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ジャストビコーズ, Just Because! Episode 12

Just Because ! Episode 12

( 泉 ( いずみ ) 瑛 太 ( え いた )) あ …

( 女子 高 生 ) あっ あった !

( 女子 高 生 ) あー ! あたし も あった !

( 女子 高 生 ) キャー よかった ! また 一緒だ ね ー !

( 瑛 太 ) カッコ悪 …

( 笛 の 音 )

( 瑛 太 ) よかった …

( 夏目 ( なつ め ) 美緒 ( み お )) “ 時折 吹く 暖かな 南 風 に ―”

“ 僅か ながら 感じる 潮 の 香り は ―”

“ 春 の 訪れ が 近い こと を 教えて くれて い ます ”

“ 新しい 季節 を 全身 で 感じ られる この よき 日 に ”

“ 私 たち 3 年 一同 は ―”

〝 晴れて 卒業 の とき を 迎える こと が でき ました 〞

“ 柏尾 川 ( かし おがわ ) 高校 で 過ごした 3 年間 は ―”

“ いく つ も の 出会い の 積み重ね に よって 育ま れ ―”

“ 私 たち に とって かけがえのない 時間 に なり ました ”

“ 気さくに 話す こと を 許して くださった 先生 方 ”

“ 学校 行事 で は 率先 して ―”

“ まだ 1 年生 だった 私 たち を 引っ張って くれた 先輩 方 ”

“ そして 同じ 教室 で 同じ 時間 を 過ごした 友人 たち ”

“ そうして 1 年 が たち 2 年 が たち ―”

“ 今度 は 新しく 入学 して きた 後輩 たち が ―”

“ 私 たち を 力強く 支えて くれ ました ”

“ 中 に は 思いがけない 出会い や 出来事 に ―”

“ 巡り合う こと も あり ました ”

“ 時に は 衝突 し 感情 の まま 傷つけ 合う こと も あり ました ”

“ それ でも いえ だ から こそ ―”

“ この 柏 尾川 高校 で の 数 多く の 出会い が ―”

“ 私 たち を 成長 さ せて くれた のだ と ”

“ 今 は 確信 して い ます ”

“ なぜならば 私 自身 が 出会い に 支え られ ―”

“ 失敗 や 間違い を 繰り返し ながら ―”

“ 今日 と いう 日 に たどりついた から です ”

“ 柏尾 川 高校 で 学んだ こと を 胸 に 抱き ―”

“ この 場所 を 新たな スタート 地点 と して ―”

“ 私 たち は この先 の 未来 へ 走り出し たい と 思い ます ”

“ 皆様 の ご 健康 と ―”

“ 今後 の 柏尾 川 高等 学校 の さらなる 飛躍 を ―”

“ お 祈り して おり ます ”

“ 卒業 生 代表 夏目 美緒 ”

( 生徒 たち の はしゃぎ 声 )

( 男子 生徒 ) バカ お前 の 席 ねえ ぞ この 野郎

( 高橋 早苗 ( さなえ )) あたし もも の 似顔絵 描いて あげる

( 鈴木 桃 花 ( もも か )) ちゃん と かわいく 描いて ね ! あっ !

あー !

ベンサン ! 写真 写真 !

( シャッター 音 )

( 美緒 たち ) あ … ( 渡辺 ( わた なべ )) ん ん

( 美緒 たち ) わ っ

笑顔 すぎて ひく

( 佐藤 真由子 ( まゆ こ )) いい じゃ ん 次 は 私 撮って あげる

桃 花 こっち !

( 早苗 ) もう いい って 何 枚 撮る 気 ?

まだ メモリ 残って る し 1000 枚 いける !

それ マジ 罰 ゲーム だって

( 真由子 ) 撮る よ ! ( シャッター 音 )

( 真由子 ) ベンサン また その 顔 ~

( 渡辺 ) ん ? ( 美緒 たち の 笑い声 )

( 桃 花 ) 超 うける ~ ( 真由子 ) 撮り 直そう 普通の 顔 で

( 早苗 ) ベンサン ~

( 後輩 ) 葉月 ( はづき ) 先輩 卒業 おめでとう ございます

( 森川 ( もり かわ ) 葉月 ) ありがとう 卒業 式 の 演奏 よかった よ

( 後輩 たち ) 先輩 ~

( 後輩 ) や っぱ 卒業 し ないで ~

もう 卒業 しちゃ った のに ?

( 後輩 たち ) だって ~

( シャッター 音 )

( 後輩 ) 先輩 次 は 私 の 番 です !

( 乾 ( い ぬい ) 依子 ( よりこ )) よ ー し どん と こい !

( 後輩 ) 俺 も ! ( 後輩 ) 私 も !

( 桃 花 ) 先生 も これ 書いて よ !

( 早苗 ) て か あたし ら も 途中 じゃ ん

写真 ばっ か 撮って る から ( 真由子 ) あっ

美緒 も !

あ … うん

( 桃 花 ) 美緒 !

ごめん ちょっと 先 に 用事 片づけて くる

( 早苗 ) 生徒 会 室 ?

( 美緒 ) すぐ 戻る から

( 男子 生徒 たち の 笑い声 )

( 相馬 陽斗 ( そう ま はる と )) お っ

( 美緒 ) あっ 相馬 泉 まだ いるか な ?

( 陽斗 ) ん ~ まだ い ん ぞ

ありがとう

( 石垣 陸 生 ( りく お )) そろそろ 俺 帰る な

( 猿渡 順 平 ( さる わた りじゅん ぺい )) 試合 終了 に は 早 ( はえ ) え ぞ 陸 生

まだ 俺 たち に 告白 する チャンス を 探って いる 女子 が ―

いる かも しれ ねえ だ ろ ? ( 陸 生 ) 陽斗 は ?

( 陽斗 ) あー …

( 順 平 ) 聞けよ !

俺 ち と 約束 あんだ

( 瑛 太 ) お 世話に なり ました

( 母親 ) 瑛 太 は ? もう 帰れる の ?

( 瑛 太 ) 先 帰って て

そう ?

( 瑛 太 ) まだ …

ここ で やる こと ある から

( 深呼吸 )

( ノック )

( ドア が 開く 音 )

( 美緒 ) 泉 ? いる ?

フゥ …

ん …

フッ …

何 ほっと して んだ あたし

( 葉月 ) 夏目 さん ? ( 美緒 ) えっ ?

森川 さん …

( 葉月 ) 夏目 さん の 答辞 みんな 泣いて たね

( 美緒 ) ホント ?

( 葉月 ) うん 依子 なんて 目 真っ赤 だった もん

よかった

みんな ノー コメント だった から 不安だった んだ よ ね

( 女子 生徒 たち の 話し声 )

( 美緒 ) 今日 で 最後 か ~

まだ 全然 実感 ない よ

それ 一緒だ

(2 人 ) フフッ

泉 くん に は 言えた ?

まだ

そ っか

なんか 捕ま ん なくて

既読 も 付か ない し 避け られて る みたい

ん ~…

( 操作 音 )

やっぱり あれ の せい かな ?

何 か あった の ?

ちょっと ね

泉 の スマホ の 待ち受け が 気 に 入ら なくて

うまく 言え ない んだ けど

たぶん 夏目 さん の せい じゃ ない と 思う

えっ ?

( 葉月 ) 行 こっか

( 美緒 ) あ … うん

( 桃 花 ) 美緒 待ち だった んだ よ ー

で 誰 と 話して た の ?

森川 さん に 答辞 褒め られて た

( 桃 花 ) あれ は 泣けた ~

えー ? 泣いて なかった じゃ ん

( 桃 花 ) 心 で 泣いた の

だって まつげ 溶けちゃ う じゃ ん ?

( 美緒 ) あ ~ それ ヤバ いね

( 桃 花 ) でしょ ー ?

( 陽斗 ) う っす !

卒業 おめでとう

( 陽斗 ) 森川 も おめでとう

花 すげ え な

相馬 くん も

人望 の 違い を 感じる わ

うち は 女子 が 多い から

あ … もう うち じゃ ない か

そう だ 泉 くん て どうし てる ?

( 陽斗 ) どう って ?

( 葉月 ) 夏目 さん が ね ―

泉 くん 捕まら ない って 言って たから

なんか 心配で …

あー まあ 瑛 太 なら 大丈夫

瑛 太 なら 大丈夫だ

ヒッ

( シャッター 音 ) ん ?

ヒヒッ

今 の 写真 くれよ

極上 カレー まん おごり な !

お前 ! た っけ ー や つば っか じゃ ん !

( 葉月 ) ウフフ …

写真 私 も 欲しい !

( 小宮 ( こみ や ) 恵那 ( え な )) 初めて だ よね 瑛 太 先輩 から 声 かけて くん のって さ

( 瑛 太 ) そうだ っけ ?

そう だ よ

そう かな ?

( 恵那 ) まあ いい けど 私 も 瑛 太 先輩 に 用 あった し

じゃ ー ん !

すごい でしょ ! 金 賞 だ よ 金 賞 !

おかげ で ベンサン が 写真 部 あと 1 年 残せる ように

掛け合って くれる ん だって !

そ っか よかった じゃ ん

( 恵那 ) まあ 私 の 実力 じゃ ない んだ けど

( 瑛 太 ) うん 知って る

えっ ?

( 瑛 太 ) 見 に 行った から

あの 写真 すごく いい 顔 して た

瑛 太 先輩 の おかげ だ よ

( 瑛 太 ) なんで 俺 ?

あれ 先輩 たち の 写真 撮って た とき のだ から

よかった

一応 役 に 立った んだ 俺

( 恵那 ) あと …

卒業 祝い

( 恵那 ) 私 から 瑛 太 先輩 の 卒 アル だ よ

( 瑛 太 ) 前 の 学校 の やつ は 送って もらう 予定 な んだ けど

( 恵那 ) それ に は 相馬 先輩 と か 会長 写って ない じゃ ん

( 瑛 太 ) 別に へ理屈 で 言った んじゃ なくて

ありがとう

こういう の うれしい な

どう いたし まして !

あ … ご 卒業 おめでとう ございます

( 瑛 太 ) どうも

小宮 俺 さ …

告白 の 返事 は いい よ

瑛 太 先輩 が 大学 受かったら って 約束 だった し …

小宮 は ちゃん と 言って くれた だ ろ

だから 俺 も ちゃんと し ない と

( 恵那 ) 分かった

じゃあ 聞く

( 瑛 太 ) うん

うれしかった んだ

小宮 が “ 好き ” って 言って くれた の は

( 恵那 ) うん

( 瑛 太 ) でも …

ごめん

俺 ずっと 前 から 好きな 人 が いる

( 恵那 ) うん

( 瑛 太 ) だ から …

知って たよ そんな の

だって そういう 瑛 太 先輩 を 私 は 好きに なった んじゃ ん !

( 泣き声 )

また あと で ね ー !

( 美緒 ) うん

( 桃 花 ) 卒 パ 超 楽しみ !

( 早苗 ) ただ の カラオケ じゃ ん

( 美緒 ) 帰っちゃ った の かな

( 操作 音 )

( 足音 )

( 陽斗 ) 夏目 が 捜して たって よ 森川 が 言って た

( 瑛 太 ) 知って る よ

( 陽斗 ) なら 逃げ んじゃ ねえ よ

( 瑛 太 ) まだ 勝って ない から

まだ 陽斗 に 勝って ない

じゃあ 勝負 だ な

( 陽斗 ) 今日 は 瑛 太 が こっち な

( 瑛 太 ) なんで ?

ホームラン 打てよ

ヒヒッ

ヒヒッ

あ …

( 陽斗 ) ん ん っ

( 陽斗 ) う っ

( 陽斗 ) う っ

い っけ ー !

ハァ ハァ ハァ …

( 瑛 太 ) ハァ ハァ ハァ …

( 携帯 電話 の バイブ 音 )

( 美緒 ) 早苗 ?

( 早苗 ) あー 美緒 ? もう みんな 集まって る よ ほら

( 桃 花 ) イエーイ 盛り上がって る か ー !

美緒 も 早く 来て よ !

( 真由子 ) 待って る から !

( 美緒 ) うん

フッ …

( 受信 音 )

( 送信 音 )

( 葉月 ) そっち は どう ? 相馬 くん

お 仕事 は 慣れて きた ?

( 送信 音 )

( 陽斗 ) 速攻 で 慣れた よ

って 言い たい けど まだ 全然 で さ

森川 の 言う とおり だった かも

慣れる まで は 結構 余裕 ねえ わ

でも いい 人 ばっ か だし ―

思って た より 楽しい

( 送信 音 )

森川 の ほう は 大学 慣れた か ?

( 葉月 ) ちょっと ずつ ね

まだ 緊張 する こと の ほう が 多い けど …

一緒に 音楽 できる 友達 も できた し

( 陽斗 ) そ っか

( 葉月 ) みんな と は 会って る ?

私 は 依子 と 毎日 連絡 取って る んだ けど

( 陽斗 ) あいつ なら 日曜 河原 で 会った よ

相変わらず 走って ん のな

俺 は 順 平 と 陸 生 くらい だ な

ちょいちょい 会ったり 連絡 す ん の って

なんか もう 高校 通って た ころ が すでに 懐かしい わ

( 葉月 ) うん そう だ ね

( 葉月 ) 泉 くん は ?

( 陽斗 ) 昨日 は “ 大学 遠い ” って ぼやいて たな 瑛 太 の ヤツ

( 葉月 ) 夏目 さん の こと ―

知って る の か な ?

( 陽斗 ) なん も 言って こ ねえ から まだ 知ら ない んじゃ ね ?

でも いいかげん 気づく べ

( 中嶋 ( なか じ ま )) 俺 今日 も 新 歓 出る けど 瑛 太 は ?

いい よ 俺 は

つまら ん 男 ばい

大学 生活 なんだ と 思って んだ よ

( 瑛 太 ) あん ま ハメ 外す な よ

( 中嶋 ) 任せろ ! じゃあ な ー !

何 を 任せろ なんだか …

( 瑛 太 )1 か月 も 未 読 って さ …

( 受信 音 ) あ …

泉 を 追いかけて きた わけじゃ ない から

( 瑛 太 ) 俺 …

夏目 の こと が 好きだ

あたし も !


Just Because ! Episode 12

( 泉 ( いずみ ) 瑛 太 ( え いた )) あ … いずみ||あきら|ふと|||

( 女子 高 生 ) あっ あった ! じょし|たか|せい||

( 女子 高 生 ) あー ! あたし も あった ! じょし|たか|せい||||

( 女子 高 生 ) キャー よかった ! また 一緒だ ね ー ! じょし|たか|せい||||いっしょだ||-

( 瑛 太 ) カッコ悪 … あきら|ふと|かっこわる

( 笛 の 音 ) ふえ||おと

( 瑛 太 ) よかった … あきら|ふと|

( 夏目 ( なつ め ) 美緒 ( み お )) “ 時折 吹く 暖かな 南 風 に ―” なつめ|||みお|||ときおり|ふく|あたたかな|みなみ|かぜ|

“ 僅か ながら 感じる 潮 の 香り は ―” わずか||かんじる|しお||かおり|

“ 春 の 訪れ が 近い こと を 教えて くれて い ます ” はる||おとずれ||ちかい|||おしえて|||

“ 新しい 季節 を 全身 で 感じ られる この よき 日 に ” あたらしい|きせつ||ぜんしん||かんじ||||ひ|

“ 私 たち 3 年 一同 は ―” わたくし||とし|いちどう|

〝 晴れて 卒業 の とき を 迎える こと が でき ました 〞 はれて|そつぎょう||||むかえる||||

“ 柏尾 川 ( かし おがわ ) 高校 で 過ごした 3 年間 は ―” かしお|かわ|||こうこう||すごした|ねんかん|

“ いく つ も の 出会い の 積み重ね に よって 育ま れ ―” ||||であい||つみかさね|||はぐくま|

“ 私 たち に とって かけがえのない 時間 に なり ました ” わたくし|||||じかん|||

“ 気さくに 話す こと を 許して くださった 先生 方 ” きさくに|はなす|||ゆるして||せんせい|かた

“ 学校 行事 で は 率先 して ―” がっこう|ぎょうじ|||そっせん|

“ まだ 1 年生 だった 私 たち を 引っ張って くれた 先輩 方 ” |ねんせい||わたくし|||ひっぱって||せんぱい|かた

“ そして 同じ 教室 で 同じ 時間 を 過ごした 友人 たち ” |おなじ|きょうしつ||おなじ|じかん||すごした|ゆうじん|

“ そうして 1 年 が たち 2 年 が たち ―” |とし|||とし||

“ 今度 は 新しく 入学 して きた 後輩 たち が ―” こんど||あたらしく|にゅうがく|||こうはい||

“ 私 たち を 力強く 支えて くれ ました ” わたくし|||ちからづよく|ささえて||

“ 中 に は 思いがけない 出会い や 出来事 に ―” なか|||おもいがけない|であい||できごと|

“ 巡り合う こと も あり ました ” めぐりあう||||

“ 時に は 衝突 し 感情 の まま 傷つけ 合う こと も あり ました ” ときに||しょうとつ||かんじょう|||きずつけ|あう||||

“ それ でも いえ だ から こそ ―”

“ この 柏 尾川 高校 で の 数 多く の 出会い が ―” |かしわ|おがわ|こうこう|||すう|おおく||であい|

“ 私 たち を 成長 さ せて くれた のだ と ” わたくし|||せいちょう|||||

“ 今 は 確信 して い ます ” いま||かくしん|||

“ なぜならば 私 自身 が 出会い に 支え られ ―” |わたくし|じしん||であい||ささえ|

“ 失敗 や 間違い を 繰り返し ながら ―” しっぱい||まちがい||くりかえし|

“ 今日 と いう 日 に たどりついた から です ” きょう|||ひ||||

“ 柏尾 川 高校 で 学んだ こと を 胸 に 抱き ―” かしお|かわ|こうこう||まなんだ|||むね||いだき

“ この 場所 を 新たな スタート 地点 と して ―” |ばしょ||あらたな|すたーと|ちてん||

“ 私 たち は この先 の 未来 へ 走り出し たい と 思い ます ” わたくし|||このさき||みらい||はしりだし|||おもい|

“ 皆様 の ご 健康 と ―” みなさま|||けんこう|

“ 今後 の 柏尾 川 高等 学校 の さらなる 飛躍 を ―” こんご||かしお|かわ|こうとう|がっこう|||ひやく|

“ お 祈り して おり ます ” |いのり|||

“ 卒業 生 代表 夏目 美緒 ” そつぎょう|せい|だいひょう|なつめ|みお

( 生徒 たち の はしゃぎ 声 ) せいと||||こえ

( 男子 生徒 ) バカ お前 の 席 ねえ ぞ この 野郎 だんし|せいと|ばか|おまえ||せき||||やろう

( 高橋 早苗 ( さなえ )) あたし もも の 似顔絵 描いて あげる たかはし|さなえ|||||にがおえ|えがいて|

( 鈴木 桃 花 ( もも か )) ちゃん と かわいく 描いて ね ! あっ ! すずき|もも|か||||||えがいて||

あー !

ベンサン ! 写真 写真 ! |しゃしん|しゃしん

( シャッター 音 ) しゃったー|おと

( 美緒 たち ) あ … ( 渡辺 ( わた なべ )) ん ん みお|||わたなべ||||

( 美緒 たち ) わ っ みお|||

笑顔 すぎて ひく えがお||

( 佐藤 真由子 ( まゆ こ )) いい じゃ ん 次 は 私 撮って あげる さとう|まゆこ||||||つぎ||わたくし|とって|

桃 花 こっち ! もも|か|

( 早苗 ) もう いい って 何 枚 撮る 気 ? さなえ||||なん|まい|とる|き

まだ メモリ 残って る し 1000 枚 いける ! ||のこって|||まい|

それ マジ 罰 ゲーム だって ||ばち|げーむ|

( 真由子 ) 撮る よ ! ( シャッター 音 ) まゆこ|とる||しゃったー|おと

( 真由子 ) ベンサン また その 顔 ~ まゆこ||||かお

( 渡辺 ) ん ? ( 美緒 たち の 笑い声 ) わたなべ||みお|||わらいごえ

( 桃 花 ) 超 うける ~ ( 真由子 ) 撮り 直そう 普通の 顔 で もも|か|ちょう||まゆこ|とり|なおそう|ふつうの|かお|

( 早苗 ) ベンサン ~ さなえ|

( 後輩 ) 葉月 ( はづき ) 先輩 卒業 おめでとう ございます こうはい|はづき||せんぱい|そつぎょう||

( 森川 ( もり かわ ) 葉月 ) ありがとう 卒業 式 の 演奏 よかった よ もりかわ|||はづき||そつぎょう|しき||えんそう||

( 後輩 たち ) 先輩 ~ こうはい||せんぱい

( 後輩 ) や っぱ 卒業 し ないで ~ こうはい|||そつぎょう||

もう 卒業 しちゃ った のに ? |そつぎょう|||

( 後輩 たち ) だって ~ こうはい||

( シャッター 音 ) しゃったー|おと

( 後輩 ) 先輩 次 は 私 の 番 です ! こうはい|せんぱい|つぎ||わたくし||ばん|

( 乾 ( い ぬい ) 依子 ( よりこ )) よ ー し どん と こい ! いぬい|||よりこ|||-||||

( 後輩 ) 俺 も ! ( 後輩 ) 私 も ! こうはい|おれ||こうはい|わたくし|

( 桃 花 ) 先生 も これ 書いて よ ! もも|か|せんせい|||かいて|

( 早苗 ) て か あたし ら も 途中 じゃ ん さなえ||||||とちゅう||

写真 ばっ か 撮って る から ( 真由子 ) あっ しゃしん|||とって|||まゆこ|

美緒 も ! みお|

あ … うん

( 桃 花 ) 美緒 ! もも|か|みお

ごめん ちょっと 先 に 用事 片づけて くる ||さき||ようじ|かたづけて|

( 早苗 ) 生徒 会 室 ? さなえ|せいと|かい|しつ

( 美緒 ) すぐ 戻る から みお||もどる|

( 男子 生徒 たち の 笑い声 ) だんし|せいと|||わらいごえ

( 相馬 陽斗 ( そう ま はる と )) お っ あいば|ようと||||||

( 美緒 ) あっ 相馬 泉 まだ いるか な ? みお||あいば|いずみ|||

( 陽斗 ) ん ~ まだ い ん ぞ ようと|||||

ありがとう

( 石垣 陸 生 ( りく お )) そろそろ 俺 帰る な いしがき|りく|せい||||おれ|かえる|

( 猿渡 順 平 ( さる わた りじゅん ぺい )) 試合 終了 に は 早 ( はえ ) え ぞ 陸 生 さわたり|じゅん|ひら|||||しあい|しゅうりょう|||はや||||りく|せい

まだ 俺 たち に 告白 する チャンス を 探って いる 女子 が ― |おれ|||こくはく||ちゃんす||さぐって||じょし|

いる かも しれ ねえ だ ろ ? ( 陸 生 ) 陽斗 は ? ||||||りく|せい|ようと|

( 陽斗 ) あー … ようと|

( 順 平 ) 聞けよ ! じゅん|ひら|きけよ

俺 ち と 約束 あんだ おれ|||やくそく|

( 瑛 太 ) お 世話に なり ました あきら|ふと||せわに||

( 母親 ) 瑛 太 は ? もう 帰れる の ? ははおや|あきら|ふと|||かえれる|

( 瑛 太 ) 先 帰って て あきら|ふと|さき|かえって|

そう ?

( 瑛 太 ) まだ … あきら|ふと|

ここ で やる こと ある から

( 深呼吸 ) しんこきゅう

( ノック )

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 美緒 ) 泉 ? いる ? みお|いずみ|

フゥ …

ん …

フッ …

何 ほっと して んだ あたし なん||||

( 葉月 ) 夏目 さん ? ( 美緒 ) えっ ? はづき|なつめ||みお|

森川 さん … もりかわ|

( 葉月 ) 夏目 さん の 答辞 みんな 泣いて たね はづき|なつめ|||とうじ||ないて|

( 美緒 ) ホント ? みお|ほんと

( 葉月 ) うん 依子 なんて 目 真っ赤 だった もん はづき||よりこ||め|まっか||

よかった

みんな ノー コメント だった から 不安だった んだ よ ね |のー|こめんと|||ふあんだった|||

( 女子 生徒 たち の 話し声 ) じょし|せいと|||はなしごえ

( 美緒 ) 今日 で 最後 か ~ みお|きょう||さいご|

まだ 全然 実感 ない よ |ぜんぜん|じっかん||

それ 一緒だ |いっしょだ

(2 人 ) フフッ じん|

泉 くん に は 言えた ? いずみ||||いえた

まだ

そ っか

なんか 捕ま ん なくて |つかま||

既読 も 付か ない し 避け られて る みたい きどく||つか|||さけ|||

ん ~…

( 操作 音 ) そうさ|おと

やっぱり あれ の せい かな ?

何 か あった の ? なん|||

ちょっと ね

泉 の スマホ の 待ち受け が 気 に 入ら なくて いずみ||||まちうけ||き||はいら|

うまく 言え ない んだ けど |いえ|||

たぶん 夏目 さん の せい じゃ ない と 思う |なつめ|||||||おもう

えっ ?

( 葉月 ) 行 こっか はづき|ぎょう|

( 美緒 ) あ … うん みお||

( 桃 花 ) 美緒 待ち だった んだ よ ー もも|か|みお|まち||||-

で 誰 と 話して た の ? |だれ||はなして||

森川 さん に 答辞 褒め られて た もりかわ|||とうじ|ほめ||

( 桃 花 ) あれ は 泣けた ~ もも|か|||なけた

えー ? 泣いて なかった じゃ ん |ないて|||

( 桃 花 ) 心 で 泣いた の もも|か|こころ||ないた|

だって まつげ 溶けちゃ う じゃ ん ? ||とけちゃ|||

( 美緒 ) あ ~ それ ヤバ いね みお||||

( 桃 花 ) でしょ ー ? もも|か||-

( 陽斗 ) う っす ! ようと||

卒業 おめでとう そつぎょう|

( 陽斗 ) 森川 も おめでとう ようと|もりかわ||

花 すげ え な か|||

相馬 くん も あいば||

人望 の 違い を 感じる わ じんぼう||ちがい||かんじる|

うち は 女子 が 多い から ||じょし||おおい|

あ … もう うち じゃ ない か

そう だ 泉 くん て どうし てる ? ||いずみ|||どう し|

( 陽斗 ) どう って ? ようと||

( 葉月 ) 夏目 さん が ね ― はづき|なつめ|||

泉 くん 捕まら ない って 言って たから いずみ||つかまら|||いって|

なんか 心配で … |しんぱいで

あー まあ 瑛 太 なら 大丈夫 ||あきら|ふと||だいじょうぶ

瑛 太 なら 大丈夫だ あきら|ふと||だいじょうぶだ

ヒッ

( シャッター 音 ) ん ? しゃったー|おと|

ヒヒッ

今 の 写真 くれよ いま||しゃしん|

極上 カレー まん おごり な ! ごくじょう|かれー|||

お前 ! た っけ ー や つば っか じゃ ん ! おまえ|||-|||||

( 葉月 ) ウフフ … はづき|

写真 私 も 欲しい ! しゃしん|わたくし||ほしい

( 小宮 ( こみ や ) 恵那 ( え な )) 初めて だ よね 瑛 太 先輩 から 声 かけて くん のって さ こみや|||えな|||はじめて|||あきら|ふと|せんぱい||こえ||||

( 瑛 太 ) そうだ っけ ? あきら|ふと|そう だ|

そう だ よ

そう かな ?

( 恵那 ) まあ いい けど 私 も 瑛 太 先輩 に 用 あった し えな||||わたくし||あきら|ふと|せんぱい||よう||

じゃ ー ん ! |-|

すごい でしょ ! 金 賞 だ よ 金 賞 ! ||きむ|しょう|||きむ|しょう

おかげ で ベンサン が 写真 部 あと 1 年 残せる ように ||||しゃしん|ぶ||とし|のこせる|よう に

掛け合って くれる ん だって ! かけあって|||

そ っか よかった じゃ ん

( 恵那 ) まあ 私 の 実力 じゃ ない んだ けど えな||わたくし||じつりょく||||

( 瑛 太 ) うん 知って る あきら|ふと||しって|

えっ ?

( 瑛 太 ) 見 に 行った から あきら|ふと|み||おこなった|

あの 写真 すごく いい 顔 して た |しゃしん|||かお||

瑛 太 先輩 の おかげ だ よ あきら|ふと|せんぱい||||

( 瑛 太 ) なんで 俺 ? あきら|ふと||おれ

あれ 先輩 たち の 写真 撮って た とき のだ から |せんぱい|||しゃしん|とって||||

よかった

一応 役 に 立った んだ 俺 いちおう|やく||たった||おれ

( 恵那 ) あと … えな|

卒業 祝い そつぎょう|いわい

( 恵那 ) 私 から 瑛 太 先輩 の 卒 アル だ よ えな|わたくし||あきら|ふと|せんぱい||そつ|||

( 瑛 太 ) 前 の 学校 の やつ は 送って もらう 予定 な んだ けど あきら|ふと|ぜん||がっこう||||おくって||よてい|||

( 恵那 ) それ に は 相馬 先輩 と か 会長 写って ない じゃ ん えな||||あいば|せんぱい|||かいちょう|うつって|||

( 瑛 太 ) 別に へ理屈 で 言った んじゃ なくて あきら|ふと|べつに|へりくつ||いった||

ありがとう

こういう の うれしい な

どう いたし まして !

あ … ご 卒業 おめでとう ございます ||そつぎょう||

( 瑛 太 ) どうも あきら|ふと|

小宮 俺 さ … こみや|おれ|

告白 の 返事 は いい よ こくはく||へんじ|||

瑛 太 先輩 が 大学 受かったら って 約束 だった し … あきら|ふと|せんぱい||だいがく|うかったら||やくそく||

小宮 は ちゃん と 言って くれた だ ろ こみや||||いって|||

だから 俺 も ちゃんと し ない と |おれ|||||

( 恵那 ) 分かった えな|わかった

じゃあ 聞く |きく

( 瑛 太 ) うん あきら|ふと|

うれしかった んだ

小宮 が “ 好き ” って 言って くれた の は こみや||すき||いって|||

( 恵那 ) うん えな|

( 瑛 太 ) でも … あきら|ふと|

ごめん

俺 ずっと 前 から 好きな 人 が いる おれ||ぜん||すきな|じん||

( 恵那 ) うん えな|

( 瑛 太 ) だ から … あきら|ふと||

知って たよ そんな の しって|||

だって そういう 瑛 太 先輩 を 私 は 好きに なった んじゃ ん ! ||あきら|ふと|せんぱい||わたくし||すきに|||

( 泣き声 ) なきごえ

また あと で ね ー ! ||||-

( 美緒 ) うん みお|

( 桃 花 ) 卒 パ 超 楽しみ ! もも|か|そつ||ちょう|たのしみ

( 早苗 ) ただ の カラオケ じゃ ん さなえ|||からおけ||

( 美緒 ) 帰っちゃ った の かな みお|かえっちゃ|||

( 操作 音 ) そうさ|おと

( 足音 ) あしおと

( 陽斗 ) 夏目 が 捜して たって よ 森川 が 言って た ようと|なつめ||さがして|||もりかわ||いって|

( 瑛 太 ) 知って る よ あきら|ふと|しって||

( 陽斗 ) なら 逃げ んじゃ ねえ よ ようと||にげ|||

( 瑛 太 ) まだ 勝って ない から あきら|ふと||かって||

まだ 陽斗 に 勝って ない |ようと||かって|

じゃあ 勝負 だ な |しょうぶ||

( 陽斗 ) 今日 は 瑛 太 が こっち な ようと|きょう||あきら|ふと|||

( 瑛 太 ) なんで ? あきら|ふと|

ホームラン 打てよ ほーむらん|うてよ

ヒヒッ

ヒヒッ

あ …

( 陽斗 ) ん ん っ ようと|||

( 陽斗 ) う っ ようと||

( 陽斗 ) う っ ようと||

い っけ ー ! ||-

ハァ ハァ ハァ …

( 瑛 太 ) ハァ ハァ ハァ … あきら|ふと|||

( 携帯 電話 の バイブ 音 ) けいたい|でんわ|||おと

( 美緒 ) 早苗 ? みお|さなえ

( 早苗 ) あー 美緒 ? もう みんな 集まって る よ ほら さなえ||みお|||あつまって|||

( 桃 花 ) イエーイ 盛り上がって る か ー ! もも|か||もりあがって|||-

美緒 も 早く 来て よ ! みお||はやく|きて|

( 真由子 ) 待って る から ! まゆこ|まって||

( 美緒 ) うん みお|

フッ …

( 受信 音 ) じゅしん|おと

( 送信 音 ) そうしん|おと

( 葉月 ) そっち は どう ? 相馬 くん はづき||||あいば|

お 仕事 は 慣れて きた ? |しごと||なれて|

( 送信 音 ) そうしん|おと

( 陽斗 ) 速攻 で 慣れた よ ようと|そっこう||なれた|

って 言い たい けど まだ 全然 で さ |いい||||ぜんぜん||

森川 の 言う とおり だった かも もりかわ||いう|||

慣れる まで は 結構 余裕 ねえ わ なれる|||けっこう|よゆう||

でも いい 人 ばっ か だし ― ||じん|||

思って た より 楽しい おもって|||たのしい

( 送信 音 ) そうしん|おと

森川 の ほう は 大学 慣れた か ? もりかわ||||だいがく|なれた|

( 葉月 ) ちょっと ずつ ね はづき|||

まだ 緊張 する こと の ほう が 多い けど … |きんちょう||||||おおい|

一緒に 音楽 できる 友達 も できた し いっしょに|おんがく||ともだち|||

( 陽斗 ) そ っか ようと||

( 葉月 ) みんな と は 会って る ? はづき||||あって|

私 は 依子 と 毎日 連絡 取って る んだ けど わたくし||よりこ||まいにち|れんらく|とって|||

( 陽斗 ) あいつ なら 日曜 河原 で 会った よ ようと|||にちよう|かわはら||あった|

相変わらず 走って ん のな あいかわらず|はしって||

俺 は 順 平 と 陸 生 くらい だ な おれ||じゅん|ひら||りく|せい|||

ちょいちょい 会ったり 連絡 す ん の って |あったり|れんらく||||

なんか もう 高校 通って た ころ が すでに 懐かしい わ ||こうこう|かよって|||||なつかしい|

( 葉月 ) うん そう だ ね はづき||||

( 葉月 ) 泉 くん は ? はづき|いずみ||

( 陽斗 ) 昨日 は “ 大学 遠い ” って ぼやいて たな 瑛 太 の ヤツ ようと|きのう||だいがく|とおい||||あきら|ふと||やつ

( 葉月 ) 夏目 さん の こと ― はづき|なつめ|||

知って る の か な ? しって||||

( 陽斗 ) なん も 言って こ ねえ から まだ 知ら ない んじゃ ね ? ようと|||いって|||||しら|||

でも いいかげん 気づく べ ||きづく|

( 中嶋 ( なか じ ま )) 俺 今日 も 新 歓 出る けど 瑛 太 は ? なかしま||||おれ|きょう||しん|かん|でる||あきら|ふと|

いい よ 俺 は ||おれ|

つまら ん 男 ばい ||おとこ|

大学 生活 なんだ と 思って んだ よ だいがく|せいかつ|||おもって||

( 瑛 太 ) あん ま ハメ 外す な よ あきら|ふと||||はずす||

( 中嶋 ) 任せろ ! じゃあ な ー ! なかしま|まかせろ|||-

何 を 任せろ なんだか … なん||まかせろ|

( 瑛 太 )1 か月 も 未 読 って さ … あきら|ふと|かげつ||み|よ||

( 受信 音 ) あ … じゅしん|おと|

泉 を 追いかけて きた わけじゃ ない から いずみ||おいかけて||||

( 瑛 太 ) 俺 … あきら|ふと|おれ

夏目 の こと が 好きだ なつめ||||すきだ

あたし も !