Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 15 Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 15

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～ ♪

（ 静香 ( しずか ) ） そう いえ ば あなた ― しずか|||||

お 金持ち の くせ に ロック なんて 聴 い て た わ ね |かねもち||||ろっく||き|||||

（ 静香 ） 私 は 絶対 聴か せ て もら え なかった しずか|わたくし||ぜったい|きか|||||

（ 寺 月 ( てら つき ) ） アハッ なるほど てら|つき||||

（ 寺 月 ） 箱入り の お 嬢 様 って わけ か てら|つき|はこいり|||じょう|さま|||

そう よ まったく 嫌 に なる |||いや||

大した カネ も ない 中小 企業 の 役員 の くせ し て ― たいした|かね|||ちゅうしょう|きぎょう||やくいん||||

父 は 私 を 令嬢 み たい に 思って て さ ちち||わたくし||れいじょう||||おもって||

娘 と いう より 高価 な フランス 人形 ね むすめ||||こうか||ふらんす|にんぎょう|

で 母 は … |はは|

変 な 気持ち だ わ 歪曲 王 ( わ い きょく おう ) さん へん||きもち|||わいきょく|おう|||||

確か そう いう 名前 だった わ よ ね ？ たしか|||なまえ||||

どう と でも 呼ぶ と いい さ |||よぶ|||

（ 静香 ） そう ね しずか||

そう 母 は ― |はは|

本当 は 父 も そして 私 も 大 っ 嫌い な ん だ わ ほんとう||ちち|||わたくし||だい||きらい||||

（ 静香 ） 私 が 母 に なった とき … しずか|わたくし||はは|||

真 ( まこと ) を 授かった 当時 私 は まだ 二十 歳 だった まこと|||さずかった|とうじ|わたくし|||にじゅう|さい|

誰 の 子 か は 分から なかった けど 自分 が 関係 し た 中 で 唯一 だれ||こ|||わから|||じぶん||かんけい|||なか||ゆいいつ

子供 の 父親 に なって ほしい と 思った 男 こども||ちちおや|||||おもった|おとこ

（ 寺 月 ） アハハ なるほど てら|つき||

それ で いくら 欲しい ？ |||ほしい

（ 静香 ） あっ そ そんな ん じゃ なく て … しずか|||||||

いくら で も やる ぞ

ただし 認知 しろ と か 結婚 しろ と か 言って も ムダ だ |にんち||||けっこん||||いって||むだ|

（ 静香 ） う っ … しずか||

俺 に は 国籍 が ない ん だ おれ|||こくせき||||

役所 で どうせ 受けつけ て くれ ない やくしょ|||うけつけ|||

えっ ？

誰 の 子供 か 知ら ない が … だれ||こども||しら||

まあ そんな こと は どう で も いい

どう いう 意味 よ ？ ||いみ|

（ 寺 月 ） 俺 に は 子供 なんか 作 れ ない ん だ てら|つき|おれ|||こども||さく||||

マスコミ に 言う わ よ ますこみ||いう||

あなた の 社会 的 地位 は ズタズタ に なる わ よ ！ ||しゃかい|てき|ちい||ずたずた||||

（ 寺 月 ） 忠告 する が それ は やめ た ほう が いい てら|つき|ちゅうこく|||||||||

君 の 命 が 危ない きみ||いのち||あぶない

（ 静香 ） そんな 脅し なんか に しずか||おどし||

脅し で 済む なら いい ん だ が な おどし||すむ||||||

それ で カネ の 話 に 戻る が … ||かね||はなし||もどる|

せっかく だ むしり 取 れる だけ 取って いく が いい |||と|||とって|||

子供 を 育てる のに カネ は あって 困る こと は ない から な こども||そだてる||かね|||こまる|||||

まさか 要ら ない と か 言いだす ん じゃ ない だ ろ う な ？ |いら||||いいだす|||||||

産む な って 言わ ない の ？ うむ|||いわ||

（ 寺 月 ） そう し たい の かい ？ てら|つき|||||

産み たく ない の なら 止め ない が … うみ|||||とどめ||

しかし 個人 的 に は もったいない と 思う ね |こじん|てき|||||おもう|

（ 静香 ） 父親 が 誰 だ か 分から ない のに ？ しずか|ちちおや||だれ|||わから||

（ 寺 月 ） それ なら 適当 な 相手 と 結婚 すれ ば いい てら|つき|||てきとう||あいて||けっこん|||

だからといって カネ を やら ない と は 言わ ない |かね||||||いわ|

今 の うち だ ぞ いま||||

あと 何 年 か し たら … ん ～ ６ 年 くらい か ？ |なん|とし|||||とし||

俺 は 処理 さ れる だ ろ う から な おれ||しょり|||||||

（ 静香 ） えっ ？ しずか|

（ 寺 月 ） そう なったら カネ を 出 せ ない てら|つき|||かね||だ||

もちろん 俺 も 黙って そう さ れる つもり は ない |おれ||だまって||||||

最後 に １ つ 置き土産 を 残し て いく つもり だ さいご|||おきみやげ||のこし||||

（ 静香 ） 彼 の 真剣 な まなざし に 何 も 言 え なかった しずか|かれ||しんけん||||なん||げん||

その 後 寺 月 から カネ を 受け取り ― |あと|てら|つき||かね||うけとり

真 を 産 ん だ まこと||さん||

真 を 立派 に 育てる こと が ― まこと||りっぱ||そだてる||

彼 へ の 当てつけ に なる の だ と 信じ て い た かれ|||あてつけ||||||しんじ|||

しかし 寺 月 は あっさり と 死 ん だ |てら|つき||||し||

予告 し た ６ 年 後 で は なく ８ 年 後 に よこく|||とし|あと||||とし|あと|

そして 今 ― |いま

あの とき と 同じ ように 隣 に 寺 月 が いる |||おなじ|よう に|となり||てら|つき||

母親 が 嫌い か ？ ははおや||きらい|

違う あの 人 が 私 の こと を 嫌い な の ちがう||じん||わたくし||||きらい||

穏やか じゃ ない な おだやか|||

子供 を 育て て 時々 思う の こども||そだて||ときどき|おもう|

そう いえ ば お 母 さん は ― ||||はは||

私 に こう いう こと 全然 し て くれ なかった な って わたくし|||||ぜんぜん||||||

（ 寺 月 ） しか し 君 は 自分 の 子供 に ちゃんと 愛情 を 注 い で いる わけ だ てら|つき|||きみ||じぶん||こども|||あいじょう||そそ|||||

偉い もの だ な えらい|||

え ？

ねえ 何 な の あなた は 何 が し たい の ？ |なん|||||なん||||

（ 寺 月 ） ん ？ てら|つき|

（ 静香 ） だって これ って あなた の 仕業 でしょ ？ しずか||||||しわざ|

あなた が 仕組 ん だ こと でしょ ？ 恭一郎 ( きょうい ちろう ) さん ||しく|||||きよういちろう|||

（ 寺 月 ） それ は どう かな てら|つき||||

（ 静香 ） 他 に 誰 が いる の よ しずか|た||だれ||||

（ 寺 月 ） そもそも 私 が 寺 月 恭一郎 本人 だ と いつ 言った かな ？ てら|つき||わたくし||てら|つき|きよういちろう|ほんにん||||いった|

（ 静香 ） えっ ？ しずか|

（ 寺 月 ） これ は 君 が 望 ん で 来 た がった 世界 だ てら|つき|||きみ||のぞみ|||らい|||せかい|

私 が 誰 で あれ そんな こと など 君 と は 何 の 関係 も ない わたくし||だれ||||||きみ|||なん||かんけい||

（ 静香 ） じゃあ やっぱり ― しずか||

あなた は 私 なんか どう で も いい と 思って い た わけ ？ ||わたくし|||||||おもって|||

私 の 母 と 同じ ように わたくし||はは||おなじ|よう に

（ 寺 月 ） ふむ … てら|つき|

（ 静香 ） 私 あなた が 好き だった わ しずか|わたくし|||すき||

ホント よ 本当 に 好き だった わ ほんと||ほんとう||すき||

あの とき は 言 え なかった けど |||げん|||

（ 寺 月 ） 言 え なかった だけ かな ？ てら|つき|げん||||

“ 今 思え ば そう だった ” と いう だけ の 話 じゃ ない の か な ？ いま|おもえ||||||||はなし|||||

（ 静香 ） どう で も いい でしょ そんな こと しずか|||||||

もう 私 は 何もかも 投げ出し たい |わたくし||なにもかも|なげだし|

私 ずっと バカ みたい で わたくし||ばか||

あ …

ちょっと 待って |まって

これ って 本当 に あの とき に 戻って しまって いる の ？ ||ほんとう|||||もどって|||

真 は ？ 真 は 今 どう なって る の ？ まこと||まこと||いま||||

あの 子 は 生まれ ない こと に なって しまう の ？ |こ||うまれ||||||

さて ね どう かな ？

あるいは 本当 に ― |ほんとう|

君 の 望 ん だ とおり に できる かも しれ ない よ きみ||のぞみ|||||||||

それ って どう いう 意味 ？ ||||いみ

まさか …

真 を 本当 に あなた の 息子 に できる と いう こと ？ まこと||ほんとう||||むすこ|||||

さて ね どう だ ろ う

（ 足音 ） あしおと

（ 咲子 ( さ きこ ) ） 私 が ブギー ポップ を 捜し 始め て から ― さきこ|||わたくし|||ぽっぷ||さがし|はじめ||

だいぶ 時間 が たった 気 が する |じかん|||き||

（ 咲子 ） ハァ … ハァ … さきこ||

（ 日 奈子 ( ひな こ ) ） 咲子 ！ ひ|なこ|||さきこ

あなた って 相変わらず すぐ 諦め ちゃ う の ね ||あいかわらず||あきらめ||||

はい

だって しょうがない よ |しょうが ない|

私 は 日 奈 ( ひな ) ちゃん み たい に 頭 よく ない もん わたくし||ひ|な||||||あたま|||

（ 咲子 ） あれ ？ （ 日 奈子 ） 何 ？ さきこ||ひ|なこ|なん

（ 咲子 ） いや 私 たち って こんな 所 に い た かしら ？ さきこ||わたくし||||しょ||||

（ 日 奈子 ） どう いう 意味 よ それ ひ|なこ|||いみ||

（ 咲子 ） えー と だ から さ … さきこ|||||

（ 日 奈子 ） 何 言って ん の ？ ひ|なこ|なん|いって||

う うん 何でも ない ||なんでも|

疲れ て ぼんやり し ちゃ った つかれ|||||

相変わらず ね 咲子 は あいかわらず||さきこ|

日 奈 ちゃん も 変わら ない わ ひ|な|||かわら||

でも すっかり きれい に なっちゃ っ た ね

そう ？ あり が と

（ 咲子 ） 私 の 知って いる 日 奈 ちゃん は 11 歳 で ― さきこ|わたくし||しって||ひ|な|||さい|

ハキハキ し て い て 明るい 人気者 だ はきはき|||||あかるい|にんきもの|

（ 日 奈子 ） で も 咲子 も 美人 に なった じゃ ない ひ|なこ|||さきこ||びじん||||

モテ る ん じゃ ない の ？ （ 咲子 ） 別に ||||||さきこ|べつに

声 かけ て くる よう な 男 は ロク な の が い ない し こえ||||||おとこ||||||||

今日 だって あいつ 全然 気 が 利か なく て さ きょう|||ぜんぜん|き||きか|||

（ 日 奈子 ） ふう ん ひ|なこ||

でも その 子 も あなた と 楽しく やり たい だけ じゃ ない の ？ ||こ||||たのしく||||||

（ 咲子 ） で も 程度 って もの が ある でしょ う ？ さきこ|||ていど||||||

（ 日 奈子 ） 無理 し ちゃ って 気 が ない わけ じゃ ない ん でしょ ？ ひ|なこ|むり||||き|||||||

（ 咲子 ） 全然 だって さきこ|ぜんぜん|

日 奈 ちゃん だって デート すれ ば きっと 分 か … あっ ひ|な|||でーと||||ぶん||

私 デート し た こ と ない から さ わたくし|でーと|||||||

（ 咲子 ） ねえ 日 奈 ちゃん あれ って いつ だった っけ ？ さきこ||ひ|な||||||

何 ？ なん

ほら あれ よ

夏 休み に 入る ちょっと 前 私 ひどい こと 言っちゃ っ て なつ|やすみ||はいる||ぜん|わたくし|||いっちゃ||

それ で …

（ 咲子 ） あんた み たい な ガリガリ は ― さきこ||||||

男 に 相 手 に さ れ ない で そのまま 死 ん じゃ う の よ ！ おとこ||そう|て|||||||し|||||

（ 咲子 ） それ で さ さきこ|||

謝り たく って しかたなかった ん だ けど あやまり||||||

でも 夏 休み が 終わったら … |なつ|やすみ||おわったら

学校 で 会ったら きっと 謝 ろ う って 思って て がっこう||あったら||あやま||||おもって|

でも 日 奈 ちゃん は … |ひ|な||

交通 事故 で 一家 全員 が 死 ん で しまった の よ ね こうつう|じこ||いっか|ぜんいん||し||||||

痛ましい 事件 だ わ いたましい|じけん||

（ 咲子 ） ホント は 私 日 奈 ちゃん が 羨ま しかった さきこ|ほんと||わたくし|ひ|な|||うらやま|

私 が あの ころ 好き だった 子 が 日 奈 ちゃん に 気 が ある って ウワサ で わたくし||||すき||こ||ひ|な|||き|||||

それ で …

本人 は 大して 気 に し て い なかった かも しれ ない わ よ ほんにん||たいして|き||||||||||

でも 私 は ずっと 謝り たかった |わたくし|||あやまり|

ごめんなさい 日 奈 ちゃん は きっと 大人 に なったら ― |ひ|な||||おとな||

す っ ごい 美人 に なる から |||びじん|||

ホント に そう 思う から だ から … ほんと|||おもう|||

だから ごめんなさい って …

（ 咲子 の 泣き声 ） さきこ||なきごえ

（ 日 奈子 ） あなた は それ が 気 に なって い た の ？ ひ|なこ|||||き|||||

（ 咲子 ） うん … さきこ|

（ 咲子 ） 彼女 は 日 奈子 ちゃん じゃ ない さきこ|かのじょ||ひ|なこ|||

こんな こと あなた に 言って も しかたない こと は 分かって る ||||いって|||||わかって|

私 は とって も 悪い 人間 で 生き て いる 資格 なんか なく て わたくし||||わるい|にんげん||いき|||しかく|||

だから … だ から 私 は … |||わたくし|

ブギー ポップ に 殺さ れ て しまい たい ！ |ぽっぷ||ころさ||||

ブギー ポップ ね |ぽっぷ|

ここ に い た の ホント に 見 た の |||||ほんと||み||

（ 日 奈子 ） ええ 知って る （ 咲子 ） 知って る の ？ ひ|なこ||しって||さきこ|しって||

（ 日 奈子 ） で も 果たして ブギー ポップ は ― ひ|なこ|||はたして||ぽっぷ|

あなた を 殺し て くれる の か な ？ ||ころし|||||

あなた を 苦しみ から 救って くれる と 思う ？ ||くるしみ||すくって|||おもう

じゃあ あなた なら 私 を 殺し て くれる の ？ |||わたくし||ころし|||

日 奈 ちゃん ひ|な|

ねえ あなた は 何者 な の ？ |||なにもの||

（ 日 奈子 ） あなた は 苦し ん で い た ひ|なこ|||にがし||||

つら すぎ て 意識 する こと も でき ず に ずっと 苦しみ 続け て き た |||いしき||||||||くるしみ|つづけ|||

つら すぎ て 意識 する こと も でき ず に ずっと 苦しみ 続け て き た |||いしき||||||||くるしみ|つづけ|||

（ ロック 音楽 ） ろっく|おんがく

（ ロック 音楽 ） ろっく|おんがく

（ ロック 音楽 ） ろっく|おんがく

その 苦しみ は もう 消す こと は でき ない |くるしみ|||けす||||

その 苦しみ こそ が あなた の 心 の 中心 な の だ から |くるしみ|||||こころ||ちゅうしん||||

だから あなた は それ を ―

心 の 中 から 消し去って しまい たい と 願う 苦し み を ― こころ||なか||けしさって||||ねがう|にがし||

逆 に “ 黄金 ( きん ) ” に 変える よう に し なけ れ ば なら ない ぎゃく||おうごん|||かえる||||||||

（ 咲子 ） “ 黄金 ” ？ （ 日 奈子 ） そう さきこ|おうごん|ひ|なこ|

輝 ける もの に あきら|||

（ キーボード を 打つ 音 ） ||うつ|おと

（ 羽原 ( は ばら ) ） あの ころ 俺 は ― はばら|||||おれ|

偶然 入手 し た ハッキング ツール を 使って ― ぐうぜん|にゅうしゅ||||つーる||つかって

投資 金融 会社 の データベース から ― とうし|きんゆう|かいしゃ||でーたべーす|

顧客 データ を 盗み出し て は ― こきゃく|でーた||ぬすみだし||

同業 他社 へ 流す と いう 商売 を し て い た どうぎょう|たしゃ||ながす|||しょうばい|||||

（ 羽原 ） 来い 来い はばら|こい|こい

よっ しゃ

（ 羽原 ） ヘヘッ 悪く 思う な よ はばら||わるく|おもう||

恨む ん なら こんな 便利 な ツール を 作 っち まっ た ヤツ を 恨 ん で くれよ な うらむ||||べんり||つーる||さく||||やつ||うら||||

（ 羽原 ） 両者 と も グレー な 企業 だけ を 選 ん で い た ため ― はばら|りょうしゃ|||ぐれー||きぎょう|||せん|||||

当然 足 は つき にくい … とうぜん|あし|||

はず だった

（ 警告 音 ） （ 羽原 ） あっ … けいこく|おと|はばら|

（ 羽原 ） な 何 だ これ まずい ！ はばら||なん|||

（ 羽原 ） 俺 は 何 か 嫌 な 予感 が し た はばら|おれ||なん||いや||よかん|||

（ サイレン ） さいれん

（ 羽原 ） その 予感 は 的中 し た はばら||よかん||てきちゅう||

（ 羽原 ） あれ は ワナ だった の か ？ はばら|||わな|||

（ 刑事 ） 君 高校 生 かい ？ （ 羽原 ） あ ？ けいじ|きみ|こうこう|せい||はばら|

ええ そう です けど

（ 刑事 ） 学生 証 は 持って る ？ けいじ|がくせい|あかし||もって|

（ 羽原 ） あっ はい あり ます けど どう かし た ん です か ？ はばら|||||||||||

へえ いい ところ じゃ ない か

この 辺り は よく 来る の かい ？ 通学 路 じゃ ない みたい だ けど |あたり|||くる|||つうがく|じ|||||

いや まあ たまたま

何 か 問題 です か ？ なん||もんだい||

カバン の 中 見せ て もら える ？ かばん||なか|みせ|||

えっ ？ 別に 大した 物 は 入って ませ ん よ |べつに|たいした|ぶつ||はいって|||

それ でも 一応 確認 し たい ん だ が ||いちおう|かくにん|||||

そ そう です か

（ 凪 ( なぎ ) ） 健太郎 ( けん たろう ) （ 羽原 ） あ ？ なぎ||けんたろう|||はばら|

（ 刑事 ） ん ？ けいじ|

（ 凪 ） 何 か あった の ？ なぎ|なん|||

えっ ？

私 先 に 行って る から わたくし|さき||おこなって||

君 の 彼女 ？ きみ||かのじょ

あ … はい 待ち合わせ し て て ||まちあわせ|||

（ 刑事 ） そう か けいじ||

まあ この 辺り は 物騒 な 連中 も 多い から ― ||あたり||ぶっそう||れんちゅう||おおい|

あんまり フラフラ し ない よう に |ふらふら||||

（ 羽原 ） 何 な ん だ よ あんた は はばら|なん||||||

何 って あんた が 原因 だ ろ ？ 羽原 健太郎 なん||||げんいん|||はばら|けんたろう

なんで 俺 の こと を … |おれ|||

いいかげん 商売 の ほう は 切り上げる ん だ ね |しょうばい||||きりあげる|||

今 まで は 大して 問題 なかった が ― いま|||たいして|もんだい||

これ から は そう は いか ない

あっ …

（ 凪 ） そう そう 世 の 中 あんた が 考える ほど ― なぎ|||よ||なか|||かんがえる|

甘く ない って こと だ あまく||||

な っ … まさか あの 警告 … ||||けいこく

まあ おかげ で 投資 詐欺 グループ の ネットワーク を ― |||とうし|さぎ|ぐるーぷ||ねっとわーく|

１ つ 潰 せ た ん だ けど ね |つぶ||||||

あっ おい どう いう 意味 だ よ それ ||||いみ|||

別に べつに

まさか あの ハッキング ツール あんた が 作った の か ？ |||つーる|||つくった||

そんな わけない だ ろ

恐らく どこ ぞ の 国家 安全 保障 局 の 仕事 だ ろ おそらく||||こっか|あんぜん|ほしょう|きょく||しごと||

って こと は それ に 細工 し て サイト で ばらま い た ん だ な ？ |||||さいく|||さいと|||||||

（ 凪 ） まさか ― なぎ|

あれ を 使いこな せる ヤツ が 出 て くる と は 思わ なかった けど ね ||つかいこな||やつ||だ|||||おもわ|||

（ 羽原 ） そう いう こと か はばら||||

俺 は ずっと あんた の 手の内 で 踊って た って わけ だ おれ|||||てのうち||おどって||||

（ 凪 ） 悪い と は 思って ない よ なぎ|わるい|||おもって||

あんた が ハンパ だった の さ

（ 羽原 ） いや そう じゃ なく て … はばら|||||

ん ？

なんで 最初 に 言って くれ なかった ん だ ？ |さいしょ||いって||||

あんた が 最初 から 事情 を 話し て くれりゃ ― ||さいしょ||じじょう||はなし||

俺 は 喜んで 協力 し た の に なんで 誘って くれ なかった ん だ よ おれ||よろこんで|きょうりょく||||||さそって|||||

なあ そう だ ろ ？

深 陽 ( しんよう ) 学園 の 霧 間 ( き り ま ) 凪 さん ふか|よう||がくえん||きり|あいだ||||なぎ|

なんで 俺 を 知って いる ？ |おれ||しって|

ヘッ あんた も 不注意 だ ね |||ふちゅうい||

あんた くらい の 美人 ― |||びじん

チェック し て おこ う って や から が い て も おかしく ない だ ろ ちぇっく|||||||||||||||

（ 羽原 ） これ が 俺 の 記憶 する 凪 と の 出会い だった はばら|||おれ||きおく||なぎ|||であい|

で 今 は どうやら ― |いま||

その 続き が 展開 し て いる らしい |つづき||てんかい||||

つまり あんた は 俺 に 一目 ぼ れ し た と 言い たい わけ ？ |||おれ||いちもく||||||いい||

（ 羽原 ） そう いう こと だ な はばら|||||

全然 そんな こと 言 える 感じ に は なら なかった けど な ぜんぜん|||げん||かんじ||||||

なぜ 言 え ない ？ |げん||

は あ ？ 言 える わけ ねえ だ ろ ||げん|||||

あいつ は 正義 の 味方 な ん だ ぜ ||せいぎ||みかた||||

俺 の 相手 し てる 暇 なんか ねえ よ おれ||あいて|||いとま|||

けなげ だ ね

ケッ どう 考え た って こいつ は 幻覚 ||かんがえ|||||げんかく

俺 の 体 は まだ ムーン テンプル の 中 だ おれ||からだ||||||なか|

（ 凪 ） へえ そう 思う ？ なぎ|||おもう

どんな からくり か まで は 分から ねえ が ― |||||わから||

このまま おとなしく 閉じ込め られ て いる と 思う な よ ||とじこめ|||||おもう||

必ず 脱出 し て やる から な かならず|だっしゅつ|||||

勇ましい ね 健太郎 いさましい||けんたろう

その 顔 で 見 られりゃ な |かお||み||

いい か 歪曲 王 ||わいきょく|おう

この 光景 は 俺 が 見 た こと の ある もの しか ない |こうけい||おれ||み|||||||

と いう こと は これ は 俺 の 記憶 だ ||||||おれ||きおく|

つまり は 頭 の 中 だけ で 起き て いる 夢 みたい な もの だ ||あたま||なか|||おき|||ゆめ||||

なるほど 見事 ね |みごと|

ん ？

（ 凪 ） で も あんた も 考え て み た こと は ない か ？ なぎ|||||かんがえ|||||||

自分 が これ まで 生き て き た 世界 その もの が 悪夢 で は ない か … と じぶん||||いき||||せかい||||あくむ|||||

悪夢 から 解放 さ れる 最も 簡単 な 方法 は 何 だ ？ あくむ||かいほう|||もっとも|かんたん||ほうほう||なん|

何 を 言って る ？ なん||いって|

非常に 簡単 な こと よ ひじょうに|かんたん|||

本当 に たやすい こと に すぎ ない ほんとう||||||

（ 地響き ） じひびき

な 何 だ ？ |なん|

（ 早乙女 ( さおとめ ) ） 今 言った ろ さおとめ||いま|いった|

（ 羽原 ） えっ ？ はばら|

（ 早乙女 ） 実に 簡単 な こと だ と さおとめ|じつに|かんたん||||

誰 だ お前 ! ? だれ||おまえ

（ 地響き ） （ 早乙女 ） 君 の 記憶 で は ない の か な じひびき|さおとめ|きみ||きおく||||||

誰 な ん だって 聞い てる ん だ よ だれ||||ききい||||

早乙女 正美 ( まさみ ) さおとめ|まさみ|

君 と 同様 霧 間 凪 に 片思い し た クチ だ きみ||どうよう|きり|あいだ|なぎ||かたおもい||||

（ 地響き ） （ 窓 の 割れる 音 ） じひびき|まど||われる|おと

（ 早乙女 ） さて 君 は この 悪夢 から 抜け出 せる の か な ？ さおとめ||きみ|||あくむ||ぬけで||||

う っ … くそ ！

（ 地響き ） （ 窓 の 割れる 音 ） じひびき|まど||われる|おと

（ 羽原 の 荒い 息 ） はばら||あらい|いき

ま まさか …

（ 怪獣 の 咆哮 ( ほうこう ) ） かいじゅう||ほうこう|

あ あっ …

ん な バカ な … これ は 夢 だ ！ ||ばか||||ゆめ|

（ 羽原 の 荒い 息 ） はばら||あらい|いき

あっ …

（ 真 ） あ あっ … あっ … まこと|||

（ 羽原 ） おい そんな 所 で 何 やって ん だ ガキ 逃げる ぞ ！ はばら|||しょ||なん||||がき|にげる|

おじさん 誰 ？ |だれ

おじさん じゃ ねえ まだ 高校 生 だ ||||こうこう|せい|

（ 怪獣 の 咆哮 ） （ 羽原 ） く そ っ 来 や がった かいじゅう||ほうこう|はばら||||らい||

ねえ お 兄ちゃん に も ゾーラギ が 見える の ？ ||にいちゃん|||||みえる|

ゾーラギ ？

ゾーラギ って の は あの 怪獣 の こと か ？ |||||かいじゅう|||

うん

あっ お前 確か … |おまえ|たしか

（ 真 ） う わ っ まこと|||

俺 の 風船 ！ おれ||ふうせん

ちゃんと 持って ない から よ もう |もって||||

チェッ

なるほど そう いう こと か

（ ゾーラギ の 咆哮 ） ||ほうこう

何 して ん の ？ 逃げる ん じゃ ない の ？ なん||||にげる||||

ああ そう だ な

（ 羽原 ） やはり 全て は ― はばら||すべて|

俺 の 記憶 の 中 で 展開 し て いる と 考え て 間違い ない だ ろ う おれ||きおく||なか||てんかい|||||かんがえ||まちがい||||

恐らく 早乙女 って ヤツ も ― おそらく|さおとめ||やつ|

この ガキ の よう に どこ か で 見かけ た に 違いない |がき|||||||みかけ|||ちがいない

だ と し たら ここ から …

この 悪夢 から 目覚める ため に は … |あくむ||めざめる|||

（ 羽原 と 真 の 荒い 息 ） はばら||まこと||あらい|いき

（ 真 ） 戻って き て 大丈夫 な の ？ まこと|もどって|||だいじょうぶ||

ああ 心配 ない |しんぱい|

任せろ まかせろ

（ 真 ） ハァ ハァ … （ 羽原 ） あっ おい まこと|||はばら||

もう … 疲れ た よ |つかれ||

そう か し かた ねえ

ここ で 待って ろ いい な ！ ||まって|||

思った とおり だ ぜ おもった|||

この バカ さっさと 起き や がれ ！ |ばか||おき||

ぬ あっ ！

ハァ …

おい 志郎 ( しろう ) 起きろ |しろう||おきろ

（ 田中 ( た なか ) ） ん … あ … たなか||||

羽原 さん 僕 は 一体 … はばら||ぼく||いったい

お前 だけ じゃ ねえ 俺 も 他 の 連中 も 同じ だ おまえ||||おれ||た||れんちゅう||おなじ|

こ これ は …

一体 どう いう こと です ？ いったい||||

（ 羽原 ） 俺 に も よく 分 から ねえ が ― はばら|おれ||||ぶん|||

みんな いつのまにか 眠 っち まっ て 夢 を 見 てる ん だ ||ねむ||||ゆめ||み|||

夢 ？ ゆめ

見 た ろ お前 も み|||おまえ|

そう いえ ば …

あっ … 彼女 と 会って まし た |かのじょ||あって||

その 彼女 は “ 歪曲 王 ” って 名乗って なかった か ？ |かのじょ||わいきょく|おう||なのって||

はい そう 名乗って まし た ||なのって||

やっぱり な

羽原 さん も 会った ん です か ？ はばら|||あった|||

ああ

野郎 一体 何 が 目的 で こんな こと を し て や がる ん だ やろう|いったい|なん||もくてき||||||||||

（ 田中 ） 羽原 さん 歪曲 王 が 何者 か 見当 が つい て いる ん です か ？ たなか|はばら||わいきょく|おう||なにもの||けんとう|||||||

そんな もん １ 人 しか い ない だ ろ ||じん|||||

わざわざ こんな もの 建て た 張本人 だ よ |||たて||ちょうほんにん||

寺 月 恭一郎 が ？ てら|つき|きよういちろう|

でも 彼 は もう 死 ん だ って … |かれ|||し|||

それ が 問題 だ ||もんだい|

ホント は くたばって なく て ど っか に 潜 ん で や がる の か ― ほんと||||||||ひそ||||||

それとも 死 ん で から で も 動く よう 何 か 細工 を し て い た の か … |し||||||うごく||なん||さいく|||||||

どっち に しろ すげ え 計画 的 だ |||||けいかく|てき|

完全 に 俺 たち は ヤツ の 手の内 に ハマ っち まっ てる ぞ かんぜん||おれ|||やつ||てのうち||はま||||

♪ ～

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