Just Because ! Episode 12
( 泉 ( いずみ ) 瑛 太 ( え いた )) あ …
( 女子 高 生 ) あっ あった !
( 女子 高 生 ) あー ! あたし も あった !
( 女子 高 生 ) キャー よかった ! また 一緒だ ね ー !
( 瑛 太 ) カッコ悪 …
( 笛 の 音 )
( 瑛 太 ) よかった …
( 夏目 ( なつ め ) 美緒 ( み お )) “ 時折 吹く 暖かな 南 風 に ―”
“ 僅か ながら 感じる 潮 の 香り は ―”
“ 春 の 訪れ が 近い こと を 教えて くれて い ます ”
“ 新しい 季節 を 全身 で 感じ られる この よき 日 に ”
“ 私 たち 3 年 一同 は ―”
〝 晴れて 卒業 の とき を 迎える こと が でき ました 〞
“ 柏尾 川 ( かし おがわ ) 高校 で 過ごした 3 年間 は ―”
“ いく つ も の 出会い の 積み重ね に よって 育ま れ ―”
“ 私 たち に とって かけがえのない 時間 に なり ました ”
“ 気さくに 話す こと を 許して くださった 先生 方 ”
“ 学校 行事 で は 率先 して ―”
“ まだ 1 年生 だった 私 たち を 引っ張って くれた 先輩 方 ”
“ そして 同じ 教室 で 同じ 時間 を 過ごした 友人 たち ”
“ そうして 1 年 が たち 2 年 が たち ―”
“ 今度 は 新しく 入学 して きた 後輩 たち が ―”
“ 私 たち を 力強く 支えて くれ ました ”
“ 中 に は 思いがけない 出会い や 出来事 に ―”
“ 巡り合う こと も あり ました ”
“ 時に は 衝突 し 感情 の まま 傷つけ 合う こと も あり ました ”
“ それ でも いえ だ から こそ ―”
“ この 柏 尾川 高校 で の 数 多く の 出会い が ―”
“ 私 たち を 成長 さ せて くれた のだ と ”
“ 今 は 確信 して い ます ”
“ なぜならば 私 自身 が 出会い に 支え られ ―”
“ 失敗 や 間違い を 繰り返し ながら ―”
“ 今日 と いう 日 に たどりついた から です ”
“ 柏尾 川 高校 で 学んだ こと を 胸 に 抱き ―”
“ この 場所 を 新たな スタート 地点 と して ―”
“ 私 たち は この先 の 未来 へ 走り出し たい と 思い ます ”
“ 皆様 の ご 健康 と ―”
“ 今後 の 柏尾 川 高等 学校 の さらなる 飛躍 を ―”
“ お 祈り して おり ます ”
“ 卒業 生 代表 夏目 美緒 ”
( 生徒 たち の はしゃぎ 声 )
( 男子 生徒 ) バカ お前 の 席 ねえ ぞ この 野郎
( 高橋 早苗 ( さなえ )) あたし もも の 似顔絵 描いて あげる
( 鈴木 桃 花 ( もも か )) ちゃん と かわいく 描いて ね ! あっ !
あー !
ベンサン ! 写真 写真 !
( シャッター 音 )
( 美緒 たち ) あ … ( 渡辺 ( わた なべ )) ん ん
( 美緒 たち ) わ っ
笑顔 すぎて ひく
( 佐藤 真由子 ( まゆ こ )) いい じゃ ん 次 は 私 撮って あげる
桃 花 こっち !
( 早苗 ) もう いい って 何 枚 撮る 気 ?
まだ メモリ 残って る し 1000 枚 いける !
それ マジ 罰 ゲーム だって
( 真由子 ) 撮る よ ! ( シャッター 音 )
( 真由子 ) ベンサン また その 顔 ~
( 渡辺 ) ん ? ( 美緒 たち の 笑い声 )
( 桃 花 ) 超 うける ~ ( 真由子 ) 撮り 直そう 普通の 顔 で
( 早苗 ) ベンサン ~
( 後輩 ) 葉月 ( はづき ) 先輩 卒業 おめでとう ございます
( 森川 ( もり かわ ) 葉月 ) ありがとう 卒業 式 の 演奏 よかった よ
( 後輩 たち ) 先輩 ~
( 後輩 ) や っぱ 卒業 し ないで ~
もう 卒業 しちゃ った のに ?
( 後輩 たち ) だって ~
( シャッター 音 )
( 後輩 ) 先輩 次 は 私 の 番 です !
( 乾 ( い ぬい ) 依子 ( よりこ )) よ ー し どん と こい !
( 後輩 ) 俺 も ! ( 後輩 ) 私 も !
( 桃 花 ) 先生 も これ 書いて よ !
( 早苗 ) て か あたし ら も 途中 じゃ ん
写真 ばっ か 撮って る から ( 真由子 ) あっ
美緒 も !
あ … うん
( 桃 花 ) 美緒 !
ごめん ちょっと 先 に 用事 片づけて くる
( 早苗 ) 生徒 会 室 ?
( 美緒 ) すぐ 戻る から
( 男子 生徒 たち の 笑い声 )
( 相馬 陽斗 ( そう ま はる と )) お っ
( 美緒 ) あっ 相馬 泉 まだ いるか な ?
( 陽斗 ) ん ~ まだ い ん ぞ
ありがとう
( 石垣 陸 生 ( りく お )) そろそろ 俺 帰る な
( 猿渡 順 平 ( さる わた りじゅん ぺい )) 試合 終了 に は 早 ( はえ ) え ぞ 陸 生
まだ 俺 たち に 告白 する チャンス を 探って いる 女子 が ―
いる かも しれ ねえ だ ろ ? ( 陸 生 ) 陽斗 は ?
( 陽斗 ) あー …
( 順 平 ) 聞けよ !
俺 ち と 約束 あんだ
( 瑛 太 ) お 世話に なり ました
( 母親 ) 瑛 太 は ? もう 帰れる の ?
( 瑛 太 ) 先 帰って て
そう ?
( 瑛 太 ) まだ …
ここ で やる こと ある から
( 深呼吸 )
( ノック )
( ドア が 開く 音 )
( 美緒 ) 泉 ? いる ?
フゥ …
ん …
フッ …
何 ほっと して んだ あたし
( 葉月 ) 夏目 さん ? ( 美緒 ) えっ ?
森川 さん …
( 葉月 ) 夏目 さん の 答辞 みんな 泣いて たね
( 美緒 ) ホント ?
( 葉月 ) うん 依子 なんて 目 真っ赤 だった もん
よかった
みんな ノー コメント だった から 不安だった んだ よ ね
( 女子 生徒 たち の 話し声 )
( 美緒 ) 今日 で 最後 か ~
まだ 全然 実感 ない よ
それ 一緒だ
(2 人 ) フフッ
泉 くん に は 言えた ?
まだ
そ っか
なんか 捕ま ん なくて
既読 も 付か ない し 避け られて る みたい
ん ~…
( 操作 音 )
やっぱり あれ の せい かな ?
何 か あった の ?
ちょっと ね
泉 の スマホ の 待ち受け が 気 に 入ら なくて
うまく 言え ない んだ けど
たぶん 夏目 さん の せい じゃ ない と 思う
えっ ?
( 葉月 ) 行 こっか
( 美緒 ) あ … うん
( 桃 花 ) 美緒 待ち だった んだ よ ー
で 誰 と 話して た の ?
森川 さん に 答辞 褒め られて た
( 桃 花 ) あれ は 泣けた ~
えー ? 泣いて なかった じゃ ん
( 桃 花 ) 心 で 泣いた の
だって まつげ 溶けちゃ う じゃ ん ?
( 美緒 ) あ ~ それ ヤバ いね
( 桃 花 ) でしょ ー ?
( 陽斗 ) う っす !
卒業 おめでとう
( 陽斗 ) 森川 も おめでとう
花 すげ え な
相馬 くん も
人望 の 違い を 感じる わ
うち は 女子 が 多い から
あ … もう うち じゃ ない か
そう だ 泉 くん て どうし てる ?
( 陽斗 ) どう って ?
( 葉月 ) 夏目 さん が ね ―
泉 くん 捕まら ない って 言って たから
なんか 心配で …
あー まあ 瑛 太 なら 大丈夫
瑛 太 なら 大丈夫だ
ヒッ
( シャッター 音 ) ん ?
ヒヒッ
今 の 写真 くれよ
極上 カレー まん おごり な !
お前 ! た っけ ー や つば っか じゃ ん !
( 葉月 ) ウフフ …
写真 私 も 欲しい !
( 小宮 ( こみ や ) 恵那 ( え な )) 初めて だ よね 瑛 太 先輩 から 声 かけて くん のって さ
( 瑛 太 ) そうだ っけ ?
そう だ よ
そう かな ?
( 恵那 ) まあ いい けど 私 も 瑛 太 先輩 に 用 あった し
じゃ ー ん !
すごい でしょ ! 金 賞 だ よ 金 賞 !
おかげ で ベンサン が 写真 部 あと 1 年 残せる ように
掛け合って くれる ん だって !
そ っか よかった じゃ ん
( 恵那 ) まあ 私 の 実力 じゃ ない んだ けど
( 瑛 太 ) うん 知って る
えっ ?
( 瑛 太 ) 見 に 行った から
あの 写真 すごく いい 顔 して た
瑛 太 先輩 の おかげ だ よ
( 瑛 太 ) なんで 俺 ?
あれ 先輩 たち の 写真 撮って た とき のだ から
よかった
一応 役 に 立った んだ 俺
( 恵那 ) あと …
卒業 祝い
( 恵那 ) 私 から 瑛 太 先輩 の 卒 アル だ よ
( 瑛 太 ) 前 の 学校 の やつ は 送って もらう 予定 な んだ けど
( 恵那 ) それ に は 相馬 先輩 と か 会長 写って ない じゃ ん
( 瑛 太 ) 別に へ理屈 で 言った んじゃ なくて
ありがとう
こういう の うれしい な
どう いたし まして !
あ … ご 卒業 おめでとう ございます
( 瑛 太 ) どうも
小宮 俺 さ …
告白 の 返事 は いい よ
瑛 太 先輩 が 大学 受かったら って 約束 だった し …
小宮 は ちゃん と 言って くれた だ ろ
だから 俺 も ちゃんと し ない と
( 恵那 ) 分かった
じゃあ 聞く
( 瑛 太 ) うん
うれしかった んだ
小宮 が “ 好き ” って 言って くれた の は
( 恵那 ) うん
( 瑛 太 ) でも …
ごめん
俺 ずっと 前 から 好きな 人 が いる
( 恵那 ) うん
( 瑛 太 ) だ から …
知って たよ そんな の
だって そういう 瑛 太 先輩 を 私 は 好きに なった んじゃ ん !
( 泣き声 )
また あと で ね ー !
( 美緒 ) うん
( 桃 花 ) 卒 パ 超 楽しみ !
( 早苗 ) ただ の カラオケ じゃ ん
( 美緒 ) 帰っちゃ った の かな
( 操作 音 )
( 足音 )
( 陽斗 ) 夏目 が 捜して たって よ 森川 が 言って た
( 瑛 太 ) 知って る よ
( 陽斗 ) なら 逃げ んじゃ ねえ よ
( 瑛 太 ) まだ 勝って ない から
まだ 陽斗 に 勝って ない
じゃあ 勝負 だ な
( 陽斗 ) 今日 は 瑛 太 が こっち な
( 瑛 太 ) なんで ?
ホームラン 打てよ
ヒヒッ
ヒヒッ
あ …
( 陽斗 ) ん ん っ
( 陽斗 ) う っ
( 陽斗 ) う っ
い っけ ー !
ハァ ハァ ハァ …
( 瑛 太 ) ハァ ハァ ハァ …
( 携帯 電話 の バイブ 音 )
( 美緒 ) 早苗 ?
( 早苗 ) あー 美緒 ? もう みんな 集まって る よ ほら
( 桃 花 ) イエーイ 盛り上がって る か ー !
美緒 も 早く 来て よ !
( 真由子 ) 待って る から !
( 美緒 ) うん
フッ …
( 受信 音 )
( 送信 音 )
( 葉月 ) そっち は どう ? 相馬 くん
お 仕事 は 慣れて きた ?
( 送信 音 )
( 陽斗 ) 速攻 で 慣れた よ
って 言い たい けど まだ 全然 で さ
森川 の 言う とおり だった かも
慣れる まで は 結構 余裕 ねえ わ
でも いい 人 ばっ か だし ―
思って た より 楽しい
( 送信 音 )
森川 の ほう は 大学 慣れた か ?
( 葉月 ) ちょっと ずつ ね
まだ 緊張 する こと の ほう が 多い けど …
一緒に 音楽 できる 友達 も できた し
( 陽斗 ) そ っか
( 葉月 ) みんな と は 会って る ?
私 は 依子 と 毎日 連絡 取って る んだ けど
( 陽斗 ) あいつ なら 日曜 河原 で 会った よ
相変わらず 走って ん のな
俺 は 順 平 と 陸 生 くらい だ な
ちょいちょい 会ったり 連絡 す ん の って
なんか もう 高校 通って た ころ が すでに 懐かしい わ
( 葉月 ) うん そう だ ね
( 葉月 ) 泉 くん は ?
( 陽斗 ) 昨日 は “ 大学 遠い ” って ぼやいて たな 瑛 太 の ヤツ
( 葉月 ) 夏目 さん の こと ―
知って る の か な ?
( 陽斗 ) なん も 言って こ ねえ から まだ 知ら ない んじゃ ね ?
でも いいかげん 気づく べ
( 中嶋 ( なか じ ま )) 俺 今日 も 新 歓 出る けど 瑛 太 は ?
いい よ 俺 は
つまら ん 男 ばい
大学 生活 なんだ と 思って んだ よ
( 瑛 太 ) あん ま ハメ 外す な よ
( 中嶋 ) 任せろ ! じゃあ な ー !
何 を 任せろ なんだか …
( 瑛 太 )1 か月 も 未 読 って さ …
( 受信 音 ) あ …
泉 を 追いかけて きた わけじゃ ない から
( 瑛 太 ) 俺 …
夏目 の こと が 好きだ
あたし も !