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Fairy Tales, 不思議な岩穴

不思議な 岩 穴

不思議な 岩 穴

むかし むかし 、 ある 島 に 、 牛 を とても 可愛がって いる 男 が い ました 。 男 は 畑 仕事 が 終わる と 、 いつも 海 で 牛 の 体 を 洗って あげる のです 。

ある 日 の 事 、 いつも の ように 牛 を 洗った あと 、 男 は 急に 眠たく なった ので 、 岩 に 座った まま 眠り 込んで しまい ました 。 「 モウー 」 しばらく して 牛 の 鳴き声 に 目 を 覚ました 男 が 牛 の 方 を 見て みる と 、 なんと 牛 が 岩 穴 の 中 へ 引き 込ま れて いる のです 。 「 ま 、 待て 、 おら の 牛 が 」 男 は あわてて 牛 の 首 の つな を 引っぱり ました が 、 いくら 引っ張って も びくとも し ませ ん 。 ( これ は 、 どういう 事 だ ? ) 男 が 、 ふと 下 を 見る と どう でしょう 。 ものすごい 数 の アリ が 集まって 、 牛 を 岩 穴 に 運んで いる のです 。 「 なに くそ ! アリ なんか に 、 負ける もの か ! 」 男 は 力一杯 つな を 引っぱり ました が 、 引っ張り出す どころ か 反対に 自分 まで ずるずる と 岩 穴 の 中 に 引きずり 込ま れて しまい ました 。 ( ああ 、 もう 駄目だ ! ) そう 思った 時 、 あたり が パッと 明るく なり ました 。 「 おや ? ここ は どこ だ ? 」 何と そこ は 広々 と した 原っぱ で 、 きれいに たがやした 畑 が あり ます 。 男 が ぽか ん と して いる と 、 畑 に いた 人 が そば へ やってきて 言い ました 。 「 すみません が 、 あなた が 眠って いる 間 に 牛 を 貸して もらい ました 。 おかげ で 、 畑 を たがやす 事 が 出来 ました 」 畑 の 人 は にこやかに 言った のです が 、 男 は 怖くて たまり ませ ん 。 「 助けて ください ! 牛 は あげ ます から 、 どうか 命 ばかり は ! 」 すると 畑 の 人 は 、 「 いやいや 、 命 を 取る なんて とんでもない 。 あなた が 連れて きて くれた 牛 の おかげ で 、 畑 がた が やせた のです 。 さあ 、 少ない です が これ は お 礼 です 。 どうぞ 、 受け取って ください 」 と 、 たくさんの お 金 を 差し出し ました 。 その お 金 は 、 牛 が 何 頭 も 買える ほど の 大金 です 。 「 えっ ? 牛 を 貸した だけ で 、 こんなに ? 」 「 はい 。 ただし ここ で 見た 事 は 、 だれ に も 言わ ないで ください ね 。 そのかわり お 金 が なくなったら 、 いつでも 取り に 来て かまい ませ ん から 」 気 が つく と 男 は 、 牛 と 一緒に 岩 穴 の 外 に い ました 。 それ から 男 は 何度 も お 金 を もらい に 行って 、 たちまち 大 金持ち に なり ました 。

ある 日 の 事 、 男 の 友だち が 尋ね ました 。 「 お前 、 どうして 急に 大 金持ち に なった のだ ? 」 「 ああ 、 実は な 」 男 は 誰 に も 言わ ない と いう 約束 を 忘れて 、 友だち に 岩 穴 の 事 を 話した のです 。 「 まさか 。 そんな うまい 話 、 誰 が 信じる もの か 」 「 本当だ と も 。 なんなら 今 から 、 その 岩 穴 へ 連れて 行って やる 」 男 は そう 言う と 、 友だち を 岩 穴 の ところ へ 連れて 行き ました 。 「 さあ 、 ここ だ 。 この 岩 穴 に ・・・。 あ あっ ! 岩 穴 が ふさがって いる ! 」 何と 岩 穴 が ふさがって いて 、 どう やって も 中 へ 入る 事 が 出来 なかった のです 。

その後 、 男 は 何 を やって も 不運 続き で 、 ついに は 前 より も ひどい 貧乏に なった と いう 事 です 。

おしまい


不思議な 岩 穴 ふしぎな|いわ|あな Mysterious rock cave

不思議な 岩 穴 ふしぎな|いわ|あな

むかし むかし 、 ある 島 に 、 牛 を とても 可愛がって いる 男 が い ました 。 |||しま||うし|||かわいがって||おとこ||| 男 は 畑 仕事 が 終わる と 、 いつも 海 で 牛 の 体 を 洗って あげる のです 。 おとこ||はたけ|しごと||おわる|||うみ||うし||からだ||あらって||

ある 日 の 事 、 いつも の ように 牛 を 洗った あと 、 男 は 急に 眠たく なった ので 、 岩 に 座った まま 眠り 込んで しまい ました 。 |ひ||こと||||うし||あらった||おとこ||きゅうに|ねむたく|||いわ||すわった||ねむり|こんで|| 「 モウー 」   しばらく して 牛 の 鳴き声 に 目 を 覚ました 男 が 牛 の 方 を 見て みる と 、 なんと 牛 が 岩 穴 の 中 へ 引き 込ま れて いる のです 。 |||うし||なきごえ||め||さました|おとこ||うし||かた||みて||||うし||いわ|あな||なか||ひき|こま||| 「 ま 、 待て 、 おら の 牛 が 」   男 は あわてて 牛 の 首 の つな を 引っぱり ました が 、 いくら 引っ張って も びくとも し ませ ん 。 |まて|||うし||おとこ|||うし||くび||||ひっぱり||||ひっぱって||||| ( これ は 、 どういう 事 だ ? |||こと| )   男 が 、 ふと 下 を 見る と どう でしょう 。 おとこ|||した||みる||| ものすごい 数 の アリ が 集まって 、 牛 を 岩 穴 に 運んで いる のです 。 |すう||あり||あつまって|うし||いわ|あな||はこんで|| 「 なに くそ ! アリ なんか に 、 負ける もの か ! あり|||まける|| 」   男 は 力一杯 つな を 引っぱり ました が 、 引っ張り出す どころ か 反対に 自分 まで ずるずる と 岩 穴 の 中 に 引きずり 込ま れて しまい ました 。 おとこ||ちからいっぱい|||ひっぱり|||ひっぱりだす|||はんたいに|じぶん||||いわ|あな||なか||ひきずり|こま||| ( ああ 、 もう 駄目だ ! ||だめだ )   そう 思った 時 、 あたり が パッと 明るく なり ました 。 |おもった|じ|||ぱっと|あかるく|| 「 おや ? ここ は どこ だ ? 」   何と そこ は 広々 と した 原っぱ で 、 きれいに たがやした 畑 が あり ます 。 なんと|||ひろびろ|||はらっぱ||||はたけ||| 男 が ぽか ん と して いる と 、 畑 に いた 人 が そば へ やってきて 言い ました 。 おとこ||||||||はたけ|||じん|||||いい| 「 すみません が 、 あなた が 眠って いる 間 に 牛 を 貸して もらい ました 。 ||||ねむって||あいだ||うし||かして|| おかげ で 、 畑 を たがやす 事 が 出来 ました 」   畑 の 人 は にこやかに 言った のです が 、 男 は 怖くて たまり ませ ん 。 ||はたけ|||こと||でき||はたけ||じん|||いった|||おとこ||こわくて||| 「 助けて ください ! たすけて| 牛 は あげ ます から 、 どうか 命 ばかり は ! うし||||||いのち|| 」   すると 畑 の 人 は 、 「 いやいや 、 命 を 取る なんて とんでもない 。 |はたけ||じん|||いのち||とる|| あなた が 連れて きて くれた 牛 の おかげ で 、 畑 がた が やせた のです 。 ||つれて|||うし||||はたけ|||| さあ 、 少ない です が これ は お 礼 です 。 |すくない||||||れい| どうぞ 、 受け取って ください 」 と 、 たくさんの お 金 を 差し出し ました 。 |うけとって|||||きむ||さしだし| その お 金 は 、 牛 が 何 頭 も 買える ほど の 大金 です 。 ||きむ||うし||なん|あたま||かえる|||たいきん| 「 えっ ? 牛 を 貸した だけ で 、 こんなに ? うし||かした||| 」 「 はい 。 ただし ここ で 見た 事 は 、 だれ に も 言わ ないで ください ね 。 |||みた|こと|||||いわ||| そのかわり お 金 が なくなったら 、 いつでも 取り に 来て かまい ませ ん から 」   気 が つく と 男 は 、 牛 と 一緒に 岩 穴 の 外 に い ました 。 ||きむ||||とり||きて|||||き||||おとこ||うし||いっしょに|いわ|あな||がい||| それ から 男 は 何度 も お 金 を もらい に 行って 、 たちまち 大 金持ち に なり ました 。 ||おとこ||なんど|||きむ||||おこなって||だい|かねもち|||

ある 日 の 事 、 男 の 友だち が 尋ね ました 。 |ひ||こと|おとこ||ともだち||たずね| 「 お前 、 どうして 急に 大 金持ち に なった のだ ? おまえ||きゅうに|だい|かねもち||| 」 「 ああ 、 実は な 」   男 は 誰 に も 言わ ない と いう 約束 を 忘れて 、 友だち に 岩 穴 の 事 を 話した のです 。 |じつは||おとこ||だれ|||いわ||||やくそく||わすれて|ともだち||いわ|あな||こと||はなした| 「 まさか 。 そんな うまい 話 、 誰 が 信じる もの か 」 「 本当だ と も 。 ||はなし|だれ||しんじる|||ほんとうだ|| なんなら 今 から 、 その 岩 穴 へ 連れて 行って やる 」   男 は そう 言う と 、 友だち を 岩 穴 の ところ へ 連れて 行き ました 。 |いま|||いわ|あな||つれて|おこなって||おとこ|||いう||ともだち||いわ|あな||||つれて|いき| 「 さあ 、 ここ だ 。 この 岩 穴 に ・・・。 |いわ|あな| あ あっ ! 岩 穴 が ふさがって いる ! いわ|あな||| 」   何と 岩 穴 が ふさがって いて 、 どう やって も 中 へ 入る 事 が 出来 なかった のです 。 なんと|いわ|あな|||||||なか||はいる|こと||でき||

その後 、 男 は 何 を やって も 不運 続き で 、 ついに は 前 より も ひどい 貧乏に なった と いう 事 です 。 そのご|おとこ||なん||||ふうん|つづき||||ぜん||||びんぼうに||||こと|

おしまい