( 岡部 ( お かべ )) くっ …
( 真 帆 ( ま ほ )) つまり ―
何度 タイムリープ して も ―
タイム マシン が 破壊 さ れて しまう って こと ?
( 岡部 ) ああ
( ダル ) 今 から ラジ 館 で まゆ 氏 を 待ち 伏せて ―
乗ら ない ように すれば いい んじゃ ね ?
( 岡部 ) もちろん それ で ―
ま ゆり と 鈴 羽 ( すず は ) を 救える 可能 性 は ある … が ―
同時に 全く 予期 せ ぬ こと が 起きる 可能 性 も 高い
どういう こと ?
( 岡部 ) あの タイム マシン 破壊 が ―
収束 する 事象 な の か どう か は 分から ない
ただ 第 3 次 世界 大戦 の ―
大きな きっかけ に なって いる こと だけ は 確かだ
可能 性 は 高い
( 真 帆 ) どこ に 行く の ?
( 岡部 ) 少し 風 に 当たって 考える
( ダル ) オカリン
オカリン 未来 から 何度 も タイムリープ して ―
ここ まで 来た んだ よ ね ?
( 岡部 ) ああ ( ダル ) じゃ あさ ―
未来 の オカリン も さ 今 みたいな 感じ な ん ?
〝 厨 二 病 ( ちゅう に びょう ) 乙 !〞 な 感じ じゃ なく …
( ドア の 開閉 音 )
厨 二 病 ?
いつか 帰って くる 気 が した んだ けど な
諦め ない
そう 決めた はずだった のに …
やはり 目の当たり に する と …
( アマデウス 紅 莉栖 ( くり す )) しっかり し なさい
あっ …
( アマデウス 紅 莉栖 ) 岡部 倫太郎 ( りん たろう )
( 岡部 ) 紅 莉栖 …
あっ そう か まだ 教授 に 隔離 さ れる 前 か
( 真 帆 ) 未来 を 見て きた んでしょう ?
そして それ を 覆す ため に 帰って きた んでしょう ?
科学 者 なら 可能 性 が ゼロ で ない かぎり ―
諦める と いう 結論 は ない わ
協力 は 惜しま ない わ よ
( 岡部 の 笑い声 )
( アマデウス 紅 莉栖 ) 何 が おかしい の ?
( 岡部 ) いや … いつ いかなる どんな 時代 でも ―
お前たち ラボメン は ―
本当に 変わら ない な と 思って な
フッ
フッ ?
フゥー ハッハッハ …
愚かな !
あくまで これ は 機関 を 油断 さ せる ため の 演技 に すぎ ん
( 真 帆 ) は ?
( 岡部 ) 助手 1 号 アーンド 2 号 よ
助手 ?
すぐに 会議 を 始める
ついてくる が いい
何 な んです ? あれ
( 真 帆 ) さあ …
( 岡部 ) さっさと 来い ! 実験 大好き っ子 ども
( 真 帆 ) え ?
( アマデウス 紅 莉栖 ) え ?
( 岡部 ) つまり 第 3 次 世界 大戦 を 引き起こす 大きな 要因 は 2 つ
アメリカ と ロシア そして …
タイム マシン だ
それ は さっき 聞いた わ
( 岡部 ) そこ に 関わって いる 組織 が …
ストラトフォー の レスキネン
同じく アメリカ 陣営 である DURPA ( ダーパ )
そして ロシア の 諜報 機関
恐らく この 3 組織
規模 デカ すぎ じゃ ね ?
オカリン が いつも 言って た 機関 的な …
その とおり
この 天才 科学 者 に して 世界 を 混とん に 陥れる ―
鳳凰 院 ( ほう おういん ) 凶 真 ( きょう ま ) に 気づいた 世界 各国 が ―
ついに 動きだした と 言える
フゥー ハッハッハ …
先輩 …
何 ?
( アマデウス 紅 莉栖 ) 岡部 さん 頭 でも 打った んです か ?
それとも 何 か 悲しい こと で も あった と か …
黙れ クリスティーナ よ !
“ ティーナ ” 言う な !
話して て 恥ずかしく なら ない の ?
な っ !?
( 岡部 ) そんな こと は 分かって いる
俺 だって 恥ずかしく ない わけ が …
( ダル ) それ で いい と 思う よ ( 岡部 ) え ?
僕 の 知って る オカリン は どう しよう も なく ―
面倒くさくて う ざ く て ―
何 を 言って も 言い返して くる ―
体 の 芯 まで “ 厨 二 病 乙 !” な ヤツ で …
でも だ から こそ ムチャクチャ な 理論 で ―
不可能 を 突破 して きた のだ から
( 岡部 ) ダル … ( ダル ) だ けど ―
つい さっき 仏頂面 で 出て いった と 思ったら ―
真 帆 たん と 一緒に 帰って きて いきなり その テンション
一体 何 が あった ん ?
何 して もらった んだ ? オカリン !
チュッチュ か ? チュッチュ な の か !?
まゆ 氏 と いう 人 が あり ながら 羨ま し い !
何も し と らんし さ れ とら ん わ !
大体 ダル よ お前 は 根源 的な ところ を 間違って いる
俺 は 岡部 倫太郎 で は ない
我が 名 は … バッ !
鳳 ・ 凰 ・ 院
凶 真 だ !
これ が この 狂気 の マッドサイエンティスト の 真 の 姿 だ
その 目 を か っ 開いて よ ー く 焼き付ける が いい !
ホントに いい の ?
( 岡部 ) 俺 だ 計画 は 最終 段階 に 入った
そ ー だ これ が 発動 すれば ―
大国 の 諜報 機関 と いえ ど 太刀打ち は でき ん
フフン … ああ そう だ
誰 と 話して る ?
もう いい わ 早く 話 を 進めて
最初 から そう 言えば いい のだ
( 岡部 ) ロリ っ子 よ ( 真 帆 ) う っ …
( 岡部 ) 先 に も 言った ように ―
タイム マシン を 狙って いる の は この 3 組織
今 まで 失敗 して きた の は ―
全て この 3 組織 の いずれ か の 妨害 が あった から だ
だが 決して 打開 策 が ない わけで は ない
タイム マシン の 破壊 は ―
避け られ ない 収束 で は ない と 言い たい わけ ?
( 岡部 ) 要 は まゆ り たち の 行動 は そのまま に ―
過去 に 飛び立つ あの 瞬間 あの 一瞬 だけ ―
邪魔 を さ せ なければ いい のだ
しかも ―
ストラトフォー と つながり を 持つ レスキネン
そして DURPA の 先兵 の 動き を 封じる こと は ―
これ まで 既に 成功 して いる
と いう こと は …
( アマデウス 紅 莉栖 ) 残る は ロシア 1 つ
( 岡部 ) うん
で 何 か 作戦 は ある ん ?
( 岡部 ) ない ( ダル ) 何 !?
これ だけ 長く 話して きて 結局 何も 考えて ない ん ?
( アマデウス 紅 莉栖 ) は いはい ワロス ワロス
( 真 帆 ) 何 それ ? ( 岡部 ) シャーラップ !
レスキネン と DURPA の 動き は ―
この 鳳凰 院 凶 真 の 機転 と 的確な 作戦 に より 封じた のだ
1 つ くらい お前たち が 思いついて くれて も いい だろう
( ダル ) つう て も 知った の 今 さっき だし
( 岡部 ) あ … ( 真 帆 ) ハァ …
しかたない わ ね
こういう の は まず 何 が 原因 と なって いる の か ―
なぜ その 行動 を する の か ―
その 因果 関係 を 洗って みる こと が 重要 よ
この 場合 ロシア が …
( ダル ) おおう !
( 真 帆 ) ロシ … ア … が …
出た ! 真 帆 たん の 約束 さ れた 勝利 の ポーズ !
( 真 帆 ) 何の 話 !?
やむ を えん な
( 岡部 ) はい ( 真 帆 ) えっ ?
( 岡部 ) さあ 書け
( 殴る 音 ) ( 岡部 ・ ダル ) あっ
( 真 帆 ) まず アメリカ の 両 組織 と ロシア が ―
なぜ ここ に タイム マシン が ある の を 知った かね
アメリカ 側 は レスキネン で 間違い ない
未来 の レスキネン が かがり を 使って ―
現在 の レスキネン に タイム マシン の 情報 を 伝えた
でも か が りさん が 教授 に 会った の は ―
今 から 何 年 も 前 でしょう ?
なぜ 聞いた 時点 で 動か なかった の ?
( 岡部 ) 変え られ なかった から だ
え ?
( 岡部 ) タイムパラドックス と 同じだ
歴史 と 異なる 行動 を とって も ―
世界 線 の 収束 に より それ は 修正 さ れて しまう から だ
世界 線 …
だが それ を 逆手 に 取った の が 教授 の 策 だった
なるほど ね
つまり 未来 の 世界 で は 2011 年 の 7 月 7 日 に ―
タイム マシン 争奪 戦 の 火ぶた が 切ら れる こと に なって いた
7 月 7 日 に タイム マシン は 破壊 さ れる
だったら ―
その 日 なら タイム マシン を 奪い 取れる と 考えた の ね
あ …
DURPA は その 情報 を どこ から つかんだ んだろう ?
同じ 西側 だ から な
あと 1 つ ロシア だ が …
アメリカ 陣営 から 盗んだ と か ?
( 真 帆 ) 教授 が 未来 の 自分 から ―
第 3 次 世界 大戦 の こと を 聞いて いた と したら ―
その 情報 管理 は 徹底 する はず よ
ロシア は 最も 漏らし たく ない 相手 じゃ ない ?
あ …
ダル パソコン で 検索 を かけて くれ
( ダル ) いい けど 何て ?
検索 ワード は ―
“ 中鉢 ( なか ばち ) 博士 ” だ
( 中鉢 ) それ に して も 助かった よ
金属 探知 機 に かかった おかげ で …
やはり 中鉢 博士 は ロシア に 亡命 して いる
パパ …
パパ ?
その 話 は あと だ
中鉢 博士 が タイム マシン に 関する 論文 を 持って ―
ロシア に 亡命 した の は 確かだ
だが ロシア は タイム マシン 開発 に 成功 して い ない
どういう こと ?
( 岡部 ) 完成 さ せた の なら 戦争 に は なら ない から だ
半年 前 に 俺 たち を 襲い ―
紅 莉栖 の PC を 破壊 した の は ロシア だった
あれ は 中鉢 の 資料 から 牧 瀬 ( まき せ ) 紅 莉栖 に たどりついた ヤツ ら が ―
ほか の 勢力 に 奪わ れる くらい なら と …
ほか に も 何 か が 残って いる … と いう こと は ない の か ?
彼女 の メモ や 書類 その 知識 を …
あっ …
そういう こと … でしょう ね
私 の 中 に は 牧 瀬 紅 莉栖 の 記憶 そして その 思考 パターン が ある
タイム マシン を 作ろう と する なら 是が非でも 欲しい でしょう ね
あ …
( 岡部 ) あの とき ―
アマデウス の 乗っ取り と 同時に 世界 線 が 変動 した の は …
( ダル ) どうした ん ?
ロシア が 接触 する 前 に さかのぼり ―
アマデウス を 保護 する こと は でき ない の か ?
( 真 帆 ) 接触 する 前 って いつ ?
断定 は でき ない なるべく 早い 段階 で と しか
紅 莉栖 の 記憶 データ を 最初に 取った の は いつ だ ?
紅 莉栖 が 日本 に 行く 前 だ から …
去年 の 春 頃 だった と 思う
( 岡部 ) そこ まで タイムリープ で 戻り …
( ダル ) え … で できる ん ? 去年 の 春 って まだ …
( 岡部 ) あっ …
( 真 帆 ) そもそも 電話 レンジ と か いう の が 最初に 完成 した の が ―
去年 の 夏 な んでしょ ?
どう 考えて も それ 以前 に は 戻れ ない わ よ
くっ … なら D メール だ ダル !
( ダル ) ホントに いいん ? オカリン ずっと 反対 して た けど
確かに … 使えば SERN ( セルン ) に 捕 捉 さ れる
そう なれば …
くっ …
( 真 帆 ) ほか の 方法 を 探る しか ない よう ね
( ダル ) 今 こんな こと 言う の も どう か と 思う んだ けど さ
聞いて くれる ?
D ライン ?
( ダル ) そう D メール の 原理 使って ―
ライン を 過去 に 送れる ように した ん
( 岡部 ) SERN に 捕 捉 さ れ ず に 送れる の か ?
( ダル ) うん
ただし 去年 の 春 段階 で は まだ 試作 版 で ―
アプリ を 持って る の は 僕 だけ に なる けど ね
限界 で 去年 の 正月 くらい ?
( 真 帆 ) つまり 橋田 ( は し だ ) さん 以外 の 相手 に は 送れ ない
何とか なる ?
可能だ 未来 の 自分 から ―
“ ヴィクトル ・ コンドリア 大 に 保管 さ れて いる ―”
“ 牧 瀬 紅 莉栖 の 記憶 データ を 保護 せよ ” と ―
指令 が 来れば 従う はずだ
オカリン が 見たら 放っておか ない はずだ しね
( アマデウス 紅 莉栖 ) 待って
それ で 情報 の 流出 が 止め られる と は 思え ない
相手 は 巨大 国家 よ
アクセス できる かぎり 必ず 追いかけて くるし ―
どこ か で コピー さ れ 拡散 さ れる 可能 性 も ある
それ は 確かに …
( 真 帆 ) なら どう すれば いい の ?
( アマデウス 紅 莉栖 ) 消去 する しか ない
オリジナルの 紅 莉栖 の 記憶 の バックアップ を ―
取った 直後 の データ に アクセス して ―
修復 でき ない ように システム ごと 自 壊さ せる
え … 紅 莉栖
それ しか ない で す 先輩
去年 の 春 の 段階 で 消去 すれば アマデウス の 再 構築 は 不可能に なる
( 真 帆 ) でも それ じゃ あなた が …
( 岡部 ) つまり ―
アマデウス そのもの を なかった こと に …
( アマデウス 紅 莉栖 ) どういう こと です か ?
私 に 聞か れて も ね
( アマデウス 紅 莉栖 ) このまま で は ―
結局 あした も タイム マシン が 破壊 さ れて しまう
その 可能 性 が 高い わ ね
なら やる べき こと は 1 つ じゃ ないで す か
そう ね でも 私 に は 分かる 気 が する わ
そして あなた も それ に 気づいて る
( アマデウス 紅 莉栖 ) あ …
( 真 帆 ) 恐らく 岡部 さん は …
( 携帯 電話 の 振動 音 )
何 だ ?
( 真 帆 ) 言わ れた こと だけ 伝える わ
アマデウス が あなた と 話した いって
( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( 岡部 ) あっ …
( 携帯 電話 の 着信 音 )
( 携帯 電話 の 着信 音 )
あっ …
( 携帯 電話 の 着信 音 )
ど どうも
( 岡部 ) ああ
何 か 久しぶりに 外 に 出た 気 が する
少し 景色 見せて よ
何て こと ない 景色 だ けど な
( アマデウス 紅 莉栖 ) へえ ~ こんな 所 も ある んだ
( 岡部 ) 夜 は 初めて か ?
( アマデウス 紅 莉栖 ) 当然でしょ
自分 の 足 で 歩ければ 好きな だけ 見て 回る けど …
プログラム だ から
( 岡部 ) あっ …
( アマデウス 紅 莉栖 ) ハァ …
私 を 消す こと に 躊躇 ( ちゅうちょ ) して いる のだ と したら ―
アマデウス と いう プログラム と して 誇り に 思う わ
人 の 心 に 影響 を 与える まるで 人 と 同じ ような AI …
と いう こと だ から
( 岡部 ) 消える んだ ぞ
( アマデウス 紅 莉栖 ) やっぱり それ で 躊躇 して いた の ね
せっかく 外 に 出た んだ から ―
ついでに もう 少し 見せて くれ ない ?
( アマデウス 紅 莉栖 ) 昼 と 夜 と じゃ 大 違い ね
( 岡部 ) そりゃ あな
( アマデウス 紅 莉栖 ) ほか の 街 も こんな 感じ な の ?
( 岡部 ) いや 場所 に も よる な
新宿 ( しん じゅく ) や 渋谷 ( しぶ や ) は 夜中 でも 結構 にぎやかだ し ―
逆に 銀座 ( ぎんざ ) 辺り は ここ より 静か かも しれ ん
( アマデウス 紅 莉栖 ) へえ ~ そう な の ね
( 岡部 ) どっち に 行く ?
( アマデウス 紅 莉栖 ) そう ね … あっ
あそこ 上って み たい
( 岡部 ) 分かった
( アマデウス 紅 莉栖 ) 何 か 以前 も こんな 感じ で歩いた わ よ ね
( 岡部 ) ああ
( アマデウス 紅 莉栖 ) そう いえば あの 変な 口調 は どうした の ?
“ フゥー ハッハッハ ” と か いう …
そっち の ほう が いい か ?
助手 よ
( アマデウス 紅 莉栖 ) やっぱり いい
話して る と やり込め たく なる から
( 岡部 ) ハハッ …
( アマデウス 紅 莉栖 ) こんな 景色 な の ね
( 岡部 ) おもしろい か ?
( アマデウス 紅 莉栖 ) とても !
だって ここ は 混とんと して いて 法則 など 何も ない
私 の 存在 して いる ここ は 全て の もの に 理由 と 必然 が ある
存在 する 理由 の ない もの は 消さ れ ―
ムダ は 省か れ 全て 効率 的に 構築 さ れて いく
でも 今 見えて いる この 世界 は 大げさに 言う と 無秩序
必要な いもの が 存在 し ―
ムダ に しか 思え ない 行動 が 日常 の ように 発生 し ―
明らかに 答え が 分かって いる 選択 を なぜ か 誤る
けど それ が 偶然 を 生み 意味 の ない もの に 必然 を 与え ―
複雑に 絡み合って ―
奇跡 の ような 出来事 が 生み出さ れて いく
出会い が 生まれる
プログラム である 私 に は 到底 届か ない 世界
( 岡部 ) 紅 莉栖 …
岡部 倫太郎
私 を 消す こと に 対して ―
センチメンタルな 気持ち に なる こと は 理解 できる
少し うれしい と いう 感情 も ある
だったら …
( アマデウス 紅 莉栖 ) でも あなた が 話して くれた シュタインズ ・ ゲート 世界 線
椎名 ( しい な ) まゆ り の 命
そして その先 に ある オリジナルの 私 の 命
共に 救える 世界 線 へ の 道 が 今 目の前 に ある
くっ …
何度 も 言う けど 私 は プログラム に すぎ ない の
それ が たとえ …
( 岡部 ) 分かって る
だったら …
( 岡部 ) 俺 は ―
以前 オリジナル の お前 を 殺した
えっ ?
( 岡部 ) まゆ り と 紅 莉栖 ―
どちら か しか 助け られ ない と いう 状況 の 中 で ―
俺 は ま ゆり を 選んだ
そして お前 を 救う こと を 諦めた
( アマデウス 紅 莉栖 ) それ を 私 は 肯定 した ?
( 岡部 ) ああ
“ それ で いい 間違って ない ” 何度 も そう 言って いた
ま ゆり を 選ぶ べきだ と
それ が 正しい 選択 なんだ と
でしょう ね
誰 か を 犠牲 に なんて 私 なら プライド が 許さ ない
やら なければ いけない こと は 分かる わ よ ね ?
椎名 さん と 鈴 羽 さん を 救い ―
世界 を 戦争 に なんか させ ない ため に …
( 岡部 ) だ が お前 が …
だが お前 が 存在 し なかった こと に なる んだ ぞ
い なく なる だけ じゃ ない
誰 も お前 が 存在 した こと すら …
でも ―
あなた は 覚えて いて くれる んでしょ ?
( 岡部 ) あ …
もし 失敗 したら …
もし 見つけ られ なかったら …
( アマデウス 紅 莉栖 ) それ が 今 まで の あなた だった んじゃ ない の ?
それ を 後悔 して 今 を 変える と 決意 して ―
3,000 回 も タイムリープ して 戻って きた んでしょ ?
オリジナル が 死んで から たまに 考えて いた わ
私 と いう 存在 は 一体 何 な んだろう って
何の ため に 存在 して る のだろう って
そ したら 第 3 次 世界 大戦 の 引き金 に なっちゃ う と か ―
そんな 悲しい 理由 で 存在 して いる
それ が 私 の いた 理由 な の か って
でも もし オリジナルの 紅 莉栖 を 救える 力 に なれる の なら …
この 美しい 世界 を 救う ため に ―
私 が これ まで 存在 して いた のだ と したら
それ は とても ロジカル で ―
とても ロマンチックな こと じゃ ない ?
( 岡部 ) 紅 莉栖 …
見せて 空
わ あ
こんなに まぶしい の ね
ああ
( アマデウス 紅 莉栖 ) あなた たち は 自分 たち が 思って る より ―
ずっと すばらしい 世界 で 生きて いる
時間 が 流れ 混とん と 偶然 が 奇跡 を 生み出し ―
必然 を 紡いで いく
そんな 世界 に …
ねっ
( ダル ) セッティング は 終わって る お
じゃあ 先輩
いい の ね ?
( アマデウス 紅 莉栖 ) はい
( キーボード を 打つ 音 )
( ダル ) オーケー
あと は 真 帆 たん の 用意 する ファイル を 添付 して ―
過去 の 僕 に 送れば いい んだ よ ね ?
( 真 帆 ) アマデウス 制御 コード の パス を 受理 せよ
デァ ・ アルテ ・ ヴュルフェルト ・ ニヒト
( 警告 音 )
( アマデウス 紅 莉栖 ) 制御 コード が 入力 さ れ ました
システム を エマージェンシー モード へ 移行 し ます
最高 管理 権限 保持 者 比 屋 定 ( ひや じょう ) 真 帆 が 命じる
指定 バッチプログラム を 指定 ファイル へ と 転送
再 起動 と 同時に ―
処理 を 続行 する よう 命令 を 部分 変更
( アマデウス 紅 莉栖 ) 命令 を 受諾 し ました
最高 管理 権限 保持 者 比 屋 定 真 帆 の 命令 を もって ―
処理 を 開始 し ます
( 岡部 ) 比 屋 定 さん …
( アマデウス 紅 莉栖 ) 先輩 !
諦め ず に 頑張って ください
可能 性 は 無限です
私 は 先輩 の こと を よく 知ってい ます
だから 確信 を 持って 言え ます
先輩 は 必ず 私 の 研究 を 超えて ―
その先 の 地平 を 切り開く こと が でき ます
そして きっと ―
私 たち が たどりつく べき 世界 へ ―
私 たち は 必ず そこ へ たどりつき ます
( 岡部 ) アマデウス ! いつか また ―
時 の 交差 する その 約束 の 日 に
必ず その たどりつく べき 場所 で
再び 相ま みえ ん こと を !
( アマデウス 紅 莉栖 ) 先輩 !
鳳凰 院 凶 真 の こと よろしく お 願い し ます !
紅 莉栖 …
ゴー !
う っ … くっ …
う あー っ !
♪~
~♪