourd split open on its own with a "crack," and a cute little girl jumped out from inside.
「 おや ?
Oh?
」 「 まあ !
Well!
」 子ども の いない お じいさん と おばあ さん は 、 大喜びです 。
こども|||||||||おおよろこびです
The old man and old woman who have no children are very happy.
うり から 生まれた 子ども な ので 、 名前 を 『 うり 子 姫 』 と 名づけ ました 。
||うまれた|こども|||なまえ|||こ|ひめ||なづけ|
||||||||||||named|
She was born from a melon, so I named her 'Melon Princess.'
赤ちゃん の 頃 から 可愛い 子 でした が 、 うり 子 姫 は 大きく なる に つれて ますます 可愛らしく なり 、 やがて 成長 する と 『 けし の 花 』 の 様 な 美しい 娘 に なり ました 。
あかちゃん||ころ||かわいい|こ||||こ|ひめ||おおきく|||||かわいらしく|||せいちょう|||||か||さま||うつくしい|むすめ|||
|||||||||||||||||adorably||||||||||||||||
She was a cute child from babyhood, but as Melon Princess grew up, she became even cuter, and eventually, she blossomed into a beautiful daughter like a 'poppy flower.'
その あまり の 美し さ に 、 お 殿さま が お 嫁 に ほしい と 言って くる ほど です 。
|||うつくし||||とのさま|||よめ||||いって|||
Her beauty was so overwhelming that even the prince would come and say he wanted to marry her.
うり 子 姫 は 機 ( はた ) を おる の が とても 上手で 、 毎日 楽し そうに 機おり を し ながら 、 お じいさん と おばあ さん が 帰って 来る の を 待って い ました 。
|こ|ひめ||き|||||||じょうずで|まいにち|たのし|そう に|はたおり||||||||||かえって|くる|||まって||
|||||||||||||||weaving||||||||||||||||
The Uriko Princess was very good at weaving, and every day she seemed to enjoy weaving while waiting for her grandfather and grandmother to come home.
ある 日 の 事 、 うり 子 姫 が いつも の 様 に 一 人 で 機 を おって いる と 、 やさし そうな 声 で 戸 を たたく 者 が あり ました 。
|ひ||こと||こ|ひめ||||さま||ひと|じん||き||||||そう な|こえ||と|||もの|||
One day, while the Uriko Princess was weaving alone as usual, there was someone knocking at the door with a gentle voice.
「 もしもし 、 可愛い うり 子 姫 や 。
|かわいい||こ|ひめ|
"Hello, cute Uriko Princess."
この 戸 を 、 開け ておくれ 。
|と||あけ|
Please open this door.
お前 の 上手な 機おり を 、 見せて ほしい の さ 」 けれども 、 うり 子 姫 は 戸 を 開け ず に 言い ました 。
おまえ||じょうずな|はたおり||みせて||||||こ|ひめ||と||あけ|||いい|
However, Uriko Hime said without opening the door, 'I would like to see your skilled weaving.'
「 いいえ 。
No.
戸 を 開ける 事 は 、 出来 ませ ん 。
と||あける|こと||でき||
I cannot open the door.
もしかすると 、 あまのじゃく と いう 悪者 が 来る かも しれ ない から 、 誰 が 来て も 決して 戸 を 開けて は いけない と 、 お じいさん に 言わ れて いる のです 」 する と その 声 は 、 もっと やさしい 声 で 言い ました 。
||||わるもの||くる|||||だれ||きて||けっして|と||あけて|||||||いわ|||||||こえ||||こえ||いい|
Perhaps, the bad guy known as Amanojaku may come, so I have been told by my grandfather that no matter who comes, I must never open the door.
「 おや おや 、 あの あまのじゃく が 、 こんなに やさしい 声 を 出す もの か ね 。
|||||||こえ||だす|||
Oh dear, can that Amanojaku really produce such a gentle voice?
大丈夫だ から 、 開け ておくれ 」 「・・・ でも 、 戸 を 開ける 事 は 出来 ませ ん 」 「 それ なら 、 ほんの 少し だけ 開け ておくれ よ 。
だいじょうぶだ||あけ|||と||あける|こと||でき||||||すこし||あけ||
"It's alright, so please open it." "...But I can't open the door." "If that's the case, just open it a little bit."
ほんの 少し 、 指 が 入る だけ で いい から さ 」 「・・・ それ なら 、 指 が 入る だけ 」 うり 子 姫 は 、 ほんの 少し だけ 戸 を 開け ました 。
|すこし|ゆび||はいる||||||||ゆび||はいる|||こ|ひめ|||すこし||と||あけ|
Just a little, it's enough if only a finger can fit in, you know?” “... then, just a finger can fit in.” Uriko-hime opened the door just a little.
する と その 声 が 、 また やさしい 声 で 言い ます 。
|||こえ||||こえ||いい|
Then that voice spoke again in a gentle tone.
「 ありがとう 、 お前 は 良い 子 だ ね 。
|おまえ||よい|こ||
“Thank you, you are a good child.”
でも 、 もう 少し おまけ し ておくれ よ 。
||すこし||||
But, please give me just a little more.
ほんの もう 少し 、 この 手 が 入る だけ で いい から さ 」 「 それ なら 、 手 が 入る だけ 」 うり 子 姫 は 、 また 少し 戸 を 開け ました 。
||すこし||て||はいる||||||||て||はいる|||こ|ひめ|||すこし|と||あけ|
Just a little bit more, it's enough if this hand can come in, alright?" "Then, as long as the hand can come in," the princess opened the door a little more.
「 お前 は 、 本当に 良い 子 だ ね 。
おまえ||ほんとうに|よい|こ||
"You are really a good child.
でも 、 もう 少し おまけ し ておくれ よ 。
||すこし||||
But, please give me just a little more.
ほんの もう 少し 、 この 頭 が 入る だけ で いい から さ 」 「 それ なら 、 頭 が 入る だけ 」 うり 子 姫 が また 少し 戸 を 開ける と 、 戸 の すきま から 頭 を 突き出した あまのじゃく が 、 す るり と 家 の 中 へ 入って 来 ました 。
||すこし||あたま||はいる||||||||あたま||はいる|||こ|ひめ|||すこし|と||あける||と||||あたま||つきだした||||||いえ||なか||はいって|らい|
Just a little more, as long as my head can fit, that would be enough." "If that's the case, then just enough for my head to fit." As soon as the rebellious child princess opened the door a little more, the stubborn one who had stuck his head out from the gap of the door smoothly entered the house.
「 け っけ け け 。
"Kekekekeke."
お前 は 、 バカな 娘 だ 。
おまえ||ばかな|むすめ|
You are a foolish girl.
じいさん と の 約束 を 破って 、 おれ さま を 家 に 入れる なんて 」 あまのじゃく は うり 子 姫 の 着物 を はぎ取る と 、 うり 子 姫 を 裏山 の 柿 の 木 に しばり つけ ました 。
|||やくそく||やぶって||||いえ||いれる|||||こ|ひめ||きもの||はぎとる|||こ|ひめ||うらやま||かき||き||||
|||||||||||||||||||||tore off||||||||||||||
Breaking your promise with the old man and letting me into the house, the contrary spirit stripped Uri Ko Hime of her clothing and tied her to the persimmon tree on the back mountain.
それ から あまのじゃく は うり 子 姫 の 着物 を 着て 、 うり 子 姫 に 化けて 機おり を 始め ました 。
|||||こ|ひめ||きもの||きて||こ|ひめ||ばけて|はたおり||はじめ|
After that, the contrary spirit put on Uri Ko Hime's clothing and transformed into her, starting to weave.
間もなく 、 お じいさん と おばあ さん が 帰って 来 ました 。
まもなく|||||||かえって|らい|
Soon, the old man and the old woman returned.
「 うり 子 姫 や 、 さびしかったろう 」 すると あまのじゃく が 、 うり 子 姫 の 声 を まねて 答え ました 。
|こ|ひめ|||||||こ|ひめ||こえ|||こたえ|
||||||||||||||mimicked||
"Uriko Hime, you must have been lonely," said Amanojaku, imitating Uriko Hime's voice in response.
「 ええ 、 とっても さびしかった わ 」 その 時 、 家 の 前 が 騒がしく なり ました 。
|||||じ|いえ||ぜん||さわがしく||
"Yes, I was really lonely," At that moment, it became noisy in front of the house.
うり 子 姫 を お 嫁 に もらう 為 に 、 お 殿さま の カゴ が 迎え に 来た のです 。
|こ|ひめ|||よめ|||ため|||とのさま||||むかえ||きた|
To marry the melon child princess, the lord's carriage has come to pick her up.
「 うり 子 姫 や 、 お 殿さま の お迎え が 来た よ 。
|こ|ひめ|||とのさま||おむかえ||きた|
"Uriko Hime, the prince has come to pick you up."
これ で お前 は 、 何 不自由 なく 幸せに なれる よ 」 お じいさん と おばあ さん は とても 喜んで 、 うり 子 姫 に 化けた あまのじゃく を カゴ に 乗せ ました 。
||おまえ||なん|ふじゆう||しあわせに||||||||||よろこんで||こ|ひめ||ばけた|||||のせ|
"With this, you will be able to live happily without any hardships," the old man and old woman were very happy and placed the amanojaku who had transformed into Uriko Hime into the basket.
カゴ の 行列 は お 城 へ 向かって 、 裏山 の 道 を 登って 行き ました 。
||ぎょうれつ|||しろ||むかって|うらやま||どう||のぼって|いき|
The procession in the basket made its way towards the castle, climbing up the path of the back mountain.
すると 柿 の 木 の てっ ペ んで 、 カラス が こんな 声 で 鳴き 出し ました 。
|かき||き|||||からす|||こえ||なき|だし|
Then, at the top of the persimmon tree, a crow started to cry out in this voice.
♪ カー 、 カー 、 カー 、 カー 、 かわいそう 。
かー|かー|かー|かー|
♪ Caw, caw, caw, caw, how pitiful.
♪ うり 子 姫 は 、 木 の 上 で 。
|こ|ひめ||き||うえ|
♪ Urikohime is up in the tree.
♪ お カゴ の 中 は 、 あまのじゃく 。
|||なか||
♪ Inside the cage, there's a contrary character.
「 お やっ ?
「 Oh my?
」 みんな は それ を 聞いて 、 うり 子 姫 が しばり つけ られて いる 柿 の 木 を 見上げ ました 。
||||きいて||こ|ひめ||||||かき||き||みあげ|
」 Everyone heard that and looked up at the persimmon tree where Uriko-hime was tied up.
「 まずい 、 逃げよう 」 うり 子 姫 に 化けた あまのじゃく は カゴ から 逃げよう と し ました が 、 お 殿さま の 家来 に 捕まって 首 を はね られて しまい ました 。
|にげよう||こ|ひめ||ばけた|||||にげよう||||||とのさま||けらい||つかまって|くび|||||
"This is bad, let's escape," the amanojaku disguised as Uriko Hime tried to escape from the cage, but was caught by the lord's servant and ended up getting beheaded.
こうして 本物 のうり 子 姫 が カゴ に 乗って お 城 へ 行き 、 お 殿さま の お 嫁 さん に なって 幸せに 暮らした のです 。
|ほんもの||こ|ひめ||||のって||しろ||いき||とのさま|||よめ||||しあわせに|くらした|
Thus, the real Uriko Hime got into the cage and went to the castle, where she became the lord's wife and lived happily.
おしまい
The end.