三 姉妹 探偵 団 01 chapter 06 (2)
みっ|しまい|たんてい|だん|
Three Sisters Detective Agency 01 chapter 06 (2)
「 君 に 頼ま れた こと が あった んだ 」
きみ||たのま|||||
"I have been asked by you."
「 あ !
── ちょ 、 ちょっと こっち へ 」
ち ょ ち ょ, go to here a little bit "
と 、 夕 里子 は 国友 の 手 を 引 張って 行く 。
|ゆう|さとご||くにとも||て||ひ|はって|いく
And, Yuuriko keeps her hands on Kunitomo.
「 どうした の ?
" What's wrong ?
「 姉 に 聞か せ たく ない の 。
あね||きか||||
"I do not want to ask my sister.
何しろ 心配 性 だ から 」
なにしろ|しんぱい|せい||
I am worried about it
「 そう か 。
君 たち は 面白い 姉妹 だ ね 」
きみ|||おもしろい|しまい||
と 、 国友 が 微笑んだ 。
|くにとも||ほおえんだ
「 筆 蹟 の こと 、 何 か 分 った ?
ふで|あと|||なん||ぶん|
"What do you know about brushstrokes?
「 うん 、 一目 で 分 る と 言って た よ 」
|いちもく||ぶん|||いって||
"Yeah, I told you to know at a glance."
「 分 る って 、 どう ?
ぶん|||
"How about that?
「 あの 休暇 届 は 他の 人間 が 書いた もの だ よ 。
|きゅうか|とどけ||たの|にんげん||かいた|||
"The vacation notice was written by another person.
つまり 、 誰 か が 、 君 の お 父さん の 字 を 真似て 書いた んだ 」
|だれ|||きみ|||とうさん||あざ||まねて|かいた|
In other words, someone imitated your father's letter and wrote it. "
「 やっぱり !
夕 里子 は 声 を 弾ま せた 。
ゆう|さとご||こえ||はずま|
こんな 、 人殺し の あった 所 で 、 嬉し そうな 声 を 出して は いけなかった が 、 それ でも 、 つい 飛び上り そうに なる の を 、 抑え 切れ なかった 。
|ひとごろし|||しょ||うれし|そう な|こえ||だして|||||||とびあがり|そう に||||おさえ|きれ|
In such a place where there was a murderer, I should not make a voice that was happy, but still, I could not suppress being about to jump up.
「 しかし 、 真似 した の は 、 かなり 無器用な 人間 で 、 しかも 素人 だろう と 言って たな 」
|まね|||||ぶきような|にんげん|||しろうと|||いって|
"But what I imitated was that he was a pretty clumsy human and would be an amateur,"
「 素人 ?
しろうと
「 つまり 、 そういう 経験 の ない 人間 さ 。
||けいけん|||にんげん|
"That is, it is a human who has no such experience.
何しろ 、 書いた インク の 色 も 少し 違う んだ 。
なにしろ|かいた|いんく||いろ||すこし|ちがう|
After all, the color of the ink I wrote is a little different.
多少 なり と も 、 文書 の 偽造 なんか やった こと の ある 人間 なら 、 その辺 の こと に は 、 気 を つかう はずな んだ よ 」
たしょう||||ぶんしょ||ぎぞう||||||にんげん||そのへん|||||き|||||
If you're a person who has done some forgery of documents, you should be careful about things in that area. "
夕 里子 は 肯 いて 、
ゆう|さとご||こう|
「 ねえ 、 これ で 、 少し は あなた の 親分 の 考え も 変る かしら ?
|||すこし||||おやぶん||かんがえ||かわる|
"Hey, does this change your mindset 's thoughts a little?
「 まだ 、 ぶつけて い ない んだ が ね 、 すぐに コロリ と 変る の は 期待 し ない 方 が いい よ 」
||||||||||かわる|||きたい|||かた|||
"I haven't hit it yet, but I hope you don't expect it to turn into a coolie right away."
「 あら 、 だって ──」
"Oh, だ っ ──"
と 不服 げ な 夕 里子 へ 、
|ふふく|||ゆう|さとご|
And to Yuko Yuko,
「 警察 って ところ は 、 一旦 指名 手配 したら 、 そう 簡単に は 変え ない よ 。
けいさつ||||いったん|しめい|てはい|||かんたんに||かえ||
"The police are not going to change so easily once they are wanted.
やはり 、 あっさり と 誤り を 認めて いたら 、 警察 の 名誉に かかわる 、 と 思って る から ね 」
|||あやまり||みとめて||けいさつ||めいよに|||おもって|||
After all, if you admit the easy mistake, I think that it will be involved in the honor of the police "
「 誤り を 正す のに 遅 すぎる と いう こと は ない わ 」
あやまり||ただす||おそ|||||||
"There is no way too late to correct an error."
以前 、 どこ か 教科 書 で 見た 文句 であった 。
いぜん|||きょうか|しょ||みた|もんく|
It was a complaint I saw earlier in a textbook.
「 まあ 、 僕 に 任せ なさい 」
|ぼく||まかせ|
"Well, leave it to me"
国友 は 夕 里子 の 肩 を 叩いた 。
くにとも||ゆう|さとご||かた||たたいた
Kunitomo beat Yuuriko's shoulder.
「── 国友 さん 、 どうして 、 ここ に ?
くにとも||||
"友 friend, why are you here?
夕 里子 は 、 ふと 気付いて 言った 。
ゆう|さとご|||きづいて|いった
Yuuriko suddenly noticed and said.
「 昨夜 は 徹夜 の 張り込み で ね 、 署 へ 戻ったら 、 この 事件 の こと が 耳 に 入った んだ よ 。
さくや||てつや||はりこみ|||しょ||もどったら||じけん||||みみ||はいった||
"Last night was a long night, and when I returned to the station, I heard about the incident.
びっくり した よ 、 君 の 居候 して る 家 じゃ ない か 」
|||きみ||いそうろう|||いえ|||
I was surprised, isn't it the house you're home to?
「 じゃ 、 一睡 も せ ず に ?
|いっすい||||
"Well, without falling asleep?
「 君 の こと が 心配に なって ね 」
きみ||||しんぱいに||
"I'm worried about you."
夕 里子 は 、 何となく 胸 が 熱く なった 。
ゆう|さとご||なんとなく|むね||あつく|
Yuuriko had a heartwarming feeling somehow.
「 ところで 、 妹 さん 、 入院 って 、 どうした の ?
|いもうと||にゅういん|||
"By the way, what happened to your sister, hospitalization?
夕 里子 が 話 を する と 、 国友 は 目 を 丸く して 、
ゆう|さとご||はなし||||くにとも||め||まるく|
When Yuuriko talks, Kyutomo rolls her eyes,
「 危 い なあ !
き||
ちゃんと 検査 し ない と だめだ よ 」
|けんさ|||||
You have to check it properly. "
「 ええ 。
もちろん その つもり 。
Of course that's gonna be.
本当に 困っちゃ う 。
ほんとうに|こまっちゃ|
みんな 頼りない の ばっかり !
|たよりない||
Everyone just can't rely on it!
夕 里子 は 心 に も ない こと を 言った 。
ゆう|さとご||こころ||||||いった
Yuuriko said something not in her mind.
「 でも ね 、 君 も 用心 して くれよ 」
||きみ||ようじん||
"But, you should be careful too"
と 、 国友 は 真顔 で 言った 。
|くにとも||まがお||いった
Said, a friend of his mind.
「 私 …… 考えて た の 、 ゆうべ 、 帰って 来る 途中 で 。
わたくし|かんがえて||||かえって|くる|とちゅう|
"I ...... I was thinking, last night, on the way back home.
私 たち の 手 で 犯人 を 見付けよう なんて 、 大体 が 無 茶 な んじゃ ない か 、 って 」
わたくし|||て||はんにん||みつけよう||だいたい||む|ちゃ|||||
It 's probably blatant to find the culprit with our hands. "
「 賛成 だ な 」
さんせい||
"I agree."
「 だから 私 一 人 で 見付けよう と 思う の 」
|わたくし|ひと|じん||みつけよう||おもう|
"So I'm going to find it alone"
夕 里子 の 言葉 に 、 国友 は 目 を むいた 。
ゆう|さとご||ことば||くにとも||め||
His friend looked at Yuuriko's words.
「── 私 で 何 か 手伝える こと が あれば 言って くれ 」
わたくし||なん||てつだえる||||いって|
"-Tell me if you have something to help me"
と 、 安東 が 綾子 と 一緒に 表 へ 出て 来る 。
|あんどう||あやこ||いっしょに|ひょう||でて|くる
And, Ando comes out with Miko to the table.
「 お 姉さん 、 ちゃんと 会社 行って よ 」
|ねえさん||かいしゃ|おこなって|
"My sister, please go to the office properly."
と 、 夕 里子 が 釘 を さす 。
|ゆう|さとご||くぎ||
And Yuuriko is nailing.
「 うん 、 分 って る わ よ 」
|ぶん||||
"Yeah, I know."
綾子 が 、 ちょっと むくれ 顔 で 言った 。
あやこ||||かお||いった
Reiko said with a slight face.
「 あんた は 刑事 さん だった ね 」
||けいじ|||
"You were a detective, right?
と 、 安東 が 国友 を 見て 言った 。
|あんどう||くにとも||みて|いった
And said Ando looked at his friend.
「 そうです 。
そう です
こちら の 佐々 本 さん の 事件 を 担当 して いた ので 」
||ささ|ほん|||じけん||たんとう|||
Because I was in charge of Sasamoto 's case here "
「 そう か 。
まだ 佐々 本 さん の 行方 は 知れ ん の か ?
|ささ|ほん|||ゆくえ||しれ|||
Is Sasamoto 's whereabouts still known?
「 手がかり が まるで あり ませ ん 。
てがかり|||||
"There are no clues.
手配 する と 普通 、 何 件 か の 通報 は ある もの な んです が 」
てはい|||ふつう|なん|けん|||つうほう||||||
If you arrange it, there will usually be some reports.
「 全然 ない の か 」
ぜんぜん|||
"Aren't there at all?"
「 二 件 ほど あり ました が 、 完全な 間違い でした 」
ふた|けん|||||かんぜんな|まちがい|
"There were two cases but it was a complete mistake"
「 そう か 。
── 彼 は いい 人 だった 。
かれ|||じん|
-He was a good person.
とても 人殺し と は 信じ られ ん な 」
|ひとごろし|||しんじ|||
I can't believe it 's a murderer. "
「 こちら の お嬢さん も そう 思って おら れる ようです よ 」
||おじょうさん|||おもって||||
"It seems that this lady is thinking so too."
「 ともかく 彼 を 見付け ない こと に は 、 どうにも なる まい 。
|かれ||みつけ|||||||
"Anyway, it won't be worth noting to find him.
よろしく 頼む よ 」
|たのむ|
Thank you for your consideration "
安東 が 綾子 を 促して 、 家 の 方 へ 戻って 行った 。
あんどう||あやこ||うながして|いえ||かた||もどって|おこなった
Andong encouraged Reiko and went back to the house.
── 夕 里子 は 、 何となく 釈然と し ない 気持 で 、 二 人 を 見送って いた が 、
ゆう|さとご||なんとなく|しゃくぜんと|||きもち||ふた|じん||みおくって||
-Yuuriko looked at the two people with a feeling that she was not stunned somehow,
「 ねえ 、 国友 さん 」
|くにとも|
「 ん ?
「 あの 二 人 ……。
|ふた|じん
"Two of them ....
変じゃ ない ?
へんじゃ|
Isn't it strange?
「 変 ?
へん
── どこ が ?
ど こ Where are you?
「 いいえ ……。
いい の 、 別に 」
||べつに
Good, apart from "
夕 里子 は 、 綾子 の こと を よく 知っている 。
ゆう|さとご||あやこ|||||しっている
Yuuriko knows a lot about Yuzu.
いくら 父親 ぐらい の 年齢 の 男 だ から と いって 、 そう 親し げ に 腕 を 取ったり する なんて 、 考え られ ない 。
|ちちおや|||ねんれい||おとこ||||||したし|||うで||とったり|||かんがえ||
It is impossible to think of being a man of about the age of a father and taking arms in such a friendly manner.
どうも 、 夕 里子 は 不安だった 。
|ゆう|さとご||ふあんだった
Oh, Yuuriko was uneasy.
それ に 、 安東 と 綾子 が 出て 来て 、 なぜ 安東 の 妻 が 出て 来 ない のだろう ?
||あんどう||あやこ||でて|きて||あんどう||つま||でて|らい||
Also, Andong and Reiko came out, why is Andong 's wife not coming out?
早朝 の 寒 さ に 、 ちょっと 夕 里子 は 身震い した 。
そうちょう||さむ||||ゆう|さとご||みぶるい|
In the early morning cold, Yuuriko shuddered for a while.
「 もう 入った 方 が いい よ 」
|はいった|かた|||
"You should have entered it already."
国友 が 、 優しく 言った 。
くにとも||やさしく|いった
── しかし 夕 里子 は 、 なかなか 片瀬 家 の 玄関 を 入る こと が でき なかった 。
|ゆう|さとご|||かたせ|いえ||げんかん||はいる||||
However, Yuuriko was not able to enter the entrance of Katase's house quite easily.
敦子 の 母 の 死 に 、 自分 も 責任 が ある と 思う と 、 急に ここ が 自分 の 家 で なかった こと を 、 痛感 さ せ られた のである 。
あつこ||はは||し||じぶん||せきにん||||おもう||きゅうに|||じぶん||いえ|||||つうかん||||
When I saw that Yuko's mother was responsible, I suddenly realized that I was not my home.
「── で は 、 どうも 。
"-Well, thank you.
また ご 連絡 し ます 。
||れんらく||
I will contact you again.
少し お 休み に なった 方 が いい です よ 」
すこし||やすみ|||かた||||
It would be nice to have a break for a while. "
刑事 が 、 玄関 を 出て 来て 、 また 欠 伸 を した 。
けいじ||げんかん||でて|きて||けつ|しん||
A detective came out of the front door and made a short break again.
「 夕 里子 」
ゆう|さとご
敦子 が 顔 を 覗かせる 。
あつこ||かお||のぞかせる
Reiko looks at her face.
「 どうした の ?
「 え ?
うん ……。
何 か 入り にくくて 」
なん||はいり|
It's hard to get in
「 いや ね 。
"No.
そんな こと 言わ ないで 入って よ 」
||いわ||はいって|
Don't say that, come in "
敦子 が 出て 来て 、 夕 里子 の 手 を つかんだ 。
あつこ||でて|きて|ゆう|さとご||て||
Reiko came out and grabbed Yuuriko's hand.
「 私 じゃ 、 ご飯 も 炊け ない んだ もの 」
わたくし||ごはん||たけ|||
"I can't cook rice either."
敦子 の 言葉 に 、 夕 里子 は 微笑んだ 。
あつこ||ことば||ゆう|さとご||ほおえんだ
Yuko smiles to Yuko's words.