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江戸小話, かげぐち

かげぐち

料理 屋 で 働いて いる 権 助 ( ご ん すけ ) が 、 表 で 薪 ( まき ) を 割って いる と 、 同じ 村 から 一緒に 出稼ぎ に 来て いる 男 が やって 来て 声 を かけ ました 。 「 よう 、 権 助 どん 。 調子 は どう だ ね ? ここ は 料理 屋 だ から 、 さぞ おいしい 物 を 食べ させて くれる んだろう ね ? 」 「 いや 、 それ が な 、 ここ は 人使い は 荒い し 、 その 上 に とんでもない けちな 店 な んだ よ 。 だいたい 、 こんなに お 米 の 安い 時 な のに 、 朝 も 昼 も おかゆ で 、 晩 が 雑炊 ( ぞうすい → 野菜 など を 刻み込んだ おかゆ ) だ 。 これ が 一 年間 、 毎日 続く のだ から 、 本当に たまった もん じゃ ない よ 。 おかゆ や 雑炊 じゃあ 、 すぐに 腹 ペコ に なる から 、 飯 の 後 で たっぷり 水 でも 飲んで おか ない と 、 腹 の 皮 が 背中 に くっついて しまい そうだ 」 権 助 が ぶつぶつ 文句 を 言い ながら 、 ふと 後ろ を 見 ます と 、 お 店 の 旦那 が 怖い 顔 で 立って い ました 。 ( しまった ! こいつ は まずい 事 を 言って しまった ぞ ! ) 慌てた 権 助 は 、 すかさず こう 言い ました 。 「 でも な 、 いくら 食べて も お腹 を こわす 心配 が ない ので 、 この 店 の 食事 は 最高な の さ 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )

かげぐち

料理 屋 で 働いて いる 権 助 ( ご ん すけ ) が 、 表 で 薪 ( まき ) を 割って いる と 、 同じ 村 から 一緒に 出稼ぎ に 来て いる 男 が やって 来て 声 を かけ ました 。 りょうり|や||はたらいて||けん|じょ|||||ひょう||まき|||わって|||おなじ|むら||いっしょに|でかせぎ||きて||おとこ|||きて|こえ||| 「 よう 、 権 助 どん 。 |けん|じょ| 調子 は どう だ ね ? ちょうし|||| ここ は 料理 屋 だ から 、 さぞ おいしい 物 を 食べ させて くれる んだろう ね ? ||りょうり|や|||||ぶつ||たべ|さ せて||| 」 「 いや 、 それ が な 、 ここ は 人使い は 荒い し 、 その 上 に とんでもない けちな 店 な んだ よ 。 ||||||ひとづかい||あらい|||うえ||||てん||| だいたい 、 こんなに お 米 の 安い 時 な のに 、 朝 も 昼 も おかゆ で 、 晩 が 雑炊 ( ぞうすい → 野菜 など を 刻み込んだ おかゆ ) だ 。 |||べい||やすい|じ|||あさ||ひる||||ばん||ぞうすい||やさい|||きざみこんだ|| これ が 一 年間 、 毎日 続く のだ から 、 本当に たまった もん じゃ ない よ 。 ||ひと|ねんかん|まいにち|つづく|||ほんとうに||||| おかゆ や 雑炊 じゃあ 、 すぐに 腹 ペコ に なる から 、 飯 の 後 で たっぷり 水 でも 飲んで おか ない と 、 腹 の 皮 が 背中 に くっついて しまい そうだ 」   権 助 が ぶつぶつ 文句 を 言い ながら 、 ふと 後ろ を 見 ます と 、 お 店 の 旦那 が 怖い 顔 で 立って い ました 。 ||ぞうすい|||はら|||||めし||あと|||すい||のんで||||はら||かわ||せなか||||そう だ|けん|じょ|||もんく||いい|||うしろ||み||||てん||だんな||こわい|かお||たって|| ( しまった ! こいつ は まずい 事 を 言って しまった ぞ ! |||こと||いって|| )   慌てた 権 助 は 、 すかさず こう 言い ました 。 あわてた|けん|じょ||||いい| 「 でも な 、 いくら 食べて も お腹 を こわす 心配 が ない ので 、 この 店 の 食事 は 最高な の さ 」 |||たべて||おなか|||しんぱい|||||てん||しょくじ||さいこうな||

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )