Made in Abyss Episode 3 made||abyss|episode

「 奈落 の 底 で 待つ 」 ならく||そこ||まつ

どうして ちょ ろ まかして きちゃ うか なぁ

だって これ お 母さん が 私 に 書いた 手紙 だ もん |||かあさん||わたくし||かいた|てがみ||

私 のだ もん わたくし||

それ で 本気で 行く 気 か ||ほんきで|いく|き|

うん だ から 協力 して 欲しい の |||きょうりょく||ほしい|

お 母さん が 待って る の |かあさん||まって||

監視 基地 から 先 は どう する つもり かんし|きち||さき||||

お 母さん の 待つ アビス の 底 を 目指す よ |かあさん||まつ|||そこ||めざす|

そ っ から 先 の ルート は |||さき||るーと|

どうした の ナット ||なっと

俺 は 反対だ おれ||はんたいだ

アビス の 底 って お前 軽々しく 言う けど な ||そこ||おまえ|かるがるしく|いう||

行ったら 2 度 と 戻って こ れ ない んだ ぞ おこなったら|たび||もどって|||||

なに よ 今更 ||いまさら

私 は 白 笛 を 目指して る の わたくし||しろ|ふえ||めざして||

そんな の 覚悟 は 出来て る もん ||かくご||できて||

いい や リコ は わかって ねぇ

もう 二度と ここ の みんな と 会え なく なる んだ ぞ |にどと|||||あえ||||

そう だ よ

おば さま の ところ に 遊び に 行ったり |||||あそび||おこなったり

リーダー に 教えて もらったり りーだー||おしえて|

俺 たち と 遊んだり でき なく なる んだ ぞ おれ|||あそんだり|||||

そう だ よ

だから ぁ わ わかって る って 言って る じゃ ん ||||||いって|||

な っ 何 泣いて んだ よ ||なん|ないて||

あんた だって 泣いて んじゃ ない ||ないて||

うた た たた 泣いて ねぇ よ |||ないて||

とりあえず 今日 は もう 休もう よ |きょう|||やすもう|

馬鹿じゃ ない リコ だ ばかじゃ|||

馬鹿 ばか

明日 は レグ の 初めて の 探 窟 だ し あした||れぐ||はじめて||さが|いわや||

了解 した りょうかい|

「 奈落 の 底 で 待つ 」 ならく||そこ||まつ

誰 も が 逆らえ ず に 潜って いく だれ|||さからえ|||くぐって|

その 目 を 灯火 より 輝か せて |め||とうか||かがやか|

目指す 先 は 深く まっすぐに 迷い 込む めざす|さき||ふかく||まよい|こむ

口開け だ 奈落 の 罠 真実 の 跡 を 追いかけよう くちあけ||ならく||わな|しんじつ||あと||おいかけよう

今 答え が 見つかる なら 全部 失 く して も いい いま|こたえ||みつかる||ぜんぶ|うしな||||

その 声 を 離さ ない ように 木霊 が まだ 響いて る |こえ||はなさ||よう に|こだま|||ひびいて|

羅針盤 は ずっと 闇 を 指した まま 逃げ場 の ない 方 へ らしんばん|||やみ||さした||にげば|||かた|

それ が 呪い でも 鼓動 は 本物 ||まじない||こどう||ほんもの

二度と 憧れ は 止まら ない にどと|あこがれ||とまら|

五 層 亡骸 の 海 の 砂岩 地帯 で いつ|そう|なきがら||うみ||さがん|ちたい|

尾 が 七 本 ある 蠍 に 出くわす お||なな|ほん||さそり||でくわす

サイズ は 二 メートル を 越える さいず||ふた|めーとる||こえる

こいつ は カッショウガシラ と 呼ぶ 事 に する ||||よぶ|こと||

六 層 で 雨宿り 中 に 出くわした こいつ は むっ|そう||あまやどり|なか||でくわした||

タマゴ の まま 育つ トカゲ だ たまご|||そだつ|とかげ|

この 殻 の お陰 で 鉄 の 雨 も へっちゃら らしい |から||おかげ||くろがね||あめ|||

ダイオウカブリ と 呼ぶ 事 に する ||よぶ|こと||

七 層 を 間近に した 所 で 遭遇 ヒトガタ の 影 正体 不明 なな|そう||まぢかに||しょ||そうぐう|||かげ|しょうたい|ふめい

先ほど から じっと 私 を 観察 して いる さきほど|||わたくし||かんさつ||

馬鹿 め お前 も 私 に 見 られて いる のだ よ ばか||おまえ||わたくし||み||||

大き さ は 人 の 子供 くらい おおき|||じん||こども|

「 成れ 果て 」 と は 違う 空気 を 感じる が なれ|はて|||ちがう|くうき||かんじる|

ひょっとして 人 で は ない の か |じん|||||

そもそも どこ から 来た のだ |||きた|

わから ん

だが 答え は 近付いて いる |こたえ||ちかづいて|

レーグ レグ |れぐ

なんだい

草 なんか 掘って も 虫 しか 出て こね ー ぞ くさ||ほって||ちゅう||でて||-|

掘る なら となり の 平べったい とこ ほる||||ひらべったい|

これ か

ナット な んだ これ は なっと||||

丸 っこ く て フワフワ した 物 が まる||||ふわふわ||ぶつ|

それ も アビス の 「 遺物 」 だ ぜ なんだか わかん ね ー けど ||||いぶつ||||||-|

驚き の 求心力 おどろき||きゅうしんりょく

これ は 特級 遺物 の 可能 性 が ある かも しれ ない ||とっきゅう|いぶつ||かのう|せい|||||

ね ー よ ここ ら で 見つかる の は ガラクタ ばっ か だ ぜ |-|||||みつかる|||||||

これ が ガラクタ と は 度 し 難い |||||たび||かたい

まてよ ガラクタ なら 頂いて しまって も いい ので は |||いただいて|||||

お め ー 裸 吊 り に さ れ っぞ ||-|はだか|つり|||||

ガラクタ でも 外国 に は 高く 売れる んだ と よ ||がいこく|||たかく|うれる|||

見習い は つれ ー よ な みならい|||-||

ほれ その 奥 に も 何 か ある ぜ ||おく|||なん|||

ナット すごい ぞ なっと|| Nat is amazing

次々 と ふわふわ な もの が つぎつぎ|||||

だ ろ まあ 俺 に 任せて おけ って |||おれ||まかせて||

まだ ある ぞ

なんだ なんだ あれ は

「 お 祈り 骸骨 」 だ な |いのり|がいこつ||

2000 年 前 の 骸骨 な んだ と よ とし|ぜん||がいこつ||||

みんな この ボーズ な んだ ぜ

しかし お前 ロボ な のに すげ ービビ る のな |おまえ|||||-ビビ||

そう いや さ

こんな 噂 聞いた こと ある |うわさ|きいた||

誕生日 を 楽しみに して た 子供 達 が たんじょうび||たのしみに|||こども|さとる|

その 誕生日 に 次々 と 死んで 行く んだ |たんじょうび||つぎつぎ||しんで|いく|

原因 は 様々だ けど げんいん||さまざまだ|

みんな 決まって 誕生日 に 死ぬ んだ |きまって|たんじょうび||しぬ|

もう 西 区 だけ で 八 人 目だって よ |にし|く|||やっ|じん|めだって|

噂 じゃ 誕生日 の 朝 鏡 を 見る と うわさ||たんじょうび||あさ|きよう||みる|

首 の ねじれた 自分 が 映る んだ くび|||じぶん||うつる|

それ を 見て しまったら ||みて|

そういう こと は 信じ ない |||しんじ| I don't believe that

ロボ が 汗だくで ビビ って ら ぁ ||あせだくで||||

けど 僕 に も 信じ たい こと は ある |ぼく|||しんじ||||

「 奈落 の そこ に 答え が ある 」 と いう やつ だ ならく||||こたえ||||||

これ ら 遺物 の 正体 や ||いぶつ||しょうたい|

アビス の 呪い の 原因 ||まじない||げんいん Cause of the Curse of the Abyss

ひょっとしたら 僕 が 作ら れた 意味 や ここ に 来た 理由 も |ぼく||つくら||いみ||||きた|りゆう| Maybe the reason why I was created and the reason why I came here

それ ら 全部 が アビス の 底 に たどり着ければ 見つかる んじゃ ない か ||ぜんぶ||||そこ||たどりつければ|みつかる|||

そんな 気 が して る んだ |き||||

な な んだ よ リコ も お前 も どうかして ん ぞ ||||||おまえ||||

昨日 も 言った けど おれ は 反対だ から な きのう||いった||||はんたいだ||

だって まだ 赤 笛 だし まだ 12 歳 だ ぞ ||あか|ふえ|||さい||

ナット 君 は なっと|きみ|

とにかく 俺 は 反対だ |おれ||はんたいだ

あそこ だ

初めて の 探 窟 でも 僕 の 記憶 は 戻ら なかった はじめて||さが|いわや||ぼく||きおく||もどら|

そう なる と 手がかり は やはり |||てがかり||

レグ 待て って れぐ|まて|

ナット なっと

レグ れぐ

どうした

アビス の 呪い だ よ ||まじない||

お前 ほんとに 平気な のな おまえ||へいきな|

めちゃくちゃ ペース 早 ぇえ し |ぺーす|はや||

すまない 考え こと を して 気付か なかった |かんがえ||||きづか|

誰 か 呼ぼう か だれ||よぼう|

いや もう 大丈夫 全然 平気だ ぜ ||だいじょうぶ|ぜんぜん|へいきだ|

何とも ない なんとも|

やはり 僕 は ロボット と いう 事 か |ぼく||ろぼっと|||こと|

なら あの 人影 も ||ひとかげ|

「 オーバード 」 と シギー は 言って た が ||||いって||

僕 も 遺物 な の か ぼく||いぶつ|||

何故 僕 は ここ に 来た なぜ|ぼく||||きた

何故 あの 人影 は ここ に 来 ない なぜ||ひとかげ||||らい|

奈落 の 底 から 来た ならく||そこ||きた

そこ に 何 が ある と いう のだ ||なん|||||

知り たい 僕 は 一体 何者 な のだ しり||ぼく||いったい|なにもの||

それ で 出発 する 日 と は 決め た ある の ||しゅっぱつ||ひ|||きめ|||

出発 は 明日 の 夜明け前 に する しゅっぱつ||あした||よあけまえ||

もう 荷物 も まとめて ある の |にもつ||||

随分 早い んだ ね ずいぶん|はやい||

でも 一体 どう やって アビス に 潜り込む つもり |いったい|||||もぐりこむ|

いつも 見張り が いる のに |みはり|||

それ は

僕 が 腕 を 伸ばして 運ぼう ぼく||うで||のばして|はこぼう

リコ 奈落 の 底 まで 僕 も 一緒に 行く |ならく||そこ||ぼく||いっしょに|いく

レグ れぐ

てっきり 君 は 止めて くれる 側 か と |きみ||とどめて||がわ||

どうせ リコ に 唆さ れて 行く 気 に なった んだ ろ |||そそのかさ||いく|き||||

リコ は 付いて きて くれ と は 一言 も 言って ない ||ついて|||||いちげん||いって|

僕 が 決めた ぼく||きめた

自分 が 何者 な の か 知る ため に 行き たい んだ じぶん||なにもの||||しる|||いき||

レグ ありがとう れぐ|

私 なかなか 言い 出せ なくて わたくし||いい|だせ|

お 母さん に 会い に いく のに |かあさん||あい|||

レグ を 独り占め する の なんか 違う 気 が して れぐ||ひとりじめ||||ちがう|き||

僕 を 見つけた の は 君 じゃ ない か ぼく||みつけた|||きみ|||

僕 は 一 度 アビス を 登り きって る んだろう ぼく||ひと|たび|||のぼり|||

記憶 は 戻ら なくて も この 頑丈な 体 が ある きおく||もどら||||がんじょうな|からだ||

奈落 の 底 まで 君 を 守ろう ならく||そこ||きみ||まもろう Let's protect you to the bottom of the abyss

しょ ー が ない なぁ |-||| I have no choice

すまない 君 たち と は なれる の も 寂しい が |きみ|||||||さびしい| I'm sorry it's sad to be separated from you guys

好奇心 に は 勝て なかった こうきしん|||かて| I couldn't overcome my curiosity

いい よ リコ は 止めて も 一 人 で 行く かも だった しね ||||とどめて||ひと|じん||いく|||

ところで レグ |れぐ

君 は 奈落 の 底 に 行く まで 何 が ある の か わかって る の かい きみ||ならく||そこ||いく||なん||||||||

やたら 危険な 生き物 が 居る の は 知っている |きけんな|いきもの||いる|||しっている I know that there are very dangerous creatures

あと は 遺物 と か ||いぶつ||

ひょっとして その 腕 を 伸ばして 少しずつ 降りて いけば ||うで||のばして|すこしずつ|おりて| By any chance, if you extend that arm and go down little by little

いずれ そこ に 辿り着く はず と か そんな 風 に 思って る |||たどりつく|||||かぜ||おもって| I think I'll get there someday or something like that

障害 は ある だろう が 正直 そう 思って いる しょうがい|||||しょうじき||おもって| There may be obstacles , but I honestly think so .

甘い 甘 すぎる と 言わ ざる を 得 ない あまい|あま|||いわ|||とく|

アビス は 君 の 予想 が 及ば ない ほど 危険に 満ち 溢れた 所 な んだ ||きみ||よそう||およば|||きけんに|みち|あふれた|しょ||

それ は 何 ||なん

最新 の 「 奈落 見取 図 」 だ よ さいしん||ならく|みと|ず||

すごい シギー 勝手に 持って 来ちゃ った の ||かってに|もって|きちゃ||

リコ が 本気で アビス に 挑もう と して る んだ ||ほんきで|||いどもう||||

院長 室 に 忍び込む ぐらい 訳 け ない よ いんちょう|しつ||しのびこむ||やく|||

これ が アビス の 「 今 の 姿 」 だ よ ||||いま||すがた||

1350 メートル まで が 深 界 一層 「 アビス の 淵 」 めーとる|||ふか|かい|いっそう|||ふち

生き物 も 環境 も そんなに 変わら ない けど いきもの||かんきょう|||かわら||

餌 を 取り に 来る 二 層 の も いる から 油断 は 禁物 だ よ えさ||とり||くる|ふた|そう|||||ゆだん||きんもつ||

ここ から は 深 界 二 層 「 誘い の 森 」 |||ふか|かい|ふた|そう|さそい||しげる

上昇 負荷 も 急に きつく なる そうだ よ じょうしょう|ふか||きゅうに|||そう だ|

ここ まで 赤 笛 が 降りれば もう 追っ手 は かから ない ||あか|ふえ||おりれば||おって|||

行く 事 も 戻る こと も すごく 難しく なる から いく|こと||もどる||||むずかしく||

「 自殺 」 扱い に なる んだ じさつ|あつかい|||

森 は そのまま ネズミ 返し に なって 「 逆さ 森 」 に 入る よ しげる|||ねずみ|かえし|||さかさ|しげる||はいる|

気流 は すごく 不安定だ し きりゅう|||ふあんていだ|

空 の 猛獣 も いっぱい いる から 気 を つけて から||もうじゅう|||||き||

深 界 三 層 「 大 断層 」 ふか|かい|みっ|そう|だい|だんそう

立ちはだかる の は 4000 メートル を 越える 垂直 の 崖 たちはだかる|||めーとる||こえる|すいちょく||がけ

深 界 四 層 行ける の は 黒 笛 以上 だけ ふか|かい|よっ|そう|いける|||くろ|ふえ|いじょう|

深度 は 約 7000 メートル しんど||やく|めーとる

ここ は 「 巨人 の 盃 」 と 呼ば れて いる ||きょじん||さかずき||よば||

深 界 五 層 「 亡骸 の 海 」 ふか|かい|いつ|そう|なきがら||うみ

白 笛 だけ の 世界 で しろ|ふえ|||せかい|

ここ から 戻って きた 人 は 数えるほど しか い ない よ ||もどって||じん||かぞえるほど||||

深 界 六 層 「 帰ら ず 都 」 ふか|かい|むっ|そう|かえら||と

白 笛 が 六 層 に 降りる こと は ラストダイブ って 呼ば れる しろ|ふえ||むっ|そう||おりる|||||よば|

二度と 帰って こ られ ない から にどと|かえって||||

白 笛 以外 が 六 層 より 下 に 行った こと って ある の かい しろ|ふえ|いがい||むっ|そう||した||おこなった|||||

あった かも しれ ない ね でも

白 笛 以外 で アビス から 情報 を 飛ばして も しろ|ふえ|いがい||||じょうほう||とばして|

それ は 「 だ だの 噂 」 止まり なんだ ||||うわさ|とまり|

アビス の 呪い で 錯乱 したり 正気 を 失って いる 可能 性 が ある から ||まじない||さくらん||しょうき||うしなって||かのう|せい|||

だけど 白 笛 の 声 が 届いたら それ は 事実 に なる |しろ|ふえ||こえ||とどいたら|||じじつ||

白 笛 の 声 は アビス の 声 しろ|ふえ||こえ||||こえ

だ とえ 命 は なくなって 白 笛 は アビス の 声 と して 蘇って ||いのち|||しろ|ふえ||||こえ|||よみがえって

みんな を 導く んだ ||みちびく|

やっぱり あの 手紙 は 本当な んだ よ ||てがみ||ほんとうな||

なぁ リコ その 気 に なって る とこ 悪い けど よ |||き|||||わるい||

な に 言わ れて も 私 行き ます よ ||いわ|||わたくし|いき||

お 母さん が 待って る んだ もん |かあさん||まって|||

お前 話 聞いて なかった の か おまえ|はなし|きいて|||

あんな とこ で 10 年 生き られる と 思って る の か |||とし|いき|||おもって|||

な なに よ

分かれよ 何で 笛 が 上がった んだ よ わかれよ|なんで|ふえ||あがった||

お前 の 母ちゃん とっくに 死んで る んだ よ おまえ||かあちゃん||しんで|||

いや

リコ

おお よし よし

荷物 と 着替え 下ろした ぞ にもつ||きがえ|おろした|

うん あり が と

これ なら 誰 だ か わから ない か な ||だれ||||||

多分 ね たぶん|

ところで ナット は |なっと|

うん ナット は ね 多分 今 は |なっと|||たぶん|いま|

あんな 奴 知ら ない |やつ|しら|

ナット も 心配で 言い すぎちゃ った んだ よ なっと||しんぱいで|いい||||

リコ

二度と 会え ない かも 知れ ない んだ よ にどと|あえ|||しれ|||

こんな 喧嘩 した まま いい の か |けんか|||||

僕 は 嫌だ な ぼく||いやだ|

私 だって や だ よ わたくし||||

でも あいつ 行く の 反対 する し ||いく||はんたい||

ひどい こと 言う し ||いう|

ねぇ レグ どう したら いい |れぐ|||

リコ は ナット が 謝ったら 許して あげる かい ||なっと||あやまったら|ゆるして||

うん

でも あいつ 意地っ張りだ し ||いじっぱりだ|

大丈夫 ナット も 悔やんで いた だいじょうぶ|なっと||くやんで|

ほんと

本当だ ほんとうだ

さあ 二 人 共 |ふた|じん|とも

そろそろ 出 ない と 時間 が ない よ |だ|||じかん|||

目立た ない よう 10 分 ごと に 一 人 ずつ 出よう めだた|||ぶん|||ひと|じん||でよう

シギー も やる かい

僕 は 自分 で 降りる よ ぼく||じぶん||おりる|

シギー すまない やり 残した 事 が ある |||のこした|こと||

先 に 出て くれ さき||でて|

いい けど くれぐれも リーダー に だけ は 見つから ないで よ |||りーだー||||みつから||

分かって る わかって|

ナット なっと

ナット なっと

いない

リコ 達 の ところ か |さとる|||

キユイ キユイ

なぁ に

お 別れ を 言い に 来た |わかれ||いい||きた

具合 が 悪い の か ぐあい||わるい||

そう いえば 最近 ずっと 眠 そうだった な ||さいきん||ねむ|そう だった|

明後日 誕生日 みょうごにち|たんじょうび

そう か お 祝い まで に よく なる と いい な |||いわい|||||||

大きく なれよ おおきく|

キユイ 誕生日 の 朝 は 鏡 を 見て は いけない |たんじょうび||あさ||きよう||みて||

なんで

なんでも だ

わかった また ね

さよなら

時間 が とら れた 急が ねば じかん||||いそが|

何 処 へ 行く なん|しょ||いく

か 厠 へ |かわや|

この 部屋 に は 便所 は ない ぞ |へや|||べんじょ|||

ね 寝ぼけ して しまった |ねぼけ||

リーダー こそ こんな 真 夜中 に りーだー|||まこと|よなか|

馬鹿 者 見回り だ ばか|もの|みまわり|

お前達 が 寝静まった あと 毎日 やって いる おまえたち||ねしずまった||まいにち||

リコ を 知ら ない か ||しら||

部屋 に い ない ようだ が へや|||||

リコ は うん こ を しに 行った ||||||おこなった

こんな 夜中 に か |よなか||

腹 を 下ろして いた はら||おろして|

また 拾い 食い か |ひろい|くい|

まったく あいつ は

お前 も 便所 に 行く のだ ろ おまえ||べんじょ||いく||

付いて いて やれ ついて||

了解 した りょうかい|

きた っ

遅く なって すまない おそく||

シジー これ から 岸壁 街 に 行く んだ よ ね |||がんぺき|がい||いく|||

うん いつも の 「 奈落 門 」 は ずっと 見張り が いる から ね |||ならく|もん|||みはり||||

スラム の 岸壁 街 に いい 場所 が ある らしい んだ すらむ||がんぺき|がい|||ばしょ||||

らしい

うん 僕ら は 岸壁 街 に 入った こと ない から |ぼくら||がんぺき|がい||はいった|||

助っ人 を 呼んで 置いた すけっと||よんで|おいた

今日 は よろしく きょう||

この 匂い は |におい|

ナット 何 して ん の なっと|なん|||

その

ごめん 悪かった な 昨日 は |わるかった||きのう|

ゆるす

なあ 俺 あんな ひどい こと 言った のに |おれ||||いった|

いい の

仲直り し たい の なかなおり|||

今日 で お 別れ だ から きょう|||わかれ||

お お前 岸壁 街 の 道 わかん ね ー だ ろ ついてこい |おまえ|がんぺき|がい||どう|||-|||

ねぇ ナット 行く の 賛成 して くれた から 手伝って くれる んだ よ ね |なっと|いく||さんせい||||てつだって||||

反対だ よ はんたいだ|

反対な の はんたいな|

よかった ぞ ナット 来て くれて ||なっと|きて|

これ で リコ も 僕 も 心置きなく 手紙 が 出せる ||||ぼく||こころおきなく|てがみ||だせる

ば ー か 一層 二 層 なら ともかく |-||いっそう|ふた|そう||

お前 ら の 行く トコ から 電報 船 は 届 かね ー ぞ おまえ|||いく|||でんぽう|せん||とどけ||-|

そう な の か

たとえ 白 笛 でも |しろ|ふえ|

深部 から 地上 に 電報 船 が 届く 確率 は ものすごく 低い んだ しんぶ||ちじょう||でんぽう|せん||とどく|かくりつ|||ひくい|

大丈夫 だいじょうぶ

すごい いっぱい 送る から ||おくる|

きっと お 母さん も そうした と 思う んだ よ ね ||かあさん||||おもう|||

「 奈落 の 底 で 待つ 」 って これ やけに 走り 書きだし ならく||そこ||まつ||||はしり|かきだし

封書 と 分けた の かも ふうしょ||わけた||

それ で これ だけ は 全部 に 入れた んだ よ |||||ぜんぶ||いれた||

どうした の

いや リコ に して は 珍しく まともな 妄想 だ な ー と |||||めずらしく||もうそう|||-|

酷 い こく|

ここ も オース な の か

岸壁 街 は ね 盗掘 して た 人 たち が 作った 場所 な んだ がんぺき|がい|||とうくつ|||じん|||つくった|ばしょ||

建て 増やし を 繰り返した 街 の 半分 は アビス に 食い込 ん じ やって る んだ たて|ふやし||くりかえした|がい||はんぶん||||くいこ|||||

声 が で か いから こえ||||

後 あん ま キョロキョロ す んな あと|||||

ナット は ここ に 来た こと ある の なっと||||きた|||

おれ ここ で 生まれた んだ |||うまれた|

そう な の

ずっと 屑拾 い して た |くずしゅう|||

姉ちゃん が 死んで 身寄り が なくなって ねえちゃん||しんで|みより||

それ で 孤児院 に 拾わ れた んだ ||こじいん||ひろわ||

僕 が 孤児院 に 入る とき リーダー に 話した やつ だ ぼく||こじいん||はいる||りーだー||はなした||

ここ の ガキ は みんな あの 「 奈落 門 」 見ちゃ 探 窟 家 に 憧れ ||がき||||ならく|もん|みちゃ|さが|いわや|いえ||あこがれ

おれ は 運 良く 拾わ れた けど ||うん|よく|ひろわ||

そう じゃ なきゃ みんな ゴミ の 毒 で 病気 に なる か 死 ん じ まう か だ ||||ごみ||どく||びょうき||||し|||||

おれ リーダー みたいに 「 月 笛 」 に なったら |りーだー||つき|ふえ||

ここ に 孤児院 作り たくて さ ||こじいん|つくり||

ナット なら できる よ なっと|||

私 と 同じ くらい 探 窟 うまい し 元気だ し わたくし||おなじ||さが|いわや|||げんきだ|

もう ちょっと マシ な 評価 くれ ねぇ か ||||ひょうか|||

なんだ よ

もう 着 いち まった |ちゃく||

うん やはり こいつ は しっくり くる な

笛 は どこ に 置いた っけ ふえ||||おいた|

なんだ これ

これ は

可能 性 は ある と 思う んだ かのう|せい||||おもう|

君 は オーバード が 付いて る し きみ||||ついて||

電報 船 が 届いたら 僕 は 信じる から ね でんぽう|せん||とどいたら|ぼく||しんじる||

じゃあ 全部 に お土産 付ける ね |ぜんぶ||おみやげ|つける|

頼んだ よ いつまでも 待って いる から ね たのんだ|||まって|||

リコ

ナット なっと

すごい よ ナット こんなに する って 行ける なんて びっくり だ よ ||なっと||||いける||||

ありがとう ね ナット ||なっと

あ あの リコ

おれ

畜生 いっぱい ちくしょう|

あの な

いっぱい 考えた のに |かんがえた|

大丈夫 だいじょうぶ

二度と 二度と あえなくて も にどと|にどと||

アビス で 繋がって る から ||つながって||

上 に いて も 呪わ れた 奈落 の 彼方 に いて も うえ||||のろわ||ならく||かなた|||

私 達 アビス と 繫 がって る の わたくし|さとる||||||

ここ で 生きた こと も 忘れたり し ない から ||いきた|||わすれたり|||

だから 大丈夫 |だいじょうぶ

なに よ ぉ

ま ー た 始まった な |-||はじまった|

そう 始まって いた のです |はじまって||

うる せ ー ぞ ||-|

や べ ぇ 住人 が 起きた |||じゅうにん||おきた

レグ 急いで れぐ|いそいで

ま 後 で いい か |あと|||

ほんとに 手紙 書けよ |てがみ|かけよ

おれ が とって やる から な

気 を つけて ね すぐ 戻って きて も いい んだ から き|||||もどって|||||

リコ の こと 頼んだ ぞ |||たのんだ|

了解 した 君 ら も 達者で な りょうかい||きみ|||たっしゃで|

二 人 共 ありがとう ふた|じん|とも|

いい 知らせ を 待って いた まえ |しらせ||まって||

それ じゃあ 行って き ます ||おこなって||

闇 すら も 及ば ぬ 深淵 へ と その 身 を 捧げ 挑む 者 たち に やみ|||およば||しんえん||||み||ささげ|いどむ|もの||

アビス は すべて を 与える と いう ||||あたえる||

生きて 死ぬ 呪い と 祝福 の その すべて を いきて|しぬ|まじない||しゅくふく||||

旅路 の 果 に 何 を 選び 取り 終わる の か たびじ||か||なん||えらび|とり|おわる||

決め られる の は 奈落 の 意思 か それ に 挑む 者 だけ である きめ||||ならく||いし||||いどむ|もの||