( 恵 ) あたし ぃ こいつ 嫌い な の ぉ 。 ( 静 信 ) 《 突然 の 辞職 … 》
( 武藤 ) 徹 は … 死 ん でる 。
( 正雄 ) 《 図書 館 の 人 だ 》
愛し ‥ 愛し 合う の さ もっと
激しい 渇き に 狂い そう
目 を 閉じ て 罪深き くちづけ
お前 の 匂い 狂わせる
真 夜中 に 目覚め て 狂気 愛 飲み干す
おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い ぞ "
君 は 惑い 揺らめく
やがて 永遠 に なる " こっち の 闇 は 甘い ぞ "
僕 は 深く 突き刺す
おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い よ "
君 は 惑い 揺らめく
( 夏野 ) やっぱり 来 た ん だ な 。
だけど 俺 は →
簡単 に は 殺さ れ ない !
( 敏夫 ) 残念 です 。
( 宗 秀 ) そんな … 。
( 智 寿 子 ) 博巳 … 。 博巳 ー ! !
( 敏夫 ) 《 頻脈 頻 呼吸 縮 瞳 チアノーゼ 》
( 澄江 ) 2 ~ 3 日 前 から 風邪 を ひ い て 寝込 ん で い た ん です 。
《 例の やつ だ 。 虫 刺され 》 →
《 やはり 媒介 動物 から の 感染 な の か … 》
( 澄江 ) 肺炎 じゃ ? ( 敏夫 ) 動脈 採血 。
( 律子 ) はい 。 ( 敏夫 ) いや 何とも 言え ない 。
( 澄江 ) 本当 に 風邪 だ と 思った ん です 本人 も そう 言って た し 。 →
それ で せんじ 薬 を 飲ま せ た ん です よ 。 →
しゅうと から 教わった 薬草 を ブレンド し た 薬 で し て ねぇ 。 →
どんなに ひどく て も 一晩 で ぴんぴん ! →
なのに 少しも 良く なって なく て 。
何 を 考え てる ん だ あんた は ! !
チアノーゼ が 起こって いる ! どうして 救急 車 を 呼ば なかった !
おまけに せんじ 薬 だ と ! ? →
何 だって 素人 が 勝手 に 診断 し て 勝手 に 投薬 する ん だ ! !
( 律子 ) 先生 。
( 敏夫 ) いや 申し訳ない 。 →
とにかく 救急 車 を 呼び 国立 に 運ぶ 。
( 雪 ) びっくり し まし た 。 →
先生 が 来 院 者 を 怒鳴る なんて 初めて 見 まし た 。
( 清美 ) そう ねぇ 。
( やす よ ) 分から ない でも ない けど ね 。 →
最近 死亡 者 が 多い から みんな 不安がって て →
ちょっと した こと でも 病院 に 来る 人 が 増え て 忙しい でしょ 。 →
その 上 例 の 疫病 の 対策 は いまだ に 見つから ない わけ だ し 。
( 清美 ) ま ぁ 確かに ぴりぴり し て いる ところ に →
先祖 伝来 の せんじ 薬 と か 言わ れ たら ねえ … 。
ホント に 忙しく なり まし た よ ね 。 今日 も 午前 の 診察 が →
こんな 時間 まで ずれ込 ん じゃ い まし た し ね 。
うん ? 静 信 か 。 →
村 の 連中 から 何 か 聞き出せ た の か ?
( 静 信 ) うん 。 これ が 関係 ある の か どう か 分から ない ん だ けど →
太田 健治 。 広沢 高 俊 。 佐伯 明 。 →
高嶋 靖夫 。 清水 隆司 。 大川 茂 。 →
この 6 人 は 村 の 外 に 通勤 し て い た 。 →
そして 全員 死ぬ 直前 に 退職 し て いる 。
疫病 と は 関係ない だ ろ う 。 ( 静 信 ) でも 全員 だ よ 。 →
あと これ も 関係 ある か どう か 分から ない けど →
村 から 人 が 減って いる 。 ( 敏夫 ) そんな こと は →
嫌 に なる ほど 分かって いる 。 からかって る の か ?
( 静 信 ) いや 死亡 だけ じゃ なく て 突然 の 引っ越し が 多い ん だ 。 →
近所 に 何 の 連絡 も なく 。 僕 が 調べ た だけ で 22 件 。 →
でも 誰 も 転出 届 を 出し て い ない ん だ 。
それ が 何 だ ?
( 静 信 ) 変 な 話 だ ろ ? →
駐在 の 高見 さん の 奥さん で すら 届出 を 出し て い ない 。 →
村 で 何 か が 起こって いる 気 が し て なら ない ん だ 。
疫病 も その 何 か の 一環 に すぎ … 。 ( 敏夫 ) いいかげん に しろ ! !
好き で 出 て いった 連中 な ん か 知った こと か !
例の 疫病 は 勢い が つい て いる ん だ ! ! →
もう 何 人 死 ん だ か 分かって いる の か ! ? →
なのに お前 は 関係 の ない こと を 調べ て いる ! !
お前 は 時間 を 浪費 し た ! ! そんな 暇 が ある なら →
村 の 連中 の 顔色 を 見 て 具合 の 悪 そう な やつ を →
見つけ て くれる 方 が 何 倍 も 有益 だ ! !
《 くっ … 。 頭ごなし な 物言い 。 まるで … 》
( 敏夫 の 父 ) 《 お前 は 歴史 ある 尾崎 の 一粒種 》 →
《 村人 の 命 を 預かる 重き 責務 を 負う 者 だ 》 →
《 故に 村人 の 生命 が 損なわ れる こと は →
尾崎 へ の 侮辱 。 それ は 断じて 許さ れ ない ! 》
( 敏夫 ) 《 親父 じゃ ない か … 》
( ドア の 開く 音 )
( 沙 子 ) 室井 さん 。 ( 静 信 ) 沙 子 … 。
( 沙 子 ) 家 の 窓 から 明かり が 見え た から 。 →
約束 覚え てる ? サイン し て もらう 本 持って き た の 。
( 静 信 ) 何となく 面はゆい な 。
( 沙 子 ) ありがとう 。 大切 に する わ 。
沙 子 。 君 は あまり 外 を 出歩か ない 方 が いい 。
あっ 。 やっぱり 迷惑 ? 室井 さん の テリトリー を 侵さ れる の は 。
( 静 信 ) いや そう じゃ ない 。 →
君 の 病気 は 感染 症 に かかり やすく て … 。
あら 。 わたし の 病気 に つい て 調べ て くれ た の ? うれしい な 。
でも その こと なら 大丈夫 よ 。 →
うち は 住み込み の お 医者 さん が いる の 。 →
母さん も 同じ 病気 だ から 。
( 静 信 ) そう か 。 なら お 母さん も 知って おく 必要 が ある 。 →
これ は 秘密 に し て ほしい ん だ けど →
村 で は 今 正体 不明 の 病気 が はやって いる 。
正体 不明 ? ( 静 信 ) ああ 。
危険 な 病気 な の ? ( 静 信 ) ああ 。
まあ ! せっかく 療養 で 来 た のに 街 に いる より 危険 ね 。
でも そういう こと も ある わ 。
せっかく 室井 さん に 会え た のに な 。 でも ごく たまに なら いい ?
僕 に 許可 を 取る よう な こと じゃ ない よ 。
でも 気 を 付け て 。
( 沙 子 ) また 落ち込 ん で いる の ?
僕 より 敏夫 が ね 。 →
患者 を 救え なく て 焦って いら立って 怒って る 。 →
僕 は 何とか 敏夫 を 助け たい ん だ けど →
実際 に は 何も でき なく て 。 →
敏夫 は そんな 僕 に いら立つ 。
でも あれ は 僕 に じゃ なく 自分 に 腹 を 立て て いる ん だ 。 →
敏夫 は 本来 そういう 振る舞い を 自分 に 許す やつ じゃ ない 。
だから 切なく なる ん だ よ 。
気持ち が 擦れ違って しまって いる の ね 。 →
かわいそう 。 尾崎 先生 も 室井 さん も 。
こんばん は 。
( 葵 ) あっ 夏 。 何 ?
保っちゃ ん は ? ( 葵 ) 上 だ と 思う けど … 。
夏 。 正雄 の お 通夜 行った ?
いや 行って ない 。 ( 葵 ) 冷たい なぁ 。
俺 が 行って も やつ は 喜ば ない よ 。
( ゾンビ ) ギャー ! !
( 保 ) 普通 不幸 が あった ばかり の 家 に →
ホラー ビデオ 借り て き て 見る か ? コメディー なら よかった か ?
( 保 ) 『 吸 血 鬼 ドラキュラ ザンス 』 ? →
やっぱり コメディー か ? →
そんな の 好き だった の か ? いや 。
あぁ ? じゃ 死人 が 蘇る の と か どう だ ?
えっ ! ? お っ 食い付 い た ?
この 村 に は 「 起き上がり 」 って の が いる ん だ よ 。
お ぉ 相当 気 に 入った な ?
この 村 土葬 だ から さ 悪い 子 の 所 に は 夜 に なる と →
死者 が 起き上がって こらしめ に 来る って 言い伝え が ある わけ 。 →
小さい ころ 夜更かし と か する と よく 親父 に →
「 起き上がり が 来る ぞ ! 」 って 脅かさ れ た よ 。
起き上がり に 関 する 本 も 吸 血 鬼 に 関 する 本 も →
まったく ない 。
もし かして … 。
あっ !
この 人 確か 寺 の … 。
( 美和子 ) あら ! →
すてき な お 客 さま よ あなた 。
こんにちは 。
( 美和子 ) 去年 越し てい ら し た 結城 さん の 所 の 息子 さん ね 。 →
ちょっと だけ 村 で お 見掛け した こと が ある の 。
あの … 静 信 さん は ?
( 美和子 ) あの 子 に ご用 で し た の ね ごめんなさい 。 →
今 仕事 で 出 て しまって いる の 。 じきに 戻る と 思う けど →
少し お 待ち に なる ? お茶 を 上がって らっしゃい な 。
いえ 。 図書 館 で 見 たかった 本 を 先 に 借り てい ら し た ので →
ちょっと だけ 見せ て もらえ たら と 思って 来 た だけ な の で 。
まあ ! 静 信 ったら 学生 さん の 勉学 の 邪魔 を し て しまった の ね 。 →
あの 子 副業 で 小説 を 書 い て い て ね 。 →
その 資料 と して よく 図書 館 の 本 を たくさん 借り て くる の よ 。
小説 の 資料 です か … 。
( 武子 ) ねえ ねえ 。 昨日 の 夜 加藤 の →
義秀 じいさん が 死 ん だ そう よ 。 ( 弥栄子 ) あら ま !
( 笈 太郎 ) あそこ の じいさん は 酒飲み で 何度 も 倒れ て た から な 。
( 武子 ) わたし も お 酒 の 量 気 を 付け ない と 。
( 郁美 ) まだまだ 続く よ !
( 弥栄子 ) あら ま !
( 武子 ) 郁美 さん 。 あんた 毎年 そんな こと 言って る わ ね 。
( 郁美 ) 兼 正 よ ! 兼 正 が 来 て から な の よ !
あの 連中 が 厄 を 呼び込 ん だ ん だ わ !
まさか ! ( 郁美 ) 「 まさか 」 じゃ ない よ !
( 武子 ) だ けど 兼 正 が 越し て き た の は →
山 入 で 不幸 が あった 後 だ よ 。
家 が 建って 以来 な の よ !
あの 場所 は よく ない の ! 造作 し ちゃ いけなかった の よ !
( 笈 太郎 ) まあ 村 に は 似合わ ねえ 家 だ けど なぁ 。
( 郁美 ) 分か ん ない や つら だ ね !
( 律子 ) 悦子 さん 例の やつ です か ? ( 敏夫 ) おそらく な 。
( 律子 ) 処置 は どう し ます か ?
鉄 剤 と ビタミン 剤 抗 生物 質 の 投与 それ から 全 血 輸血 を し て みよ う 。
患者 に は 悪い が 現 段階 で は 色々 試し て みる しか ない 。
( 律子 ) 分かり まし た 。
( 聡子 ) 行田 悦子 さん も あれ です か ね ?
そう だ わ 。 そういう 顔色 だった わ 。
何だか 怖い です ね 。
あっ 高野 さん ?
今日 は お 休み する って 言って ませ ん でし た ?
( 藤代 ) はい 。 あの 先生 は おいで です か ね ?
( 律子 ) 先生 は 今 来客 中 です けど お呼び し ま しょ う か ?
( 藤代 ) あぁ じゃあ いい です 。
あの う 先生 に 伝え て もらえ ませ ん か ね 。 →
今日 限り で そちら を 辞め させ て もら お う か と … 。
忙しい のに ごめんなさい ね 。 →
でも わたし とても じゃ ない けど 怖く て 怖く て 。
こんなに 次々 死人 が 出 て 次 は 自分 じゃ ない か と 思う と … 。
( 藤代 ) 先生 は 大丈夫 だって 言う けど →
本当の ところ は 分から ない でしょ う ? →
ゴミ を 捨てる とき な ん か 針 が ど っか から 出 て ない か と 思って →
心臓 が どきどき し て … 。
( 律子 ) 分かり まし た 。 先生 に は お 伝え し て おき ます から 。
悦子 さん 。 今日 の 朝 一 番 に 来る よう に 言って おい た はず だ が 。
( 悦子 ) は あ 。 でも 今日 は 気分 が いい ん です よ 。
確かに 少し いい よう だ が →
あんた の それ は 油断 し ない 方 が いい ん だ 。 →
ほら 。 採血 する から こっち へ 。
あした は ちゃんと 来る ん だ 。 1 時 に 病院 を 開け て おく から 。
( 悦子 ) でも あした は 日曜 です し 。 ( 敏夫 ) いい から !
来 なかったら また 押し掛ける から な 。
《 鉄 剤 ビタミン 剤 抗 生物 質 は これ まで も 投与 し て き た が →
今回 ほど の 回復 は 得 られ なかった 》 →
《 と する と 全 血 輸血 が 良かった の か ? 》
( 文 吾 ) はい 行田 です 。 あっ 若 先生 。
悦子 さん が 来 ない ん だ が ね 。 どうか し た の かい ?
( 文 吾 ) いえ 。 その … 。 →
やっぱり 休診 日 に 伺う の は 申し訳ない って 本人 が 言う もの で →
様子 を 見 て 月曜 に 行か せよ うか と … 。
俺 は 来 て くれ と 言った ん だ 。 ( 文 吾 ) あぁ … 。
病院 の 方 に 詰め て 待って いる 。 俺 に 気 を 使って くれる の なら → N 俺 は 来 て くれ と 言った ん だ 。 ( 文 吾 ) あぁ … 。
病院 の 方 に 詰め て 待って いる 。 俺 に 気 を 使って くれる の なら →
約束 どおり の 時間 に 来 て 早め に 俺 を 解放 し て くれ 。
《 医者 に は 患者 に 来い と 命令 する 権利 など ない 》 →
《 村人 の 生命 を 監督 する 責任 も 権限 も ない 》
こんな もの 効く の か よ 。
( 文 吾 ) あぁ … 。
くっ ! ふぐ っ ! う っ ! ふん !
君 は 確か 結城 さん の 所 の ?
はい 。 ちょっと 先生 に 聞き たい こと が ある ん です 。
清水 … 。 清水 恵 さん の こと です が →
先生 が 診察 し た ん です よ ね ?
診察 も し た し 死亡 診断 書 を 出し た の も 俺 だ な 。
確かに 死 ん で まし た ? その 脳死 と か ある でしょ う ?
脳死 じゃ ない 心臓 死 だ 。 死 斑 や 死後 硬直 も 見 られ た 。
ちょっと でも 生き て いる 可能 性 が あったら →
家族 が 止め て も 治療 し てる よ 。 じゃあ … 。
じゃあ 清水 さん が 生き返る こと は 絶対 に ない ん です ね ?
ハハハ ! あの 状態 で 生き返ったら ゾンビ か 吸 血 鬼 だ よ 。
《 今 俺 は 何て 言った … 》
分かり まし た 。 すみません 変な こと 聞い て 。
君 ! 何 だって そんな こと を 聞き に 来 た ん だ ?
えっ ?
《 それ が 貧血 で 始まる と いう こと だけ だ 》 →
《 外傷 は ない 。 まあ 虫 刺され ぐらい だ な 》
( 静 信 ) 《 村 から 人 が 減って る 。 突然 の 引っ越し が 多い ん だ 》
( 敏夫 ) 《 村 で は まだ 土葬 の 風習 が 残って いる 》
( やす よ ) 《 続く 家族 と 続か ない 家族 が ある の は →
体質 の 問題 かしら 》
( 敏夫 ) 《 全 血 の 輸血 が 良かった の か 》
《 これ は … 》
《 疫病 じゃ なかった の か … 》
( かおり ) ねえ 。 本当 に 見 た の ?
( 昭 ) だ から 見 た って 言って ん だ ろ ! 確かに あの 兼 正 の 屋敷 に →
死 ん だ はず の 製材 所 の 康幸 兄ちゃん が 入って いったん だ !
( かおり ) 大塚 の 康幸 さん が … 。
村 の 人 たち が 次々 に 死 ん で いく の は →
あいつ ら が 何 か し てる せい だ !
でも やっぱり 怖い よ ぉ 。 誰 か 大人 に 話し て 助け て もら お う よ 。
言った だ ろ ! こんな 話 大人 が 信じ て くれる わけない って 。 →
俺 たち が やる しか ない ん だ 。
大きな 夢 目指し 歩 い て い た
迷い 迷って 終わり の ない 旅
あの 時 は 雪 混じり の 雨 で
涙 か どう か わから なかった
さよなら もう 二 度 と 会え ない
私 が 、 選 ん だ 未来 へ また 一 歩 踏み出す よ
大きな 壁 を 超え て
好き だった のに どうして ?
「 最期 だ 」 なんて 言った の ?
今 で は ちゃんと わかる
だから ねぇ " walk " 強く . . .