Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 1
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( 女性 ) お 待た せ ~ ごめん
( 男性 ) おせ え よ ( 女性 ) ごめん ね
( 男性 ) まっ 俺 も 今 来 た ん だ けど
( 男性 ) ハハハ … ( 女性 ) フフ フッ
( 携帯 電話 の 呼び出し 音 )
( 機械 音声 ) ただいま 電話 に 出る こと が でき ませ ん
ピー と いう 発信 音 の 後 に …
( 早乙女 ( さおとめ ) ) あれ ? 竹田 ( たけ だ ) 先輩 じゃ ない です か
( 竹田 ) あ ?
( 早乙女 ) な ~ に してん す か ?
( 竹田 ) 待ち合わせ
( 早乙女 ) フッ
男女 交際 は 禁止 です よ 先輩
( 竹田 ) お互いさま だ ろ
( 秋子 ( あきこ ) ) あれ って フラ れ た の か な ?
だ よ な
( ため息 )
( エコーズ ) ハァ ハァ …
( 女性 ) あ … ( 男性 たち ) お っ
( エコーズ ) ハァ ハァ ハァ …
( 竹田 ) あ … ( エコーズ ) ハァ …
ハァ …
う う …
う っ …
( ブギー ポップ ) 君 たち は 泣 い て いる 人 を 見 て ―
何 と も 思わ ない の か
あきれ た もの だ これ が 文明 社会 って わけ か
あ … 宮下 ( みや した ) ?
( エコーズ の すすり泣き )
( エコーズ ) ハッ …
( 直子 ( なお こ ) ) おはよう 啓司 ( けいじ ) 昨日 の デート どう だった ?
あれ ?
さえ ない 顔
まっ す っぽ かし くらい ある でしょ
宮下 と 連絡 も つか ない けど ?
ま … まあ 思春期 の 女の子 は いろいろ ある から
フフ フッ
( 竹田 ) 妙 な 格好 を し て 街 に 出 た り か ?
は あ ?
いや 何でも ない
( チャイム )
( 敬 ( けい ) ) 先輩 ! 遅刻 です よ
( 竹田 ) 紙 木城 ( かみ きしろ ) に し て は 早い ほう だ けど な
ヤボ 用 が あって ね
何でも いい です けど 早く 行った ほう が いい です よ
は いはい あり が と ね 敬
あっ 先輩 !
今日 委員 会 の ミーティング が あり ます から ね ー !
( 直子 ) フフッ 啓司 に 気 が ある ん じゃ ない ?
ねえ よ
( 直子 ) “ 命 短し 恋せよ 乙女 ”
( 竹田 ) 浮かれ てる な お前
1 年 の 田中 ( た なか ) って ヤツ と は うまく やって ん の か ?
( 直子 ) もちろん !
ん っ … え いっ !
( 女子 生徒 ) 宮下 さん 今日 は 休み です よ
そう か
( 教師 ) え ~ 今年 に なって から 家出 し た 女子 生徒 が ―
全校 で 4 人 に も なった
何 か 訳 知り な 生徒 を 見つけ たら お前 ら も すぐ 報告 する よう に
どうせ 友達 なんか に は 家出 先 と か 話し てる だ ろ う し な
それ と 例 の 霧 間 ( き り ま ) 凪 ( なぎ ) が 今日 も 登校 し て ない
あの 跳ね っ 返り は 陰 で 何 し て いる か 分から ん し ―
関わり たく ない の は 分かる が …
( ブギー ポップ ) 手荒 な マネ は 必要な い
おびえ て いる じゃ ない か
( 警察 官 ) 何 だ お前 は
あっ
う お っ ぐ っ … が あっ !
( 竹田 ) あ … あ あっ ( 警察 官 ) う っ ああ … ぐ っ
( 人々 の どよめき )
( 警察 官 ) お前 何 を し た !
( エコーズ ) ハァ ハァ …
( 警察 官 ) あっ お前 … あ あっ !
待て !
( 教師 ) え ~ 次に 校 内 に おける スマホ の 使用 に 関し て だ が ―
最近 で は SNS だの 何 だ ので ―
授業 中 に コソコソ と 隠れ て 使用 する 生徒 が …
( 楽器 の 練習 音 )
( 敬 ) 心配 です か ? 宮下 さん の こと
そりゃ まあ な
いろいろ ある ん だ ろ 思春期 は さ
フッ … 先輩 は 大人 です ね
( 竹田 ) ん ?
( 敬 ) 夢 の ため に 進路 も さっと 決め て ―
“ あと は 関係ない ” みたい な
別に 俺 は …
宮下 ?
悪い 先 帰って て !
( 敬 ) え ?
( 竹田 の 荒い 息 )
宮下 ?
お前 な の か ?
君 は …
宮下 藤 花 ( とうか ) の 知り合い か ?
あっ …
( ブギー ポップ ) それ は 悪い こと を し た
昨日 も 無視 し て しまった よう だ ね
( 竹田 ) 何 の つもり だ 宮下 お前 俺 を からかって ん の か ?
何 か 言え って なあ
( ブギー ポップ ) まず 最初 に 言って おく と ―
僕 は 宮下 藤 花 で は ない 今 は ブギー ポップ だ
( 竹田 ) ブギー ポップ ?
( ブギー ポップ ) 二 重人 格 と いう 概念 が 一 番 近い
分かる だ ろ ?
二 重人 格 …
君 ら は まだ 誰 も 気づ い て い ない が この 学園 に …
いや 全 人類 に 危機 が 迫って いる ん だ
あ ?
だから 僕 が 出 て き た ん だ
( 携帯 電話 の 振動 音 )
( 藤 花 ) ごめん ね 何度 も 電話 くれ て た のに
( 竹田 ) まあ うん … 体調 は どう ?
( 藤 花 ) うん もう 大丈夫
( 竹田 ) あの さ 宮下
昨日 って どこ か へ 出かけ た ?
( 藤 花 ) う うん ずっと 家 で 寝 て た けど
え ?
( 藤 花 ) ちょうど 予定 も なかった から
そ … そ っか
言った ろ ?
宮下 藤 花 の 記憶 は 都合 の いい もの に 修正 さ れる って
なんで …
( ブギー ポップ ) さあ
罪悪 感 を 感じ たく ない から じゃ ない か ?
君 に 嫌わ れ たく ない ん だ ろ う
( 竹田 ) なあ お前 は 一体 何 な ん だ ?
いつ から 彼女 に 取り つい てる ん だ よ
( ブギー ポップ ) ひどい 言い 方 だ な
僕 だって 好き で 出 て いる わけ じゃ ない
( 竹田 ) じゃあ 何 だ よ ?
( ブギー ポップ ) 僕 は 自動 的 な ん だ よ
周囲 に 異変 を 察知 し た とき に 自然 と 浮かび上がって くる
だから 名 を “ ブギー ポップ ” と いう
( 竹田 ) ん ?
“ 不気味 な 泡 ” って こと さ
( 竹田 ) 異変 って 何 だ よ ?
( ブギー ポップ ) この 学校 に は 魔物 が 巣くって る
今 は それほど 活動 し て ない が ―
本格 的 に 動きだし たら 世界 は おしまい だ
お前 だ ろ それ
分かって る よ
だから 僕 も それ ほど 長く は 出 て い ない
あと は 宮下 藤 花 と し て 静か に 生き て いる
君 と 恋 を 語り合ったり ね
な っ … 恋 って あの な …
( ブギー ポップ ) ハハッ
( 竹田 ) “ 多重 人格 と は ― ”
“ 押さえつけ られ た 可能 性 が 独立 し た もの ”
“ それ が どんな に 病的 で ― ”
“ 本人 や 周囲 に 対し て 破壊 性 の ある もの でも ― ”
“ 可能 性 に 善悪 の 区別 は ない ”
( ブギー ポップ ) ふむ “ 押さえつけ られ た 可能 性 ” ね
なるほど しかし 僕 の 場合 は ―
宮下 藤 花 の 可能 性 と いう わけ で も ない し ね
じゃあ 何 な ん だ よ ?
( ブギー ポップ ) この 世界 の さ
は ?
( ブギー ポップ ) 僕 に は 主体 が ない ん だ
宮下 藤 花 に は 僕 を 生み出す よう な 秘め た 欲望 と いう か ―
可能 性 が ある の かも しれ ない が それ と 僕 と は 関係 が ない ん だ
僕 は 自分 が やら ね ば なら ない 義務 と いう か ―
使命 の ため に ここ に いる
( 竹田 ) よく 分から ない けど それ が 全 人類 の 危機 って やつ か ?
( ブギー ポップ ) うん
( 竹田 ) なんで お前 な ん だ ろ う な
なんで か ね ? 僕 も 知り たい よ
しかし 何 だ ね 君 は 僕 を 治し たい の か な ?
いや … まあ どう な ん だ ろ う
( ブギー ポップ ) 君 は いい 人 だ な
( 竹田 ) ん ?
( ブギー ポップ ) 宮下 藤 花 が 君 の こと を 好き に なった の も ―
分かる 気 が する よ
( 竹田 ) は ?
なあ ブギー ポップ 魔物 って どんな ヤツ な ん だ よ ?
絶対 に 他人 に 言って は いけ ない よ
( 竹田 ) ああ 言わ ねえ よ
いる の は “ 人 を 喰 ( く ) う もの ” だ
ハハ …
( ブギー ポップ ) さて 僕 の 時間 は 終わり だ
放 課 後 以降 は 張り込 ん で い て も 意味 が ない から ね
な … って こと は ―
その 魔物 は 生徒 の 中 に いる って こと か ?
恐らく
( 女子 生徒 ) F 組 の 清井 ( き よい ) も ブギー ポップ 見 た ん だ って
( 女子 生徒 ) また 女子 な ん だ
( 女子 生徒 ) だって 殺す の は 女子 だけ でしょ ?
( 女子 生徒 ) そう 女の子 が その 生涯 で 一 番 美しい とき に ―
それ 以上 醜く なら ない よう に 殺し て くれる それ が ブギー ポップ
( 女子 生徒 ) なら 今 私 ヤバ く ない ?
( 女子 生徒 ) フフッ ヤバ く ない し
( 女子 生徒 ) どんな ビジュアル な ん だ ろ う ?
( 女子 生徒 ) 黒い 帽子 に 黒い マント じゃ なかった ?
( 女子 生徒 ) 何 それ ? 魔女 みたい
( 女子 生徒 ) ねえ 末 真 ( す えま ) は どう 思う ?
( 末 真 ) あ … え ?
( 女子 生徒 ) やっぱり 彼女 が ブギー ポップ な の か な ?
彼女 ?
( 女子 生徒 ) 霧 間 凪
( 女子 生徒 ) 専門 家 と し て は どう 思う ?
別に 私 は 都市 伝説 の 専門 家 じゃ ない ん だ けど …
( 女子 生徒 ) 人殺し は 人殺し でしょ ?
ブギー ポップ だって
そりゃ 興味深い 話 だ けど さ
( 女子 生徒 ) でしょ でしょ ?
( 京子 ( きょうこ ) ) ねえ 末 真
人殺し って どんな ヤツ な の ? 実際 の とこ
どんな って … そりゃ いろいろ よ
( 京子 ) 例えば この クラス だ と どんな 子 が それ っぽい の ?
う ~ ん そう ね …
ど っか 妙に かたくな で 自分 の 世界 を 持って て
なんか 頑固 そう な ところ が ある って 感じ か な
( 女子 生徒 ) やっぱり 霧 間 凪 ! ( 女子 生徒 ) あり える
( 女子 生徒 ) ヤダ ~ ブギー ポップ は 美 少年 だ って !
( 女子 生徒 たち の 笑い声 )
( 京子 ) ねえ 霧 間 凪 って ―
ホント に 人殺し する よう な 人 だ と 思う ?
ん … さっき から そんな こと ばかり 聞い て くる けど
何 ? どう し た の ?
知り合い が 彼女 に 脅さ れ た の
それ 以来 すっかり 人 が 変わっちゃ っ て
脅さ れ た って … カツ アゲ と か ?
う うん そう いう の じゃ なく て …
あ …
私 … 殺さ れ ちゃ う かも しれ ない
え えっ ! ?
( 竹田 ) 紙 木城 が ?
遅刻 と か じゃ なく て ?
ええ さっき 先生 が 話し て いる の が 聞こえ た ん です
“ 家 に も 帰って い ない ” って …
あいつ が ?
( 敬 ) 先輩 何 か 聞い て ませ ん か ?
( 竹田 ) いや 俺 は 何 も
( 敬 ) そう です か …
あっ
それ じゃあ すみません 先輩
失礼 し ます
あ … おう
( 女子 生徒 ) どうせ 一緒 よ 家出 と か な ん じゃ ない ?
( 竹田 ) なんで だ よ 他 の ヤツ は 知ら ねえ けど ―
なんで あいつ が 家出 する ん だ ?
( 女子 生徒 ) なんで って …
だって あいつ 成績 も よかった じゃ ない か
志望 校 の ライン は 越え てん だ ろ ?
( 女子 生徒 ) 何 よ 竹田 紙 木城 の こと が 好き だった の ?
そう いう ん じゃ ねえ よ でも よ …
( 女子 生徒 ) ハァ ( 女子 生徒 たち ) フゥ …
竹田 に は やっぱり 分か ん ない か
私 は 何となく 分かる けど ねえ
( 女子 生徒 ) そりゃ 受験 し ない ん だ もん 竹田
( 女子 生徒 ) 現実 逃避 でしょ 結局 は
( 女子 生徒 ) ホント 逃げ られる もの なら 逃げ たい けど さ
でも 私 たち は 紙 木城 み たい に 無責任 じゃ ない し ね
あっ
君 たち は 泣 い て いる 人 を 見 て 何 と も 思わ ない の か
あきれ た もの だ
( 竹田 ) あの さ ちょっと 聞い て いい か ?
( ブギー ポップ ) 何 だい ?
( 竹田 ) 初めて お前 を 見かけ た とき あの 泣 い てる 男 に 何て 言った ん だ ?
( ブギー ポップ ) 大した こと じゃ ない
必要 な 助言 を し た だけ だ
誰 だって 苦しい とき に は 助け を 必要 と する もの だ
( 竹田 ) 助け が 必要 ? なんで そんな こと が 分かる ん だ
彼 は 泣 い て い た 一目瞭然 だ ろ ?
俺 たち 普通 の ヤツ に は そんな 分かり 方 は でき ない ん だ よ
( ブギー ポップ ) や あ ( 竹田 ) あっ …
あ …
変 な 感じ だ な
本当 に お前 な の か ?
( ブギー ポップ ) ああ
コスチューム は どう し た ん だ よ
( ブギー ポップ ) もう 必要 なく なった から ね
あ ? どう いう こと だ ?
危機 は 去った
( 竹田 ) え ?
これ で お 別れ だ 竹田 君
ちょ … ちょっと 待って くれよ そんな いきなり …
( ブギー ポップ ) しかたない ん だ
危機 が 去れ ば 消える 僕 は それ だけ の もの だ から ね
危機 って …
ありがとう 竹田 君
君 と い た 時間 は 楽しかった よ
これ まで の 僕 は ずっと 戦って ばかり で ―
君 は 初めて 友達 と 呼 べ る 存在 だった かも しれ ない
( 竹田 ) 学校 に 巣くった 魔物 を 倒す ん じゃ なかった の か よ
( ブギー ポップ ) だ から 倒し た ん だ 僕 が やった ん じゃ ない けど ね
( 竹田 ) ウソ つく な よ !
ウソ じゃ ない
( 竹田 ) ウソ だ !
お前 は 危機 から 世界 を 救う ん だ ろ ?
まだ 全然 救わ れ て ない ぞ !
あ …
( ブギー ポップ ) 竹田 君
夢 が 見 られ ない 未来 を 思え ない
そんな 世界 は 間違って いる
でも それ と 戦う の は 残念 ながら 僕 で は ない
君 たち 自身 な ん だ よ
世界 は 誤り で 満ち て いる ん だ 竹田 君
( 竹田 ) 行か ない で くれよ
友達 だ ろ ?
行か ない で くれ
( 足音 ) ( 竹田 ) あ …
( 藤 花 ) 遅い よ 竹田 先輩 !
あっ ああ … わり い
( 藤 花 ) へ え ~ 屋上 で 友達 と ?
( 竹田 ) ああ 少し 変 な ヤツ で さ
( 藤 花 ) ふう ん
( 藤 花 ) あっ ( 竹田 ) あ …
大丈夫 だ よ
( 敬 ) あら 先輩 今 帰り です か ? ( 竹田 ) ああ
男女 交際 は 規則 違反 です が
今回 は 特別 に 見逃し ます よ
( 凪 ) ふう ん ( 竹田 ) ん …
( 凪 ) あんた が 宮下 藤 花 か
俺 は 霧 間 凪 だ よろしく
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