Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 14 suzumiya|haruhi||yuuutsu

（ 高校 野球 の テレビ 中継 ） （ キョン ） 何 か おかしい こうこう|やきゅう||てれび|ちゅうけい||なん||

なんとなく そんな 気 が した ||き||

テレビ に 映る 試合 は てれび||うつる|しあい|

俺 と は まったく 縁 も ゆかり も ない 県 同士 の 戦い だ が おれ||||えん|||||けん|どうし||たたかい||

負けて いる ほう を なんと な ～ く 応援 して いる 気分 で いる と まけて|||||||おうえん|||きぶん|||

これ また なんと な ～ く

そろそろ ハルヒ が 騒ぎ だす ような 気 が した |||さわぎ|||き||

（ 携帯 電話 の 着信 音 ） けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと

（ キョン ） ん …

（ キョン の 妹 ） キョン 君 電話 ～ ||いもうと||きみ|でんわ

（ キョン ） 言わ れ ん で も 分かって る |いわ|||||わかって|

（ ハルヒ ） 今日 あんた 暇でしょ ？ ２ 時 ジャスト に 駅前 集合 だ から |きょう||ひまでしょ|じ|||えきまえ|しゅうごう||

ちゃんと 来 なさい よ （ 通話 が 切れる 音 ） |らい|||つうわ||きれる|おと

（ キョン ） 俺 は ひと言 もしゃ べっと ら ん のだ が |おれ||ひとこと||||||

（ 携帯 電話 の 着信 音 ） （ キョン ） ん ？ けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと||

（ 妹 ） キョン 君 電話 （ キョン ） 分かって る いもうと||きみ|でんわ||わかって|

（ キョン ） なんだ ？ （ ハルヒ ） 持参 物 を 言い 忘れて たわ |||じさん|ぶつ||いい|わすれて|

水着 一式 　 それ と 十分な お 金 ね みずぎ|いっしき|||じゅうぶんな||きむ|

あと は 必ず 自転車 に 乗って くる こと オーバー ||かならず|じてんしゃ||のって|||おーばー

（ 通話 が 切れた 音 ） （ キョン ） なんだ ？ つうわ||きれた|おと||

（ キョン ） ハルヒ が 何 を 言いだす の か 分かって いる 気 が した |||なん||いいだす|||わかって||き||

いや 違う な |ちがう|

正確に は “ 前 に まったく 同じ こと が あった 気 が した ” だ せいかくに||ぜん|||おなじ||||き|||

正確に は “ 前 に まったく 同じ こと が あった 気 が した ” だ せいかくに||ぜん|||おなじ||||き|||

（ 打 球音 ） だ|きゅうおん

（ 打 球音 ） だ|きゅうおん

（ 打 球音 ） だ|きゅうおん

いわゆる デジャヴ って やつ か

いわゆる デジャヴ って やつ か

（ アナウンサー ） 鹿島 ( かしま ) の 打球 が レフト 方向 へ ！ あなうんさー|かじま|||だきゅう||れふと|ほうこう|

入り ました 　 ソロ ホームラン です はいり||そろ|ほーむらん|

これ で 城南 ( じょう な ん ) 大 付属 ８ 点 目 ||じょうなん||||だい|ふぞく|てん|め

は あ ～

（ ハルヒ ） 遅い わ よ キョン もっと やる 気 を 見せ なさい ！ |おそい||||||き||みせ|

へい へい

待た せて すみません ね また|||

（ み くる ） あたし も 今 来た ところ です ||||いま|きた||

それ じゃあ 全員 そろった こと だ し 出発 し ましょう ||ぜんいん|||||しゅっぱつ||

（ キョン ） どこ に

市民 プール に 決まって る じゃ ない の しみん|ぷーる||きまって||||

（ キョン ） まあ そう だろう よ

（ ハルヒ ） 夏 は 夏 らしく 夏 じみ た こと を し ない と いけない の |なつ||なつ||なつ|||||||||

失った 時間 は 決して 取り戻す こと は でき ない の よ うしなった|じかん||けっして|とりもどす||||||

だから 今 やる の |いま||

この たった 一 度 きり の 高 １ の 夏 休み に ！ ||ひと|たび|||たか||なつ|やすみ|

ちなみに プール まで は 自転車 で 行く わ よ |ぷーる|||じてんしゃ||いく||

お前 ら も 乗って きて る の か ？ おまえ|||のって||||

（ 古泉 ( こい ずみ )） 自転車 は あなた と 僕 の ２ 台 だけ です こいずみ|||じてんしゃ||||ぼく||だい||

さあ 準備 は いい ？ |じゅんび||

いいわけ ねえ だ ろ

いい で ～ す

キョン 古泉 君 に 負けちゃ ダメ よ |こいずみ|きみ||まけちゃ|だめ|

出発 進行 ！ しゅっぱつ|しんこう

う っ クソッ

♪～

～♪

ど わ っ 　 ハァ ハァ ハァ …

（ ハルヒ ） キョン

これ から 遊ぼう って のに 何 へばって ん の ？ ||あそぼう|||なん|||

だらしない わ ね

（ キョン ） 誰 の せい だ 　 誰 の ！ |だれ||||だれ|

（ 人々 が はしゃぐ 声 ） ひとびと|||こえ

（ ハルヒ ） う ～ ん この 消毒 液 の におい ||||しょうどく|えき||

いかにも って 気 が する わ ||き|||

とりあえず 泳ぎ ましょう |およぎ|

競争 よ きょうそう|

あ …

（ ハルヒ ） えい っ

（ 子供 たち ） うわ あ ～ こども|||

（ キョン ） これ が 読め ん の か あいつ は |||よめ|||||

早く 来 なさ ～ い 水 が ぬるくて 気持ち いい わ よ はやく|らい|な さ||すい|||きもち|||

（ キョン ） は あ ～

楽し そうです ね たのし|そう です|

ほほえましい 光景 です |こうけい|

涼 宮 ( すずみ や ) さん も 結構 ― りょう|みや|||||けっこう

常識 的な 楽しみ 方 を 身 に つけて きた と 思い ませ ん か ？ じょうしき|てきな|たのしみ|かた||み|||||おもい|||

ああ やって 楽しげに 笑って いる 涼 宮 さん は ||たのしげに|わらって||りょう|みや||

この世 を 揺るがす ような こと は し ない でしょう から ね このよ||ゆるがす||||||||

ん …

だ と いい んだ が …

（ 古泉 ） ん ？ （ キョン ） うん ？ こいずみ|||

どうした

古泉 ！ こいずみ

いいえ 　 多分 僕 の 気のせい です |たぶん|ぼく||きのせい|

春先 から いろいろ あった せい で はるさき|||||

ちょっと 神経質に なって いる だけ でしょう |しんけいしつに||||

さ あて 僕たち も 泳ぎ ましょう ||ぼくたち||およぎ|

おい ！

（ キョン ） こら ！

（ ハルヒ ） そ ～ れ それ ～　 ハハハッ

待ち なさ ～ い まち|な さ|

（ キョン ） まったく

市民 プール と いう より しみん|ぷーる|||

庶民 プール と 名乗った ほう が 似つかわしい 場所 だ な しょみん|ぷーる||なのった|||につかわしい|ばしょ||

ん ？　 あっ …

ん …

この 感覚 |かんかく

ん …

こんな 光景 を 前 に も 見た 気 が する |こうけい||ぜん|||みた|き||

なんとなく 長門 ( な が と ) が 退屈 そうに して いる 様子 で |ながと|||||たいくつ|そう に|||ようす|

そこ へ …

（ ハルヒ ） キョン

（ キョン ） そう 　 ハルヒ が やって 来て こんな こと を 言いだす んだ |||||きて||||いいだす|

（ ハルヒ ） この ２ 人 が あたし の 団員 よ ||じん||||だんいん|

なんでも 言う こと 聞く から なんでも 言っちゃ い なさい |いう||きく|||いっちゃ||

あっ …

（ ハルヒ ） さあ 遊ぶ わ よ 水中 サッカー を する の ||あそぶ|||すいちゅう|さっかー|||

おいで ！

（ キョン ） まあ よく ある こと さ デジャヴ なんて

（ ハルヒ ） いく わ よ 　 み くる ちゃん

（ み くる ） は ～ い （ ボール を ける 音 ） ||||ぼーる|||おと

（ ハルヒ ） あっ （ ボール が 当たる 音 ） ||ぼーる||あたる|おと

（ ハルヒ ） あっ ご め ～ ん

（ キョン ） なんだ ？　 これ は

（ ハルヒ ） これ から の 活動 計画 を 考えて みた の ||||かつどう|けいかく||かんがえて||

残り 少ない 夏 休み を どう 過ごす か の 予定 表 よ のこり|すくない|なつ|やすみ|||すごす|||よてい|ひょう|

夏 休み は もう あと ２ 週間 しか ない の よ ね なつ|やすみ||||しゅうかん|||||

やり 残した こと が たくさん ある ような 気 が する のに |のこした||||||き|||

それ だけ しか 時間 が 残って ない わけ |||じかん||のこって||

だから いい ？ ここ から は 巻き で いく わ よ |||||まき||||

み くる ちゃん は 何 か 他 に し たい こと ある ？ ||||なん||た|||||

（ み くる ） え ～ と 　 あたし は 金魚すくい が いい です ||||||きんぎょすくい|||

（ ハルヒ ） オーケー 　 金魚すくい っと |おーけー|きんぎょすくい|

（ 古泉 ） ちょっと 失礼 （ キョン ） ん ？ こいずみ||しつれい||

（ 古泉 ） どうも こいずみ|

（ ハルヒ ） ねえ この 近く で 盆踊り やって る とこ ある ？ |||ちかく||ぼんおどり||||

花火 大会 で も いい けど はなび|たいかい||||

（ 古泉 ） 僕 が 調べて おき ましょう こいずみ|ぼく||しらべて||

（ ハルヒ ） 金魚すくい も 忘れ ないで よ |きんぎょすくい||わすれ||

み くる ちゃん たって の 希望 なんだ から |||||きぼう||

了解 し ました りょうかい||

じゃあ キョン あした から 決行 よ ||||けっこう|

（ キョン ） あ …

（ 携帯 電話 の 着信 音 ） けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと

（ キョン ） 翌朝 |よくあさ

俺 から 惰眠 を 奪った の は またしても ハルヒ だった おれ||だみん||うばった|||||

うわ っ

（ キョン ） “ 盆踊り の 会場 が 見つかった 今夜 市民 運動 場 ” だ そうだ |ぼんおどり||かいじょう||みつかった|こんや|しみん|うんどう|じょう||そう だ

（ ハルヒ ） でも み くる ちゃん も 有希 ( ゆき ) も 浴衣 持って ない んだ って ||||||ゆうき|||ゆかた|もって|||

だから 今夜 着る 浴衣 を これ から 買い に 行く の |こんや|きる|ゆかた||||かい||いく|

あたし も 持って ないし ||もって|

セット で 安く 売って る 店 見つけた から せっと||やすく|うって||てん|みつけた|

あんた も つきあい なさい

（ キョン ） 婦 人物 衣料 の 量販 店 に 入った ハルヒ は |ふ|じんぶつ|いりょう||りょうはん|てん||はいった||

朝比奈 ( あさひ な ) さん と 長門 の 分 も 勝手に 選んで あさひな|||||ながと||ぶん||かってに|えらんで

ずかずか と 試着 室 へ 入って いった ||しちゃく|しつ||はいって|

それ から 待た さ れる こと 約 １ 時間 ||また||||やく|じかん

あくび も 出る ね ||でる|

ようやく ３ 人 が 出そろった |じん||でそろった

お っ ！

エクセレント ！

皆さん よく お 似合い です よ みなさん|||にあい||

当然 よ 　 あたし が 選んだ んだ から とうぜん||||えらんだ||

特に み くる ちゃん とくに|||

ん ～　 かわいい わ さすが は あたし の 見立て ね |||||||みたて|

え ？　 あっ はい …

（ キョン ） 朝比奈 さん いい ！　 朝比奈 さん ！ |あさひな|||あさひな|

（ 和 太鼓 の 音 ） わ|たいこ||おと

（ キョン ） は あ ～　 よく まあ これ だけ 人 が 集まる もん だ |||||||じん||あつまる||

あっ

（ キョン ） うん ？　 また だ この 感覚 … |||||かんかく

久しぶりの はずな のに つい 最近 来た ような 気 が する ひさしぶりの||||さいきん|きた||き||

あの やぐら 　 あの 出店 |||しゅってん

これ は …

（ ハルヒ ） み くる ちゃん （ キョン ） ん ？

あなた が やり た がって た 金魚すくい が ある わ よ ||||||きんぎょすくい||||

こっち こっち ～

（ み くる ） あっ … は … は ～ い

どう です ？　 僕たち も ||ぼくたち|

いや やめ とく

ん …

お前 こんな もの に 興味 が ある の か ？ おまえ||||きょうみ||||

どれ ？　 俺 が 買って … |おれ||かって

（ 長門 ） いい （ キョン ） あ … ながと|||

（ 長門 ） これ （ おじさん ） あい よ ながと||||

（ キョン ） なんとなく 世話に なって る ような 気 が する から ||せわに||||き|||

それ くらい 買って やって も よかった んだ が … ||かって|||||

いや ～ 大漁 よ 大漁 ！　13 匹 ～ |たいりょう||たいりょう|ひき

でも そんなに いら ない から

み くる ちゃんと １ 匹 ずつ もらって きた わ |||ひき||||

ん … あれ ？

有希 その お 面 どうした の ？ ゆうき|||おもて||

（ 長門 ） 買った ながと|かった

そう

（ キョン ） ん っ （ ハルヒ ） ちょっと 背中 貸し なさい |||||せなか|かし|

（ キョン ） は あ ？ （ ハルヒ ） いい から 後ろ 向いて ||||||うしろ|むいて

お … おい ！

（ ハルヒ ） よし ！　 次 は 花火 よ 花火 ||つぎ||はなび||はなび

まとめて 今日 やっちゃ い ましょう |きょう|||

（ キョン ） 腹八分 目 と いう 言葉 を 知ら ん の か お前 は … |はらはちぶ|め|||ことば||しら||||おまえ|

（ キョン ） 夏 で 夏 休み だった |なつ||なつ|やすみ|

だから できれば 忘れ たい のだ が ||わすれ|||

引っかかって る こと が １ つ あった ひっかかって|||||

（ 線香 花火 の 音 ） せんこう|はなび||おと

（ ハルヒ ） えい っ 　 さあ みんな あした は 昆虫 採集 |||||||こんちゅう|さいしゅう

ＳＯＳ 団 内 セミ 捕り 合戦 よ ！ ｓｏｓ|だん|うち|せみ|とり|かっせん|

一 番 多く 虫 を 捕まえた 人 に は ひと|ばん|おおく|ちゅう||つかまえた|じん||

１ 日 だけ 団長 の 権利 を 譲って あげる わ ひ||だんちょう||けんり||ゆずって||

ハルヒ よ 遊ぶ の は いい が 宿題 は 終わって いる の か ？ ||あそぶ|||||しゅくだい||おわって|||

は あ ？

何 言って る の ？ なん|いって||

あれ くらい の 宿題 なんて ３ 日 も あれば できる こと じゃ ない |||しゅくだい||ひ||||||

あんな もの は 先 にちゃ っちゃ と 終わら せて |||さき||||おわら|

後 顧 の 憂い を なくして から 心おきなく 遊び 倒す の あと|こ||うれい||||こころおきなく|あそび|たおす|

それ が 夏 休み の 正しい 楽しみ 方 よ ！ ||なつ|やすみ||ただしい|たのしみ|かた|

（ み くる ） わ あ ～ （ 古泉 ） おお ||||こいずみ|

（ キョン ） なんで こんな ヤツ の 頭 が いい んだ |||やつ||あたま|||

（ キョン ） 翌日 は これ でも か と いう くらい の 日本 晴れ |よくじつ|||||||||にっぽん|はれ

ＳＯＳ 団 内 セミ 捕り 合戦 は そんな 中 で 行わ れた ｓｏｓ|だん|うち|せみ|とり|かっせん|||なか||おこなわ|

各人 と も それなり に 健闘 は した ようだ が かくじん|||||けんとう||||

やはり と いう か なんという か

優勝 は ハルヒ と なった ゆうしょう||||

（ キョン ） その 翌日 ||よくじつ

なんだか 分から ない うち に 集め られた 俺 たち は |わから||||あつめ||おれ||

同じく なんだか 分から ない まま に カエル の 着 ぐるみ を 着せ られ おなじく||わから||||かえる||ちゃく|||ちゃくせ|

スーパー の 店先 で 風船 を 配る アルバイト を する こと と なった すーぱー||みせさき||ふうせん||くばる|あるばいと|||||

う っ … ああ ～

大丈夫です か ？ だいじょうぶです|

あ ～ 死ぬ か と 思った っ つうか 死ぬ ！ |しぬ|||おもった|||しぬ

（ ハルヒ ） みんな お 疲れ ～ 暑い 中 ご 苦労 さん |||つかれ|あつい|なか||くろう|

店長 の おっちゃん 感謝 して たわ よ てんちょう|||かんしゃ|||

おっちゃん の 感謝 など いら ん バイト 代 は ？ ||かんしゃ||||ばいと|だい|

これ よ

あたし 前 から これ が 欲しかった の よ ね |ぜん||||ほしかった|||

おっちゃん も み くる ちゃん に 免じて ||||||めんじて

バイト 代 が わりに くれる って ばいと|だい||||

（ キョン ） 俺 たち は そんな 物 の ため に … |おれ||||ぶつ|||

み くる ちゃん いつでも 好きな 時 に これ 着て いい わ よ ||||すきな|じ|||きて|||

あたし が 許す わ ||ゆるす|

（ キョン ） ゲロゲ ～ ロ

（ 携帯 電話 の 着信 音 ） けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと

（ キョン ） その 夜 ||よ

俺 から 安眠 を 奪った の は またしても 一 本 の 電話 だった おれ||あんみん||うばった||||ひと|ほん||でんわ|

（ キョン ） ん … クソッ

う う う …

はい

（ み くる ） う う ～

う お ！　 あっ …

（ み くる ） キョン く ～ ん

ええ ？　 あっ …

もし かし なくて も 朝比奈 さん ？ ||||あさひな|

（ み くる ） はい あたし です …

とても よく ない こと が …

このまま じゃ あたし … うえ ～ ん

（ キョン ） あの … （ 古泉 ） どうも 古泉 です ||こいずみ||こいずみ|

なんで お前 が 朝比奈 さん と 一緒な んだ ？ |おまえ||あさひな|||いっしょな|

（ 古泉 ） ちょっとした 事情 が あり まして ね こいずみ|ちょっと した|じじょう||||

今 から 来て いただく こと は 可能です か ？ いま||きて||||かのうです|

（ キョン ） 当たり前だ ！　 すぐ 行く ！ |あたりまえだ||いく

（ 自転車 が 倒れる 音 ） （ キョン ） う お ～！ じてんしゃ||たおれる|おと|||

ハァ ハァ ハァ …

（ み くる ） う う ～　 う っ う っ …

う っ …

ああ …　 ん ？

ハハッ

（ キョン ） 朝比奈 さん 一体 どうした ん です か ？ |あさひな||いったい||||

キョン 君 あたし … |きみ|

未来 に 帰れ なく なり ました みらい||かえれ|||

うえ ～ ん

帰れ ない ？ かえれ|

あの … 帰れ ない って … |かえれ||

つまり こういう こと です

我々 は 同じ 時間 を 延々と ループ して いる のです よ われわれ||おなじ|じかん||えんえんと|||||

は あ ？　 何 ？ ||なん

我々 は 同じ 時間 を 延々と ループ して いる のです よ われわれ||おなじ|じかん||えんえんと|||||

ああ …

我々 は 同じ 時間 を 延々と … われわれ||おなじ|じかん||えんえんと

（ キョン ） お前 ！　 自分 が 何 を 言って る の か 分かって る の か ？ |おまえ|じぶん||なん||いって||||わかって|||

分かって い ます わかって||

これ 以上 ない と いう くらい に ね |いじょう||||||

さっき 朝比奈 さん と 話し合った んです が … |あさひな|||はなしあった||

（ キョン ） 俺 も 呼べよ |おれ||よべよ

（ 古泉 ） その 結果 ここ 最近 時間 の 流れ が こいずみ||けっか||さいきん|じかん||ながれ|

おかしく なって いる こと に 気付き ました |||||きづき|

これ は 朝比奈 さん の 功績 と 言って も いい でしょう ||あさひな|||こうせき||いって|||

おかげ で 僕 に も 確信 が 持て ました ||ぼく|||かくしん||もて|

何の ？ なんの

我々 は 同じ 時間 を 延々と ループ して われわれ||おなじ|じかん||えんえんと||

もう 何度 も 同じ 時間 を 繰り返し 経験 して いる と いう こと を です |なんど||おなじ|じかん||くりかえし|けいけん|||||||

それ は さっき 聞いた |||きいた

正確に は ８ 月 17 日 から 31 日 の 間 を です せいかくに||つき|ひ||ひ||あいだ||

僕たち は 今 終わり なき 夏 休み の 真っただ中 に いる わけです ぼくたち||いま|おわり||なつ|やすみ||まっただなか|||

ああ 確かに 真っただ中 だ が ？ |たしかに|まっただなか||

これ は 決して 終わら ない エンドレスサマー です ||けっして|おわら|||

今 この 世界 は ― いま||せかい|

９ 月 １ 日 以降 の 時間 が まったく なくなって しまって いる んです つき|ひ|いこう||じかん||||||

朝比奈 さん が 未来 に 帰れ なく なった の は あさひな|||みらい||かえれ||||

その ため です

存在 し ない 未来 へ 戻れ ない と いう の は そんざい|||みらい||もどれ|||||

当然 と 言える でしょう とうぜん||いえる|

いいかげんに しろ

その バカげた 話 の どこ が 当然な んだ |ばかげた|はなし||||とうぜんな|

それ を 誰 が 信じる んだ ？ ||だれ||しんじる|

あなた に は 信じて もらい たい ところ です |||しんじて||||

（ み くる ） あの ～ ひ っく …

私 から も 説明 し ます わたくし|||せつめい||

え ～ と 　 あ … あれ は

禁 則 事項 で いつも 未来 と 連絡 したり きん|そく|じこう|||みらい||れんらく|

禁 則 事項 したり して る んです けど きん|そく|じこう|||||

１ 週間 くらい 禁 則 事項 が ない な おかしい なって 思って いた の しゅうかん||きん|そく|じこう||||||おもって||

そし たら 禁 則 事項 しちゃ って て ||きん|そく|じこう|||

あたし すごく ビックリ して 慌てて 禁 則 事項 … ||びっくり||あわてて|きん|そく|じこう

（ キョン ） 朝比奈 さん ひょっとして その “ 禁 則 事項 ” と やら は |あさひな||||きん|そく|じこう|||

放送 禁止 用語 か 何 か な の か な ？ ほうそう|きんし|ようご||なん|||||

じゃあ 俺 たち は あの 閉鎖 空間 みたいな もの の 中 に |おれ||||へいさ|くうかん||||なか|

閉じ込め られて いる の か ？ とじこめ||||

そう で は あり ませ ん

一部 の 時間 のみ が 切り取ら れて いる のです よ いちぶ||じかん|||きりとら||||

８ 月 31 日 の 24 時 ジャスト に なった 瞬間 つき|ひ||じ||||しゅんかん

全て が リセット さ れて また 17 日 に 戻って くる と いう プロセス です すべて||りせっと||||ひ||もどって||||ぷろせす|

俺 たち の … おれ||

いや 人類 の 記憶 は ？ |じんるい||きおく|

それ も リセット さ れ ます ||りせっと|||

もう 一 度 最初 から やり 直し と なる のです |ひと|たび|さいしょ|||なおし|||

また 時間 が どう と か いう 話 か |じかん||||||はなし|

まあ しかたない 気 も する が ||き|||

いえ この 件 に 朝比奈 さん は 無関係です ||けん||あさひな|||むかんけいです

じゃあ 何 が ？ |なん|

涼 宮 さん です よ りょう|みや|||

（ キョン ） は あ ～

本人 は 無自覚でしょう が ほんにん||むじかくでしょう|

この 夏 休み を 終わら せ たく ない と いう 思い が |なつ|やすみ||おわら||||||おもい|

どこ か に ある のでしょう ね

あいつ 何 か 悔い で も 残って る の か ？ |なん||くい|||のこって|||

そう だ と 思い ます |||おもい|

恐らく ― おそらく

夏 休み に やり 残した こと が ある と 感じて いる ので は ない でしょう か なつ|やすみ|||のこした|||||かんじて||||||

は あ ～

（ キョン ） つくづく しょう も ない こと を 大 宇宙 の スケール で 展開 する ヤツ だ |||||||だい|うちゅう||すけーる||てんかい||やつ|

ん …

さっき から 気 に なって た んだ が やけに 楽し そうだ な お前 ||き|||||||たのし|そう だ||おまえ

ここ 最近 頻繁に あった 既視 感 の 謎 が |さいきん|ひんぱんに||がいし|かん||なぞ|

ようやく 解けた もの です から |とけた|||

今 思えば あれ は 記憶 の リセット から こぼれ落ちた ― いま|おもえば|||きおく||りせっと||こぼれおちた

残滓 ( ざん し ) だった と 分かり ます ざんさい|||||わかり|

あなた も 感じて いた のでしょう ？ ||かんじて||

これ を 世界中 の 人間 が 感じて いる の か ？ ||せかいじゅう||にんげん||かんじて|||

フッ

僕 や あなた は 特殊な 事例 な んです よ ぼく||||とくしゅな|じれい|||

涼 宮 さん に 近しい 人間 ほど りょう|みや|||ちかしい|にんげん|

この 異常 を 感じ取れる こと に なって いる ようです |いじょう||かんじとれる|||||

ハルヒ は どう な んだ

あいつ は 自覚 して いる の か ？ ||じかく||||

まったく して い ない ようです

もっとも して もらって は 困る と いう の も あり ます が ||||こまる|||||||

ただ 既視 感 どころ か |がいし|かん||

これ まで 繰り返さ れた 時間 の 全て を 記憶 する 者 が ||くりかえさ||じかん||すべて||きおく||もの|

確実に １ 人 は いる と 僕 は 考えて い ます かくじつに|じん||||ぼく||かんがえて||

ん …

誰 だ ？　 その １ 人 って の は だれ|||じん|||

分かって いる でしょう ？ わかって||

長門 そう な の か ？ ながと||||

そう

全部 覚えて いる の か ？ ぜんぶ|おぼえて|||

そう

ちなみに その 繰り返し と やら は 今 何 回 目 だ ？ ||くりかえし||||いま|なん|かい|め|

今回 が １万5,499 回 目 に 該当 する こんかい||よろず|かい|め||がいとう|

な っ ！

（ キョン ） １万5,499？ |よろず

１万5,499 って なんだ よろず||

長門 お前 は 何 を 言って る んだ ？ ながと|おまえ||なん||いって||

それ は マジ な 話 な の か ？ ||||はなし|||

そう

それ だけ の 回数 |||かいすう

俺 たち は まったく 同じ こと を 繰り返して きた って の か ？ おれ||||おなじ|||くりかえして||||

必ずしも そう で は ない かならずしも||||

１万5,499 回 中 盆踊り に 行か なかった パターン が よろず|かい|なか|ぼんおどり||いか||ぱたーん|

2,391 回 目 と １万1,054 回 目 の ２ 回 ある かい|め||よろず|かい|め||かい|

また 盆踊り に 行った が 金魚すくい を し なかった パターン が |ぼんおどり||おこなった||きんぎょすくい||||ぱたーん|

437 回 ある かい|

アルバイト を 行った の は 9,026 回 である が あるばいと||おこなった|||かい||

その 内容 は ６ つ に 分岐 する |ないよう||||ぶんき|

風船 配り 以外 で は 荷物 運び ふうせん|くばり|いがい|||にもつ|はこび

レジ 打ち ビラ 配り 電話 番 … れじ|うち|びら|くばり|でんわ|ばん

分かった 　 もう いい わかった||

（ キョン ） １万5,499 回 目 |よろず|かい|め

長門 は そう 言った ながと|||いった

かける ２ 週間 で … え ～ と |しゅうかん|||

594 年 分 だ とし|ぶん|

それ だけ の 時間 を ただ 一 人 しっかり 記憶 を 持った まま |||じかん|||ひと|じん||きおく||もった|

何度 も やり 直して きた って の か なんど|||なおして||||

長門 ながと

お前 は その 繰り返さ れる 同じ 時間 を どんな 気持ち で 過ごして きた んだ ？ おまえ|||くりかえさ||おなじ|じかん|||きもち||すごして||

ふう …

また アホ な 話 を 聞 いち まった ぜ |||はなし||き|||

（ キョン ） その 翌日 は 天体 観測 だった ||よくじつ||てんたい|かんそく|

場所 は 長門 の マンション ばしょ||ながと||まんしょん

天体 望遠 鏡 は 古泉 が 用意 した てんたい|ぼうえん|きよう||こいずみ||ようい|

（ ハルヒ ） あ ～ あ もう 飽きちゃ った ＵＦＯ 探し ましょう 　 ＵＦＯ ||||あきちゃ||ｕｆｏ|さがし||ｕｆｏ

（ キョン ） こ … こら ハルヒ よせ って 　 おい ！

ダメ … あの … 壊れちゃ う だめ||こぼれちゃ|

（ 寝息 ） ねいき

（ キョン ） 何 が し たい んだろう な こいつ は |なん|||||||

（ 古泉 ） さて な んでしょう ね こいずみ||||

それ が 分かれば 解決 した も 同然です が ||わかれば|かいけつ|||どうぜんです|

試しに こういう の は どう です ？ ためしに|||||

涼 宮 さん を 後ろ から 突然 抱きしめて りょう|みや|||うしろ||とつぜん|だきしめて

耳元 で “ アイ ラブ ユー ” と ささやく んです みみもと|||らぶ|ゆー|||

それ を 誰 が する んだ ？ ||だれ|||

あなた 以外 に 適役 が いま す かね |いがい||てきやく||||

断固 辞退 する だんこ|じたい|

では 僕 が やって み ましょう か |ぼく|||||

フフッ 冗談 です よ |じょうだん||

僕 で は 役者 が 不足 して い ます ぼく|||やくしゃ||ふそく|||

涼 宮 さん を 余計に 混乱 さ せる だけ でしょう ね りょう|みや|||よけいに|こんらん|||||

（ キョン ） は あ …

（ キョン ） 怒涛 ( どとう ) の 夏 休み イベント 消化 態勢 は それ から も 続いた |どとう|||なつ|やすみ|いべんと|しょうか|たいせい|||||つづいた

バッティングセンター へ 出向き ||でむき

本物 の 花火 大会 に も 行き ほんもの||はなび|たいかい|||いき

ハゼ 釣り 大会 に も 参加 した はぜ|つり|たいかい|||さんか|

他 に も 肝 試し た|||かん|ためし

映画 の はしご 海水 浴 ボウリング えいが|||かいすい|よく|ぼうりんぐ

それ に カラオケ と 俺 たち はず ～ っと 動き ずくめ だった ||からおけ||おれ||||うごき||

もちろん それ で ハルヒ が 満足 して る はず が ない と |||||まんぞく||||||

思って は いた が おもって|||

だからといって 何 か 手 を 打つ わけで も なく |なん||て||うつ|||

それ でも 夏 休み の 残り の 日 にち だけ は ||なつ|やすみ||のこり||ひ|||

確実に 減って いった かくじつに|へって|

そう こうして いる うち に やって 来た ８ 月 30 日 ||||||きた|つき|ひ

（ ハルヒ ） これ で 課題 は ひととおり 終わった わ ね |||かだい|||おわった||

は あ ～ こんなんで よかった の かしら

うん 　 でも こんな もん よ ね

ねえ 他 に 何 か し たい こと ある ？ |た||なん|||||

まあ いい わ この 夏 は いっぱい いろんな こと が できた から ||||なつ|||||||

もう 十 分 よ ね |じゅう|ぶん||

（ キョン ） いや ハルヒ

お前 は まだ 満足 して い ない はずだ お前 は … おまえ|||まんぞく|||||おまえ|

じゃあ 今日 は これ で 終了 |きょう||||しゅうりょう

あした は 予備 日 に 空けて おいた けど そのまま 休み に しちゃ って いい わ ||よび|ひ||あけて||||やすみ|||||

また あさって 部室 で 会い ましょう ||ぶしつ||あい|

（ キョン ） あっ

ま … 待て ハルヒ |まて|

また 来た ！　 デジャヴ だ |きた||

それ も 今 まで に ない 強烈な ヤツ だ ||いま||||きょうれつな|やつ|

ここ で ハルヒ を 帰しちゃ ダメだ ||||かえしちゃ|だめだ

ここ で 帰したら １万 何 千 回 と 繰り返して きた ― ||かえしたら|よろず|なん|せん|かい||くりかえして|

あの ２ 週間 を また 繰り返す は めに な っち まう |しゅうかん|||くりかえす|||||

だが 何 を す べきな んだ ？ |なん||||

何 を 言う べきな んだ ？ なん||いう||

ハルヒ の 言葉 の 中 に その ヒント が あった はずだ ||ことば||なか|||ひんと|||

だが それ は なんだ ？

あいつ は 今 まで に なんて 言って きた ？ ||いま||||いって|

分から ない わから|

思いつか ない … おもいつか|

（ 秒針 の 音 ） びょうしん||おと

（ キョン ） ８ 月 31 日 |つき|ひ

宿題 手つかず しゅくだい|てつかず

は あ もう 知ら ん |||しら|

どうにでも なれ だ

もし また 繰り返す ん なら ||くりかえす||

宿題 なんて やった ところ で 意味 は ない しな しゅくだい|||||いみ|||

（ あくび ）

（ キョン ） は あ ～

（ キョン ） あした が 来よう が 来 まい が |||こよう||らい||

まあ それ は そん 時 の 俺 に 任せりゃ いい か ||||じ||おれ||まかせりゃ||

♪～

～♪