結婚 できない 男 シーズン 1-11: 花柄 が キライ で 悪い か (1)
( 信 介 ( しん すけ )) 鍵 …
ダメ か
( ため息 )
よしっ と …
アッ ! ハァ … よい しょ …
いて て … アアッ …
ウッ ! アアッ … 忍び 返し か … やる な
アアッ …
( 警官 ) ちょっと ! ちょっと ! ( 信 介 ) はい
( 警官 ) 何 して る んです か ? ( 信 介 ) いや ちょっと 中 へ
( 警官 ) ちょっと 下りて きて もらえ ます ?
えっ ?
チッ … ハァ …
あいた っ ! あっ … バラ か …
部屋 ん 中 に 鍵 忘れて きちゃ った んです よ
オートロック な もん で ( 警官 ) ご 家族 は ?
いま せ ん ( 警官 ) 身分 を 証明 する もの は ?
あり ませ ん ( 警官 ) 困り ました ねえ
なんとか 入れ そうな んで ね
いやいや いや そ … そういう こと じゃ なくて
なんで いや 別に 怪しい 者 じゃ ないで すよ
( 警官 ) どう 見て も 怪しい でしょう そんな 格好で
( 信 介 ) 部屋 着 な んです から しかた … 全開 だ よ もう
部屋 ん 中 入れば 身分 証明 書 あり ます から それ で いい でしょう
いやいや よく ない です よ ( 信 介 ) どうして ?
( 警官 ) どうして じゃ なくて … ( みちる ) あっ … あの …
あっ … この 方 うち の 隣人 です から ねっ ?
本当です か ? ( みちる ) はい
ほら ね
最近 この 辺り に 変質 者 が 出没 する もん で ね
私 が 通りかかって 良かった です ね
ふだん の 行い が いい から ラッキーだった よ
それ だけ です か ?
一応 礼 は 言って おこう … どうも
そういう 態度 だ と いざというとき 誰 も 助けて くれ ませ ん よ
それ じゃ
“ 全然 知ら ない 人 だ ” って 言って やれば よかった
( 英治 ( えいじ )) 大体 見えて き ました ね ( 信 介 ) あと さ
ここ を 取り外して オープンに しちゃ おうぜ
分かり ました ( 信 介 ) フフフ …
( 摩耶 ( ま や )) こんち は ~! ( 英治 ) あっ … いらっしゃい
ちょっと 問題 発生 ( 英治 ) えっ ? 何 です か ?
まさか 設計 変更 しろ と か 言う んじゃ ない だろう な
う うん 設計 は 変更 し なくて いい の ただ お 客 さま から 要望 が あって …
なに ?
キッチン と リビング の 壁紙 を ね
花柄 に して ほしい って いう の よ フフッ …
花柄 って あの 花柄 です か ? ( 摩耶 ) そう
出た よ … 却下
お 客 さま から の 要望 を 簡単に 却下 でき ない でしょう ?
お 金 を 出して る の は お 客 さま な んだ から
この デザイン のな どこ に 花柄 入れ んだ よ ?
その キッチン と リビング 全面 的に ( 信 介 ) 断って くれ
花柄 は な 俺 が この世 で 嫌いな トップ 5 に 入る んだ よ
ほか の 人 に 仕事 行っちゃ うよ ( 信 介 ) かまわ ん ね
そういう メルヘン な 家 を 作る の は 勝手だ が フッ …
俺 の 関係ない とこ で やって くれ ( 摩耶 ) ちょっと …
( ため息 )
( バイブレーター )
あっ … ( 千鶴 ( ちづる )) みちる
もし かして また ? ( みちる ) また
( 千鶴 ) うわ ぁ …
( 夏美 ( なつみ )) えっ ? ストーカー ?
この 間 から しょっちゅう 変な メール が 来る んです
知ら ない 人 な の ?
( 夏美 )“ 僕 は 君 を ひとめ 見て 運命 を 信じる ように なり ました ”
“ 会い に 行き ます その 日 から 2 人 の 未来 が 始まる ” うわ ぁ …
こんな の が 1 日 に 何 回 も … ( 夏美 ) 気持ち 悪い よ ね
夏美 さん は ないで す か ? こういう 経験
私 は … あんまり 覚え ない か な
夏美 さん って しっかり して て 隙 が な さ そうに 見える から か なぁ
そう いえば 痴漢 と か に も あんまり 遭った こと が ない
なんで だろう ? ( みちる ) いい なぁ
その 年 まで に 遭った こと なければ もう 安心です ね
そう ね
夜道 歩いて 帰る の か … 怖い な
あれ ?
( ドア ベル )
( 女性 ) あっ … ここ で いい ? ( 女性 ) うん
な に 食べる ? ( 女性 ) な に 食べよ っか ?
私さ 今 ピザ が 食べ たい んだ よ ね
( 女性 ) パスタ も 食べ たい な ( 女性 ) じゃあ さ 1 個 ずつ 取って
半分 こし ない ? ( 女性 ) うん
あの … ( ウエートレス ) はい
お 勘定 お 願い し ます ( ウエートレス ) はい
( みちる ) すいません 送って もらっちゃ って
困って る とき は お互いさま
あっ ! でも 帰り道 夏美 さん 1 人 に なっちゃ い ます ね
大丈夫 よ 狙わ れる の は もっと 若い 子 でしょう ?
でも 暗がり だし … ( 信 介 ) あれ ?
こんばん は ( みちる ) こんばんは
それ じゃ ( 夏美 ) あっ … あの …
実は みちる ちゃん が ストーカー に 遭って る みたいな んです
ストーカー ? フフッ … いろんな ヤツ が いる な
どういう 意味 です か ?
少し は 心配 して あげて ください お 隣 な んです から
それ は 困り ました ね ( 夏美 ) そう じゃ なくて
そう だ ! 桑野 ( くわ の ) さん に 夜道 一緒に 帰って もらえば いい じゃ ない
いえいえ ! いい です いい です そんな …
あの ね …
でも 私 が 毎日 送る わけに は いか ない し
みちる ちゃん も 1 人 で ビクビク 歩く より
桑野 さん でも いた ほう が マシ でしょう ?
“ でも ” って ちょっと 待てよ
そう 言わ れれば 少し は マシ かも
評価 さ れて 光栄だ な ( 夏美 ) じゃ お 願い し ます ね
でも 今 仕事 が 大変な んで
送る ぐらい できる でしょう ? どうせ お 隣 な んだ から
それ を やって 僕 に 何 か メリット で も ある んです か ?
少し は 人間 らしく なる チャンス です よ
お やすみ なさい
( 鍵 の かかる 音 )
私 タクシー で 帰る から 大丈夫です
今 の OK だ と 思う けど … 多分
えっ あれ で ? ( 鍵 の 開く 音 )
… で 何 時 に どこ で 待ち合わせ する ?
決め と こう
♪~
~♪
桑野 さん ( 信 介 ) はい
ちょっと ( 信 介 ) なに ?
あの … この デザイン に 花柄 を あしらって みたら
どう なる か 試しに やって みた んです けど
えっ ? ( 英治 ) 見 ます ?
まあ 一応 …
うわ っ ちょっと 大丈夫です か ? ( 信 介 ) ウッ … ウッ … おお …
クライアント と 話し して きた
ハァ … どうせ 迷惑 かける んだ から 俺 は 降りる ぞ
まあ 聞き なさい よ
とにかく 説得 して 全面 的じゃ なく ど っか 一部 に
花柄 を あしらう って こと で 納得 して くれた から
フフッ … じゃ テーブル の 下 に でも つける か
自分 の 意見 を 通す だけ じゃ なくて
注文 に 応じる の も 建築 家 の 仕事 でしょう ?
向こう だって 妥協 して くれて んだ から
まあ トライ して みる の も いい んじゃ ないで す かね ?
そう それ が できれば ―
プロ と して ワン ランク 上 に 行ける んじゃ ない の か な
しょうがない 一応 案 出して みる か
こんな やり 方 も あった の か って
向こう を 感心 さ せる ぐらい の もの 見せて や んな さ いよ
散歩 して くる ハァ …
♪ お 散歩 お 散歩 …
( 車 の 音 )
金田 ( かね だ )! 今日 も 元気だ な
ハァ … 遅い なぁ
ボディー ガード は 必要な とき に サッと 来て くれ ない と ね
あっ … 来た 来た ボディー ガード
わざわざ すいません
こんばん は ( 信 介 ) や あ
じゃ 行 こっか ( 信 介 ) あっ … 俺 も 何 か …
えっ ? 飲む んです か ? ( 信 介 ) いや いい や
ペペロンチーノ って いう さ だ から それ は ペペ さん な の か な
ロン さん な の か な チーノ さん ? ( 沙織 ( さおり )) また ?
3 人 い ん の ? そんなに いない … ( 英治 ) いや 分か ん ない けど さ
ハァ …
あの … 送って くれた の は 感謝 し ます けど
気まずい から 何 か 話して もらえ ませ ん ?
フッ … 送った うえ に トーク の サービス まで さ せ られる の か
イヤ なら いい です
( せきばらい )
その ストーカー って いう の は 何者 な んだ ?
う うん 分から ない んです メール が 来る だけ で
大げさだ な ( みちる ) 桑野 さん は
女性 に とって そういう の が どんなに 怖い か 知ら ない んです よ
夜 歩く とき こう やって … ( 携帯 電話 の プッシュ 音 )
110 番 に かける 用意 し ながら 歩いたり して る んです よ みんな
取り越し苦労 って やつ じゃ ない の か ?
( 信 介 )… 知的な ヤツ かも しれ ない じゃ ない か
( みちる ) 何 です か ? それ
人 と 人 と の 関 わり合い って いう の は な
一概に 言え ない んだ よ 人生 って いう もの は そう 簡単に …
桑野 さん って ケン と は 仲良く なれる のに
人 と 仲良く なり たい と は 思わ ない んです か ?
俺 と 仲良く なり たい の ? ( みちる ) そんな こと 言って ませ ん
一般 論 で 聞いて る んです
相手 に も よる ね ( みちる ) 例えば ?
( 男性 ) ウッ … ウウッ … ( 悲鳴 )
フフフ … お 2 人 さん デート です か ? ヘヘヘ …
何 だ よ ? その 目 は
ウッ … すいません
うわ っ ! すいません
別に
ほっ … ハハハ … ケン ! ほら !
お っ ! おお っ … ハハッ …
さっき の 質問 の 答え ! ( 信 介 ) なに ?
どんな 人 なら 仲良く なり たい か
おお っ ! ハァ … モナリザ ( みちる ) えっ ?
ハハッ … ( みちる ) 生きて る 人 で !
ケン ! ほら よし … よし 来い !
お っ … 危ない よし … ケン ! ケン !
波長 が 合う の か なぁ
はい おいで おいで ほら ハハハハ …
フフッ … ほ い ケン ほら おいで
( 警官 )“ D の 70395” えんじ の 婦人 車 です
あっ … あった ? 昨日 ? ああ そう です か … ああ どうも
あの 自転車 昨日 の 昼間 五 反 田 ( ご たん だ ) で 盗ま れた みたいです ね
昨日 の 昼間 は 事務 所 で 仕事 して ました
そう です か
部下 も 一緒です これ は 完璧な アリバイ だ
まあ いい でしょう … 一応 ね 盗難 届 が 出て いた もの だ から
じゃ 帰って いい です か ? ( 警官 ) 結構です よ
落ちて る 自転車 勝手に 乗ら ない ように ね
そんな こと より この 人 スト ー カ ー の 被害 に 遭って る んです よ
なんとか して あげて ください ( 警官 ) えっ … 被害 って ?
誰 だ か 分から ない 人 から 変な メ ー ル が しょっちゅう 来る んです
メール ね … それ だけ です か ? ( 信 介 )“ それ だけ ” って ね …
それ だけ の こと で 女性 が どんなに 怖い 思い して ん の か
あんた 知って んです か !
夜道 歩く の に 携帯 に “110 番 ” って 打って
いつでも 押せる ように して 歩いたり して る んです よ !
まあ 何 か あったら 連絡 ください
何 か あって から じゃ 遅い でしょう !
まったく 権力 ばっ か 振りかざして
税金 払った 分 なんとか して ください よ !
桑野 さん って いう 人 が ますます 分から なく なり ました
仲間 ね
一体 何 を 考えて る んだ か … ( 夏美 ) 心 で 思って る こと と
表 に 出す こと が 違って る 場合 が 多い の よ ね
夏美 さん は そこ まで 分かって る んです ね
そこ まで はね その先 は まだ
いつか 分かり たい みたいに 聞こえ ます けど
言葉 の あや
おまわりさん に 私 の 代わり に いろいろ 言って くれた んです
そう
なんか ちょっと うれしかった
そう ( みちる ) 以上 ご 報告 でした
お やすみ なさい ( 夏美 ) お やすみ なさい
( メール の 着信 音 )
また だ
“ あの 男 は 何 だ ? 君 に は 似合わ ない ”
マズイ … 彼 氏 と 誤解 さ れた かな
… てい うか 私 たち を 見て たって こと ?
お っ ! 金田 更新 して る
( 舌打ち )
あの … 桑野 さん ( 信 介 ) はい
昨日 みちる さん と 2 人 で 歩いて ませ ん でした ?
見て た の か ?
いや ぁ … どうして また …
一緒に 歩いて 何 が 悪い ?
いや あの … 悪く ない です けど あの … あの …
こんにちは ! どう ? できた ?
あっ … まだ だ ( 摩耶 ) まだ な の ?
あれ ? ずっと 何 か 描いて ませ ん でした っけ ? そこ に
見せ なさい よ
どれ どれ ? できて る じゃ ない !
ああ っ … これ なら いけ ます よ ( 信 介 ) そんな の 最低だ よ
ハァ … ちょっと 気分 転換 に 外 出て くる
これ クライアント に 見せて OK 取る わ よ
俺 が そういう 仕事 を したって いう の は 秘密だ ぞ
俺 の キャリア に は なかった こと に する から な
相当 イヤだった んです ね
( 真理 ( まり )) やっぱり 夜道 は 怖い です よ ね
( 和美 ( かずみ )) あっ … 私 “ 何 か あったら あの 家 に 逃げ込もう ” って
目標 定め ながら 歩いて ます
( 真理 ) 私 も 家 帰って から しばらく 電気 つけ ませ ん
“ あの 部屋 だ ” って 特定 さ れたら 怖い じゃ ないで す か
は ぁ … いろいろ 考えて ん の ねえ
私 こんな 無防備で なんで これ まで 無事だった んだろう … ねえ ?
あの … ( 夏美 ) あっ ! あっ …
お 願い ( 真理 ) あっ … はい
フフッ … どうぞ
あい たた たた … ハァ … ( 夏美 ) どう さ れ ました か ?
いや なんか … 胃 が シクシク と 痛んで
シクシク と ね …
まあ ここん とこ 仕事 で いろいろ あり まして フフッ …
それ は なんとか 片づけ ました けど ( 夏美 ) フフッ … そう です か
おまわりさん に “ なんとか して やれ ” って
掛け合って あげた そう じゃ ないで す か
いちいち 報告 受けて んです か
みちる ちゃん “ うれしかった ” って 言って ました よ
なんで そういう こと 僕 に 言う かな ?
言った って いい じゃ ないで す か 褒めて る んです よ