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世界の昔話, カイコになったお姫さま

カイコになったお姫さま

カイコ に なった お姫さま

むかし むかし 、 ある 国 の 王さま が 家来 たち と 狩り を して いる と 、 突然 、 大勢 の 盗賊 が 襲って き ました 。 家来 たち は ゆうかんに 戦い ました が 、 大勢 の 盗賊 に は かない ませ ん 。 とうとう 王さま は 盗賊 に さらわ れて しまい 、 お 城 に は お きさき さま と 一 人 の お姫さま が 残さ れ ました 。 お きさき さま も お姫さま も 家来 たち も 、 何とか して 王さま を 取り戻そう と 考え ました が 、 どう する 事 も 出来 ませ ん でした 。 こうして 、 一 年 が 過ぎ ました 。

王さま が 大好きだった お姫さま は 心配で 食事 も ろくに のど を 通ら ず 、 どんどん やせて いき ました 。 「 このまま で は 、 姫 が 死んで しまう わ 」 見 かねた お きさき さま は 、 国 中 に こんな おふれ を 出し ました 。 《 王さま を 取り戻して きた 者 に 、 姫 を お 嫁 に あげ ます 》

さて 、 おふれ が 出て から 三 日 後 、 一 頭 の 白い 馬 が 王さま を 背中 に 乗せて お 城 に 駆け 込んで 来 ました 。 「 あなた ! 」 「 お 父 さま ! 」 「 王さま ! 」 お きさき さま も 、 お姫さま も 、 家来 たち も 、 大喜びです 。 白い 馬 は さっそく 大きな 馬 小屋 に 入れ られて 、 たくさんの ごちそう を もらう と 大事に 大事に さ れ ました 。

この 白い 馬 、 普段 は とても 大人しい のです が 、 お姫さま が 側 を 通る と 足 を パカパカ 動かして 暴れる のです 。 王さま は 不思議に 思って 、 お きさき さま に その わけ を 尋ね ました 。 そして お きさき さま から おふれ の 事 を 聞いた 王さま は 、 びっくり して 言い ました 。 「 まさか 馬 が 、 姫 を お 嫁 に し たい と いう ので は ない だろう な 」 「 そんな 事 は 。 ・・・ でも 馬 は 、 とても 利口な 動物 だ と いい ます から 」 「 うむ ・・・」 王さま は 心配に なって 、 馬 小屋 へ 行って 馬 に 尋ね ました 。 「 お前 は 、 もし かして 姫 を 、 お 嫁 に する 気 で いる の かい ? 」 すると 馬 は 、 ヒヒーン ! と 、 とても うれし そうに いななき ました 。 「 何と ! 馬 の くせ に 、 とんでもない 奴 だ ! 」 すっかり 怒った 王さま は 家来 に 弓矢 を 持って こ させる と 、 馬 を めがけて 矢 を 放ち ました 。 馬 は 悲し そうに 王さま を 見つめる と 、 そのまま 地面 に 倒れて 死んで しまい ました が 、 王さま は 馬 を 殺した だけ で は 気 が す ま ず 、 馬 の 皮 を はぐ と 、 お 城 の 庭 の 木 から 馬 の 皮 を ぶらさげ ました 。

さて 、 その 事 を 知った お姫さま は 、 殺さ れた 馬 が 可愛 そうで なり ませ ん 。 「 ひどい お 父 さま 。 何も 殺さ なくて も いい のに 」 そこ で 庭 に 誰 も い なく なる と 、 お姫さま は 馬 に あやまろう と 思って 、 そっと 一 人 で 木 の そば に 行き ました 。 「 お 馬 さん 、 ごめんなさい 。 お 父 さま を 助けて くれた のに 、 こんな 事 に なって しまって 」 その 時 です 。 突然 強い 風 が 吹いて 来て 、 木 の 枝 に かかって いた 白い 馬 の 皮 が 空 に 舞い上がり ました 。 空 高く 舞い上がった 馬 の 皮 は ヒラヒラ と 降りて くる と 、 びっくり して 立って いる お姫さま を すっぽり と 包み 込んで しまい ました 。 そして お姫さま を 包み 込んだ まま 、 また 空 高く 舞い上がって しまい ました 。

しばらく して 王さま や お きさき さま は 、 お姫さま が い ない 事 に 気 が つき ました 。 「 姫 は 、 どこ へ 行った ? 」 お 城 中 が 、 大騒ぎ と なり ました 。 みんな で 探して 探して 、 とうとう 一 人 の 家来 が 庭 の はずれ の くわ の 木 に 、 白い 馬 の 皮 が 小さく なって くっついて いる の を 見つけ ました 。 よく 見る と 馬 の 皮 は まゆ 玉 に なり 、 その 中 で お姫さま は カイコ に なって いた のです 。

こうして 心 の やさしい お姫さま は 、 世の中 で 最初の カイコ に なった のでした 。

おしまい

カイコになったお姫さま カイコ に なった おひめさま The princess who became a silkworm De prinses die een zijderups werd.

カイコ に なった お姫さま |||おひめさま Princess who became a silkworm Principessa che è diventata uno scheletro

むかし むかし 、 ある 国 の 王さま が 家来 たち と 狩り を して いる と 、 突然 、 大勢 の 盗賊 が 襲って き ました 。 |||くに||おうさま||けらい|||かり|||||とつぜん|おおぜい||とうぞく||おそって|| Once upon a time, when the king of a country was hunting with his servants, a large number of bandits suddenly attacked him. 家来 たち は ゆうかんに 戦い ました が 、 大勢 の 盗賊 に は かない ませ ん 。 けらい||||たたかい|||おおぜい||とうぞく||||| The servants fought well, but not a large number of bandits. とうとう 王さま は 盗賊 に さらわ れて しまい 、 お 城 に は お きさき さま と 一 人 の お姫さま が 残さ れ ました 。 |おうさま||とうぞく||||||しろ|||||||ひと|じん||おひめさま||のこさ|| At last, the King was kidnapped by a bandit, leaving Okisaki and a princess in the castle. お きさき さま も お姫さま も 家来 たち も 、 何とか して 王さま を 取り戻そう と 考え ました が 、 どう する 事 も 出来 ませ ん でした 。 ||||おひめさま||けらい|||なんとか||おうさま||とりもどそう||かんがえ|||||こと||でき||| Okisaki-sama, the princess, and the servants all thought about regaining the king, but they couldn't do anything about it. こうして 、 一 年 が 過ぎ ました 。 |ひと|とし||すぎ| Thus, a year has passed.

王さま が 大好きだった お姫さま は 心配で 食事 も ろくに のど を 通ら ず 、 どんどん やせて いき ました 。 おうさま||だいすきだった|おひめさま||しんぱいで|しょくじ|||||とおら||||| The princess, who loved the king, was worried and couldn't go through her throat for food, and she became thinner and thinner. La principessa, che amava il re, era preoccupata e non poteva passare attraverso la gola per mangiare, e divenne sempre più magra. 「 このまま で は 、 姫 が 死んで しまう わ 」   見 かねた お きさき さま は 、 国 中 に こんな おふれ を 出し ました 。 |||ひめ||しんで|||み||||||くに|なか|||||だし| "If nothing is done, the princess will die." Okisaki-sama, who couldn't see it, made such a touch all over the country. 《 王さま を 取り戻して きた 者 に 、 姫 を お 嫁 に あげ ます 》 おうさま||とりもどして||もの||ひめ|||よめ||| 《I will give the princess to the bride who has regained the king》 《Darò la principessa alla sposa che ha riconquistato il re》

さて 、 おふれ が 出て から 三 日 後 、 一 頭 の 白い 馬 が 王さま を 背中 に 乗せて お 城 に 駆け 込んで 来 ました 。 |||でて||みっ|ひ|あと|ひと|あたま||しろい|うま||おうさま||せなか||のせて||しろ||かけ|こんで|らい| Now, three days after the touch came out, a white horse rushed into the castle with the King on his back. 「 あなた ! " you ! 」 「 お 父 さま ! |ちち| "Father! 」 「 王さま ! おうさま "King! 」   お きさき さま も 、 お姫さま も 、 家来 たち も 、 大喜びです 。 ||||おひめさま||けらい|||おおよろこびです Okisaki-sama, the princess, and the servants are all overjoyed. 白い 馬 は さっそく 大きな 馬 小屋 に 入れ られて 、 たくさんの ごちそう を もらう と 大事に 大事に さ れ ました 。 しろい|うま|||おおきな|うま|こや||いれ|||||||だいじに|だいじに||| The white horse was immediately put into a large stable, and when I received a lot of feasts, it was taken care of. Il cavallo bianco è stato immediatamente messo in una grande stalla, e quando ho ricevuto molte feste, è stato curato.

この 白い 馬 、 普段 は とても 大人しい のです が 、 お姫さま が 側 を 通る と 足 を パカパカ 動かして 暴れる のです 。 |しろい|うま|ふだん|||おとな しい|||おひめさま||がわ||とおる||あし|||うごかして|あばれる| This white horse is usually very quiet, but when the princess passes by, she flutters her legs and rampages. 王さま は 不思議に 思って 、 お きさき さま に その わけ を 尋ね ました 。 おうさま||ふしぎに|おもって||||||||たずね| The King wondered and asked Okisaki why. そして お きさき さま から おふれ の 事 を 聞いた 王さま は 、 びっくり して 言い ました 。 |||||||こと||きいた|おうさま||||いい| And when he heard about the touch from Mr. Okisaki, the King was surprised and said. 「 まさか 馬 が 、 姫 を お 嫁 に し たい と いう ので は ない だろう な 」 「 そんな 事 は 。 |うま||ひめ|||よめ||||||||||||こと| "I don't think the horse wants to marry the princess." "That's not the case. ・・・ でも 馬 は 、 とても 利口な 動物 だ と いい ます から 」 「 うむ ・・・」   王さま は 心配に なって 、 馬 小屋 へ 行って 馬 に 尋ね ました 。 |うま|||りこうな|どうぶつ|||||||おうさま||しんぱいに||うま|こや||おこなって|うま||たずね| ... But horses are said to be very clever animals. "" Umm ... "The King was worried and went to the stables and asked the horses. 「 お前 は 、 もし かして 姫 を 、 お 嫁 に する 気 で いる の かい ? おまえ||||ひめ|||よめ|||き|||| "Are you willing to marry the princess? 」   すると 馬 は 、   ヒヒーン ! |うま|| Then the horse is Hihin! と 、 とても うれし そうに いななき ました 。 |||そう に|| I wasn't very happy. 「 何と ! なんと " What ! 馬 の くせ に 、 とんでもない 奴 だ ! うま|||||やつ| Even though he's a horse, he's a ridiculous guy! 」   すっかり 怒った 王さま は 家来 に 弓矢 を 持って こ させる と 、 馬 を めがけて 矢 を 放ち ました 。 |いかった|おうさま||けらい||ゆみや||もって||さ せる||うま|||や||はなち| The completely angry King brought a bow and arrow to his servant and fired an arrow at the horse. 馬 は 悲し そうに 王さま を 見つめる と 、 そのまま 地面 に 倒れて 死んで しまい ました が 、 王さま は 馬 を 殺した だけ で は 気 が す ま ず 、 馬 の 皮 を はぐ と 、 お 城 の 庭 の 木 から 馬 の 皮 を ぶらさげ ました 。 うま||かなし|そう に|おうさま||みつめる|||じめん||たおれて|しんで||||おうさま||うま||ころした||||き|||||うま||かわ|||||しろ||にわ||き||うま||かわ||| When the horse looked sadly at the king, he fell to the ground and died, but the king was not happy just to kill the horse, and when he peeled the horse's skin, the tree in the garden of the castle I hung the horse skin from the yard.

さて 、 その 事 を 知った お姫さま は 、 殺さ れた 馬 が 可愛 そうで なり ませ ん 。 ||こと||しった|おひめさま||ころさ||うま||かわい|そう で||| By the way, the princess who knew about it didn't seem to love the murdered horse. 「 ひどい お 父 さま 。 ||ちち| "Terrible father. 何も 殺さ なくて も いい のに 」   そこ で 庭 に 誰 も い なく なる と 、 お姫さま は 馬 に あやまろう と 思って 、 そっと 一 人 で 木 の そば に 行き ました 。 なにも|ころさ|||||||にわ||だれ||||||おひめさま||うま||||おもって||ひと|じん||き||||いき| I don't have to kill anything. ”When there was no one in the garden, the princess decided to apologize to the horse and went to the side of the tree by herself. 「 お 馬 さん 、 ごめんなさい 。 |うま|| "I'm sorry, Mr. Ma. お 父 さま を 助けて くれた のに 、 こんな 事 に なって しまって 」   その 時 です 。 |ちち|||たすけて||||こと|||||じ| Even though I was able to help my father, this happened. "At that time. 突然 強い 風 が 吹いて 来て 、 木 の 枝 に かかって いた 白い 馬 の 皮 が 空 に 舞い上がり ました 。 とつぜん|つよい|かぜ||ふいて|きて|き||えだ||||しろい|うま||かわ||から||まいあがり| Suddenly a strong wind blew and the skin of a white horse on a tree branch soared into the sky. 空 高く 舞い上がった 馬 の 皮 は ヒラヒラ と 降りて くる と 、 びっくり して 立って いる お姫さま を すっぽり と 包み 込んで しまい ました 。 から|たかく|まいあがった|うま||かわ||ひらひら||おりて|||||たって||おひめさま||||つつみ|こんで|| When the horse's skin soared high in the sky came down, it completely wrapped the princess who was standing in a surprise. そして お姫さま を 包み 込んだ まま 、 また 空 高く 舞い上がって しまい ました 。 |おひめさま||つつみ|こんだ|||から|たかく|まいあがって|| And while wrapping the princess, she soared high in the sky again.

しばらく して 王さま や お きさき さま は 、 お姫さま が い ない 事 に 気 が つき ました 。 ||おうさま||||||おひめさま||||こと||き||| After a while, the King and Okisaki noticed that there was no princess. 「 姫 は 、 どこ へ 行った ? ひめ||||おこなった "Where did the princess go? 」   お 城 中 が 、 大騒ぎ と なり ました 。 |しろ|なか||おおさわぎ||| The inside of the castle became a big fuss. みんな で 探して 探して 、 とうとう 一 人 の 家来 が 庭 の はずれ の くわ の 木 に 、 白い 馬 の 皮 が 小さく なって くっついて いる の を 見つけ ました 。 ||さがして|さがして||ひと|じん||けらい||にわ||||||き||しろい|うま||かわ||ちいさく||||||みつけ| We all searched and searched, and finally we found one servant sticking to a tree on the outskirts of the garden with a small white horse skin. よく 見る と 馬 の 皮 は まゆ 玉 に なり 、 その 中 で お姫さま は カイコ に なって いた のです 。 |みる||うま||かわ|||たま||||なか||おひめさま|||||| If you look closely, the skin of the horse becomes a ball of eyebrows, in which the princess becomes a silkworm.

こうして 心 の やさしい お姫さま は 、 世の中 で 最初の カイコ に なった のでした 。 |こころ|||おひめさま||よのなか||さいしょの|||| In this way, the kind-hearted princess became the first silkworm in the world.

おしまい