JIN - 仁 - 完结 编 #03
( 男 A ) この 野郎 ッ …
≪( 牢 名主 ) あー ッ !→
あー ッ む … 虫 が 耳 に …
( 苦しむ 牢 名主 )
( 仁 ) 耳 の 中 に 油 を たらし 虫 を 殺して しまえば いい んです
( B ) できる の か ? お前
( 苦しむ 牢 名主 )
しっかり 押さえて いて ください
あー ッ ! あ ッ あ ッ …
虫 の 最後 の あがき です すぐに おさまり ます
《( 山田 ) 大 牢 の 中 で は お 裁き に よら ず →》
《 無法に 殺さ れる 者 も 多い と 聞く →》
《 ツル が あれば 免れる や も しれ ぬ が 》
( 橘 ) 板倉 周防 守 様 は 何と ? ( 勝 ) 和 宮様 の 毒殺 嫌疑 だ から な →
表沙汰 に なり ゃあ 公 武 合体 も 吹っ飛び
幕府 は 絶対 絶命 の 危機 に 陥る
極秘 裏 に 始末 し たい って とこ だ な
( 橘 ) 南方 先生 と 咲 に すべて を なすりつけ
闇 に 葬り去る と いう こと でしょう か ?
京 に 上る こと は できる かい ? 京 へ ?
一 人 だけ 力 に なって くれる かも しん ねえ お方 が いる
( せき を する 男 達 )
〈 だんだん 分かって きた こと が ある 〉
〈 牢内 に は 御 頭 と 呼ば れる 牢 名主 を 筆頭 に 〉
〈 様々な 役 が あり …〉
〈 金庫 番 の …〉
〈 囚人 の 出入り を 見張る …〉
〈 食事 の 世話 を する …〉
〈 そして 使う 畳 の 数 が その 序列 を 示す 〉
〈 その 最 下層 が …〉
〈 一 枚 の 畳 に 四 人 が 寝起き して いる 〉
〈 寝る と いって も 横 に なる こと は でき ない 24 時間 座った まま だ 〉
≪( 男 ) カッコミー
( 牢同 心 ) 名主 に 申す 今日 は 全員 に 干し 魚 が つく ぞ
お ありがとう ご ぜ え ます
干し 魚 の 含んだ もの は 新 入り の 宿 から の もの だ
二 分 だ と 全部 で ツル は
百 両 に
待って ください
これ は 一体 誰 が ?
商人 風 の 男 が 持ってきた が … 商人 風 ?
あの … 名前 は ? 名 など 知ら ぬ が
お前 の 宿 の 者 で は ない の か ?
濱口 様 ?
( 牢 名主 ) おい 新 入り
お前 を 添 役 に 取り立てて やろう
これ で もう 座って 寝る こと も ない ぞ →
ヘッヘッヘッヘ …
私 は 平 囚 の まま で 結構です
そのかわり …
皆さん の 畳 を 敷き詰めて もらえ ない でしょう か ?
せめて 夜 だけ でも 眠れる ように
ハッハッハッハッハ …
おう 医者 って の は もっと 賢い もんか と 思った ぜ
畳 を 増やさ なくて も
おう
平 囚 の 数 減らし ゃあ いい 話 じゃ ねえ か
そんな …
おい ! こいつ が い なく なりゃ あ
新しく 添 役 に なる やつ が 一 人 出る ぞ
≪( 牢 名主 ) おい どうした
や っち ま えっ つって んだ よ !
( 平 囚 A ) お前 ら は 人 を 殺し すぎ だ !
( B ) そうだ ! 俺 も もう 人殺し は 嫌だ !
( C ) この 医者 は お前 を 助けた んじゃ ねえ の かよ ?
( 手下 ) 座ら ねえ と ぶ っ 殺す ぞ やれる もん なら やって みろ !
ちょ ッ … ちょっと 暴力 は …
この ッ
この 野郎 ッ !
おい どうした ?→
おい ! おい ッ
何 を した んです か ? 胸 を 突いた だけ だ よ
ない … ( 穴 の 隠居 ) 御 頭 は 死んだ の か ?
おい ッ どう な んだ ? 医者
ど いて ください
何 やって んだ ?
( どよめく 一同 )
≪( 手下 ) おい 何 やって んだ ?
ひょっとして … 心 室 頻脈 か ?
≪( 手下 ) 何 やって ん だっ つって んだ よ !
いち かば ちか …
( 一同 ) おお ッ …
ああ ッ …
よし ! 助けた の か ?→
二 度 も 殺そう と した やつ を
もう 大丈夫です
お前 様 は
仏 じゃ ーッ
( 一同 ) は は ーッ
え ッ ?
( 咲 ) 誠 で ございます か ? で は 先生 の お 命 は ?
殺さ れる こと は もう ねえ んじゃ ねえ か
左 様 で …
大 牢 の 中 で は な
え ッ ?
旗本 の 娘 さん は 座敷 牢 揚がり 座敷 だ →
こんな 目 に は あわ ねえ よ あ ッ … そう な んだ
けど 妙な 話 だ な 医者 なら あんた 揚がり 屋 の はずだ ぜ
え ッ ? 何 やった か 知 ん ねえ けど
はめ られた んじゃ ねえ の か ? はめ られた ?
〈 確かに ヒ素 が 盛ら れて いた の は 陰謀 の に おい が する 〉
〈 だ と すれば 調査 に よって 罪 が 晴れる こと など 〉
〈 はな から 期待 でき ない のだろう か ?〉
《≪( 象 山 ) お前 の やった こと が 意 に そわ ぬ こと であったら →》
《 神 は 容赦 なく お前 の やった こと を 取り消す 》
〈 俺 は このまま 和 宮 毒殺 未遂 の 犯人 と して 〉
〈 闇 に 葬り去ら れる のだろう か ?〉
〈 現代 に 戻れる 最後 の チャンス を 〉
〈 俺 は ふいに して しまった の かも しれ ない 〉
〈 だけど 〉
〈 何一つ 動く こと も でき ない なら 〉
〈 信じよう 〉
( 龍 馬 ) 何 じゃあ こりゃ ーッ
〈 今 まで 何度 も 自分 を 救って くれた 江戸 の 人 達 の 善意 を 〉
〈 神 は …〉
〈 乗り越え られる 試練 しか 〉
〈 与え ない はずな のだ から 〉
勝 先生 の 話 は 誠 で ございます か ?
慶 喜 公 の 肝 入り で 南方 先生 が 西郷 を 助け たっちゅう が は 誠 じゃ
けん ど 薩摩 から 慶 喜 公 へ
南方 先生 の 偉業 が 伝わ っち ょる か どう か は 分から ん が じゃき
では 改めて 薩摩 藩 を 通し 取り次ぎ を
うーん …
ほれ ほれ 飲ま ん かえ 坂本 殿 !
どういう 事態 か 分かって おら れる のです か ?
ほう じゃき 今 会 うて くださら ん か と
お 願い に 行って もろ うち ょる ぜ よ まさか ここ に 一橋 様 が ?
一 人 だけ おる が じゃ ろう 町人 で あり ながら
ともに 上洛 する ほど 慶 喜 公 に 近しく
その 娘 が 公 の 妾 である
おやじ が
≪( 橘 ) 新 門 の 大 親分 !? この 話 は 本当 か ?
こちら より 伺う べき 筋 を … この 話 は 本当 か どう か
それ を 聞いて る んだ →
どうか しち まって んじゃ ねえ の か お上 は
あの 男 は 江戸 の 宝 だ ぜ
左右 に …
裏 を 見 して ください
はい ありがとう ございます
おい ら シャバ でも 医者 に かかった こと なんか ねえ や
≪( 牢同 心 ) 南方 仁 牢 問い だ
出ろ
( 良 順 ) 医学 館 の お 調べ の 次第 が 伝え られて きた →
南方 殿 の 持参 した 菓子 の 一 つ から
ヒ素 が 見つかって しまった そうだ ( 佐分利 ) 一 つ で っか ?
うん そんな …
そんな おかしな 話 が あり まっか ? 毒 を 盛って 殺す のに 一 つ や なんて
それ こそ 南方 先生 が やった ん や ない って 証し や
無論 我ら も そう 思う だ が この度 の 一 件 は
幕府 と して は 決して 表沙汰 に し たく ない 事態
誠 の 下手人 を 突き止める より 早く 終わら せて しまい たい と
考える や も しれ ぬ ほ な 先生 は …
南方 先生 は どう なり ます ん や ?
( 吟味 与力 ) 南方 仁 医学 館 の お 調べ に より
その方 の 持参 した 菓子 より ヒ素 の 毒 が 見つかった と の →
報告 が あった 違い ます
私 は 何も して ませ ん で は なぜ 毒 が 出て きた のじゃ ?
ホントに 知ら ない んです って あくまで シラ を きり とおす の か
私 は ホントに … その者 を 釣 責め に いたせ !
ちょっと …
( 役人 ) おい ッ →
おい ッ はけ !
はけ !→
は かんか !
はけ !
《 茶碗 が あれば この 話 を 覆せる かも しれ ぬ 》
《 茶碗 ?》 《 確か 宮様 は あの とき 》
《 茶 を 飲んで おら れた 》
《 菓子 から 出た 毒 も その 茶 が かかった もの だ と すれば 》
《 一 つ だけ から 出た こと も つじつま が 合おう 》
《 では その 茶碗 から 毒 が 見つかれば …》
《 だが この お 調べ に は その 茶碗 の 話 は まったく 出て きて おら ぬ 》
《 見つから ぬ の か 見つから ぬ こと に して ある の か 》
《 いずれ に しろ 医学 館 が 我ら の ため に 茶碗 を 捜し出し 》
《 お 調べ を して くれる と は とうてい 思え ぬ 》
《 もし 仕組んで おった 者 が おる と すれば なおさら じゃ 》
南方 先生 …
死に はる で
お前 の せい や ーッ !
福田 先生 は 脅さ れて いた だけ であろう
南方 先生 は 医学 館 に 殺さ れる ん や お前 の 命 を 救って くれた 先生 を
殺す ん や !→
お ー い ッ
南方 先生 は やって おり ませ ん !
何とぞ !
公正な お 調べ を お 願い いたし ます
お 助け いただければ この後 私 は …
いかなる こと でも いたし ます です から … 何とぞ !
( 多紀 ) まるで わし が
公正な 調べ を して い ない か の ような 言い 草 じゃ のう
前 に も 言う た はずじゃ この 元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 多紀 家 に 生まれ
みだりに 人 の 命 を 奪う ような こと は せ ぬ と
しかし 元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 様 は 私 に …
不愉快じゃ 去れ !
元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 様 ーッ
( 牢 名主 ) 先生 よ 次 は 石 抱き が 待って ん ぞ
早 え と こ 認め ち まった 方 が いい んじゃ ねえ か ?
何も …
やって ない んです
〈 これ は 神 の 手 に よって 巧妙に 仕組ま れた 罠 で 〉
〈 あらがう 余地 など ない 出来事 な のだろう か ?〉
〈 だ と すれば できる こと は …〉
なぜ 使わ ぬ ?
先生 の 罪 が
晴れ ま する まで は
〈 せめて 咲 さん を 道連れ に し ない こと 〉
〈 この 身 一 つ に 罪 を 背負う こと じゃ ない だろう か 〉
〈 せめて できる こと は …〉
うわ ーッ
≪( 吟味 与力 ) はか ぬ の なら あの 女 も 同じ 目 に あわす ぞ
あの 人 は
何も 知り ませ ん
では お ぬし は 何 か 知って おる と いう こと だ な ?
私 が …
≪( 吟味 与力 ) 待て い !
その者 に 奉行 所 より 呼び出し が あった
すでに 沙汰 が 決まった そう じゃ
死 …
死罪 って こと です か ?
橘 咲 さん は どう なった んでしょう か ?
教えて ください
咲 さん は …
教えて ください !
教えて ください
すいません … 皆さん
先生
龍 馬 さん …
≪( 役人 A ) 狼藉 者 ッ ≪( B ) 離れ ん か !
おお ッ …
何 を する ぜ よ
これ を ご 覧 ください 一橋 様 の 一筆 で ございます
この 者 の 嘆願 の 旨 が 書か れて おり ます
何とぞ お 取り次ぎ を ! ( 町 与力 ) 偽物 に 決まって おる
行け !
ち っく と 待ち !
これ は 本物 な が じゃ もら っと う ぜ
その方 が お まん の 身 の ため で も ある が じゃき
無礼 者 ! う ッ …
坂本 殿 !
その 先生 は …
江戸 の 町 を コロリ から 救う て くれた が ぜ よ
文 久二 年 の …
夏 の こと じゃ
《 頼む ぜ よ 南方 先生 》
火事 場 で は 火 に 巻か れ ながら
江戸 の 民 を 救う たが じゃき
文 久三 年 の 秋 の こと ぜ よ !
みんな の … みんな の 親 兄弟 を
こん 国 の 民 を 救う たが は
あん 篭 の 中 の
先生 じゃ !
こん 国 は …
いつ から そんな 恩知らずに なった が じゃ ーッ !
≪( 奉行 ) 面 を あげよ
南方 仁 毒薬 投与 の 件
≪( 奉行 ) 構い なし
え ッ ?
これ にて 落着 この 者 を ただちに 放 免 せよ
( 佐分利 ) 南方 先生 !
咲 さ ん …
先生
あの …
今 宵 は …
今 宵 は
何 を お 食べ に なり とう ございます か ?
あげ だし …
あげ だし
( 山田 ) 南方 先生 !
お 帰り なさい ませ
では 野 風 さん は ?
( 八木 ) 働き 口 が 見つかった と 出て 行か れて しまい ました
そう です か …
それでは 福田 先生 は ?
あんな やつ おら ん 方 が ええ んです
( 山田 ) 実は …
茶碗 から ヒ素 が 出た んです か ? 宮様 の 使わ れた 茶碗 が
寺 の 仏壇 の 奥 から 見つかり まして その 茶碗 から ヒ素 が
菓子 の ヒ素 も この 茶 が かかった もの と 判断 さ れた 次第 です
お茶 に 毒 を 入れた の は 一体 誰 だった んです か ?
ある 奥 女 中 に 疑い が かかった のです が →
吟味 を 受ける 前 に ヒ素 を 飲んで 自害 を
じゃあ 何 を 目的 と して 和 宮様 に 毒 を 盛った の かも …
黒幕 は 不明の まま です
この度 は 誠に とんだ こと に 巻き込んで しまい …
あ ッ … 納得 して 受けた こと です から
それ より 茶碗 を 見つけて くれた 人 に 感謝 です よ
伝え聞いた ところ に より ます と お 調べ の 内容 に 納得 が ゆか ぬ ゆえ
茶碗 を 捜して み たい と 言いだした の は 何と 医学 館 の
多 紀元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 殿 だ そう な のです
多紀 先生 が !?
《 何とぞ 我ら に さらなる お 調べ を お 許し ください ませ 》
《( 和 宮 ) 私 も そのように ある べきだ と 》
《 思って おり ました 》
医学 所 は 医学 館 に 大きな 借 り が でき ました
もし かして ツル も 多紀 先生 が ?
わし は 後々 医学 館 が 恥 を かか ぬ ため に 調べた だけ じゃ
その方 ら の ため で は ない
しかし その方 も もう
仁 友 堂 に は い にくかろう
医学 館 へ 戻って まいる か ?
≪( 多紀 ) 何事 じゃ ?
先生 …
すいません こんな 格好 で 突然
ありがとう ございます
多紀 先生
あの …
ありがとう ございました !
( 多紀 ) これ は ?
ペニシリン の 製造 方法 です
よかったら 今度 製造 所 を 見 に 来て ください
使い 方 も お 教え し ます
しかし これ は お ぬし ら の 秘伝 の 妙薬 の はず
他 に お 礼 も でき ませ ん し
それ に
本道 の 先生 に も
ペニシリン を 使える ように なって ほしい んです
この 国 の 医療 の ため に も
この 国 の 医 ?
はい
ですが
福田 先生 は お返し いただけ ます でしょう か ?
稼ぎ 頭 が おら ん と うち は 死活 問題 なんで すわ
フッフ …
間 諜 も いら ぬ ように なった 今 さして 役 に も 立ち ませ ぬ
どうぞ お 持ち帰り くだされ
ありがとう ございます
多紀 先生
ひょっとして ツル も 先生 が ? ツル ?
何の こと じゃ ?
あ ッ … いえ 何でも あり ませ ん
( 弟子 ) それにしても 誰 が 何の ため に 毒 を 盛った のでしょう ?
さあ な しかし …
あの 男 に 嫉妬 せ ぬ 医者 は おら ぬ であろう
流れ を 同じく する 者 に とって は いっそう
目障りであろう な
《( 三隅 ) 特に 問題 は 見当たり ませ ぬ 健やかな お 体 か と 》
《( 隠居 ) 三隅 そち は 岩 を まったく 見抜け なかった と …》
まあ よい また 折 も あろう
♪♪~ 土佐 の 高知 の はり ま や 橋 で
♪♪~ 坊さん かんざし
じゃあ お 礼 は みんな 済んだ の かい ?
はい でも
まだ ツル を 送って くれた の が 誰 な の か 分から なくて
鈴 屋 さん でも 濱口 様 でも
多紀 先生 で も ない と なる と
他 に お 金 を 出して くれ そうな 方 も 分から ず
( 山田 ) あれ は …
野 風 さん で は ない でしょう か ?
冷たく 去って いか れた の は
我ら に 止め だて さ せ ぬ ため に やった こと な ので は ない か と
捜す が じゃ 先生 捜す った って …
野 風 が 金 を つくる 方法 ら 一 つ しか ない ろう
野 風 さん …
( 町人 A ) おい …
( B ) 馬 よ 馬
お 気 を つけて すいません
じゃあ 何 日 か お 願い し ます 行って くる き
≪( 男 ) ら しゃめん だ ー !
おお ーッ !
≪( 龍 馬 ) どう いた ぜ よ ? 野 風 →
異人 に 身 請け して もろう た っ ちゅうこ と かえ ?
( 野 風 ) いずれ は 正式な 夫婦 に と
主 さん は おっしゃって くださって おり ん す
そんな こと … 信じる アホ が どこ に おる が じゃ
実は … 身売り を しよう と
横浜 の 遊郭 を 訪ねた であり ん すよ →
そこ で 主 さん の 手 の 者 に 声 を かけ られ ん した →
何でも い なく なった あ ちき を 捜して くださって いた そうで
《( 使用人 ) お 待た せ し ました 》
《( ルロン ) ジュ … ジュテーム 》
《 じゅ ?》 《 お … お 慕い して い ます 》
《( フランス 語 で 語る )》
≪( 野 風 ) 細かな こと は 分か りんせん が 気持ち だけ は →
伝わって きん して なあ
《 あの … お 名前 は 何と ?》
《 ルロン 》 《 へえ 》
《 ルロン 様 ?》
《 こりゃ あ 「 ルロン 」 さん と ?》
《 異人 から と 分かって は 気味 悪 がり →》
《 受け取って もらえ ぬ かも しれ ぬ と 》
あ ちき は ルロン さん と 一緒に なる こと を 決め
お 金持ち だ と いう ので 支度 金 を いただいた であり ん すよ
それ を もし かして 私 達 の ツル に ?
あ ちき は 言わ ぬ が 花 と 思って おり ん した が
主 さん が →
相手 は 大金 の 出所 を 捜し まわり →
困って いる かも しれ ぬ と
きちんと 告げる の も 思いやり だ と
おっしゃら れ ん して なあ
それ も そう か と …
何 じゃ その … 言いなり は !
意地 を 張る が が お まん の 信条 じゃ ろう が
ちゃんと した 方 な んです ね ルロン さん は
頼もしき お方 であり ん す
けん ど お まん は それ で よかった が かえ ?→
あ ッ ?
主 さん と いる と …
あ ちき は いつの間に やら
笑って いる のであり ん すよ
あ ちき は
幸せに なれる 気 が … ちゃ ーッ ! ちゃ ッ ちゃ ッ …
あー ッ …
南方 先生
はい
あ ちき は これ より
女子 の 幸せ は すべて
手 に 入れる つもりで お りん す
故に
これ より 先 の 心配 は ご 無用であり ん す
先生 も
我が身 の お 幸せ だけ を お 考え ください
はい
《 野 風 さん の 人生 に よって は 新しい 未来 が 生まれる 可能 性 も 》
《 ある かも しれ ない し 》
《 私 ども で 変え られ なかった お 気持ち を 野 風 さん …》
《 いえ 未来 さん は 》
《 たやすく 変えて おしまい に なら れる のだ と 思う と …》
お 気 を つけて
グッバイ じゃき
ボン ボヤージュ か …
野 風 さん は
あの 日 の 話 を お 聞き に ?
せっかく お 助け できた お 二 人 であり ん す
あ ちき の ため に も 幸せに なって くだ さん し
先生 と
幸せに なる と
約束 して くだ さん し
あの …
≪( 使用人 ) そろそろ 出 ます
では 咲 様
お さらば え
ごめん な
未来
咲 さ ん
あ ッ はい
ちょっと お 話 が ある んです けど
未来 に 戻れ そうに なら れた のです か ?
殺さ れ そうに なった とき に …
まあ 幻 かも しれ ない んです けど
でも …
その とき その …
私 は …
戻り たく ない って 思った んです
未来 に 会え なく なる より …
咲 さん に 会え なく なる 方 が つらい って 思って しまった んです
あ ッ …
戻り たく ない って 思って も いつか 戻さ れて しまう かも しれ ない し
そんな 人間 が …
こんな こと 言って いい の か 分かり ませ ん けど …
咲 さ ん
私 と 一緒に なって もらえ ませ ん か ?
美しい 夕日 です ね
こんなに 美しくて
よい のでしょう か ?
《 先生 と 幸せに なる と 》
《 約束 して くだ さん し 》
お 断り 申し上げ ます
私 の 幸せ は
先生 と 一緒に なる こと で ございませ ぬ
私 の 幸せ は …
後 の 世に
仁 友 堂 を 残す こと で ございます
私 は
先生 が いつか お 戻り に なる 世 の こと を 考えて いらっしゃる の が
情けなく 感じる とき が ございました
それ は 何故 か と
心 に 問うて み ま すれば
先生 が お 戻り に なる 未来 に
私 が い ない から な ので ございます
ならば 残せば よい と 思い ました
私 が …
私 達 が
つかの間 先生 と 生きた 日々 を
戻ら ない かも …
しれ ませ ん よ
いいえ
きっと お 戻り に なり ます
実は それ も 大きゅう ございます
いつか おら れ なく なる と 分かって いる 方 と
人生 を ともに する 勇気 は
やはり 私 に は ございませ ぬ
親不孝 ばかりの 身
せめて 結婚 は
母 も 兄 も 素直に 喜べる お 相手 と と も 思って おり ます
なれ ど 今 まで どおり
先生 の 弟子 と して
できる かぎり の こと を いたし ます ので これ から も …
よろしく お 願い いたし ます
では 食事 の 支度 が ございます ゆえ 先 に
おお 咲
何 か あった の か ?
どうした の だ ? 咲
何 が …
私 だけ …
など …
私 だけ 幸せに など
なれる わけ が ない で は ございませ ぬ か
〈 咲 さん は 大人 だった 〉
〈 俺 が 思って いた より も ずっと 〉
〈 だけど ふら れた ところ で 〉
〈 みんな を 幸せに し たい と 思った あの 気持ち は 嘘 じゃ ない 〉
〈 だったら 〉
〈 やる こと は 一 つ だ 〉
〈 全力 で 今 を 生きる 〉
〈 自分 自身 の 志 を 持って 〉
〈 この 時代 の 明日 を 変えて いく んだ 〉
しばらく 薩摩 藩 の やっかいに なろう と 思う ち ょる が ぜ よ
操 錬所 も つぶれて しもう たき の
薩摩 で 何 を する んです か ? これ を 足がかり に
ゆくゆくは 薩摩 と 長 州 を 結びつける つもり ぜ よ
この 二 大雄 藩 を 結びつけたら
必ず こん 国 を 生まれ変わら せる こと が できる
こん 国 は 変わら ねば なら ん が じゃ ね や ? 先生
張り切 ん の は いい が おい ら の こと も ちゃんと 考えて くれ
これ でも 一応 旗本 なんだ から よ おう そう だった かい のう ?
≪( 勝 ) まったく よ …
( 龍 馬 ) 勝 先生 に は 一生 頭 が 上がら ん が じゃき
私 も
ペニシリン を もっと 扱い やすく しよう と 思って ます
扱い が 簡単に なれば 京都 の とき の ような 悔しい こと も ない だろう し
それ を きっかけ に 医学 の 色 んな 垣根 も なくなる かも しれ ない し
この 国 に 新しい 医術 が 生まれる かも しれ ない
初めて 聞いた ぜ よ
いや だって 初めて 言い ました から
違う き
先生 が 自分 の 考え を 聞か れ も せ ん うち に
話す っ ちゅう が を 初めて 聞い たち 言う とる が じゃ
ちょっと 言って み たく なった んです よ
ほ いたら 先生
また はい
〈 だけど この とき 〉
〈 すべて は すでに 始まって いた んだ 〉
〈 残酷で 優しい 未来 へ と 〉
〈 時 は 動きだして いた 〉