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三姉妹探偵団 2 キャンパス篇, 三姉妹探偵団(2) Chapter 00 (2)

三姉妹探偵団(2) Chapter 00 (2)

── 少女 は セーター を 丸めて 手 に かかえ 、 ブラウス は ボタン が 飛んで 前 が 開いた まま に なって いる 。

しかも 、 肩 の 縫い目 が 裂け 、 一方 の 袖口 は 、 破られて いた 。 ブラウス は スカート の 上 に 出た まま だった 。

しかも ── 裸足 だ 。

太田 は 、 青ざめ 、 引きつった 少女 の 顔 を 見て 、 何 が あった の か を 悟った 。

少女 が 、 一気に 駆け出す 。 太田 のわき を 駆け抜けた 瞬間 、 絞り出す ような 呻き声 が 耳 を かすめた 。

── 何て こと だ 。

太田 は 、 突っ立った まま 動け なかった 。

「 逃げ ち まった じゃ ねえ か !

と 、 腹立たし げ な 声 が した 。

二〇一四 号 室 から 、 裸 の 男 が 出て 来た 。

パンツ 一 つ と いう 格好だ 。 太田 の 方 に は ちょっと 目 を やった だけ で 、

「 畜生 、 これ から 面白く なる ところ だった のに !

と 舌打ち した 。

「 すみません 。

追いかけましょう か 」 と 、 部屋 の 中 から 、 いやに 舌足らずな 声 が 聞こえた 。 「 もう いい や 。

廊下 で 騒が れちゃ うる せ え もん な 」

その 男 が 神山 田 タカシ だ と いう こと に 、 太田 は やっと 気付いた 。

── TV の 歌 番組 など で 見る 姿 と は 、 あまりに 違って いた 。

太田 は 、 神山 田 の 方 へ 歩いて 行った 。

「 女の子 が 出てった ろ ? と 、 神山 田 は 平気な 顔 で 言った 。

「 ええ 」

と 、 太田 は 答えた 。

「 なに 、 ちょっと ゲーム に 熱中 した だけ な んだ 。

気 に す んな よ 」

神山 田 は ニヤリ と 笑って 、 部屋 の 中 へ 戻ろう と した 。

太田 は 左手 を 伸して 神山 田 の 肩 を つかむ とぐ いと 自分 の 方 へ 向か せた 。

そして 右手 の 拳 を 神山 田 の 顔 へ 、 力一杯 叩きつけた 。

そして 三 年 後 ──。


三姉妹探偵団(2) Chapter 00 (2) みっ しまい たんてい だん|chapter

── 少女 は セーター を 丸めて 手 に かかえ 、 ブラウス は ボタン が 飛んで 前 が 開いた まま に なって いる 。 しょうじょ||せーたー||まるめて|て|||ぶらうす||ぼたん||とんで|ぜん||あいた||||

しかも 、 肩 の 縫い目 が 裂け 、 一方 の 袖口 は 、 破られて いた 。 |かた||ぬいめ||さけ|いっぽう||そでぐち||やぶら れて| ブラウス は スカート の 上 に 出た まま だった 。 ぶらうす||すかーと||うえ||でた||

しかも ── 裸足 だ 。 |はだし|

太田 は 、 青ざめ 、 引きつった 少女 の 顔 を 見て 、 何 が あった の か を 悟った 。 おおた||あおざめ|ひきつった|しょうじょ||かお||みて|なん||||||さとった

少女 が 、 一気に 駆け出す 。 しょうじょ||いっきに|かけだす 太田 のわき を 駆け抜けた 瞬間 、 絞り出す ような 呻き声 が 耳 を かすめた 。 おおた|||かけぬけた|しゅんかん|しぼりだす||うめきごえ||みみ||

── 何て こと だ 。 なんて||

太田 は 、 突っ立った まま 動け なかった 。 おおた||つったった||うごけ|

「 逃げ ち まった じゃ ねえ か ! にげ|||||

と 、 腹立たし げ な 声 が した 。 |はらだたし|||こえ||

二〇一四 号 室 から 、 裸 の 男 が 出て 来た 。 ふた|いちし|ごう|しつ||はだか||おとこ||でて|きた

パンツ 一 つ と いう 格好だ 。 ぱんつ|ひと||||かっこうだ 太田 の 方 に は ちょっと 目 を やった だけ で 、 おおた||かた||||め||||

「 畜生 、 これ から 面白く なる ところ だった のに ! ちくしょう|||おもしろく||||

と 舌打ち した 。 |したうち|

「 すみません 。

追いかけましょう か 」 と 、 部屋 の 中 から 、 いやに 舌足らずな 声 が 聞こえた 。 おいかけ ましょう|||へや||なか|||したたらずな|こえ||きこえた 「 もう いい や 。

廊下 で 騒が れちゃ うる せ え もん な 」 ろうか||さわが||||||

その 男 が 神山 田 タカシ だ と いう こと に 、 太田 は やっと 気付いた 。 |おとこ||かみやま|た|たかし||||||おおた|||きづいた

── TV の 歌 番組 など で 見る 姿 と は 、 あまりに 違って いた 。 tv||うた|ばんぐみ|||みる|すがた||||ちがって|

太田 は 、 神山 田 の 方 へ 歩いて 行った 。 おおた||かみやま|た||かた||あるいて|おこなった

「 女の子 が 出てった ろ ? おんなのこ||でて った| と 、 神山 田 は 平気な 顔 で 言った 。 |かみやま|た||へいきな|かお||いった

「 ええ 」

と 、 太田 は 答えた 。 |おおた||こたえた

「 なに 、 ちょっと ゲーム に 熱中 した だけ な んだ 。 ||げーむ||ねっちゅう||||

気 に す んな よ 」 き||||

神山 田 は ニヤリ と 笑って 、 部屋 の 中 へ 戻ろう と した 。 かみやま|た||||わらって|へや||なか||もどろう||

太田 は 左手 を 伸して 神山 田 の 肩 を つかむ とぐ いと 自分 の 方 へ 向か せた 。 おおた||ひだりて||のして|かみやま|た||かた|||||じぶん||かた||むか|

そして 右手 の 拳 を 神山 田 の 顔 へ 、 力一杯 叩きつけた 。 |みぎて||けん||かみやま|た||かお||ちからいっぱい|たたきつけた

そして 三 年 後 ──。 |みっ|とし|あと