JIN - 仁 - 完结 编 #06 (2)
ともに 長 州 に 行か ん かえ ?
長 州 … です か ?
いよいよ
長 州 と 幕府 の 戦 が 始まる が じゃ
負傷 兵 に 戦場 で ペニシリン を 使う て 見せ
その 勢い で 長 州 に ペニシリン の 製造 所 を 造る こと を
打診 すれば ええ が じゃ
こん 国 は 遠からず
薩長 の もん と なる
食い込んで おか ん 手 は ない !
どう じゃ ?
先生 ?
ご 一 緒 し ます よっ しゃ !
ともに こん 国 の 明日 を
つくる ぜ よ !
〈 その 笑顔 は 何も 変わら ない けれど 〉
〈 密輸 戦争 倒 幕 〉
〈 その 口 から 出る 言葉 を 〉
〈 明るい 気持ち で 聞く こと は でき なかった 〉
〈 暗い 時代 な のだ 〉
〈 歴史 が 大きく 変わる 前 に 〉
〈 必ず 訪れる 混とんと した 時代 〉
〈 そして 龍 馬 さん は その 真っただ中 に いる 〉
ほう じゃ そう いえば 勝 先生 は どう さ れて おる ?
龍 馬 さん が うらやましい って 言って ました
《( 勝 ) おい ら も 徳川 の 家臣 で なきゃ 》
《 もっと 気ままに 動き回れ んだ けど よ 》
《 飛び出そう と は 思わ れ ない んです か ?》
《 飛び出し ち まったら いざ って ときに 江戸 を 守れ ねえ じゃ ねえ か 》
《 おい ら 徳川 が 将軍 で なく なる の は 》
《 かまわ ねえ んだ けど よ 》
《 江戸 が 戦 で ひで え こと に なる の だけ は ごめん な んだ 》
幕府 を 討つ と いう こと は
勝 先生 と も 敵 同士 に なる って こと です よ ね ?
そこ は どう 思って る んです か ?
この 海 を ち っく と 行った 所 に
清 っ ちゅう 国 が ある が じゃ
グダグダ しちゅう うち に
列強 の 食い もん に さ れ 植民 地 の ように な っ ちゅう
このまま で は
この 国 も 同じ 道 を 歩もう
そう なら ん 道 は ただ 一 つ
徳川 の 時代 を 終わら せ →
この 国 を 立て直す こと じゃ
これ は どう いて も 必要な 戦 な んじゃ
勝 先生 も
分かって くれる と 思う が じゃ
( 恭 太郎 ) 軍艦 奉行 へ の お 役目 復帰 おめでとう ございます
困った とき ばっかり ケツ まわして きや が って
何 か ? 幕府 は フランス に
金 と 軍艦 の 援助 を 頼んだ んだ と よ
それ が 届き しだい 長 州 ついでに 薩摩 も 討て
その あかつき に は 領地 を 召し 上げろ と さ
まったく 分かって ねえ んだ よ
フランス の 親切 顔 の 裏 で 植民 地 に しよう って たくらんで る こと も
薩長 を 上 から 抑え 込もう なんて したら
こっち が 自滅 する って こと も よ あの …
坂本 殿 は この 戦 に は
無関係な のでしょう か ? 薩長 の 裏 を こそこそ 動き回って
手 を 組ま せ
倒 幕 を あおって る って 噂 も ある ね
先生 は 噂 だ と 思わ れ ます か ?
たとえ そう だ と して も
おい ら は あいつ を 敵 だ と 思った こと は いっぺん も ねえ よ
敵 じゃ ねえ はずだ よ
兄 上 南方 先生 は
まだ 長崎 か ? はい
先生 は その後 は 坂本 殿 と は 会わ れたり は して おら れ ぬ か ?
会い たがって おら れ ました が
果たせ ぬ まま 長崎 へ たた れ ました が
しかと は 分から ぬ が 坂本 殿 は
危ない 橋 を 渡ら れて いる ようじゃ
先生 が 戦 に 巻き込ま れ や せ ぬ か と いう の が 気がかりで な
戦 ? 長 州 征伐 も 始まって おる
長崎 で 坂本 殿 と 会わ れて おら れれば
もし かして と 思う て な
き憂 なら よい のだ が …
撃て !
( 桂 ) 見事な もの に ご ざる 最新 型 じゃ きね
先生 ! 先生
こん お 人 は 桂 小 五郎 っ ちゅう て
か … 桂 小 五郎 ?
知 っ ちゅうか え ?
あ ッ お 名前 は 聞いた こと が …
≪( 龍 馬 ) 桂 さん は やっぱり 有名な が じゃ
桂 さん この お 人 は
南方 仁 先生 っ ちゅう て …
もしや … ペニシリン なる 薬 を 作った お方 で は ?
はい ! 以前
久 坂 が よく 話 を して おり ました
《 ペニシリン を 静脈 に 注射 し ます 五 ~ 六 刻 ほど で 効果 が 見 られ ます 》
《( 久 坂 ) お前 は 間違える な この 国 の 未来 を 》
素晴らしい 薬 を 紹介 さ れた が 時節 が 悪く
話 に のる こと が でき なかった と
久 坂 さん が ?
ほん なら 話 は 早い
実は その ペニシリン が 粉末 化 して
より 扱い やすう なった が じゃ
長 州 でも これ を 広め 製造 所 を 造って は もらえ ん ろうか ?
やけど の 治療 に も 効果 的です 負傷 した 方 の 治療 を
さして もらえれば … ありがたい が
この 戦 で は 出番 は ない かも しれ ませ ぬ
え ッ ?
( 戦う 兵士 達 の 声 )
撃て ーッ
≪( 龍 馬 ) 何 じゃ …→
長 州 は
おもしろい ように 勝 っ ちゅう じゃ ない か →
アハハハハ …
幕 軍 は もう 退却 です か
時代 の 流れ を 感じる のう
幕府 が 敗れる こと が です か ?
( 龍 馬 ) それ も あるけ ん ど …
長 州 兵 ら …
あれ ら は 農民 じゃあ
≪( 龍 馬 ) 武士 だけ が こん 国 を 支配 する 時代 が 終わる
わし に は そう も 見える が じゃ →
のう ? 先生
先生
すいません
私 に は どっち が 幕 軍 で
どっち が 長 州 な の か
いまいち 分から なくて 分から ん ?
同じ 日本 人 同士 が
もみあって る ふうに しか …
それ が
今 は 必要な が じゃ
いけ ーッ !
( 山田 ) 咲 殿
「 頼り が ない の は よい 便り 」 と も 申し ます よ
はい
元気 が ない のう 先生
龍 馬 さん
こんな 方法 しか ない んでしょう か ?
新しい 国 を つくる に は 戦争 しか ない …
( うめき声 )
( 幕府 兵 A ) おのれ 長 州 …
( A ) うわ ーッ !
( 長 州 兵 ) 行き ましょう
( 苦しむ 幕府 兵 )
行 っと ー せ
これ が 戦 じゃ
先生 も 行こう
先生
龍 馬 さん やっぱり 変わり ました よ
うん ? 前 の 龍 馬 さん なら
敵 味方 なく 助けた と 思い ます
でも 今 は 薩摩 と 長 州 の こと しか 考えて ない
先生 それ は 違う ぜ よ
やって る こと だって 武器 商人 じゃ ないで す か !
人殺し で 金 稼ぎ して る だけ じゃ ないで す か
先生 ほう じゃき … あの 人 達 だって
龍 馬 さん が 売った 銃 で 撃た れた の かも しれ ない んです よ
わしゃ あ こん 国 を 思う から こそ や っち ょる が じゃ
何べん も 言う けん ど これ は どう いて も 必要な 戦 な が じゃ
戦 だけ が 国 を まとめる 手段 な んです か ?
そんな 方法 で まとめる しか 能 が ない なら
政権 を とった って うまく いく はず が ない !
うまく いか なく なったら
また 戦 を 繰り返す だけ な んです
暴力 は …
暴力 を 生む だけ な んです ! 先 に 殺さ れたら
それ で しまい な が じゃ
わしゃ あ
寺田 屋 で 殺さ れ かけ 思う たが じゃ
どんな ええ 考え を 持 っち ょっ たち
ばっさり やられて し もう たら
それ で しまい な が じゃ
まず 相手 を 力 で 従わ せ ん と
考え を 述べる こと も でき ん
世 を 動かす こと は でき ん が じゃ
戦争 を する 人 は
みんな そういう こと 言う んです
先生 は 特別な お 人 じゃき
きれいごと ばっかり 言える が じゃ
龍 馬 さん から 見たら
私 は 特別な の かも しれ ませ ん
だけど
私 だって
国 を よくしよう と 思って 戦って る つもりです !
私 なり に … です けど
心配 し ないで ください 私 は ただ の 町 医者 です
傷口 診て いい です か ? ちょっと しみ ます よ
うわ ーッ …
かたじけない
とんでもない
あそこ で 休める かな ?
ここ は 長 州 で ございます
農民 と いえ ど 兵 と いう 土地柄 で …
とりあえず 見て き ます よ
まことに かたじけない
すいません どなた か いらっしゃい ます か ?
空き家 か
《 暴力 は 暴力 を 生む だけ な んです !》
《 私 だって 国 を よくしよう と 思って 戦って る つもりです 》
坂本 殿 !
は あ ッ は あ ッ …
( 銃声 )
引け !
そんな …
《( 象 山 ) お前 の やった こと が 意 に そわ ぬ こと であったら →》
《 神 は 容赦 なく 》
《 お前 の やった こと を 取り消す 》
この 人 達 を 生かしたら
何 か 歴史 に 問題 が 起こる んです か ?
何 が 気 に 入ら ない んだ よ …
何で こんな こと する んです か !
( 龍 馬 ) 先生 ! 南方 先生 !
南方 先生 も まさか …
誰 か ! 誰 か おら ん がか …
先生 が ここ まで 運ば れた のでしょう か ?
《 龍 馬 さん が 売った 銃 で 撃た れた の かも しれ ない んです よ 》
( 幕府 兵 B ) 何 奴 じゃ !
私 は 医者 です 治療 を お 手伝い さして ください
ボロクソ に 負けて る !? たかが 長 州 一 藩 に ?
このまま いけば 諸 藩 は
徳川 へ の 反旗 を 続々 と 翻そう
負けた 訳 は 何 なんだい ?
一 番 の 訳 は 大量 銃 だ そう じゃ →
長 州 は 民 草 に いたる まで 新型 の 銃 を 手 に して おる
坂本 に も
困った もん だ よ
( 悲痛な 兵士 達 の 声 )
〈 あれ から 〉
〈 俺 は 幕府 軍 の 治療 を し …〉
〈 幕府 軍 の 手 で 長崎 まで 送り届けて もらった 〉
〈 龍 馬 さん に 暗殺 の こと を 告げる こと は でき なかった が 〉
もう 大丈夫です よ グラバー さん
〈 おぼろげに 分かって きた こと が あった 〉
〈 保険 と いう もの の こと に ついて は 告げる こと が でき 〉
〈 暗殺 の こと を 告げよう と する と 〉
〈 猛烈な 頭痛 が 起こった 〉
〈 これ は 未来 の 様子 を 語る こと は 許さ れて も 〉
〈 目の前 の 歴史 に 直接 介入 する ような こと は 〉
〈 許さ れ ない と いう こと な のだろう か ?〉
〈 幕末 の 暗い 歴史 を 変える こと は 許さ れ ない …〉
( 岡田 ) 南方 先生
明日 で 国 に 戻り ます ので
お 礼 を と
そう な んです か
熱心に 講義 を 聞いて いただいて
ホントに 岡田 さん に は … 実は
岡田 と 申し ます の は 偽名 で ございまして
まこと の 名 を 田中 久 重 と
申し ます
あの … もし かして
無 尽 灯 を 作った 田中 さん です か ?
名 が 知れる と 他の 生徒 の 気 が 散る こと に なる かも しれ ませ ん ので
ボードウィン 先生 に 頼み
偽名 を 使う こと を 承諾 して いただき ました
あい すいません いえ そんな こと は
それ より 田中 さん は 無 尽 灯 の 他 に も
医療 器具 も 作ら れて る んです よ ね ?
よく ご存じ で 他 に は どんな もの を ?
初め は からくり 人形 →
電池 万 年 時計 →
蒸気 機関 車 の おもちゃ あ ッ …
蒸気 船 は 本物 も 造り ました な
何でも … つくら れて る んです ね
何 を つくる の も 同じで ございます から
同じ ?
からくり 人形 を 見る と
人 は ワッ と 笑う わけです
無 尽 灯 が 照る と これ また ワッ と 喜ぶ わけです
その 顔 見た さ に
あれこれ やってきた と いう だけ の 話 で ございます
素晴らしい 人生 です ね
うらやましい です
息子 と 孫 を
ともに 殺さ れる ような 人生 が でしょう か ?
こ … 殺さ れた ?
息子 は 技師 と して ある 佐賀 藩士 と ともに
軍艦 の 買い取り に 長崎 に まいり
そこ で その 藩士 に
孫 もろとも 斬ら れて しまった のです
どうして そんな …
分かり ませ ん
その 藩士 も 留学 まで した 開明 派 で
志 は 同じだった はずな のです が
ある 日 突然
そういう こと に なって しまった のです
どうして そんな …
痛ましい こと ばかり 起こって しまう んでしょう か ?
時代 の 渦 に …
のま れた のだ と 今では 思って おり ます
時代 の … 渦 ?
今日 の 味方 が 明日 に は 敵 に なる
その 逆 も しかり
その 中 で
ぐるぐる 回さ れて いる と
自分 の 立って いる 場所 が 分から なく なって しまう
どこ を 目指して いた の かも 分から なく なる
私 の 友人 も 今
その 渦 の 中 に い ます
私 は
そこ から 彼 を 引っ張り出す こと が でき ませ ん でした
ともに 渦 に のま れて は 意味 が ない
友 と して 先生 が なす べき こと は